古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ソル op6-11 について

トヨサキ様

貴重な、ご意見と資料の紹介ありがとうございました。

時間不足の資料の精査不足、思い込みなど間違った事を書いてしまったようです。

早速、前回のブログ訂正させていただきます。

トヨサキ様からのコメントで、ソルに関する出版物を作品順に書かれているサイトを紹介いただきました。

http://fernandosor.free.fr/SorOpusAngl.html

とても、貴重で有用な資料をありがとうございました。

時間をかけて、全てを見ていないのですが、とりあえず、出版された版元等が分かる
作品を調べてみました。

表紙やタイトルが分かるものは、OP 3,4,14,15,23,33 くらいだと思います。

Op 3 については、1がCastro 2が Meissonnier
4はロンドンでLavenu 14,15,23,33 については、Castro と Meissonnier
の出版のように見えます。

肝心の72小節の内声部ですが、このオリジナル譜では、トヨサキ様のご指摘どおり、
ブライアン・ジェフリーさんと同じでした。

私が何を基にしたかといいますと、膨大な楽譜がアップされている、
ペトルッチの楽譜からです。

http://imslp.org/wiki/12_Etudes,_Op.6_(Sor,_Fernando)

表紙を見ると、ベルリンのシムロック版でした。

こちらは出版年は分からないのですが、20世紀に入ってからのものと思いますので、
トヨサキ様の資料の方が古くて、オリジナルだと思います。

ただ、このOP 6 がどこで出版されたものかが、私が見ると分かりませんでしたが、
Op4と同じ楽譜に見えます。これはロンドンで出版されたもので、ソルさんがその頃活躍していた
のはロンドンなので自然な事だと思います。

版元が分かっている、Castro と Meissonnier の楽譜とは記譜が違うようです。

特によく分かるのが、8分休符です。休符の棒がまっすぐなのです。

Castro と Meissonnier だと、一般的な休符によくあるような、斜めの棒です。

このOP 6 と同じような記譜はOP 8,9,13 で見る事が出来ました。
これらも、ロンドンのLavenu さんが出版した物だと思われます。

現代ギターの中野二郎さんのソルの曲集には、出典を明らかにして
版による違いを、細かくあげておられます。

手元には、第2集しかありませんでしたので、OP 6 の載っている第1集を
早速注文しました。

届くと、もう少し分かる事があると思います。

ブライアン・ジェフリーさんの本には、出典が書かれていませんので、
何の版を基にしたか分かりませんが、9ページのEx31の指使いで参考に
書かれている楽譜が、トヨサキ様に教えていただいた、楽譜と同じ8分休符なので、
ブライアン・ジェフリーさんはこの楽譜を基にしていると思いますので、彼の出版した楽譜もそうなっていて
当たり前の事でしょう。

ブライアン・ジェフリーさんのOp6 の解説では、1815年か1817年の出版とあるようですが、
中野二郎さんの本には、ボーンと言う人によれば、1819年に作品1がロンドンで出版されているようです。

また、Meissonnier さんはパリで1814年から出版を始めたようです。
そして、カルカッシなど多数のギター曲が出版されたとあります。

第2集しかなく、肝心のOp6がないのですが、中野さんの第2集では Op 35,60
については、ウジェール版がなく、20世紀に入ってからのシムロック版などを基にしたとあります。
(中野さんによれば、最初 Meissonnierから始まった出版業務がMeissonnier et Heugel
の時期を経て、Heugel単独に引き継がれたとなっています。そして、現在ではHeugelの出版目録
からは全てのソルの作品は抹殺されていると書かれています。)

中野さんは出典や版による違いなど詳しく書かれています。
私には中野さんの本が頼りになります。

本当に、トヨサキ様貴重なコメントと資料をありがとうございました。




こんな事を書いていると、音楽学者の方たちは、「素人が何を言っているんだ?」
と思われているかもしれません。
私も、ブログやフォーラムなどを見ていて、楽器の事について
分からない人たちが、間違った事を書かれていることについて、
思わずコメントしてしまいそうになりますが、そんな事をしていると
いくら時間があっても足りなさそうなので、やめています。

一楽器製作家が余り時間も使わず、資料を詳しく調べもせず、
音楽の事について書いてしまっていることも多いと思いますが、
これからも、何かお気づきの点がありましたら、よろしくお願いいたします。






  1. 2016/07/07(木) 10:29:54|
  2. ギター
  3. | コメント:2
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  1. |
  2. 2016/07/08(金) 10:55:42 |
  3. #
  4. [ 編集 ]

急ぎの走り書きをしてしまいます・・

原典の問題、私見です。 初期の出版や手稿譜はもちろん参考にはなりますが、それがただしいとは限らない、、
というよりは五分五分の感じと違うかな?

ボーンの本、、当時としては貴重なもので、日本のマンドリンや古いギターの方はそれを原典にされています。いまとなっては半分は妄想で書かれています。なかなか素敵な小説として読まれるのにはよいのですが・・正しい部分をさがすのが難しい本です、たぶんグーグルなどで全部無償でアップされていると思います。

ソルの初版も確定するのがむつかしい、たとえば 所謂魔笛も随分初期からまったく違った形で゛出版されています(これはサイトの図書館でも確認できるとおもいます)。故郷のカタロニアでもあまり発見されていないもののごく初期の出版があります。

で、さて軽視されがちな友人のアグアドや弟子のコストによる手が入ったものは? これらがソルの確認なしで出されたとは思いにくい(私はそう感じる)、、音楽的な価値は別として、厳格な和声のトレーニングを受けていなかったソルはアグアドを信頼していた部分もあります。
また魔笛の序奏など、もちろんフリーメースンの表明なわけですが、コストはパリのメーソンの支部会長をしていたので、和音をメースンの三和音に類似するように書き換えた、、これはこれでオリジナルかもね? とも感じます、ソルがほんのすこしためらったことをコストが実行した・・・のとちゃうかな?? 
ま・・でも 音楽を楽しむのに原典 なんちゃら・・といって・・無駄な時間をつかうより楽しく弾けたほうがよいように思いますが・・・・走り書きすみません。

走り書き追記。
例を挙げた方が良いかもと思いつつ,当該のソルでも例が多すぎて困るのです。例えば1805年に出版された主題と七つの変奏,魔笛と同じようにごく初期のものです。これについては,研究家故菅原さんの尽力によって,最後の変奏は出版した人物が書きくわえた,と判明。古い初版を忠実に弾くとソルの作品ですらない、ということが起きる訳です。調べることは大切かも知れないけれど,結局は 愉しむ感性の方が大事かも,と言うのが私の意見です。多分、有名な魔笛も同じストーリーのような気がするのです。
ブーシェさんの話題 先月岡本一郎先輩と食事をしながら話題になりました。私がブーシェさんから聞いた話しもなかなか愉快なのですが、また帰国してから話しをさせて下さい。
  1. URL |
  2. 2016/07/08(金) 14:03:05 |
  3. CABOTIN #ArGM.iJY
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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