古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

不思議に思うこと その?



マンドリンの弦は不思議に思うことの筆頭でしたが、モダンヴァイオリン、モダンチェロ、モダンヴィオラ
の弦についても、不思議な弦というか、諸悪の根源は弦にあるといっていいほど、問題のある弦ばかりです。
その弦に少し縁がある話です。

ギターコンチェルトの代名詞のようなアランフェス協奏曲ですが、作曲されたのは1939年、初演は1940年
だったのは、ご存知の方は多いと思います。

その当時の楽器、というかオーケストラで最も大切な弦楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
コントラバスの弦はほとんどガット弦だったと思うのです。
ヴァイオリンで 1弦、E線くらいはスティールだったかもしれませんが。

ギター協奏曲で一番問題になるのは、バランスの問題だと思います。
それは、皆さんそう思われていると思います。

だったら、何故、初演当時と同じ ガット弦を使ったオーケストラと協演しないのか?
それが不思議なのです。

もちろん、音量の問題もありますが、ストラビンスキーの春の祭典の初演当時の楽器による演奏は、
別の曲ではないかと思うほど、生き生きしていました。

楽器として、バロックヴァイオリンや、バロックチェロは弦がガット弦で、テンションも低くボリュームも
モダン楽器に比べると小さい楽器が多いようです。音量も響きの違い、音色の違いがあって、
一概には言えないのですが、比べると一般的にはモダンの方が音が大きいと言えます。
楽器が鳴っているのは、バロックコンディションの楽器の方かもしれませんが。

ギターは幸いにして、クラッシクの楽器はスティール弦でなく、ガットの響きに近いナイロン弦や
フロロカーボンなどの弦ですので、ガット弦を使ったヴァイオリン属の楽器と
アンサンブルしやすいと思います。

協奏曲でなくても、ボッケリーニやカルリの室内楽、アンサンブルにもガット弦のヴァイオリン属の楽器
がぴったりだと思います。

どなたか、アランフェス協奏曲で当時の楽器を使った録音をご存知ないでしょうか?

なければ、小さな編成で良いので、コンチェルトの音源をご存知ありませんか?
カルリの曲など聞いてみたいのですが。

10年、20年前に比べると バロック楽器をやっている人も増えていますので。

私が老人ホームに慰問に行く時は、バロックヴァイオリン、ガンバ、チェンバロにギターでやっています。
ピッチは415のバロックピッチで。自分で弾いていても、「なんて美しい響き」と感じることがよくあります。

皆さんも機会があれば、バロックまたはクラッシクのコンディションのヴァイオリン属と
アンサンブルされませんか?無理なく音楽が作れますし、楽しめますので。

昔、Cabotinさんの目の前で、カルリのギターとピアノの曲を弾いたことがあります。
これも、モダンピアノでなく、私が作ったフォルテ・ピアノだったので、とても楽しく
演奏できました。音量はほとんどギターと同じくらいなのですから。
カルリだけでもCD10枚近くの量の曲が作曲されています。この時代の
フォルテ・ピアノとギターだったら、対等にアンサンブル出来たからなのでしょう。

それと、時間が経っていますが、昨年12月の西垣さんのコンサートの様子が、現代ギター
3月号に載っています。

20150403-83西垣正信 27P

右上に小さくアルペジオーネを弾いている私が写っています。
すっかり頭も薄くなりましたが。

アルペジオーネはまだ手元にありますので、興味のある方はご連絡ください。

今回は、以前から疑問に思っていたことを書かせていただきました。


  1. 2015/04/04(土) 14:43:21|
  2. ギター
  3. | コメント:1
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コメント

平山さんらしくあまりに話題が多いので・・ふう・・
ランドフスカさんの写真エンリケさん平山さんがに注目していただいてとてもうれしい。とても尊敬する演奏家です。現代のギタリストの立場と似ているので参考にもなるし・・生で聞きたかった演奏家です、聞いた先輩は皆絶賛します。
作家でアマチュアの音楽家は他にも多くいますね、ロランは本職といってもよいし、パステルナークのソナタもとてもすばらしいサン=サーンスの天才を巧みに賛美したプルーストの見識もスゴイ。
アランフェス、わたしがヨーロッパで初めて演奏をした1970年、オペラ座のオケだったのでまだ弦はガットとの混在でした。もちろん電気の増幅もなかったけれど、エッフェルが作った劇場だったので六プルトという大きなオケでも充分に音が届きました。数年まえバロックアンサンブルとのバッハの協奏曲のアンコールでアランフェスの二楽章をピリオド楽器で弾きました、、この場合はそんなに違わないかなモダンと・・管楽器などの違いのほうが大きく響くかも。バイオリンもこの曲ではビブラートを避けられない。それよりも一楽章のバスーンがファゴットで出てくると、弾いていてすこしドキッとします。二楽章のアングレは、個人てきにはどちらでもいいかな? 古いオーボエはちょいとイスラムチックになりすぎて私には違和感がありました、が慣れるかもしれない。

春祭のこと、おっしゃる通りなのです。それに加えること、バスーンの音が違いすぎるかな・・とくに現代のドイツ式はとてもちがう。それにティンパニ、プラスチックがダメたとはおもわないのですが、やはり革だとあの雰囲気が醸されますね。プラスチックだとちょいとゲーム音楽みたいになってしまう。そう「ココとイゴール」という映画、使っているものや雰囲気は素晴らしい1913年に浸れるのだけれど演奏が・・ちょっとだけ違う、、楽譜の版はそれをつかっているのですが。でもたのしい春祭の映画でした。
  1. URL |
  2. 2015/04/06(月) 23:11:45 |
  3. CABOTIN #ArGM.iJY
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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