古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

燻煙熱処理された材料でギターを作り始めました


燻煙熱処理された材料でギターを作り始めています。

チェンバロの大修理や、アルペジオーネ、スピネットその他の仕事は、8月にまわさせていただきました。


違いが分かるように、3年日に干した材料でも同時に作っています。
もちろん、両方とも、30年ほど前に ドイツの佐藤一夫さんから分けてもらった板です。

確か、以前のブログで 「楽器は1台ずつしか作らない」と言っていたのではないか?
と言われそうですが、今回は、処理の違う材料の違いを見るために、あえて、同時に
2台作っています。時期が違うと、楽器に対する考えも変ってきます。
また、微妙に作り方が違ってきます。
大手メーカーのように、コンスタントに同じレベルの楽器を作り続けるのとは、
違って、常に考えて良い物を作ろうとしていますので。

2週間かけて、1台作って次にもう1台作るよりは、同じ条件、同じコンディションで作ったほうが
比較できると思ったのです。特に今は、梅雨ですので、晴れたときの工程と、雨の日の工程、作業では
内容が違ってきますので。

でも、比較すると言っても、同じ厚みとか同じ構造では作りません。
それぞれの板に合った、最もその材料が良く鳴ってくれる、厚みその他で作ります。

と言う事で、今回の表板です。

     UNI_0981.jpg


        燻煙熱処理された表板です。


     UNI_0982.jpg

      こちらは3年日に干していたほうです。

写真では分かりにくいかもしれませんが、冬目の太さ、間隔、曲がり具合などほとんど同じです。
日に干したほうが、少し柾目に出る斑の量が多いです。その代わり、燻煙熱処理されたほうは、
少し、とんびが飛んでいます。


次に裏板です。

        UNI_0983.jpg


  こちらは、ほぼ同じ木目、比重の木が使えました。

横板は、写真に撮っていませんが、曲げたときに横板の厚みを実感していただくように
写真を撮りました。

燻煙熱処理されたほうは、1.2ミリの厚み。日に干したほうは1.3ミリにしています。

それは、余分な長さを切ろうとした時に、考えられないのですが、新品のレーザーソーの
胴付きの鋸で切ったのですが、材が堅くて鋸が負けたのです。切れなかったのです。
鋸の不良品かと思いましたが、他の木は切れるので、不良品ではなさそうです。
結局 0.6ミリの厚みのレーザーソーで切りました。

やはり燻煙熱処理されると木材は硬くなるようです。
ということで、0.1ミリ燻煙熱処理されていない材料より薄くしています。

比較するローズウッドを探したのですが、一般的な横板の厚みの2.0ミリから2、2ミリくらい
のものがなかったので、1.9ミリのものと燻煙熱処理されていない、1.3ミリと比べてみました。

    UNI_0988.jpg


        1.2ミリと1.9ミリも写真を撮っていたのですが、分かりにくい写真でしたので
こちらを使いました。

これで見ると、1,9ミリでも充分分厚い事がよく分かります。

1.2ミリ1.3ミリだと、アイロンをそんなに高温にしなくても曲がります。
2ミリだと、水に長時間漬けたり、アイロンを高温にして曲げます。そうすると、ローズウッドの中から
油が出てきます。熱によって材質が変化しているのではないかと思ってしまうほどです。

無理に曲げないほうが、木にストレスも与えず、音も自然な響きがするように感じました。
まず、第一に2ミリでは、楽器が鳴りませんし。

いつも思うのですが、なぜ、2ミリの横板が常識になったのか、不思議に思います。



  1. 2012/06/27(水) 01:21:27|
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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