古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

長年の疑問 が解消

パッサメッツオ アンティコの演奏会のリハーサル中に 楽譜が出来上がっていたのですが、
楽譜だけブログでアップさせていただくより、下手でも音源があったほうがと思って、今日
ブログにアップさせていただきました。

それは、モッツアーニ作曲 フェステラリアーネ ラリアーネ祭とも呼ばれている曲です。

私も、50年近く前にギターを習い始めた頃、発表会で弾かせていただきました。

その頃から、「なんか変な曲だな? 取って付けたようなアルペジオとかトレモロが
ぴったり来ない曲だな?」と思っていたのです。

それが、2013年にユーチューブで新間英雄先生が発表されていて、疑問が
解消しました。
https://www.youtube.com/watch?v=MWSpK9RGsgg

モッツアーニさんが作曲したと言う、20世紀初頭より前に、1889年にボストンで Luis T Romeo
さんが出版されているのです。ペルーの歌 「Peruvian  Air」と言うタイトルで。

また、同年Joe Sanche さんがオリジナルとして メロディア ノクターナ 「Melodia Nocturna」のタイトルで
出版されています。

これらの楽譜を手に入れた、モッツアーニさんが編曲して 20世紀初頭の パリ国際ギター作曲コンペティション
で発表し、優勝したようです。

モッツアーニさんの楽譜では、テーマが終わってから、アルペジオの変奏が出てきますが、この二人の楽譜
にはありません。テーマ部分でも、内声部の8分音符の伴奏もありません。ここが昔弾いていて
違和感を感じた所です。

これ以外でも、音の違いや、和音の違いも沢山あります。低音の動きや、装飾音符や
聞かせどころの、1弦 ソから12フレットのミに飛んで、またソに戻る所は、二人とも
ミに戻っています。以前は普通にはソに戻る事をやっていたので、ものすごい違和感がありましたが
楽譜どおりに弾いています。


そして、トレモロで演奏される第2変奏部も、なにか中身が無いような気がしていました。

ロメロさんの楽譜ではこれが3連譜なのです。3連譜で弾くと、中身が出てきて、密度が増え
音楽が表現しやすくなります。サンチェさんの楽譜では、最初の1小節だけ3連譜ではないのですが、
後は全て3連譜になります。(新間さんは楽譜がおかしいと書かれています)

これは、テクニックが無くてトレモロだ下手だから、と言う理由もあると思いますが、
3連譜のほうが、このメロディにはぴったり来るのです。私には。



少し前にはそのユーチューブを見させていただいていたのですが今回楽譜が出来たので、
ガンバを作っている所なので、木をくっつけて、待っている間に演奏もしてブログに
アップさせていただきました。

数回練習しただけで、半時間ほどの 録画とユーチューブへのアップでしたので、いつも以上に
練習不足というか練習もせず、アップさせていただいています。
見ていただく方には、申し訳ありません。

最初は、楽譜だけアップさせていただこうと思っていたのですが、下手でも音源があったほうが
良いだろうと思って、ミスばかりの演奏ですが、アップさせていただきました。

最初は ルイス ロメロさんの楽譜です。

img20160728_20514220.jpg

演奏は

http://
それを元に3連譜の楽譜を作りました。

img20160728_20582987.jpg
img20160728_20590119.jpg

演奏は



そして ジョー サンチェ さんの楽譜。

img20160728_20565361.jpg

演奏です。




楽器は、先月作りました 2台のギターの内、還元熱処理していない材料で作ったギターです。

長年寝かせていた材料で作ったので、最初から雰囲気のある、響きも豊かな楽器です。
反応も良い楽器ですので、出来てから1時間も弾いていないのですが、弾きやすい楽器です。

還元熱処理された材料の楽器は、8月28日に西垣さんの演奏会で使っていただくために、
先日リュートと一緒に持って行かせていただきました。

西垣さんに弾いていただくと、この楽器の持っている全ての性能が引き出されるようです。

その時の話です。

私がこのモッツアーニのトレモロ部分が原曲では3連譜だという話をすると、西垣さんは逆に
それだと曲が速くなってしまうので、メロディ部分の音の数を増やしていると言われました。

確かに、アルハンブラ宮殿の思い出を西垣さんが弾くと、メロディ部分の音が4つか5つで
弾かれていたのを思い出しました。アストリアスもメロディ部分は倍の音が入っていましたね。

それと、他の人のブログで、アマチュアでも 上手な人は ソルのセゴビアさん編の 20の
エチュードとカルカッシの25のエチュードは弾いているという話がありました。

でも、私はプロでも弾けてる人はほとんどいないと思っている、と話したら。

西垣さんは あの イダ・プレスティさんがカルカッシのエチュードが弾ける人はいない、
と言っていたと、言われていました。

もちろん、アマチュアの話をしているわけではありません。

時々、他の人のブログを読ませていただいていて、「なんて、難しい曲を弾いているのだろう。
その曲は10年まじめに練習して、10年先20年先にやったほうが良い曲なのでは?」
と思うことがあります。

弾く事が不可能な曲を練習して、しんどい思いをしなくても、と思うことも。

最後に モッツアーニさんのフェステラリアーネはこんなにテクニックがあって
歌う事が出来る人が弾く曲ではないかと思っている動画を紹介させていただきます。

https://www.youtube.com/watch?v=HtMynZftSsc

クラシックばかりをやっている人ではなく、こんな曲も美しく歌って弾かれています。

https://www.youtube.com/watch?v=ucJdCgEwoy8

  1. 2016/07/28(木) 23:24:54|
  2. ギター
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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