古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

野村式熱化学還元法と日光によって処理された材料でのギター作り 3


タイトルが変りましたが、これは野村先生より「燻煙熱処理」としておくと、
ただ単に煙でいぶしただけ、と理解される事が多いので、実際の処理に近いイメージとして
の名称を「野村式熱化学還元法」とした。これからは「野村式熱化学還元法」で処理された
木材と言う事に統一したいとの連絡があったからです。

燻煙熱処理というと、煙でいぶす事しか、イメージにはありませんし、野村先生以外で
煙でいぶす方法で、木材の処理をされている方もいますし、この方も燻煙処理と言う言葉を
使われています。
他にも、木材でなく、食品などを燻製しているところで、木材をいぶしてもらっている人も
いますので、違いをはっきりさせたほうが、誤解が無いようです。

野村先生の 処理法を簡単に説明していただきましたが、新しい呼び方の 熱化学というのは
熱効率がとてもよく、また処理中に歪や内部応力も無くなると言うこと、また、材質そのものが
変化すると言う事で、熱化学という名称になったのだと思います。

そして、今までの、人工乾燥は酸化法ということで、酸化は体にも悪い事ですし、還元での
乾燥処理と言う事が、今までの人乾と大きく違うところです。

この 野村式熱化学還元法 で処理された材料で作った、スピネットとギターがもうすぐ完成します。
スピネットはお弟子さんに、私の設計、施工方法である程度作ってもらって、こちらで仕上げます。
ギターは全て私が作ります。出来上がれば、報告させていただきますので。


と言う事で、ギターの製作進んでいますが、前回のブログで 裏板のアンダーバーの
形に触れましたが、よく考えるとその大きさも考えないといけない要素でした。

そのような、ギターが今まで無かったので、つい私も皆がそうしている、昔からそうしている
の常識にとらわれていたようです。

念のため、トーレスさんから始まって、ブーシェさん、ロマニさんクラスの、
アンダーバーを調べてみましたが、皆同じ大きさでした。

でも、裏板の幅が3本のアンダーバーでは、みな違います。
私のギターでは、ネックに近いほうから、26センチ、23センチ、33センチです。
アンダーバーを単純梁と考えると、モーメントは1次的に増えますので、(最大の曲げモーメントは
中央部分で起きます。)

一番広い、33センチのところで、私は高さを16ミリとしていますので、
一番狭い、くびれの所では 23/ 33 x 16=11mm
ネックに近いバストのところでは、 26/33x16=13mm

となります。

このアンダーバーが、裏板のカーブを保つためと、裏板の強度を補強するためなら、
同じ高さになるほうが、不自然です。

この計算結果のように、アンダーバーを削りなおすと(少しずつ削って、タッピングの音を
聞きながら、作業は進めています)さらに裏板は鳴ってきました。

不要な部分が無くなったのですから、当然かもしれません。
今まで、図面を書いてきて、疑問に思わなかった事ですが、気がつくとなぜ今まで、
そうしなかったのだろうと思います。やはり昔からの、習慣にとらわれていたのでしょう。

少し見難いかもしれませんが、削りなおしたアンダーバーです。

     UNI_0006.jpg


     UNI_0005.jpg

このアンダーバーについては、本数とか、位置のチェックはしました。
例えば もう少し小さいバーを4本、5本入れるほうが良いのか、また逆に本数を減らす
ほうが良いのかは、かなり検討しました。
その結果3本にしています。今までそうしていたから、とか皆がそうしているから、
3本にしたのではありませんので。





  1. 2012/07/16(月) 01:48:13|
  2. ギター
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kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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