古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

コメントをいただいて、リュートとギター

こうじ様

コメントをありがとうございます。

私も、ギターからリュートに転向して45年ほど、リュートを作るようになってから
40年ほど経ちました。

リュート、チェンバロとギター、ピアノとは表板の考えが違うようです。

リュートは、もちろん製作家によって違いますが、またバロックとルネサンスでは違いますが、
1.5ミリから1.8ミリくらいの表板に、ブリッジの下にはバスバーが入っていません。
チェンバロも2段の楽器や、8’8’4’の楽器だと、約200本の弦が張られていますが、
ブリッジの下にはバスバーが入っていません。(ほとんどの楽器が)表板の厚みも
3ミリから1.8ミリくらいです。(楽器によっては2.5ミリから1.8ミリくらい)

それに比べて、ギターは表板が2ミリから2.8ミリくらいでしょうか?
そして、ブリッジの下にバスバーが入っています。

リュートもバロックで表板がもっと厚いものもありますが、ブリッジに弦を張って
テンションがかかってくると、表板のブリッジよりネックの方にかけて下がってきます。
横から見ると、転倒モーメントが働いて、S字カーブになります。
テンションとこのS字カーブがバランスの取れたところで落ち着き、楽器が鳴ってきます。

チェンバロもバスバーがありませんから、テンションを上げていくと(調律でピッチを上げていくと)
表板がS字カーブを描くようになります。これが進行して、弦が表板に当たったり、ブリッジに当たったり
するトラブルも発生する楽器もあるほどです。

ですので、リュートの弦が切れると、バランスが崩れて楽器が落ち着かなくなり、他の弦まで
狂ってくるように思います。

ギター、ピアノはブリッジの下にバスバーが入っていますので、リュート、チェンバロほど
表板の変形は少ないと思いますが、弦を張り替えたり、ピッチを大幅に下げていた時など、
落ち着くまで本来の楽器の鳴りでは無い時間が、結構あるように思います。

ちなみにリュートの1弦(1コース)は3キロくらいのテンションで、他の弦を2.5キロくらいと仮定すると
10コース19弦のリュートだと、約50キロくらいのテンションが、わずか1.5ミリから1.8ミリのバスバーの無い
小さなブリッジにかかってきますので、変形は起こって当たり前でしょうか?
ギターで40キロ前後ですから。

  1. 2017/06/13(火) 00:37:40|
  2. ギター
  3. | コメント:1
<<michimat様がギター2台持って来られました。 | ホーム | コメントをいただいて 弦の固さ?>>

コメント

張り具合

こんにちは
一連の記事に興味があって書かせていただきます。
じつは手元に11コースluteが2つ、弦長66cmと67cmがありますが、同じゲージの弦を張っています。
しかし、押える感触は66cmのほうがやや硬く、弾弦も同様で、不思議に思っていました。
楽器の重量は66cmのほうが重く、ネックやボウルががっちりした作りのようです。
やはり、楽器の構造が弦の張りに反映するのでしょうか。
  1. URL |
  2. 2017/06/18(日) 10:47:59 |
  3. michael #xNtCea2Y
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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