古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

読み物 その2 考えるということ

考える、頭を使うということで、またあまり面白くない話しになるかもしれませんが、

よろしくお願いします。

歴史上の人物で物凄く頭を使ったという人はそれこそ、沢山いると思いますが、


今回は私の好きなエジソンさんの話です。

エジソンさんは格言をたくさん残しました。

一番有名な格言は、『発明は99%の努力と、1%のインスピレーションである』でしょう。

99%の努力、つまり努力が大切で、インスピレーションは1%あればよいというふうに、
昔、教わりました。あのエジソンさんでさえ、それだけ努力をしたのだから、
凡人の私達は、もっと努力をしないといけないと。

最近は、質問した新聞記者が、エジソンさんの言っている真の意味が理解できずに、
努力が大切という意味に取ってしまって広まってしまった。
本当の意味は違うと言われています。
原文です。

Genius is one percent inspiration and ninety- nine percent perspiration.

これだと、努力は99パーセントなので、努力は大切だということになりますね。
でも、エジソンさんが言いたかったことは、99パーセント努力をしても、
1パーセントのインスピレーションがなければ、発明は出来ない。
いくら努力をしても、インスピレーションがなければ、駄目だと言いたかったそうです。
これは、沢山の楽器作りの友人、知人達を見ていてもそう思います。

次に、私の好きな格言は、考えるということ、頭を使うということです。
これは、日本語で。

『 考えて、考えて、もうこれ以上もうこれ以上考えられないという所から、
考えるのが考えるということだ』

言い換えて、『ほとんどの人は、もこれ以上考えるのは、不可能だというところまで行き着き、
そこであきらめてしまう、やる気をなくしてしまう。いよいよこれからだと言うのに』

とも言ってます。これは、本当にそう思います。

楽器作りで一番大切な、表板の厚み、削り方など、いくら考えても分かりません。
ただ考えるだけでは、上に書いた、ただの努力です。何年考えても分かりません。
いろんなアプローチ、ヒント、他の楽器を調べるなど、そして、実際に作ってみること。
他の人に聞いても、それは他の人のデータであって、自分のものではありません。

これは、本人から実際に、昔聞いた話しです。有名なギター製作家の話です。

修行中に、先生が作る楽器のデータを全て調べて、取っておいたとの事でした。
でも、それは、先生のデータだったので、自分には何の役ににも立たなかったという話です。

無駄な努力ということで、いつも思い出す落語があります。『『崇徳院』という落語です。

知ってられる方も多いと思いますが、
若旦那の一目ぼれの相手を探す熊五郎が大阪中を探すくだりです。
最初の日も、次の日も朝から晩まで、脚を棒のようにして探すのですが、見つかりません。
どのようにして探しているかと聞かれて、ただ闇雲に探しているだけ、
ただ走り回っているだけとこたえました。
それで、きっかけになった「瀬をはやみ~」と叫ばんかいな!と言われて、
「瀬をはやみ~」と叫びながら探すと、探す事が出来たのです。

何も考えず、努力している人を見ると、いつも、この熊五郎を思い出します。
(そういえば、40年近く前に、神戸三宮に「熊五郎」というおいしいラーメンやさんがありましたね)

私は、自慢ではありませんが、頭は良くはありません。
でも、ひとつの事を何年でも、朝から晩まで考え続ける事が出来ます。
頭が他の人の半分しかなければ、倍、その倍、いや10倍考えれば、
普通の人より、もっと先のことが考えられると、今までやってきました。

ギターについても、岡目八目の感じで、20年、30年、40年と考えてきました。
やっと、最近、少しは、ギターについて考えがまとまってきた、と思うようになりました。

もうひとつ、エジソンさんの話です。 これは原文で。

We don’t know one million of one percent about anything.

『我々は、何事についても1パーセントの百万分の一も知らない』という格言。

少しでも、ギターの事が分かるように努力したいと思っています。

今回も堅い話になったようで、すみません。

根が、真面目なんでしょうね。



  1. 2012/02/06(月) 12:38:26|
  2. ギター
  3. | コメント:2
<<構造、設計 ④ バスバー (ハーモニックバー) | ホーム | 追記です。1月29日の分数ギターについて >>

コメント

平山さま。定年間近、ギター作り(現代ギター)初心者です。最近始まったこのブログ、とても興味深く読ませていただいております。実は、ある製作家に弟子入りしたのですが、4,5回初歩から教えて貰ったところで(刃物の研ぎ方、カンナのかけ方、道具のメンテナンス)、現レベルではこれ以上は無理なので、独力で1本作ってみて持ってくるように言われました。教えるのはそれから、と。
ある意味しかたなくコートナルおよびネジメの参考書を見ながら作りはじめましたが、たしかにギター作りの「常識」とされているさまざまなことどもの根拠は何だろう、と考えていました。平山さんのまずは常識にとらわれずほんとうによいもの(材料、工法)を考えるという姿勢はとても共感できます。
これから佳境に入るところ。楽しみに読ませていただきます。
  1. URL |
  2. 2012/02/06(月) 15:41:18 |
  3. Dolphy #02YxnuwU
  4. [ 編集 ]

コメントありがとうございます。

コメントありがとうございます。
こんな地味というか、分かりにくいブログを読んでくださって、理解していただいているのどうか、コメントをいただくと、少しでも安心出来ます。

ギターを作ることを始められたとか、素晴らしい事ですね。
楽器を作ってみたいという人は沢山いますが、実際作る人は少ないですから。

とりあえず、先生の言われるように、作ることが大事だと思います。
教える機会が一番多い、居合いでも、最初はとりあえずやっていただきます。
それから、添削という形が、一番早道のような気がします。

教えてもらっても、その何倍も自分で解決しなくてはいけない問題があります。
それを、先回りして教える事は出来ませんし、してはいけない事だと思います。

最初だから、何も分かっていないから、とにかく形にして、楽器らしいものを作るのでなく、技術や、仕上がりはいつでも、身につきますから、楽器のイメージ、特に
音のイメージを持って作ってみてください。

作りたいイメージを持つことが一番大切だと思っています。

それから、私のギター製作法は、スペイン式ギター製作法から見れば、常識に囚われないで、自由に作っている感じですが、ヴァイオリン、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ、ピアノなどの楽器では常識の事がほとんどです。

音楽も、ギター音楽の常識は、他の音楽の非常識と感じることがあります。
ギター製作も同じで、スペイン式ギター製作法は、一般的な楽器製作から行けば
非常識な所があると思っています。一般的な弦楽器製作法から考えると、常識に囚われているかもしれません。私の方法、考える事は。

でも、私のような考えで、ギターを作っている人はいないと思います。

重要な、表板の話が大体終わりましたので、先はそんなに長くはないと思いますが、これからも、よろしくお願いします。
  1. URL |
  2. 2012/02/06(月) 19:06:53 |
  3. kogakki #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

最新記事

最新コメント

月別の記事です

カテゴリ

ギター (338)
演奏会 (10)
その他 (21)

私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

訪れてくださった方々

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR