古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

良い楽器とは?

原稿がほぼ出来上がっていましたので、最も気になる問題について書かせていただきます。

良いギターとはどんなギターでしょうか?

100人に聞くと、100の答えが帰ってきそうです。また、実際そうかも、しれません。

 ここで書かせていただくことは、あくまで、私の考る良いギターです。
独断と偏見で書いていますので、それでも、構わないようでしたら最後までお読み下さい。

100人いると100通りの良いギターの回答があるのが、本来の姿ではないかと、思うのです。
そして、トーレスさん、ブーシェさん、ハウザーさん、ラミレスさん多数、ロマニロスさん、
などモダンスペインギターを頂点として、それらが良いギターとされていること。

頂点のこれらのオリジナルのギターが手に入らないと、これらのコピー楽器を手に入れたいと思う人が沢山いること。

もちろん、これらのギター以外の楽器がベストだと思っている人が沢山いることは、
現代ギター誌の中や、その特別号でよく分かります。「愛器を語る 1,2」

そして、なぜその楽器が自分にとって、愛器なのかその理由も書かれています。

主な理由は大雑派に言うと「その楽器が最も自分の音楽を表現しやすい」と言うことだと思います。

アマチュアの方に比べて何倍もの練習量、勉強量、そして、仕事として、その人の持っている音楽を伝える
仕事を続けていること。テクニックはもちろん音楽性も日々研鑽されている、方々の選ぶ楽器なのです。

昔、よくギターを弾いていたころ、こんな経験をしました。それは、良い(高い)ギターに買い替えると、
それまで弾けていた曲が弾けなくなって、弾けるように戻るまで、何ヶ月かかかったことを。

それは、良い楽器ほど反応が良く、微妙な表現が出来る代わりに、
更に繊細なテクニックが必要となって来るからだと思っていました。

楽器にもよりますが、良い楽器ほどしっかり弾いてあげないと、楽器が鳴ってこないとか、弾けば弾くほど鳴ってくる。
反対に、悪いタッチだと楽器が鳴らない。もっと言えば、楽器が鳴らなくなってしまうとか。悪い音を覚えてしまうとか。



このブログを読んで下さっている、方はほとんど趣味でギターを弾いている方だと思います。

豊富な練習量と勉強の量、質の方もいらっしゃるかも、しれませんが練習の時間が余り取れない。
勉強の時間が余り無いという方も多いと思います。そんな方にとって、どんなギターが良い楽器なのでしょうか?

たとえ、リサイクルショップで買った5000円のギターでも、外国で作られたいわゆる名器でも、
楽器としての基本が守られている楽器でなければ、いけないと思います。

それは、まず、楽器が鳴っていること。これは、アマチュアの方によく見られる、
力の入りすぎを防止するのに有効です。

もう少し書き加えると、力を入れなくても鳴ってくれる楽器。反応の良い楽器。

こんな、楽器だと、力を入れたり、何か表現したい時には答えてくれます。

そして、音が明瞭でクリアーな事。こんな、楽器だと、和音を弾いても濁りません。

次に良いギターの条件は、音程が正確な事。

さすがに、最近の楽器はフレッチングが狂っている楽器は見なくなりましたが、ブリッジの位置が悪くて、
音程が上ずっている楽器があります。

12フレットでの弦長の2倍の所に、ブリッジの骨棒を持ってくると、音程が上がって、しまうのです。
しよっちゆう、調弦をしている人がいますが、この原因の場合が結構ありました。

ブリッジの骨棒は少なくても、2ミリはありますから、弦が接触している山を弦長が一番長く取るようにすると、
音程が合う事が多くありました。こうすると、ほとんど調弦しなくなったという経験を沢山しています。

このような楽器かどうかは、12フレットを押さえた音と、ハーモニックスの音と比べると直ぐに分かると思います。
(弦が悪い場合もありますので、1弦,2弦、3弦、4弦などもチェックしましょう)

ブリッジの位置がもっと悪い楽器もありました。その場合は、ブリッジの位置を変えました。

弦高の高い楽器も弾きにくい楽器です。私は原則12フレットの位置で、1弦が約2.5ミリ6弦が約3ミリです。
ブリッジの骨棒が悪い楽器と弦高が高い楽器は後からなんとか、出来る場合もありますので、
絶対条件ではないかもしれません。

話があっちこっちに行って申し訳ありません。これからが本題です。

今まで書かせていただいたような、条件がある程度クリアー出来ていれば、
値段の高い国産の手工ギターや外国製のギターでなくても、体に合った大きさのギターのほうが、
音楽は楽しめるのではないかと、思うのです。

少しのタッチで音が変わってしまったり、微妙な繊細なテクニックを求められる、プロが使うような楽器より、
無理しなくても楽に弾ける楽器のほうが、弾いている人には、良い楽器なのではないでしょうか?

プロでも、微妙なタッチを気にしなくても、弾ける楽器を選んでいる人もいますし。
弦長58センチ59センチ60センチ61センチの楽器では、中には高級な楽器もありますが、
はとんどは10万円以下の楽器。中には数万円、それ以下の楽器もあります。

もちろん、名工が心を込めて作った名器には、その楽器でなければ、得られない魅力があります。
でも、その楽器を弾きこなすための努力が、必要です。でないと楽器に失礼かもしれません。

でも、そんな努力をしなくても、体に合った、手に合った、弾きやすい楽器、
タッチをそんなに気にしなくて済む楽器で音楽を楽しんだほうが、楽しいのでは?と思うのです。
私たちの年代の方には。



  1. 2016/07/06(水) 14:30:11|
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  2. 2016/07/06(水) 15:52:46 |
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kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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