古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

新しいギターが出来ました。

新しいギターが出来ました。

UNI_0935.jpg


UNI_0943.jpg


そして、札幌に持って行き、早速 4月14日のイベントで使っていただきました。
イベントも、札幌紀伊国屋さんの今までのイベントで最高の入場者だったそうです。
80席用意していて、100名程度のお客さんでした。それも、非常に熱心に聞いてくださる方ばかりでした。
終わってからも、沢山の人が楽器について、質問があったり、楽器を見てくださったりと、
遅くまで多くの皆さんが関心を持って残ってられました。
翌日の朝日新聞にも写真入で記事になっていました。

肝心の楽器ですが、詳しく報告させていただこうと思っています。

今回のギターは、今までと少し違う条件がありました。

まず、製作期間が2週間足らずだったこと。

そして、今までのギターをはるかに越える、良いギターを作ることが条件でした。

(この条件については、このようなブログを書かせていただいていて、お粗末な楽器を
作ることは出来ない、もしお粗末な楽器だったら、ブログを辞めないといけませんので)
また、今回の楽器を製作依頼された、ギタリストの方に、手元にあった以前作ったギターを、
とりあえず使っていただいていたのですが、その楽器よりはるかに良いギターを作りますから、
と約束していましたこともあって、必ず良い楽器を作ることが条件でした。

出来た楽器は、これらの条件を満たしていました。

まず、これまでに作った楽器と違う点、一般的なギターと違う点、を揚げさせていただきます。

① 糸巻きを木ペグにしたこと。
② 35年ほど前にドイツの佐藤一夫さんから分けていただいた、
 ドイツ松を3年ほど日に干してから使ったこと。
③今までは、楓の裏、横ネックで作ることが多かったのですが、今回はローズウッドに
ネックはセドロにしました。
④表面板のバスバーについて、このブログに書かせていただいたように、
ブリッジの転倒モ-メントに抵抗するような、ファンブレース(たこ足バスバー)にした事。

今までのギターはブリッジ周りで、2.7ミリ2.8ミリくらいでしたが、今回は2.3ミリ程度として
その代わり、振動を伝える役目の、ブリッジ下の3本のバスバーを幅3.5ミリ高さ8ミリ程度としたこと。
そして,ヴァイオリンやチェロのバスバーと同じように、端を浮かして、成型した後、接着してプレテンション
を与える構造にした事。もちろん、中央のバスバーは斜めです。
⑤ブリッジの形のさらに必要のない部分は小さくしました。
⑥フレットは樹脂フレットです。そして、フレッチングはナイトハルトの音律です。
⑦ペグボックスに近いほうのナットは、象牙でなく木(スネークウッド)です。
⑧表板のバインディング、裏板のパフリング、バインディングは使っていません。
⑨横板はローズウッドを使ったため、1.2ミリ程度としました。
⑩塗装その他
 
大体以上のようなことです。

ひとつ大事な事を忘れていました。
それは、裏板も少し厚くして、音の深みを増して、指板も少し厚くして音の支えをしっかりさせたのですが、
重さは私の家のキッチンスケールで測って990グラムでした。

少しだけ個別に説明させていだきます。

が、その前に何故2週間でギターを作らないといけなくなったのか、
また何故、その結果良い楽器が出来たのか?を、まず書かせていただきます。

本当はもう少し長い期間で作る予定でしたが、私のギターを北海道に届けるなら、
ちょうど本も出版された事だし(私も載せていただいている「一生つきあえる 木の家具と器」です)
札幌で講演とか何かイベントをしませんか?との事で、
イベントが先に決まって2週間ほどで作ることになったのです。

でも、私はこの2週間という条件を、絶対に失敗は出来ない。
手を抜いては今までの楽器をはるかに越えた、良いものが出来ない。

というプレッシャーとスリリングな状況を楽しみながら作りました。
これが、逆に集中して良い物を作ろうと頑張れたのかもしれません。

いつも、このような状況で作っていては疲れてしまい、良いものが作れないと思いますが、
今回は、今一番興味を持っているギターだから良かったと思っています。

沢山時間があるほうが良いものが出来るとは限りません。

時間が沢山あって、良いものが出来なければ、また作り直せば良い、と考えてしまうと、
その繰り返しになって、ずーーーっと 良いものが出来ないと考えてしまいます。

ということで、個別の事については次回以降書かせていただきますので、
よろしくお願いします。














  1. 2012/04/17(火) 00:41:50|
  2. ギター
  3. | コメント:0
<<新しいギター ① 木ペグについて | ホーム | 出発です>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

最新記事

最新コメント

月別の記事です

カテゴリ

ギター (338)
演奏会 (10)
その他 (21)

私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

訪れてくださった方々

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR