古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

明けまして おめでとうございます

明けましておめでとうございます。

昨年は、こんな地味な、よくわからないところもある、ブログを読んでいただいて、
ありがとうございました。

昨年は、雑用が多く、それも期限付きで片付けないといけない仕事が多く、
ブログの更新も遅れがちでした。

今年は、なるべく雑用を減らして、楽器を作って、
ブログも書かせていただこうとと思っています。

お弟子さんにしか作ってもらっていなかった、61センチ弦長のギターは、
音のバランス、演奏のし易さを考えると、標準的な日本人にとって、
ベストの楽器だと思っています。
61センチのギターをさらに今年は進化させたいと思っています。

そして、ギターの機内持ち込みが難しくなっていますので、機内持ち込みが
出来るギターも、今年は早めに作りたいと思っています。



昨年コメントをいただいていて、返事ができなかった事を少しだけ書かせていただきます。

楽器修理のボンド使用の件です。

少し古い話ですが、台から落とされたチェンバロの修理をしたことがあります。

私が作った楽器だったので、私に楽器を壊したことを、言いにくかったらしいので、
自分で直されていました。

でも、なかなか難しい修理だったので、結局私に連絡があり、私が修理をし直しました。
使われていた接着剤はボンドでした。

修理で、最も苦労をしたのと、時間がかかったのが、ボンドの除去でした。
木工用ボンドと膠やタイトボンド グリューはくっつきませんので。

出張修理なので、タイトボンドでの修理になりました。

膠とタイトボンドは完全に結合します。

膠で作られた楽器の修理も、タイトボンドで修理することができます。



タイトボンド グリューをご存知ない方もいらっしゃると思います。

最近は 東急ハンズだけでなく、多くのホームセンターでも売っていますが、
昔は、アメリカから直接買っていました。

膠と同じように、熱を加えると、剥がす事が出来ますし、再接着も出来ます。
例えば、薄い板を接着して、圧力が充分にかからなかったり、キッチリした接着が
出来なかった場合は、剥がさなくても、タイトボンドが充分に使われていると、
アイロン等で熱を加えて、圧力を加えると、完全な接着が出来ます。

膠との違いは、耐熱温度が私の感覚では、10度から20度ほど高いようです。

ですから、日本で使う場合は膠を使った楽器より、高い温度でも壊れないと言えます。

また、はみ出たタイトボンドは水を付けた布で拭くこともできます。

作業も膠に比べて、低い温度でも使えますし、温度管理や膠の品質管理の問題も
楽なので、確実な接着ができると思います。

ですので、タイトボンドや膠で修理されていると、熱を加えると、剥がすことも
タイトボンドを除去も出来るのです。

かなり以前のブログで書かせていただきましたが、接着は接着剤の違いはあっても、
接着力は圧力を加えることで、接着力が大きくなります。


プロの方と、アマチュアの方の修理の違いは、正確に元の状態に近く成形されていることもありますが、
接着の際の圧力をどの程度かけているか、の違いが多いようです。

ですので、接着面に隙間ができないように成形し、圧力をかけることができていれば、
木工ボンドでも、修理は完全にできると思います。

失敗すると、一からやり直さないといけませんが。

ただ、木工ボンドは、力が常時かかっている場所では、温度が高くなると
極端に言えば、ゴムのように柔らかくなって接着面がずれることがあります。

でも、これは品質の悪い膠でも同じようなことが言えますが。

コメントをいただいた方の考えておられる、返事かどうかわかりませんが、
実際にたくさん楽器を作って、修理している人間から、思っている事を、
書かせていただきました。



このブログを書き始めた最初の目的、私の考える理想のギターについて、
材料と構造については書かせていただきましたが、製作方法については
まだ書かせていただいていませんでした。

今年は少しづつ製作方法について、書かせていただこうと思っています。

製作方法についても、最近はスペインギター製作方法がスタンダードになっていますが、
いろんな楽器を作っていると、特にヴァイオリンや、ヴィオラ・ダ・ガンバなどと
比べると、不思議な製作方法だと、私には思えます。

