古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ヴァイス チャコーナをもう少し


相変わらず忙しくしていますが、私が編曲させていただいた、ヴァイスさんのチャコーナ
を練習されていると聞いて、もう少し説明をさせていただきます。

前回の楽譜には 小節数が書いていませんでしたので、書いたものをまずアップさせていただきました。



img021.jpg

img022.jpg

img023.jpg

楽譜は同じですが、96小節の 低音のドが四分音符になっていましたが、2部音符に訂正しました。
でないと、小節内の音価が合いませんので。

あとは順番に 説明させていただきます。

img020.jpg

また見にくい楽譜で申し訳ありません。

小節数を四角く囲っていますが、まず 2小節目

私は左手の小指が一番力も小さく、また指も細いので、小指が一番安定するように
抑えますので,6弦の5フレットでも人差し指や中指と同じように押さえることができます。
でも、一般的な押さえ方では、やはり小指は力が弱く、大切な低音が低音の響きがしないので、
薬指で押さえるようにしました。

7小節目は指使いが書いていませんでしたので、書きました。

9小節目も 小指を薬指に変更しています。

でも、この場合 6弦は巻線が太いので、左手の移動の際に弦の摩擦音
キュ キュ という音がしやすいので、少し力を緩めたり、指を浮かすように
配慮する必要があります。

10 11小節目は2 → 1 の移動ではなく 1 → 1 の移動の方がスムーズでしょうか。

14小節目は 左手の拡張がなくて、この方が楽な人もいますかも。

16,37小節は 最初の 2小節目と同じように 4から3への変更です。

44小節目は 6弦の移動を 2の指を滑らせて移動します。
3 → 2 の移動に比べて 間違いは少なくなる可能性はありますが、キュ キュ音の低減には
注意をしなくてはいけません。

57小節目は 2分の一セーハを 2,3で押さえていますが、この方が音はクリアーで
次の和音への移動が楽になります。 でも、セーハのほうが楽だという方もいると思いますので、
試して やり易い方でやってください。

64、65小節目は 運指の変更ではありませんが、最低音の音符が楽譜通りに延ばせません。
でも、一音 一音はっきりと弾くと、響きも残りますので、楽譜通りの演奏にはなりませんが、
これで良いかな?と思っています。

75小節目はオクターブ下げたことによって起きた問題の箇所です。
原符では74小節の最後の音はオクターブ上の ミ で75小節の最初の音は
オクターブ下の ミ なので 問題ないのですが、オクターブ下げると 同じオクターブの
ミ が 3回も続きます。そこで以前の楽譜では 装飾音符で変化をつけたのですが、
どうも 唐突な感じがしますので、 ファ ミ ミ レ とディビジョンの形にしました。
ここは お好みで。

86 88 小節目は 6弦の左手の変更ですが、変更すると、指は安定しますが、
ここも キュキュ音に気をしないといけません。

91小節目はセーハのほうが動きは楽なのですが、音は 2.3.4で押さえると
音がクリアになります。これもやりやすい方法でやって頂ければと思います。

96小節目もオクターブ下げたことや、ギター用に編曲したことからの問題もあるのですが、
バロックフルート、トラベルソとの2重奏が前提の楽譜をソロに編曲した問題の箇所だと思います。

原符どおりに弾いても、少し面白いリズム、思いがけないところに休符が入るというか
間が空くというのも面白いのですが、トラベルソのパートを少しいただいて、(あくまで
私の考えるトラベルソパートですが) ミレミド のパートをオクターブ下で入れました。

97小節目は 96小節目から ミ レ ド シ ラ と下がってくる音形にしていましたが、
原曲では 97小節の最初の低音はオクターブ下がっていますので、せっかく6弦を
レまで下げているので、オクターブ下げると少しは原曲の雰囲気が出るようです。

今回の変更点 はこれが正しい、これが良いという観点では書いていません。

ご自分で、試して見られて この方が弾きやすい、音楽的な表現がし易い、
という方を 選んでください。

もちろん、演奏される方が その方にあった運指を考えてくださることが一番だと思います。










  1. 2015/09/01(火) 01:36:22|
  2. ギター
  3. | コメント:4
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コメント

運指と解説をありがとうございます。

また、じっくり見てみます。こちらからは、
23小節目、伴奏のソが3。メロディーのドシラ、ソラソファ、ミシラシ。ドシラのドが4、ラが1と教室で教えていただきました。
一応最後まで通せるようにはなったので、きょう試しに録音をしてみたんですが、
低音が話にならないぐらい小さかったので、消しました。これだけはいくら簡単に編曲してくださっても難しいです。
代わりに月光を録音してブログにアップしました。
練習曲としては弾いていません。前の先生とお別れしてもうすぐ1年になります。きょうが最後にお会いした日です。
そういう気持ちで弾いています。
http://dai2kasuteramilk.blog.fc2.com/blog-entry-546.html
  1. URL |
  2. 2015/09/01(火) 23:41:31 |
  3. カステラミルク #BiW9zHfY
  4. [ 編集 ]

できるだけ緩い編曲、、というのはとてもよいことだな、と感じます。
音楽・・というのはウンチクのためにあるのではなくて・・ ほんとうに音楽が一人の慰めとなれる、そのことが大切なような気がします。

チヤコナ,,たぶん皆様御存知のことだとは思いますが、バッハの いわゆるシャコンヌも原題はチャコナですし、その視点からみるとシューマンの(よく古楽から非難される)二重奏編曲もけっしてキワモノではなくて、、意外とバッハの本質に近いもののような気がします。そういう即興的な重奏化、、たとえば いわゆるリュート組曲の前奏曲とバッハ自身による重奏化のBWV29 もどちらが伴奏・・ともいえないものだし前奏曲だけを弾くことがダメということでもないですね。

で、私自身の発言もすこし修正させてください。
バッハのパッサカリアでは、そういう重奏化はないかも・・・ といっていましたが、、よく思い出すと、、私自身がその例を聞いていたことを思い出しました、昔、即興の名人ピェール・コシュローとフィリップ・ボーザンがカテドラルの対面大オルガンで
即興でこの曲を重奏化したのを聞いていました。
ふたりとも、スコット・ROSSの先生ですね。
  1. URL |
  2. 2015/09/02(水) 22:19:33 |
  3. #ArGM.iJY
  4. [ 編集 ]

いいのかな、と思いつつ、つついてみています。

64小節目
ラ-
ド-ミ-ラ-ド-ミ

4(6弦7フレ)-
2(5弦)-1-2-1-0

一応できます。
  1. URL |
  2. 2015/09/18(金) 15:15:48 |
  3. カステラミルク #vaMsObP6
  4. [ 編集 ]

連投、申し訳ございません。

15:15のコメントの補足です。
6弦を押さえ続けることはできないのですが、音が残るからいいかもしれないと思って、ちょっとやってみています。

原譜はどうなっていますか?
先生がこの箇所の扱いを非常に気にしておられて、編曲の趣旨は難易度を下げることとご説明させていただいたのですが…
  1. URL |
  2. 2015/09/18(金) 20:46:52 |
  3. カステラミルク #2ihp8wdI
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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