古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

コメントを頂いていて

先ほど、ファンブレースについて書かせていただいましたが、2012年2月2日のブログをコピーしましたが
画像が付いていませんでした。http://kogakki.blog.fc2.com/blog-entry-39.html 
こちらで原文の方を見ていただけますでしょうか。

今回は BOLIN様のコメントについて書かせていただきます。

フレットの溝についてはよく分からないのですが、ナットの骨棒の溝のことでしょうか?
フレットの脚用の溝のことでしょうか?フレットの幅、高さについてはそれぞれ狭くて、高すぎず、
低すぎずというのが良いのでは、ないでしょうか?

それと、ネックヒール、ネック踵の形状ですが、最初に作ったパノルモコピーは角がありますが、
2台目以降は丸くしています。

トーレスさんの楽器も、両方あるのでトーレスさんの真似と思われるかもしれないとも考えましたが、
ヴァイオリンやチェロでは全ての楽器が丸いので、トーレスさんの専売特許でもないので、
丸くしています。

それは、西垣さんの楽器を作らせていただいた時、西垣さんがヒールは丸くして欲しいと言われたのです。

沢山のギタリストが弾く曲ではないのですが、アランフェスを弾くと、「ヒールの角が手に突き刺さるので、
丸くして欲しい」と言われました。

私はそんな弾き方はしないので、どんな形をしていても構わない、という方もいらっしゃると思いますが、
角があると弾きにくい、角が当たるという人もいるなら、丸くしたほうが良いと、私は思います。

角のあるデザインが、ギターの定番ということで作っている人が多いように思いますが、
これもただ単にデザインだけの問題だと思いますので、音にも構造にも問題はないと思います。

古楽浪漫さんに頂いていた、コメントの返事が遅くなっていますが、表板の材料については、
次回書かせていただきますので、もう少しお待ちください。申し訳ありませんが。



  1. 2014/02/12(水) 12:51:38|
  2. ギター
  3. | コメント:5
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コメント

フレット脚に対してフレット溝(スロット)の深さについて

平山様

何時もお忙しいなか、早々にとても丁寧にお応え頂き有難うございます。
ヒールの件、すっきりと理解できました。

もうひとつ質問させて頂いたのは、溝(スロット)を切るときの深さについてです。
例えば禰寝氏の著書には「深さの目安として、フレット足より+1~1.5㎜でよいだろう」と記されてますが、ネットで調べてみると「0.5㎜でよい」と書いてあったり、アメリカのルシアーが「フレット・バーの底辺を指板に完全密着させた方が断然音が良いので、深い溝は切らずに(真鍮?の)丸棒を直接接着している」というような方も居たりで戸惑いまして、平山様のご意見をお訊きしたく…
判りにくい質問になり、どうも失礼致しました。


古い国産クラシックギターのフレットを幅広(2.74㎜×高さ1.40㎜)タイプに打ち換えたところ平山様のご指摘通り、輪郭が少しぼやけて立ち上がりの悪い音になってしまいました。
因みに、遊び心というか実験でJESCARのステンレス・フレットに打ち換えたところ、経年に因りややくぐもった感じだった音がレスポンス良く明るく抜けの良い音に劇的に変化しました、が…ミドル・レンジが何だかまるごとすこ~んと抜けたような妙な響きになりました。

CABOTIN様、どうも有難うございます。
ヒールは私もかまぼこみたいに丸い形状が理想かな?

また長くなり失礼致しました!
  1. URL |
  2. 2014/02/13(木) 00:30:38 |
  3. Bolin #22hNL7Yc
  4. [ 編集 ]

長い懇切丁重なご回答を賜りましてありがとうございます。

数多くの楽器制作、研究成果をお持ちの平山さまには、失礼な意見だったかもしれず、お許しください。

それと、CABOTINさまは、プロ演奏家であられたということで、これまたパノルモの内部構造の扇骨の追加のコメント、たいへん参考となりました。また、それらのギターを所有し、演奏でも真価を発揮されているご様子、なによりでございます。

私も全体からすれば、ほんのわずかの試奏ですから、横骨と扇骨の正確な評価、特質を的を得ているとは思いません。お恥ずかしいかぎりです。
ですが、扇骨のギターは、やはりすばらしいと思っています。
  1. URL |
  2. 2014/02/13(木) 14:09:42 |
  3. ロマンチックギター愛好家 #ULWPfCeI
  4. [ 編集 ]

構造につき感想など

お邪魔いたします。
さまざまな考え方、意見もある中で、演奏者の立場から申し上げれば、ファンブレーシング構造の音響的な効果の有効性を否定することはできまいと存じます。
このことは、ステージでの19世紀ギター演奏会などを聴くなり、弾き手の感想からも明らかであります。
 私は、製作の専門家ではないので論理的、理論的な解釈を与えることはできませんが、まず、ファンブレーシングの効果は見逃せない発明であろうと考えています。
 