もっと、作りやすくて、良い楽器が作れる製作方法について、書かせていただこうと
思っていますので。






  1. 2014/01/01(水) 01:36:25|
  2. その他
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明けましておめでとう

旧年はとてもお世話になりました。

京都のクリスマスコンサートから 三つの動画です。
アンコールのアランフェスをコッフとLEEさん製作の低弦で 三弦は
ガットです、クラブサンは平山さん、 ン~ コッフにはフレットがない高音が登場するので その当たりの
板を無理やり抑えて音を出しています、かなり無理やり
ある貴紳・・から最後のカナリオ  これは私のミスで開演を過ぎるまで
楽屋で楽器とともに爆睡、、コッフは冷えてピッチが上がり 会場のクラブサンは
暖まって下がる。。 うう 普段は会場に楽器をだしているのですが 爆睡は
よくないな、
最後は橋爪皓佐くんと私の新作  宮本正清先生の詩です。
歌もクラブサンも加奈子さんです。 ここにはないのですが はじめてバッハの1007を
リュートで弾いて すこし愉しかった、ゲルビッヒさんの昔の名演もあるけれど ちがう
接触を試みました。

http://www.koube.jp/2013xmas/2013xmasAranjuezBis.mp4
http://www.koube.jp/2013xmas/canariosDVD.mp4
http://www.koube.jp/2013xmas/tabinokaneOmoi.mp4
  1. URL |
  2. 2014/01/04(土) 21:05:01 |
  3. CABOTIN #ArGM.iJY
  4. [ 編集 ]

謹賀新年

日ごろ、制作方法には興味があります。ギターの音色の要素は、すごく深く濃くて難しい。

 今や、クラシックギターの制作技法に秘密めいたものはないと思うが、唯一あるとすれば、もちろん材料の経年変化という部分であろうと思う。

30年~50年ほど寝かせた材料なら、現在望みうる最高の材料といえるだろう。しかし、もう一歩抜け出して、300年ほどの年月としたらどうでろうか。

 よく言われているのは、たとえ300年経ていても、ずっと弾かれてきた個体かどうかでピンキリだということである。
 常に弾きこまれてきたものなら、木の鳴りの繊維が退化せずに振動をよく伝えてくれるというものである。この意見には賛成である。

ただ、古ければよいというものではない。ここが難しいのである。例えば、名前は伏せさせていただくが、岐阜県の某老舗工房では、完成した楽器に対して、大音量で音楽を流しっぱなしにして「聴かせている」 そうである。楽器に音楽を聴かせているのである。
 要は、音の振動に順応させているわけである。

 平山さんの工房には、古いチェンバロの壊れたものもあるそうですが、こういう使われてきた楽器のスプルース材の響板なんかが最高だろうと思う。
 日本のルシアーたちも、貪欲にヨーロッパに出かけて、古い300年以上も経た民家の床の板材でもよいから入手するべきだろうといつも思うのだ。

 最近では、新種の木材や珍材を使用して、外観だけは見栄えするような楽器も出てきているが、ポイントがずれているとしか思えない。未来志向も必要かもしれないが、現在に残されている古いバロックギターやリュート、19世紀初頭くらいの楽器をよく検分してみるべきだ。
 バイオリンの世界でさえ、金さえ出せれば皆、イタリアンオールドに群がっているではないか。骨董的価値だけでなく、改造してあっても音がいいからである。
 ならば、ギターでも同様なことがいえるのだ。バイオリンに比較すれば、19世紀くらいのものならまだまだ安いくらいである。自身の研究、演奏、分析のためにも今のうちに入手しておくべきだと思う。
 古い良材は人工的には作れないのだから。
  1. URL |
  2. 2014/01/11(土) 13:58:29 |
  3. 古楽浪漫 #z2esV5cI
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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