古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

予想通り、年が明けると ものすごく忙しくなりました。

コメントを頂いていて、アマチュア音楽家にとって、昔から、そしてこれからも
大きな問題かもしれませんし、簡単な問題かもしれませんという、ことを考えさせられました。

そして、CABOTINさんいつも、コメントありがとうございます。
演奏に関しての素人がいい加減なことを書いていますが、
しっかりバックアップしてくださって、本当にありがたく思っています。

クマ さん 面白い資料をありがとうございました。

昔、友人が混声合唱団のマネージャーをしていて、どうしてもテナーパートが足りないということで、
手伝っていたことがあります。

その時に、大所帯ですから、音楽を楽しむために合唱をやっている人、仕事で疲れて
仕事の疲れを取るために、気分転換に合唱をやっている人と、せっかく音楽をやっているのだから、
上手になって、音楽的な演奏をすることが楽しみだ、という人が出てきます。

これは、アマチュアオケとかアマチュアの合奏団でも、必ず出てくる問題です。

でも、ギターの場合は人格が一人なので、自分で決めれば良いことですが。

全く人には聞かせなくて、自分の楽しみのためだけに弾くのなら、どう弾いても構わないように
思います。テンポ、リズムがしっかりしていれば、十分に楽しめると思っています。

でも、せっかくギターを弾いているのだから、人に聞かせたくなると思うのでは?
また、このブログを読んで下さっている方で、先生に習っている方も多いと思います。

その方たちの目的といえば、上手になることだと思うのです。

素晴らしい演奏を聞いて、自分でも少しはあのような演奏をしたい、近づきたいと思って、
レッスンを受けていると思います。

難しい理論を研究する必要はないかもしれませんし、頭でっかちになって、知識は豊富にあるし、
言っていることは素晴らしいのだけれど、演奏は無茶苦茶というのではいけませんが。

でも、音楽学校の学生でも、ただ、音符を間違わずに弾いているだけ、という演奏によく出くわします。

こんな事が、数年前にありました。

某有名音楽大学で、ヨーロッパの超有名なピアニストが、マスタークラスのレッスンをするということで、
私も関係していましたので(調律、調整で)その場に立ち会って、聞かせていただきました。

大学を代表して、4名の学生がバッハ、モーツアルト、ベートーベン、ショパンと代表的な作曲家の
代表的な曲を演奏しました。

でもその演奏が、バッハはバッハに聞こえないし、ベートーベンはベートーベンに聞こえないのです。
聞いていて、バッハのようでバッハでない、誰の曲だろうと、最初は思いました。
ただ、楽譜をその通り弾いているだけなのです。

フレーズも、旋律も、声部の弾き分けもないのです。音楽的に何もないのです。

本当にびっくりしました。

こんな演奏を聞くと、その有名なピアニストは怒って帰ってしまうのではないかと、
心配しました。でも、幸いこのピアニストは、情熱を持って指導してくれました。
(実際に怒って帰ってしまった演奏家もいましたので)

逆に、学生オケなどで、どうしてもメンバーが足りずにエキストラを呼ぶことがあります。
そのトラさんがアマチュアの場合、ものすごく音楽に詳しいことがよくありました。
特に、年配の方だと、学生よりもはるかに音楽のことは詳しく、その曲の背景、当時の社会の情勢
同時代の作曲家など、音大の先生でも知らないのでは?ということまでご存知の方がいます。
そんな知識があるから、オケのトラで来てもすぐ弾けるのでしょう。
好きなことだから、勉強されているのでしょう。

数年前になりますが、西垣さんが京都の日仏学館で 日本ロマン・ロラン友の会創立60周年
のレクチャーコンサートをされました。

img222.jpg
img223.jpg

そして、その時に配った資料が次のようなものです。
(すみません、西垣さん、ここで使わせていただきます。)

img224.jpg

細かい字なので、拡大してお読みください。
西垣さんが演奏された、ヘンデルの有名な協奏曲を西垣さんがギターソロに編曲された、
ことについて最初は書かれています。3分の1あたりから、ロマン・ロランのジャン・クリストフ
の中に、40箇所ほど「和声学」についての記述が有り、その半分近くは「対位法」の記述だということ、
これは、読者が和声学や対位法の修行を知っているものとして、書かれていると西垣さんは
考えられているようです。

そして、その代表的な例として 10歳のジャンの「和声学の」の修行の一場面を取り上げられています。
それが、それが、太字で書かれている、第2巻 朝 ジャン・ミッシェルの死以降が
ロマン・ロランの文章から、西垣さんがこういったことを想定して、この文章は書かれたのではないかと、
言うことを書かれています。

これは、音大の学生に対しての、勉強ではないのです。一般のロマン・ロラン友の会の
会員の方に、配った資料なのです。

ロマン・ロランの文章から、このような和声の話をするのは、音楽の専門家に任せるとしても、
知識人、常識人と言われる方々の中には、この程度は常識という方もおられると思います。

ギター演奏を他の人に聞いていただく立場の方だと、その演奏が、ナチュラル、自然に
聞こえるように、ある程度の勉強と言ってよいかどうかはわかりませんが、楽譜をよく読み
考えることは必要なように思います。

私の場合、音楽の中心がルネサンスやバロックなので、そしてチェンバロの音楽によく接していますので、
フレーズ、アーテキュレーション(単純に言ってしまうと、音を伸ばす、切ること、そしてつなぐことですが)
声部の弾きわけ、フレーズの中での旋律の出し方、歌い方、そして、少しは様式感などを考えて弾いています。

後は、以前書かせていただいた、簡単な曲を音楽的に演奏する方法として書かせていただいた、
リズムを守ること、歌うこと、楽譜を正しく読むこと(休符なども)もっと、勉強すれば更に説得力のある
わかり易い演奏が出来ると思うのですが、楽器を練習する時間もあまりないので、
ぼちぼちやっていきたいと思います。

いつものことなのですが、ここに書かせていただいたことは私が考えていることですので、
このようにしたほうが良いとか、このようにして欲しいと思って書いてはいません。
読んでくださったみなさんのお考えでギターの練習をして頂ければ、と考えています。




  1. 2015/01/13(火) 01:47:45|
  2. ギター
  3. | コメント:2
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  1. |
  2. 2015/01/14(水) 04:08:21 |
  3. #
  4. [ 編集 ]

音楽リテラシ

古楽をやっているアマチュアの方でも,ものすごい詳しい方がいます。古楽の時代はプロとアマの区別も無かったでしょうから,むしろ自然なことかもしれません。
西垣さんのお話ですが,和声の禁則やその例外は,使用音律上で理解されると。それが10歳の子供の教育にも使われたことが分かります。
蛇足ながら,リンクいただいた私のブログのURLのhttp後の":"が欠けているようです。可能なら修正をお願いします。
  1. URL |
  2. 2015/01/28(水) 07:13:23 |
  3. Enrique #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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