古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

弦の話

日ごろから考えている事なのですが、こんな事を書くと楽器屋さんから嫌がられるだろうな、と言う事かもしれません。

弦の話は今年の1月25日にチェロの弦のことを書かせていただきましたが、今回は
もう少し話を広げます。

弦楽器、特にヴァイオリン属やアコースティックギターなど、スチール弦を使う弦楽器についてです。

ヴァイオリン属と言っても、モダンヴァイオリン属の話です。

スチール弦を張った弦楽器が好きになれないと言う、私の特殊な趣味趣向、好み、
こだわりから来ているかもしれませんが。

ヴァイオリン属においては、良い楽器はオールドと呼ばれる、200年以上経った楽器が良いとされています。
もちろん、現代の楽器でも素晴らしい楽器はありますが。

アコースティックギターでも、良いものはヴィンテージとして、年数が経ったものが高額の値段で取引されています。
どうして、こんなに高い楽器を使わないといけなくなったのでしょう?

よく、テレビでもストラッドやガルネリなども超高額の楽器と安い楽器とのブラインドテストが行われています。
その番組などなどを見ていると、プロの一流と言われている音楽家でも結構、間違っているようです。
弾いている演奏家はもちろん、大きな差を感じているのですが。

その原因が弦にあるのではないかと、思っているのです。


ヴァイオリンにしてもチェロにしても、ものすごい数の弦が市販されています。
値段も安いものから、高いものまで。

チェロなどは安いと言っても結構高い弦が普通に売られています。

前にも(今年の1月25日)モダン楽器用の弦の巻き線を解いて、ブログを書かせていただいた事がありますが、
あのように手間と材料を使って、複雑な振動のしにくい弦が作られているのです。

そこで、何を考えたかと言いますと、元々音楽を表現するための素材として、ふさわしくなかった
スチールを弦に使ったことから、楽器はオールド、ヴィンテージと呼ばれる、
高価な楽器を使わないと、音楽が作られる音にはなりにくくなったのでは?と言う事です。


ビブラートの多用も、弦に原因があると思います。
ガット弦ならそこまで、ビブラートを使わなくても、音楽は作れる所を、
なんとか音楽にふさわしい音にするためにビブラートをかけなければいけない、
必要悪のように使われているように感じてなりません。

ギターは幸い、ナイロン弦があって、最近はフロロカーボンや
イタリアのメーカーのように独自の素材を作って弦を供給されているので、少しはましだと思います。

でも、戦後ナイロン弦が使われてから、60年以上経っています。
最近は19世紀ギターや、バロックギターを演奏するギタリストの方も増えてきていますので、
ガット弦に触れる、聞く機会も増えました。

しかし、ほとんどギタリスト、ギター愛好家の方にとって、ナイロン弦のクラシックギターが前提のようで、
さらに良い弦の必要性を感じてられないように思います。

良い弦とは、やはりガット弦の響き,音質、音の密度、音の立ち上がり、
音の暖かさなどを持った弦が私には良い弦だと思っています。

これは、ヴァイオリン属ではもっと、切実に感じています。

ピラストロ社などは、ブランド名でコルダという裸のガット弦も発売されていたり、
サバレス社などの弦も高価ですが手に入ります。

でも、これらの弦は主にバロック楽器用として販売されているので、一般の方にはあまり縁がないようです。
ガット弦と言うことで、オイドクサやオリーブと言った、芯がガットの弦も販売されていますが、
これらは何重にも巻き線が巻かれて、ガット弦の値打ちが無いように思えます。

もっと、良い弦、ガット弦に近い弦が発売されれば、高い楽器を買わなくても音楽が楽しめると思うのです。
アコースティックギターの弦も、ステールを前提にされていますが、スチールでない金属で、
もっと音楽が楽しめる弦が作られると良いと思っています。高くない楽器でも。

しかし、そんな事を考えているのは、私くらいかもしれませんので、
そんな弦が作られる可能性はほとんど無いのでしょうね。

時間が出来れば、弦についても少し動いてみようと思っています。



  1. 2016/12/21(水) 23:09:26|
  2. ギター
  3. | コメント:1
<<展示会のお知らせ(来年の話です) | ホーム | 近況報告>>

コメント

ギターの弦

最近、低音弦をラベラのポリッシュ弦(真鍮の巻き弦でメッキ無し)を使い始めました。高音弦はフロロカーボン弦です。ラベラの弦はメッキ弦とは違い高音弦との違和感もあまりなく寿命も長いようです。値段もポリッシュ弦ににも関わらす普通のメッキ弦と余り変わりません。おすすめの弦です。
  1. URL |
  2. 2016/12/22(木) 09:12:20 |
  3. こけやま #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

最新記事

最新コメント

月別の記事です

カテゴリ

ギター (329)
演奏会 (10)
その他 (20)

私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

訪れてくださった方々

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR