古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

材料 ⑦ ナット

材料 ⑦ ナット

ギターを製作されている方でも、全ての材料を一から見直すといっても、
「ナットは、象牙か牛骨しかないでしょう」と言われそうですが、
私はナットにスネークウッドや黒檀を使っています。

ナットに木を使うことによって、1弦、2弦の開放弦と弦を押さえて作る音の
差が無い、ほとんど変わらないように思います。
特に、象牙のナットのギターでは、1弦の開放弦から2弦の3フレットとか、
2フレットに移動すると、音色が違うので、2弦の5フレットの ミ
を使いたくなることがあります。(私には)
このようなことが、ナットを木に、換えることによって少なくなります。

また、ヴァイオリン、チェロなどヴァイオリン属の話ですが、
モダンヴァイオリン、バロックヴァイオリンでもほとんど、
99パーセントと言ってよいほど、黒檀が使われています。
弦の質が、スチールでもガットでも同じように黒檀が使われています。

ヴァイオリン属が昔から、黒檀を使い続けているのは、
黒檀が最も、良い材料だからだと思います。
その理由は、私がギターで感じているように、開放弦と押さえて作る音の差が無いと
言う事も、大きいと思います。

稀に、象牙の楽器もありますが、ガット弦を使うと、ナットの溝で弦が痛みやすいようです。
ギターは、古くはリュートと共存していた頃、リュートはペグボックスの角度がついているため、
摩擦を少なくするため、象牙を使っていました。
リュートが象牙を使っていたため、ギターもそうなったのかもしれません。

でも、スネークウッドとか黒檀を使うと、デメリットもあります。
やはり摩擦が少し大きいのです。
人によっては、音の差があまり感じられない、ほんの少しの差なら、摩擦の少ない
調弦のしやすさを取りたい、という方もいらっしゃいます。
そんな方には、象牙でナットを作ることもあります。

何事も、これがベスト、全てと言うわけではありませんので。

  1. 2012/01/20(金) 08:54:58|
  2. ギター
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kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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