古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

最近手に入ったCDのこと



続けて、更新させていただきます。
(また睡眠時間が少なくなりそうですが)

私の守備範囲外のCDですが、
素晴らしいCDなので、紹介させていただきます。

(よく自分の専門外のことを書いて、的はずれというか、そんなこと誰に聞いた?
と思うほど、頓珍漢なことを書いている本などを見ますが、そうならないように簡単に
書かせていただきます)

1枚は ストラビンスキーの春の祭典とペトルーシカ。
もう1枚というか1セットは ベートーベンのピアノコンチェルト(3枚組です)

img167.jpg

なぜ、このCDを買ったというと、どちらも作曲家が初演した当時の音が聞けるからです。
ストラビンスキーなどは1911年1913年頃ですから今のオケとそんなに変わりがないと言われそうですが。

でも、全然違うのです。

まず、弦が全てガットだったということが大きいと思います。
管楽器も フルートはルイ・リヨットのコピーだったり、
ピアノも1892年のプレイエルだったり。(ピアノの差も大きいです)

img169.jpg

弦で大きい差を感じるのが、コントラバスです。
ガット弦で全体を包み込むような、音なのです。

オケ全体が有機的に動いているのです。

ストラビンスキーをBGMにしながら、仕事が出来るほど、自然な音楽です。
攻撃的でなく。

初演当時の音楽を聞くと、作曲家が意図していたことが分かると言われますが、
まさにそのとおりだと思いました。

ベートーベンは更に自然です。

オケの編成が

img168.jpg

のように、ヴァイオリン2本、ヴィオラ2本、チェロ、コントラバス1本ずつなのです。

CD評で この編成ではバランスが悪く、管楽器が大きすぎ、特にティンパニがうるさすぎてかなわないと、
言ってられる方もいますが、どんなオーディオで聞いているのだろうと、思わず思ってしまいました。

弦と管のバランスも良く、と言うかこれでなければいけないと思う、絶妙のバランスです。

ティンパニも自然な空気感で、他の楽器に溶け込んで全然うるさく感じません。

田舎のことですから、音量はMAXで聞けますが、どの楽器もうるさく感じることはありませんでした。

2番のコンチェルトは若気の至りの作品だと言われているそうですが、当時の編成、当時の楽器で聞くと
私には素晴らしい曲に思えます。

このことは、ピアノ曲でフンメル、チェルニーなどの曲をフォルテピアノで聴くと
素晴らしい、私が好きな曲になります。

彼らは、フォルテピアノで弾くと素晴らしい音楽が聞ける、曲を作ってしまったのでしょう。
モダンピアノでは表現できない、音楽を。
と、同じようなことかもしれません。

もちろん、5番は素晴らしいことは言うまでもありません。

ピリオド楽器を使ったオケは、ブルッヘンさんのモーツアルトや
ピノックさんのハイドンなどで始まったと思いますが、こんな素晴らしい
世界があったのに、どうしてモダンオケはあんなになってしまったのだろうと思います。


常々、モダンオケってなぜあるのだろう、とよく人に言ってました。
モダンオケに合う音楽というのは、ほとんど無いように思うからです。
というか、私が聞かないジャンルだからかもしれませんが。

同じように、モダン楽器ってなぜ、存在しているのだろうと思います。

大きな音がする、楽器のメンテナンスが楽、調律が狂いにくい、がメリット
だとは思いますが。

ある音楽家(と言っても私の友人ですが)

「モダン楽器からは何も帰ってこない、古楽器、ピリオド楽器からは
あれほど沢山のものが帰ってくるのに」

と言ってましたが、まさにそのとおりだと思います。

ギターはどうでしょうか?

私の考えはお分かりですね?

他の楽器は、オケまでもが ピリオド楽器に向っています。
ギターもそうありたいと思っています。








  1. 2014/07/03(木) 01:20:44|
  2. ギター
  3. | コメント:1
<<私のギターを 1半音下げました | ホーム | ヴァイオリンのお客さん そして CD>>

コメント

帰国しました 今回は演奏家組合のストなどでキャンセルになった分、
イタリアなど聞きたいコンサートにいけました、ついでにコルシカの超アマチュア合唱の
山のコンサートもきけてとても満足しています。

春祭、、のこと 同感ですね。といっても現代の演奏もそれはそれでいいかも と思います。
モントーさんの昔の春祭などは録音もよいし当時の香りがあるな、と感じます。ティンパニーの
膜の材質の違いも大切ですね。有名な春祭の映画 日本のタイトルは たぶん「シャネルとストラヴィンスキー」  音楽以外はとても忠実に当時の春祭を伝えているようなきがします。ピアノもココのものですし。
今回先週ローマで白鳥湖の原典にちかい上演をローマでみました、とてもよかった。
例の拙作 アルペジオーネ・ソナタの独奏版が現代ギター社より出版されました。
なんでも原典主義、の立場ではないのですが、そこにも掲載していただいた彼の手稿譜の筆圧から
うることが多くありました。宣伝ですみません・
  1. URL |
  2. 2014/07/18(金) 02:57:02 |
  3. CABOTIN #ArGM.iJY
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

最新記事

最新コメント

月別の記事です

カテゴリ

ギター (329)
演奏会 (10)
その他 (20)

私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

訪れてくださった方々

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR