古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

構造、設計  ⑩アンダーバーの形、ブロック材について

裏板のところでも書かせていただきましたが、裏板を曲げるのは(膨らませるのは)真っ
直ぐだと、凹んで見えるので、膨らませているだけです。(と私は考えています)
またその膨らませる量は、少ないほど楽器は鳴ります。
横板でカーブを緩やかにしているのと同じ理由です。
楽器をより鳴らせたい、そのためには余分なものは付けたくないと考えている、
私の考えるアンダーバーの形です。

           img671.jpg

材質は軽くて、強度のある松を使うのは、材料のところで書かせていただきました。

よく見る形は、下図のような形です。私には余分な部分が多いように思えます。

           img670.jpg
              Master Making Guitars 222p より

次にアンダーブロックまたはエンドブロック(ギター内部の一番下、お尻の部分のブロックです。
基本的には横板同士を接合するものですが、裏板と横板、表板を接着する目的もあります)
の大きさです。

比較的小さなブロックを採用している、製作家でも

ハウザーさん  幅 10ミリ   長さ 60ミリ
ロマニロスさん 幅 10ミリ   長さ 90ミリ

一般的な大きさの、ブーシェさんで 60x18ミリ、トーレスさんは 60x20ミリ、
大きいほうの、フレータさんなどは 60x30ミリもあります。

私は、幅 5ミリ 長さ 55ミリ で作っています。薄い部材なので、
どの方向にも力が働く、広葉樹の朴で作っています。
さらに、表面板に接しているところは、ほとんど、
表板にブロックが接していないくらいに削っています。
横板も鳴りますし、表板の振動を邪魔しないようにしているのです。

テオルボやアーチリュート、バロックギターのようにエンドピンを付けて、
帯やベルト、バンドで楽器を持ったとしても、これで充分構造的には持ちます。

リュートなどはもっと薄い部材、鉢巻のような薄い木で補強してあるだけです。
ヴァイオリンや、チェロはエンドピンを付けて弦の張力を受け持つ必要がありますが、
ギターはブリッジで弦のテンションを支えていますので、小さくて、薄くて充分です。

この薄い、エンドブロックにして、なおかつ表板に接触する所は、ほとんど削っているのには、
当然理由があります。

楽器製作で、材料を見るとき、また製作中の楽器や、板などを見るとき、
タッピングと言って、よく叩きます。指の腹であったり、指の代2関節で叩いたりします。

材料や作っている途中の板の厚みのチェックなどは、叩いて、音の延びや、
響き、当然音量とか、音質も見ます。
表板のところで書かせていただきましたが、音は基本的に、冬目で広がります。
そこで、表板の材料の時でも、表板を切り出して楽器の形になった、表板でも良いのですが、
アンダーブロック(エンドブロック)が大きい物と仮定して、しっかりと2センチほど左手で持って、
(ブロックの大きさくらいに)叩いてみると、音は保持している左手に邪魔されて、
ほとんど音は鳴りません。
ただ、叩いたところで、「ゴンゴン」と言ってるだけです。

これは、表板の振動が大きなブロックによって、止められている状況と同じだと思います。

でも、これを、ブロックが小さくて、ほとんど無いという状況と同じように、
少しの面積を左手で持つと、叩いても大きな音で、よく響きます。

楽器の場合、バスバーなどがありますので、単純には考えられませんが、
一番大切な表板が鳴るほうが良いと思われませんか?

少なくとも私はそう考えて、小さくしています。




  1. 2012/06/05(火) 02:15:38|
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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