古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ヴァイオリンのお客さん そして CD

今日は、ブログの更新が続いていますが、やっと時間が取れるようになったわけではありませんが、
この間まで、半月ほどの間に 九州と関東方面に2度、車で出かけました。
関東方面は、仕事が終わればとんぼ帰りだったので、1日の運転が焼1000キロになりました。

まだ雑用が沢山残っていますが、少し気分があせらなくなったので、まとめて更新させていただきます。


ヴァイオリンのお客さんは我が家にしては珍しく、モダンヴァイオリンのお客さんでした。

学生オケでヴァイオリンを弾いているとのことでした。

HPのユーズドのコーナーを見られた、と言うことでしたので、バロックヴァイオリンか
クラッシクヴァイオリンに興味があると、思い込んでいました。

でも、探されているのは,モダンとのことでした。

そこで、手持ちのモダンのテルピースと,スティール弦に張り替えて,弾いてもらいました。

そうすると、今使っているモダンの楽器とどちらがよく鳴っているか、分からないということでした。最初は。

当然,私はびっくりして、今使っているモダンの5倍くらい鳴っている、と言いました。

そこで、少し楽器の位置を下げ,自分の音が聞こえるように弾いてもらうと、
だんだん楽器の鳴っていることが分かってきたようです。

最初はモダン楽器の、本体は鳴っていなくても、倍音が多い音だと鳴っているように
錯覚していたようです。

私も,良い経験が出来ました。

HPで紹介しているヴァイオリンはモダンのスティール弦を張ると、値段が一桁違う
音がしています。

いずれの楽器も,健康状態が悪くて、モダンのテンションに堪えきれないので、
バロックにしたわけではないので、予想はしていましたが。

楽器はよく鳴っているし、音に芯があって、基音も倍音も出て,なおかつ響きも
付いている、良い楽器でした。
今、驚くほど高い値段のヴァイオリンも元はバロックヴァイオリンなので、
同じことなのでしょう。

ヴァイオリン作りの人によく言っているのですが、(あまり聞いてくれませんが)
モダン楽器を作るのでも,まず,バロックヴァイオリンのガット弦でテンションが低くても
鳴る楽器を作れば、良いモダン楽器が出来ると。

バロックヴァイオリンでも鳴っていない楽器を使っている人がいますが、
この楽器にモダンの弦を張っても、鳴らないだろうな、と思うことがよくあります。

逆に、モダン楽器のそこそこの楽器、本体が鳴っていなくて、弦だけ鳴っている、
(かなりの値段を出さなければ、そんな楽器が多いのですが)、にガット弦を張っても
鳴らないのです。スティール弦だと倍音でごまかせるのですが。


そこで、ギターでも同じことが言えるのではないかと思ったのです。

ギターの場合、ガットとナイロンでそんなにテンションの違いがないので、
細い弦を張っても鳴る楽器を作れば、本来のテンションにしても、良く
鳴るのではないかと。

ギターの弦を張り替えるのも、大変なので、テンションを下げてやれば、
同じことが試せるのではないかと思います。

そうすると、私の楽器はテンションが正しいと鳴るが、低いテンションでは鳴らないように
設計している。との声が聞こえてきそうです。

ある一定以上のテンションでなければ鳴らない、という一つの原因は表板のドームにあると思います。
そして、横板も裏板も厚くて、楽器全体が重いことも原因の一つでしょう。

全て、この考えで作らないといけない、とは考えていませんが、一つの見方ではないでしょうか?


少しだけ、計算してみました。

リュートの1弦のテンションは 0.45ミリのナイロン弦で 弦長 61センチだと
4.1キロほどです。単位面積当たりのテンションは 25.8キロになります。

ギターの場合、1弦を0.70ミリとして、弦長 65センチだと 7,95キロ
単位面積当たりのテンションは 20.7キロです。

1音下げると、6.31キロです。
1音半下げると、5.6キロで、単位面積当たりのテンションは14.5キロです。

私の61センチのギターを1音下げると、65センチの弦長の一般的なギターだと、
1音半下げるのとほぼ同じです。

おそらく、1960年以前の良く弾き込まれたギターだと鳴ってくれそうですが、
新しいモダンだと鳴らないように思えます。

スモールマンさんの楽器やダブルトップの楽器は鳴るかもしれません?

私のモダンの標準サイズの64センチの楽器を1音半下げて、演奏したものを
そのうち、ユーチューブにアップしないといけないと、いけませんね。

でも、単位面積当たりのテンションはリュートに比べても格段に低くなるので、
音色はテンションのない音になるのは、仕方がありません。

楽器が鳴っているかどうか、を判断してみてください。
お楽しみに。

長くなってしまったので、CDの話はまた次回にさせていただきます。






  1. 2014/07/03(木) 00:22:04|
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kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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