古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

やっと、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラが出来ました。

やっと、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラが出来ました。
日曜日に、名古屋まで届けました。
写真を撮るのを忘れていましたが、姿、形は10分の1のチェロそのものです。
今回の楽器は5弦でしたが、見た目は分数チェロです。
この小さな楽器で、本来の CC の音を出すのが、一番苦労した所ですが、
思ったような音は出てくれました。

今まで、新しい楽器を作っても、初めての楽器でも試作品は作ったことがなかったのです。
今回のスパッラも、初めて作る楽器で、使える物を、良いものを作りたいと、思い作り始めました。
設計もそうですが、材料、削り方、厚みいろんな要素を、これまで作った楽器から得た知識で作りました。
ですから、考えて削って、削ってから考えて、組み立てる前にまた考えて、組み立てた後も考えて、
今、出来る限りの事をやろうとしました。
塗装も、一般的なヴァイオリン的にやっていたのですが、塗り重ねる回数が、20回を越えたころから
楽器が鳴らなくなってきて、後10回重ねれば、さらに鳴らなくなると思い、塗装を全部はがして
やり換えた事もありました。組み立ててから、さらに音を聞きながら、削ったりと。

でも、このスパッラを作っていて思ったことがあります。
スパッラは、チェロのように表板、裏板は横板から少し出ているのですが、
その分、ガンバや、ギターのようには、簡単に作業が出来ず、結構手間をかけました。
でも、この手間が、何十年か、何百年か経って、修理をする時は表板なり裏板なりを外して修理しても、
少しくらいなら、横板とずれても、気にならないようにしてくれるのです。

その点、ギターは作るのは、パフリングやバインディングはありますが、そんなに手間をかけずに
作れます。でも、いざ修理となるとバインディングやパフリングが邪魔になってとても手間がかかります。
ですから、私は見た目の、パフリングは付けていますが、バインディングは付けていません。
ギターを作っている人、使う人はバインディングがあるのが当たり前と思っているようですが、
ないほうが良いとは思いませんか?(私は裏板にはパフリングも付けていませんが)

それと、一昨日若い人たちの演奏会がありました。
モダン楽器でのバロックの演奏会です。
そこで、気が付いた事、(普段思っていること名のですが)ありました。
最近のヴァイリンやチェロの調整の事です。

ここ10年くらいの流行なのでしょうが、魂柱と駒がとても近く調整されているのです。
その結果、楽器は鳴っていなくて、倍音の多い、溶け合わない音。
溶け合わないから、聞こえてくるのですがまるで、ハーモニカやソプラノサックスのような、
チェロの音がするのです。
何故このような、調整にするのか、聞いたことがあるのですが、「この方が、演奏者が良いというから」
「最近は、皆こうしているから」という返事。
演奏会で聞けば、良くないというのが判ると思うのですが、調整を仕事としている人達には、
それぞれの、その世界の常識があるのでしょう。

その世界に、どっぷりはまってしまうと、見えないことが沢山あるということを、再確認
させてくれました。


  1. 2012/03/29(木) 15:55:22|
  2. その他
  3. | コメント:2
<<読み物 < 神様はつらいよ > その① ヴァイオリンの神様 | ホーム | 構造設計 ⑧ ヘッドの大きさ、形、角度など>>

コメント

おお、もうあれがしあがったのですか。
次のギターを楽しみにしています。
ガンバの会と重なるのですが 生徒達が一時帰国していて
http://www.koube.jp/mars2012.xhtml
のようなことをします。私は別の本番と掛け持ちで、ちょいと厳しいのですが
大樹くんは大きな成長をしました。

  1. URL |
  2. 2012/03/30(金) 17:49:58 |
  3. CABOTIN #-
  4. [ 編集 ]

ありがとうございます

CABOTIN さん コメントありがとうございます。

2週間くらいですが、次のギター作っています。(依頼された方が、そんなに早く作って,良い物が出来るの?と心配されそうですが、ギターだとそんな物です)
音律の問題とか(細工の難しい骨棒を作ったり、フレット打ちが難しかったりしますが)今回初めてのことも多いのですが、逆に楽しみです。
出来上がれば、今回は写真を撮っておきますので。
  1. URL |
  2. 2012/04/04(水) 22:33:32 |
  3. kogakki #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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