時代は少し下りますが、マーチンのXブレーシング構造の発明も、19世紀のファンブレーシングからのインスピレーションではないでしょうか。

ラコートあるいは初期のパノルモ(僅かであるが後期の一部)にも横斜めバー式も散見されますが、これも音響的効果はあると感じます。しかし、私見ではありますが、やはりファンブレーシング構造のギターは、音量の増大にも一役買っているし、19世紀初期のギターよりも力強く、腰と粘りが断然に違うと確信できます。

私は決して、ラコートのような横斜めバー構造の楽器を否定したり、ダメだと言ってるわけではなく、好みの問題もあるとも思うのです。
19世紀初期のリュート的な指頭奏法によるソフトな軽いタッチで子音の趣を感じながら弾くには好適であろうと思っているのです。

 しかし、現在の比較的に多くの聴衆、大ホール、現代のモダンギターにも肩を並べるような向きには、そして19世紀ギターの良き趣向も存分に堪能できる万能選手としては、ファンブレーシング構造に軍配は上がるのではないかと思います。

昨今は、音量に説得性を求める向きが、各種コンクール、演奏会でも求められているのは仕方ないかもしれません。よって、現代の奏者が安心して小型なギターでも不安になることなく楽しめる19世紀ギターを選ぶとしたら、文句なくパノルモを筆頭にしたオリジナル、またはデットコピーモデルということになりましょう。

ですから、平山さまが志向しておられるのが、むしろパノルモの延長上ということであれば、私も強く肯定する次第なのです。

どうぞ、パノルモの延長上のすばらしい22世紀にまで生き延びるようなギターを製作ください。完成のご報告を楽しみにしております。

 拙文を失礼いたしました。
  1. URL |
  2. 2014/02/18(火) 17:53:22 |
  3. kogakuya #PatjK1As
  4. [ 編集 ]

長文すみません

kogakuyaさま
確かに一般にはおっしゃられるような風潮がありますね。

話を二つの部分に切り分けたほうがよいとおもいます。

まず肝心の部分なのですが・・楽器や音楽などを話すときに
「勝ち負け 軍配」や「より優れた方向」という(幻想だとおものだけど)を持ってしまうと
一様なものしかうまなくなります。現代の楽器が、行き詰ったかのように見える
のもそこによるところがあるのではないでしょうか。
冗談としていうのですが・・皆が目指す「健康」は一種類だけれど、病気のほうが多彩だよ。
皆が同じ方向をめざす世界は・・音楽的かな~疑うのです。
楽器として十八世紀のオーケストトラとベルリオーズ以降のそれとの勝ち負け? 意味がないのとちゃうかな・・
オルガンのポジティフと大オルガンを比較することもできません。
それに・・・これは反感をかうこともおそれるのですが、アマチュアのかたが楽器選びのさいに
「遠達性」や「バランス」を第一に考慮される場面にもとても不思議な感じをもちます。
そんなに年に何度も千人ほどのホールで演奏されることがあるのかな~と ちょいと皮肉な目で眺めます。
それよりも日本ではとなりのの迷惑になることのほうがおおいのとちがうだろうか。
でもこれはけっして一本骨の音量がない、といっているのではありません。

そして楽器の「機能」 ぼくの何本かのパノルモでも斜め骨と扇骨、、弾いていて気が付かないことが
ありました。おいらが鈍いのとちゃうかな~ という疑いは否定しません。
またラプレボッ)の上出来の一本骨は 、扇骨より扇骨的です、これは裏板などとの兼ね合いもあるでしょう。
骨だけではなく、裏の合わせのちがいも大きな要因だとおもいます。パノルモによるラコートコピ(ややこしい)を
弾いたことかあります。骨は扇、しかし裏板はラコート風の合わせ、、どちらかというとミルクールの音でした。
モダンの楽器か伴奏に入るときは、扇骨が相性がよいかもしれないですね。
しかし、人間の声という、時代を超えた普遍的な楽器との相性は扇骨でないほうがよいかもしれないな
これも大切な視点だとおもうのですが、いかがでしょうか。
長文ごめんなさい。
  1. URL |
  2. 2014/02/19(水) 10:42:09 |
  3. CABOTIN #ArGM.iJY
  4. [ 編集 ]

CABOIN様、私はもちろん「勝ち負け軍配」的な意見は持っておりません。
一般愛好家の志向、プロの志向、立場で好み、考えも多種多様であり、私の意見も私見の域です。

ピアノのスタンウェイ派、ルーゼンドルファー派、ギターのスペイン派、ドイツ派などなど、論争となるような世界もあり、軽々しいもの言いができませんね。

横バー式でも、ファンブレーシング式でも、一長一短があると思います。CABOTIN様のように第一線で活躍するようなプロ演奏家の方に、こうあるべしなどと、高説をたれる資格は私にはありません。

ですから、伴奏やモダンのようなものにはファンブレが合い、人間の声という、時代を超えた普遍的な楽器との相性は悪いという評価までは、私にはできません。

あくまで個人の好き嫌い?的な好みの問題の範疇であるとお考えください。 

  1. URL |
  2. 2014/02/19(水) 19:34:12 |
  3. kogakuya #ncg3wPbQ
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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