古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

南港ギター展示会そして・・・

まず、最初に親指の怪我の経過報告をさせていただきます。

12日夜に縫合してもらって、21日に抜糸していただきました。
24日診ていただきましたが、これで病院に来なくてよいと言われました。

完全には直っていませんが、新しい皮膚が出来てきて、かさぶたが取れるまでは、
もう少し時間がかかりそうです。でも、炎症の痛みもほぼなくなり、ギターも弾ける状態です。
(22日、23日もギターは何時間か弾いていましたが。)

1年で最もよくギターを弾くのがこの展示会です。
今年に入って、トータルで1時間もギターは弾いていませんが、
両日で3時間くらいは弾いていますので。

本当に皆様に心配をおかけしましたが、何とか目標の
3週間の半分でほぼ直りましたので、ありがとうございました。


さて、本題の22日、23日の南港での展示会です。

展示の部も、展示楽器の演奏も年々少しずつ盛況になって来ました。

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大きい部屋での展示楽器の演奏


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私の展示ブースです。
楽器保護のためと、雰囲気を出すためにいつもの布がかかっています。

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私達は別室のような感じの所で展示です。
少ない人数なので、ゆっくり試奏もしていただけました。

今年は、野村先生の熱化学還元処理をした材料と、自然乾燥の材料で作ったギターの
比較ということで、興味を持ってくださった方も多かったように思います。

私の楽器に興味を持っていただく方は、やはり熱化学還元処理をした方の楽器が良い、
好みだと言われました。

でも、自然乾燥の楽器のほうが、気軽に弾けるとの声もありました。

私の考えるギターの完成形(楓での)に近づいている楽器は熱化学還元処理された楽器なので、
理解していただけた方が多かったのは、嬉しい事でした。



そして、今回の展示された楽器では、新しい方や、まだ作り始めて間がない方の楽器に
私の好きな楽器がありました。

作った方の演奏を聞かせていただいても、非常に音楽的な表現をされる方だったので、
なるほどと思いました。
外見や、仕上げはまだ、1台目ということで改良の余地は沢山ありましたが、
今回の展示楽器で私が一番弾きたい楽器でした。

昔、チェンバロ奏者、指揮者の鈴木雅明さんに言われた事があります。
「製作家の一番良い楽器は1台目の楽器」と。
その時は、「それじゃ、製作家は何のために更に良い楽器を作ろうと、努力しているのか、
分からない」と言いましたが。

でも、私も製作を始めるまでは演奏していました。
演奏する立場からだと、そういうことも感じていました。

知識や技術が無くても、製作した人の人間性や、才能は1台目に
一番よく現れていると思います。
ギターでも、同じ人が作れば、モデルが、ブーシェモデルでも、ハウザーモデルでも
その人の音がするように。

あと、2台目をやっと作り上げた、友人のお弟子さんも格段に良い楽器を作っていました。

ベテランの方々は、それぞれ自分の持ち味を更に深めて行っているようでした。

それと、少し嬉しい事が。

それは素晴らしいギターを作ってる友人が、弦長61センチのとても良いギターを
作られていたと言う事。
自分用ということでしたが、自分で使う時は更に半音下げて弾いているとも。
とてもバランスもよく、まとまりもあって、音楽的な表現が出来る楽器でした。
「こんな楽器が増えるといいね」とその友人と話をしていました。

それから、新しい出会いも。

神戸垂水でギターの弦を作ってられる、フィガロ株式会社の藪さんです。
フィガロということで、40年ほど前に、リュート用やガンバ用にガット弦を
作ってもらった会社と同じ名前なので、お聞きすると「それは、私の父です」
と言う事でした。

試作の低音弦をいただきました。
また、ギターに張って試させていただこうと思っています。

製品として、ギター弦を作ってられるので、知識も沢山お持ちで
良い弦を作りたいと言う熱意のある方でした。
もうすぐ、市販されるそうです。
私は、高音用の弦が楽しみなのですが。

そして、私も考えている事、チェロやヴァイオリンの弦のように、平たい巻き弦は
出来ないかと言う事も聞きましたが、すでに実験されているようです。
でも、なかなか難しいとの事でした。


それと、沢山のギターを弾かせていただきましたが、3本に1本くらい
5弦が不良振動しているのです。

良い楽器なのに,5弦が不良振動していて、楽器の価値を損ねているギターも
結構ありました。残念な事ですが。

これも、楽器が弾ける、正しく弾けることで、すぐに分かると思うのですが。

ここで、正しい振動している弦の見分け方を少し。

弾いてみて、耳で聞いてもよく分かるのですが、新しい楽器だと
楽器のせいかも?と思ってしまうこともあると思います。
(楽器が正しい振動をさせないようにしている、楽器もありますので。)

その場合は、正面から弦の振動を見るのです。
正しい振動をしていると、弦の振動の一番外側に弦が見えます。
外側に2本の弦が見えます。

不良振動していると、弦が何本にも見えます。
また、真ん中に見える弦が動いたり、移動したりします。

6弦は質量の関係か不良弦は少ないので、6弦と見比べるとよく分かります。

私は、何年も弦を張りっ放しにしていますが、不良振動を起こし始めると替えますし、
張ったばかりの弦でも、不良振動しているとその弦は使いません。

最後に、今日の篠山の桜です。
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八重桜は、今が旬です。


  1. 2017/04/27(木) 00:48:35|
  2. ギター
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ギターのサイズ

はじめまして

ギターのサイズと調律に悩んでいたところ、こちらにたどり着きました。

私はこれまでにクラシックギター標準サイズでA=440hzにしてきました。ここ最近、年齢を重ねるごとにギターが大きく、持ち運びも重く感じるようになりました。

それと、A=440hzがここよくなくて、半音下げにしました。

コードにこだわらないで自分の弾きたいように音を出しているとここちよくて、やっと自分らしい音の世界になってきました。

それで、ギターのサイズをひとサイズ小さく、シニア向けのギター、ナイロン弦で、何かおすすめのギターがあるでしょうか。ヒントをいただけるとうれしいです。

考えてみると、ギターのサイズは誰を基準にしているのでしょう。

ギターは指で弾いていると思っている方が多いと思いますが、肉体の細部まで筋肉を使っているので、サイズとフオームはとても重要です。また高齢になると体力の減退などの対処法、このようなことをギター教室ではほとんど教えてくれません。





  1. URL |
  2. 2017/05/09(火) 18:44:07 |
  3. momo #mQop/nM.
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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