古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

新しいギターを作っています

前回のブログ更新からかなり時間が経ってしまいました。

また忙しくしているのだろうと、思っていただいているようですが、
また、10日ほどでギターを1台作ることになって、忙しくしています。

このブログでは、おなじみの 野村隆哉 先生の 熱化学還元法で加工していただいた、
材料で作った楽器を持ち寄り、楽器材料の研究会を9月21日に行うことになりました。

野村先生に加工していただいた材料で作った楽器はすでに、演奏家の元に行っていますので、
急きょ、楽器を作らないといけなくなりました。

7月末に、2台作ったギターのうち、処理していただいていないほうの、材料で作ったギターが手元に
ありますので、比較するために、加工していただいた材料で作っています。

前回の、処理していただいた材料の楽器は、裏板、横板、ネック材 すべて処理していただいた
材料で作りました。

今回は比較の意味もあって、表板だけ処理していただいた材料で作っています。
表板が、楽器つくりで、とても重要なファクターだと考えていますので、
今回は表板だけ、変えて作っています。

その表板も、熱処理していただいたギター用の材料は、40年ほど前の 佐藤一夫さんから分けてもらった
この材料で作れば、誰が作っても、素晴らしい楽器になる! という、最高の板なので、
今回は、チェンバロ用の材料で、幅が取れるものを使いました。

ギター用の材料に比べると、品質的に劣るのですが、熱処理すると、この程度の材料でも
良い楽器になると言うこと、確認したかったのです。
もちろん、私の材料ですから、30年ほど前にドイツのグライスナーさんから分けてもらった、
ドイツ松の良い材料です。

ということで、今回は7月末に作ったギターとほとんど同じに作っていますが、
糸巻きがペグでなく、機械式のものにしています。

それと、フレッチングは平均律です。


今回、前回と大きく違った点があります。

それは、裏板のアンダーバーの数です。

一般的な 裏板のアンダーバーは下図のようです。


img729.jpg


3本入っているのが普通といいますか、3本以外のアンダーバーの楽器は見たことがありません。

補強用に 一番幅の広いところに2本持ってきて、あと一本は その中間です。

でも、この図面で斜線を入れている部分は、横板の補強があるので、比較的丈夫です。

それに比べて、斜線の入っていない部分は、構造的に弱い部分です。

そこで今回の アンダーバーの配置です。

img730.jpg

写真です。


UNI_0034.jpg


前回の楽器でも、少し考えた部分ですが、今回はさらに考えました。

丈夫な上下部分より、ピッチが細かく入っています。

この程度のピッチだと、裏板がほぼ同じ程度の強度になると考えたのです。

これは、今回の裏板が1.7ミリ程度と 前回の2ミリから2.5ミリに比べて
とても薄いことも、影響します。
裏板を鳴らそうとすると、横板が私の楽器は1.2ミリから1.3ミリなので、
1.7ミリ程度がバランスも取れて、裏板も鳴ってくれる、厚みだと考えたからです。

裏板を良く鳴るような厚みにして、(薄くして)強度不足はアンダーバーで補強することによって、
楽器も軽くなり裏板も鳴ることによって、楽器全体が鳴ってくれると考えました。

裏板など鳴らす必要が無いと考えている製作家の方には、関係ない話かも知れ知れませんが。

最近は、特に楽器全体を鳴らすというより、表板だけを鳴らす方向の楽器が増えていますし。







  1. 2012/09/19(水) 17:09:58|
  2. ギター
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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