古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

61センチギター

Jiro様ありがとうございます。

新しい楽器をブログで紹介する時に、ただ単に自画自賛しているのではないか?と思い
なるべく、客観的な見方をしているつもりでした。

でも、こんな楽器が出来ました! と自慢しているようで、恥ずかしいと感じたりもしていました。

61センチのギターも、私が作りたい方向で作っているので,理想に近づけばつい、良いものができた、
と書いてしまいます。

しかし、ギターで,音楽的なものを求めない方もいらっしゃいますし、ギター特有のギター音楽が
演奏できればよい、と思ってらっしゃる方には、興味の無い楽器だとも思います。

私の最初に出会った、素晴らしい先生の 植木義法先生がいつもおっしゃってらした、
「ギターは旋律楽器です。和声楽器ではありません」の言葉のように、歌うように
ギターを弾く方にとっては、良い楽器と思います。

しかしながら、そんな方は少数派でしょうし、私の楽器を分かってくださる方は、10人に1人
いればよいのに、と思っています。
楽器としての相性もありますので。

一般的なツルツルぴかぴかの楽器ではありませんし、特に表板は 薄くセラックで塗装しているだけですし、
裏板,横板もそんなに厚い塗装ではありません。(これは音のためにそうしているのですが)

ということで、私が作った楽器ではないのですが、お弟子さんに作っていただいて,私が仕上げた楽器です。
東京に行くまでに、熱還元処理の材料のギターをつくるつもりでしたが、雑用の山で出来ませんでした。


私が作らなくても,私の設計で作れば,誰でもこんな楽器が出来るということを、試してみたかった
ということもありましたので。




IMG_20140413_130837.jpg

左の楽器がそうです。(デジカメが手元に無くて携帯で撮ったもので、あまり綺麗でなくてすみません)

右は 私の標準の64センチの楽器です。

あまり違いは分からないと思います。

右の標準の楽器の 95%縮小で作っていますので。

右の楽器でも、トーレスの第一期の代表的な大きさとほぼ同じで、一般的なモダンギターに比べると
小さい楽器です。


この64センチの楽器と比べても、音の密度は熱処理のおかげもあるのでしょうが、楽器の大きさから来る
密度の濃さというか、音の粒がしっかりしています。

これは、私の作ったパノルモタイプの楽器でも,そう感じました。(楽器の大きさから来る密度。
パノルモタイプは更に小さいので)

バスバーの配置が扇状になっていなくて、斜めになっていること、(2013年の3月26日のブログ
で紹介させていただいている,全体が斜めになっているバスバーです)は今回初めて採用した
設計ですが、このおかげで 6弦を弦を替えずに、5弦の1オクターブ下まで下げても、
音楽として使える音になります。ちょうどアーチリュートの低音のような。

そして、弦は 1弦はオーガスチンの1弦を、2,3弦はソフトフロロカーボンを、4,5,6は
サバレスのコラムを張りました。

計算上のテンションは

1弦 6.2キロ
2弦 6.0キロ
3弦 6.0キロ

4弦 6.7キロ
5弦 6.6キロ
6弦 6.0キロ

となります。

一般的な 弦のテンションは 1弦がきつく,2,3弦が緩いのですが、
私の組み合わせでは、ほぼ同じテンションで弾けます。と言うことは、どの弦でもどのポジションでも
同じように演奏できると言うことになります。(低音弦については現代ギター誌 2011年6月号より
参考にさせていただきました)

次の参考として ダダリオのプロアルテJ43 ライトテンションの例です

① メーカーが発表している数字

1弦 6.8キロ
2弦 5.1キロ
3弦 5.3キロ
4弦 6.8キロ
5弦 5.7キロ
6弦 6.0キロ

② 弦代ギター誌 2005年2月号で実測した数字

1弦 7.9キロ
2弦 5.7キロ
3弦 6.0キロ
4弦 6.6キロ
5弦 7.1キロ
6弦 6.4キロ

同じ弦なのに全然数字が違います。

現代ギター誌の方が実測なのですから,この値が本当ではないかと思います。



これだけテンションが違うと(弦同士の差です)弦によって音色に違いが出ると思うのですが。


以前作った 61センチのギターについては 2013年6月4日に書いていますので、
興味顔ありの方はどうぞご覧下さい。







 



  1. 2014/04/23(水) 23:37:02|
  2. ギター
  3. | コメント:0
<<二つのギター その3? | ホーム | 61センチギター その前に>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

最新記事

最新コメント

月別の記事です

カテゴリ

ギター (329)
演奏会 (10)
その他 (20)

私へのメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

訪れてくださった方々

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR