古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

体に合ったサイズの楽器を弾くシリーズ その2 チェロ について の補足

前から書かせていただこうと思っていましたので、続けて書かせていただきます。

チェロを始めて 20時間 の演奏をユーチューブにアップしてから余りチェロは弾いていません。
でもタイトルに関係したようなことについて、いくつか体験しましたので書かせていただきます。

先日、といってもかなり前ですが、バロックヴァイオリンを見たい方が来られて、チェロもやっているということで
チェロを弾いてもらいました。

そうすると、エンドピンを充分に伸ばして、チェロの肩を肩甲骨のあたりで支えて、とか一般的なチェロ奏法
を教えてくださいます。

それからすると、バロックチェロのように楽器を立てて、体に密着させて演奏するのは、有り得ないことのようでした。

まして、3/4 の楽器を使うということは、モダンチェロ奏法では考えられないようです。

3/4のチェロと言うと、身長が 135センチから155センチの方が使うのが一般的だとされています。
ですので、160センチを超えている、一般的な日本人の大人は 4/4 を弾くのが当たり前ということです。

でも弦長 63.5センチの3/4 と 69.5センチの 4/4 では、ギターで言う2フレットから5フレットの長さが
1センチほど違います。

具体的な数字をあげると、弦長 69.5センチだと2フレットと5フレットの差は 9.9センチ
人差し指を1フレットに拡張する場合は、13.5センチ
これに比べて 63.5センチだと それぞれ 9.0センチ12.4センチになります。

ギターの場合だと、弦長が65センチで、 9、2センチ 12.7センチです。

たった1センチかもしれませんが、フレットがないチェロでは、その1センチの差が大きいのです。
ギターだとフレットから離れていても、音は出ますがチェロの場合本来の場所に指を持っていかないといけませんので。

2フレットに 人差し指 5フレットに 小指を持ってくるのが、ファーストポジションなのですが、
私は精一杯広げても、人差し指と小指は14センチくらいなので、3/4 の弦長が合っていると思っています。
精一杯広げなくても弾きたいので。

それと、この記事を書こうと思ったのは、私のブログをよく読んでくださっている、ブログ友達の方が
小さい楽器で始めるのは、ずるするようで、いやな感じだ、というようなことを書かれていました。
私はそんなことは考えたこともなかったので、考えてしまいました。

どっちみち、チェロは飛んだり跳ねたりするので、とも。

でも、少し歳を取られてから始める方で、実際に ガンバを トレブルから始め、テナーにバスガンバの弦を張り
それに慣れてから,6弦の小型のガンバに移られた方がいます。(最近は大型の7弦ガンバを弾きたいと
言われています)

昨年からガンバを始めた方も、とりあえず テナーガンバですが、弦を張り替えてバスガンバの調弦にして
使ってもらっています。

楽器に慣れたら(チェロのようにエンドピンがなく、体で保持することも最初は大変なので、そして指も
弦楽器が初めての人にとっては、広げるのが大変なので、少しづつ楽器に慣れて、指を広げてもらっています)
本来のバスガンバを弾いてもらおうと考えていますが。

私の周りの友人たちには、チェロもガンバもバロックっチェロも弾く人がいます。
またチェロ奏者でもバロックとモダン両方弾く人が多いのですが、その人たちも
モダンは4/4 バロックは 3/4または 7/8という人が多いのです。

歳を取ってから、あこがれのチェロを始めたいという方には3/4 で ガット弦を張った、クラッシクくらいのコンディション
の楽器を勧めています。これだとエンドピンもありますし。

ガット弦を張った3/4 だと、弦の張力も弱くて、ガット弦だと、弦を弓で捕まえることも比較的簡単です。

それに、ガンバでビブラートをかけなくても音楽的な演奏は出来るように、
ガット弦だとビブラートをかけなくても、音楽的な音がするのです。
そうすると、初心者の方が、早くビブラートをかけなくては、と思わなくて済むのです。

モダンチェロがあんなにビブラートをかけるのは、有機質なガット弦に比べて
無機質なスチール弦では、ビブラートをかけるのは、必要悪のようなものだと
言う人もいるくらいですから。ビブラートをかけないとガットのような有機質な音がしないとも。

モダンの初心者で中途半端なビブラートをかけて、またポルタメンもをかけて
演奏していると、正確な音程を取れるまでには長い時間がかかると思います。

その点、ガット弦の小型の楽器だと比較的早く音程が取れるようになると思っているのですが。

音程がある程度取れるようになれば、楽器が大きくなっても体が反応してくれて
音程は取れると思います。

でも、これは チェロに何を求めているのかによって、変わってくるのかもしれません。
朗々と大きな音で鳴るチェロを弾きたいと思っている方には、回り道だと思われるかもしれません。

私などは、出来ればクラッシクのコンデションまでの楽器を弾きたいと思っているので、
このような事を考えるのでしょうか?





  1. 2016/03/17(木) 00:04:10|
  2. ギター
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  2. 2016/04/04(月) 16:59:26 |
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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