古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

昔からの憧れの曲を弾く 第2回

秋は演奏会が続いているのに,修理や雑用が山のようにあって、気分が焦っています。

でも、こんな時だから余裕を持って仕事をしようと、昔から憧れていた曲をアップすることにしました。

(ハンガリーかドイツのことわざに、仕事が山のようにある時は、まず山のように食べることから始めよう、
言うようなことがあったと思うのですが、最近はお腹が減ったら食べようとしていると,1日1食の日が多いです。
食べる代わりにギターを弾こう ということで)

その曲は、ジョンウイリアムス作曲、編曲がギタリストのジョンウイリアムスという、少しややこしい曲です。
そう、シンドラーのリストです。

昔、ジョンの演奏で、6弦をCまで、5弦をGまで下げて、演奏していました。

弾きたい、一番の目的が、私の作った(私が設計した)ギターだったら,6弦を C ドまで下げても
問題なく鳴ってくれるだろうと思っていて、試したかったという、不純な動機も含まれますが。

CDなどでは、雰囲気よく6弦が鳴っているのですが、ユーチューブのライブなどでは6弦は
あまり鳴っていません。緩いテンションの音がしました。

そこで、ジョンさんが編曲している楽譜を見ましたが、とても弾けるものではありません、私には。

そこで、簡単に弾けて原曲の雰囲気が残る、編曲の出番です。

まず、オリジナルサウンドトラックの雰囲気を残して、前奏を付けて、ヴァイオリンなどはオクターブ上で弾いていますが、
ジョンさんの編曲でも13フレットあたりまで出てきます。

そこは、得意のオクターブ下げで。

またポジションもなるべくローポジションを使って。
ユーチューブで見ると、皆さんハイポジションを使って、ビブラートも沢山かけて
歌ってられるのですが、この映画の重さを考えると、ローポジションの方が良いように思いますので。

そこで、まず ジョンさん達と同じ 6弦 C 5弦 G で編曲しました。

img055.jpg
img056.jpg

そして演奏です。

これでも、次に紹介する6弦 D の編曲に比べて10倍くらいは練習しているのですが。



何回か録画したのですが、やはり曲の難度に比べて、練習量が不足しているので、
なんということはないところで間違ったりして、この程度の演奏で申し訳ありません。

でも、この弦長61センチのギターで6弦を C まで下げるということは、65センチ弦長の
楽器を H シ まで下げるということですから、良く鳴っていると思いませんか?普通に。

10弦ギターの最低音が バロック式と呼ばれる低い方の調弦で C ド です。
それでも鳴っていないので、太い弦を張っています。

でも、この曲は練習はあまりしたくないのです。それは、左手が難しいというか
拡げることが多く、指を痛めそうなので。

次のこの曲を 1音下げた編曲を作りました。

譜面も読み安い、イ短調ですし。

調弦も6弦を D に下げるだけです。

圧倒的に弾きやすくなります。

楽譜は 


img053.jpg
img054.jpg

こちらはほとんど練習していませんが、左手は楽ですので、もっと練習して
私の、レパートリーにしたいと思っています。



編曲も原曲に近いことをしようと思えば出来ますし、演奏も音楽のことを考えながら弾くことができます。
上の楽譜だと弾くのが精一杯ですから。

それと、演奏スタイルが変わったと思われませんか?

楽器の大きさと身長の関係でお世話になった、ドイツのミハエルコッホさんは
もう一つ、立奏を勧められていました。

以前は、自分の都合の良いところだけ使わせていただいたのですが、
この方も、考えさせていただきました。

それは、立奏までには抵抗があるが、ストラップの使用はクラッシクギターでも
利点が多いのでは?と考えたのです。

立奏になってしまうと、古い私の年代の方たちは、流しのギターを思い出してしまうでしょう。

クラシックギターが昔はオケで使われる楽器に比べて、低い位置にありました。
その原因が流しのギターや、軽音楽でギターが沢山使われていたのも、その一因
ではないかと考えると、ストラップの使用に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

昔の、一般的なギターの評価を示すエピソードがあります。

それは、昔 NHKで武満徹さんがテレビの音楽を作った時に、ギャラが楽譜を清書した
奥さんより安かったという話を、本人が何かでしゃべっているか、本で読んだことがあります。
それで、NHKの人にその理由を聞くと「ギターみたいな楽器で作曲するから安いのです」
との返事だったそうです。今では、考えられないことですが。

でも、最近は リュートの人たちも、19世紀ギターを弾いている人たちも、
ストラップを使うことが増えました。

ストラップを使うと、楽器の大きさに関係なく、(小さな楽器、19世紀ギターなどは小さすぎて持ちにくいのです)
理想の演奏姿勢がとれること、や足台を使わなくても良いので、腰の負担が少ないことなど、良いことばかりだと思います。

さらに楽器製作家の目から見ても、楽器が鳴るのが最大の魅力です。

ギターレストや、補助具のようにギターへの負担もほとんどありませんし。

とりあえず、間に合わせの物でやってみましたが、アコースティックギターのストラップを今
注文しています。

また、使用感や使用方法など書かせていただきます。


  1. 2015/11/17(火) 00:37:27|
  2. ギター
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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