古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

演奏会のお知らせ  その他 コメントを頂いて


 貴重な演奏会のお知らせです。

いつもは、クリスマスコンサートくらいでしか聞くことのできない、西垣さんのコンサートです。
それに、今回は お弟子さんの 松本大樹君の演奏も聞けます。
そして2重奏も。

神戸 御影の 世良美術館で、8月8日 午後3時30分開演です。
会場も ギターにぴったりの大きさ、雰囲気 音響です。
(世良美術館は 小磯良平さんのお弟子さん 世良さんの美術館です)

松本大樹君は 西垣さんに習い、ニース、パリで勉強されました。先生の西垣さんのように
すでに、国際コンクールの審査員もされています。

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曲目も 他の演奏会ではなかなか聞けないような、興味深い曲目が並んでいます。

コメントを頂いている、居合について少しだけ。
ギターの演奏にも繋がると思っているお話です。

コメントいただいた 居合の動画は

https://www.youtube.com/watch?v=6Me9S2JXDDA

でご覧いただけますが、色んなことをお伝えしたくてテロップがうるさくてすみません。

実は、この動画を撮影していただいた頃は、私は忙しくなって休席といって、
席はおいているが、毎回の練習には参加しなくても、参加できる時に参加すればよい、
という状態になって、1年ほど経った時の 動画です。

練習していた頃は、ほぼ 毎日 500本くらいの素振りに、50本くらいの型の
練習をしていました。(宗家は1日 1500本くらいは素振りされています。)

でも、1年 素振りも全然していなくて、居合の練習には時間が取れていませんでした。

たまたま、知り合った映像作家の方に、居合の撮影をしてもらうことになって、
私がいなくては、申し訳ないので、練習に1年ぶりで参加しました。


https://www.youtube.com/watch?v=FVOI80CH8e0

のような、組立打ちも 1年ぶりでした。

6年で7段 印許をいただきましたが、これらの技は 身についているようです。

他の流派の方に、どうすれば硬いゴザがあんなに簡単に切れるようになるのか?
と聞かれますが、この組立打ち(これは3連打ですが、基本は 2人でします)
をしないと、無理だと思います。と答えています。

1本目などは、防具もつけずに顔面から1,2センチのところで止めます。
私などはこれが普通だと思っていますが、剣道の高段者でも、防具無しでは
怖いと言われます。

それと、刀の使い方、素振りの仕方です。

動画で素振りや刀の振りを見せていただきますが、見るだけで
切れない素振りや刀の振りをしている人はすぐ分かります。

脇がしまっていない、とか 力が入っているとか、スピードが遅い
(力が入っていると、スピードは遅くなります)刀を強く握っているとか、
見れば、誰でもわかることがありますが、一番 見るべき点は
刀がどこから落ちているか、振れているかです。

下手な人は、うっかりすると 手元、鍔あたりから落ちています。
かなり上手な人でも、刀の 半分くらいです。

硬いゴザでも竹でも簡単に切っている人は、切っ先から落ちています。

初段、2段くらいの人で 切れたり、切れなかったりしている時は、
刀の真ん中あたりから落ちているので、注意させていただくと、
切っ先を意識して、切っ先から落ちるようになると、簡単に切れます。

それは、刀を大きく振ることによって、切っ先から落ちるようになるのです。
(理由はこれだけではありませんが)そして、刀を軽く持って、振っている時は
力を抜けています。
練習中は いつ刀を抜いても、上手な人は すっと簡単に抜けるほど、刀を軽く
持っています。私たちの流派は皆そうです。

動画で、ゴザを切っている時は、ゆっくり刀を振っているようですが、
切る瞬間は速く振っています。特に宗家などはいつもそう感じます。

これは、楽器も同じだと思います。
リュートでも、チェンバロでも、ピアノでも 力を抜いて、スピードを上げると
良い音、大きな音がします。音が出る瞬間だけ力は入ります。
そして、音が出た瞬間に力を抜くと、音が延びていきます。

これは、のこぎりで木を切る場合もそう思います。
上手な大工さんや職人さんはとても早く、のこぎりで
木を切ります。私も早いほうだと思いますが。

この木を切る時も、力を抜いてのこぎりを持って、切る時だけ
力を入れ、スピードを上げます。本当に力を抜いて、のこぎりを持たないと
早く切れませんし、まっすぐ切れません。

ギターの場合は、力を抜くことで、指のスナップ、バネが出て、
ちょうど鞭のように、スピードが出ると思います。
力を抜くことばかり強調しましたが、それは必要な力があってのことなのです。
全然力がない人が、力を抜いて弾いても、それなりの音しかしないことがあります。
(楽器にもよりますが)ギターを弾くためには、ピアノを弾くためには、チェンバロを弾くためには
リュートを弾くためには、そのために必要な力が必要なのです。

居合で 1日 千本以上素振りをするのは、理想の刀の動きを目指していることも、
目的の一つですが、刀で切る時の必要な力を身につけるための練習とも考えられます。

幸い、私は毎日体を使って、力を使いながら仕事をしているので、1年間、
居合の練習をしていなくても、ゴザが切れるのだと思います。

居合の話ついでに、ゴザも私たち実戦居合の流派では、(870年以上前に生まれた、
戦国時代、実際に戦場で使われた居合の流派です。)刀は 蛤刃と言って、刃先の角度は
鉈より鈍角の刀です。それに比べて、江戸時代、実際に刀を使わなくなった頃の
刀は試し切り程度にしか使いませんから、剃刀刃と言って刃先の角度が鋭角の刀でした。
もちろん時代によって、全てそうだと言えませんが、そういう刀が多かったようです。

現代の刀も、柔らかいゴザや竹を切ることが多いので、剃刀刃の刀が多いようです。

それで、わたしが使っている刀を作ってくれた、刀匠の話です。
アメリカで日本から居合をやっている人が来て、デモンストレーションでゴザを切っていたそうです。
そこに、友人の刀匠の友人のアメリカ人が、蛤刃の刀を持っていて、これでゴザを切って欲しいと、
持っていったそうです。予想通り、柔らかいゴザも切れなかったそうです。

蛤刃の刀だと、硬い竹の節も切れますし、節を狙って切ることもします。
戦国時代に 蛤刃でなければすぐに刃が欠けるでしょうから。

私も3段くらいの時に、ある日 急に 刀を重く感じなくなったというか、軽く感じて
持っている感覚がなくなりました。そうすると、いくらでも、いつでも切れるようになりました。
(私の刀は特に重い、硬い刀です)
日頃の練習で刀で硬いゴザを切るための力が付いたのでしょう。

幸せなことなのですが、西垣さんの演奏を沢山目の前で聞かせていただいています。
本当に美しい音ですし、大きなホールで聞いても、大きな音で聞こえます。
本人もほかの人の倍の大きさの音で弾くことができると言われていたと思います。

西垣さんはとても力が強い方です。握力計も壊れるくらい?
力を抜いていても、ほかの人が力を入れているより、力が入っているのでしょう。

それで、あんな綺麗な音がするのだろうと、思ったことがあります。
(あくまで、私の考えです)

ピアニストでも、チェンバリストでも、上手な人は美しい音、芯のある音、
遠くまで届く音、を出すための力持ちだと思ったことがよくありました。

すっかり長くなってしまってすみません。

次回はギターについて書かせていただきます。










  1. 2015/04/28(火) 22:48:06|
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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