古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

体に合った楽器を弾きませんか? その2 チェロ  そして実際にチェロを弾いて感じたこと。


以前のブログで紹介させていただいたように、チェロの練習を始めました。

と言っても、昨年末に何時間か弾いただけで、今年に入ってからは弾いていませんでした。

ので、昨日あたりから少しは弾いておかないと、という感じで弾いています。

どんな楽器を弾いていると思われますか?

1月7日のブログの写真の中の、右端の2台が 3/4 と言われている、分数の楽器です。
世界標準として、言われているのが 弦長63.5センチです


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普通のチェロが 4/4 と言われて、弦長が 69.5センチくらいです。

楽器の胴体も 4/4 が 長さ 75.5センチに対して  69センチくらいです。

7/8 という楽器がありますが、これは弦長 67センチくらいでレディースサイズと言われています。

3/4 楽器は一般的には子供用の楽器とされています。

でも実際に弾いてみると、私には 3/4 の楽器が限界です。

無理をすれば、フルサイズの楽器も弾けないことはないのですが、
体を壊しそうです。

それは、チェロだけを弾いている人は感じていないと思うのですが、チェロが5度調弦だということです。

ギター、リュート、ガンバは 4度が基本で,長3度のところもあります。

5度調弦を言うことは、半音階を弾くと、6フレットまで押さえないと次の弦に移れないのです。

ということは、小指の出番が多いということです。

チェロは5度調弦なので、2フレットに人差し指が来る、ファーストポジションが基本です。

その場合、例えば 4弦の開放弦は ド なのですが、シャープがつくと 
1フレットまで人差し指を拡張して押さえないといけません。

3弦のソ も 2弦のレ も 1弦のラ も 1フレットを押さえないといけない場合が多いのです。

また、4弦のド から ファのシャープまで指を拡げる必要があります。

それも、フレットがないので 自分の力で弦を押さえないといけないのです。

大変でしょ。

ですから、私は ギターの弦長よりも短い 3/4 の楽器を使っているのです。

そして、それに ガット弦を張っています。
一台の方に、そして 0.5ミリ程度のナイロンのフレットもつけています。

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これは、音程を正しく取った場合の指の感覚を覚えるためです。

この程度の細さだと、ガンバやギターのように、フレットから離れると、音程は全然合いません。

音程がある程度身についたと思ったら、フレットを付けていない同じ弦長の楽器で練習するのです。

今まで、フレットのある楽器ばかりを弾いてきましたから、正しい音程を取るのが非常に難しいのです。

もちろん、指の感覚、体の感覚が身に付けば フレットは外します。

そして、正しい音程を取るために調弦のし易いウイットナー社のギアー内蔵の微調整の効く
ペグにしています。慣れない楽器ですので。

63.5センチの楽器に ガット弦とナイロン芯の弦を張り、ピッチも半音低い A= 415 で弾いています。
もちろん、、弦高はかなり下げて弾きやすくしています。

これでも、フレットがないのでかなり押さえるのに力がいります。

まして、弦長が 69.5センチあって スチール芯の弦を 440 のピッチで弾くことなど、
私には不可能です。

若い時にチェロをやってみたかったが、時間がなく ある程度 歳をとって、
時間も出来たから、若い時からの憧れのチェロを練習しようという人にとっても、
このスチール弦の弦長 69.5センチ 440ピッチの楽器は無理だと思うのです。

弦楽器、それも擦弦楽器を弾きたいという方がいらっしゃったら、まずガンバを勧めますが、
どうしてもチェロでなければいけない! という人には、まず、3/4 ガット弦のピッチ415
を勧めます。

でも、これを許してくれるチェロの先生がどの程度いるでしょうか?

バロックチェロをやっている先生なら、全然問題はないのですが。

東京でも、友人がかなり長い時間をかけて探したようです。

それと、大きなチェロが小柄な女性でも男性でも、年配の方でも
弾けそうに思わせるのが、エンドピンの存在ではないかと思っています。

エンドピンがなければ、バロックチェロやガンバのように、足で挟むことになります。

そうなると、4/4 の楽器は まず楽器を保持することが難しくなります。

その結果、分数サイズの 3/4 の楽器を選ぶ人が多くなると思うのですが。

でも、弦のところでも書かせていただきましたが、チェロに何を求めているか?
も問題になると思います。


二十年ほど前になりますが、丹波で教育委員会と私でサロンコンサートを10回ほどやっていた時期があります。

10回記念と言うことで、モダンのカルテットとモダンフルートで演奏会をやりました。

その時のチェロの方が見事な演奏で、カルテットのチェロとしての役割を充分に果たされていました。

下で支えたり、表に出たり、影に回ったりと。それは、それは見事でした。

でもその演奏を聞いたヴァイオリンをやっている人はその演奏が下手だと言うのです。

その人の言うのには、もっとガンガン弾かなければ、もっと大きな音で、と言うのです。

カルテットや通奏低音で近所迷惑なチェロを聞くことがありますが、そんなチェロが良いようです。

ピアノでも同じ事を感じます。近所迷惑なピアノ演奏が多いと感じます。
特に、最近の日本でのピアノは。

その近所迷惑なピアノに伴奏してもらう時に、ピアノに負けまいとしているようなチェロが多いようです。

またそのようなチェロを聞きたいと思っている人が多いのでしょうか?

このような、近所迷惑な大きな音のチェロをイメージしていると考えると、
多くのチェロをやっている方が 4/4 のチェロを選び、スチール弦を選択することに納得がいきます。

でも、近所迷惑になることを目的にしていないのなら、3/4 の楽器で、
ガット弦を張り 415のピッチで弾く方が、はるかに進歩も早く、音楽的な
演奏が身に付くと 私は思っています。

次に弓の問題もあります。

モダンチェロの弓だと、ほぼ弓を持つ位置が決まっています。

ガンバやバロックチェロの弓だと、弓の重さやバランスなどで持つ位置を
変えることができます。

ですので、私は バロックチェロの弓と 3/4 用の弓を使って練習しています、
今のところは。

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4/4 の弓を決められた場所で持つと、今の段階だと、私には重すぎますので。

チェロは大きい楽器なので、ヴァイオリンを作るときのように、指で楽器の、特に表板の
チェックが為難いと言われています。
それが、チェロの名器が少ない理由だとも言われています。

同じ人がつくれば、むしろ7/8 や3/4 の楽器の方が鳴っている場合もあるようです。

私が使っている楽器は、弓とケース合わせても、5万とか8万円のものです。
これで、充分練習はできます。
(調整や駒を返たりしてますが

5弦チェロを作るために始めた、チェロの練習ですが、
4弦チェロを5弦に作り替えた報告がネットで見ることができます。

それを読むと、5弦にすると4弦に比べて楽器が鳴っていない、ウルフが出る、
1弦がトレブルガンバのような音がするとか、書かれています。

これは、私は単純に 4弦でバランスの取れていた表板に、
もう1本弦を増やすことによって、圧力がかかりすぎ、
楽器が鳴らなくなったのではないかと、思っています。

63.5センチの楽器でも、415とか430 のピッチの方がよく鳴っていると感じます。
この楽器を440に上げると、私には楽器が鳴っていないように思えますので。

(それは、安物の楽器でお前の腕が悪いからだと言われそうですね、まだチェロを初めて
10時間くらいしか経っていないのですから)

次回は、私の練習方法、私が考える早く上達する方法を書かせていただきたいと思っています。
(先生に習っている方には必要がないかもしれませんが)



  1. 2016/01/28(木) 00:59:06|
  2. ギター
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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