古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

コメントを頂いていて

いつも忙しい生活をしていて、秋が音楽シーズンで特に忙しいとか、年末が忙しいとかは、
ないのですが、今年は秋以降特に忙しくしていて、ブログの更新が出来ていません。

ブログを読んでいただいている皆様、そしてコメントいただいた方々には申し訳なく思っています。

一区切り付けば、と思っていると、いつになってもブログが更新出来そうにもないので、
コメントを頂いたことだけでも、書かせていただこうと思います。

このブログは、良い楽器とは?良いギターとは私の考える良いギターとは?
を考えるために、スタートしました。

ですから、楽器の価値と価格の関係は、あまり触れたくないことです。
価格と価値とはまた別次元のことのように思いますので。

私の楽器を使っていただいている方々は、皆さん私の楽器の価格が安すぎる、
倍以上の値段の楽器よりははるかに、良いと言われます。(チェンバロとかガンバで
よくそう言われます)

私も、かっては楽器を買う方の立場でした。
できるだけ、良い楽器を安く買いたい、というか、同じお金を出すのなら
少しでも良い楽器を手に入れたいと思うほうでした。

ですので、出来る範囲で安くて良い楽器を作りたいと思っているのです。

古楽器では特に、値段の高い楽器が良い楽器、と思われているようですが。
(ギターなどに比べてマーケットが小さく、基準となるものが少ないからでしょうか)



とりとめのない話になりましたが、ここで私が経験したことを少し。

10年ほど前ですが、音大の楽器の修理で、楽器庫にこもって、修理をしていたことがあります。

接着をして、時間を置かないといけない時に、他にすることがないので、楽器庫にあった
定価4万円から5万円程度のギター,40台ほど全部弾いてみました。

そうすると、1台だけ素晴らしい楽器がありました。

30万円か40万円のギターと同じくらい素晴らしいのです。

材料は同じ、設計も同じですが、材料の個体差が大きく影響していたのでしょう、
たまたま、設計に合った材料だったのでしょう。

これは、大量生産される、ピアノでも同じような経験をしています。

何十台とあるピアノを選ばせてもらった時も、1台2台と良い楽器が合った時も
ありました。いつも、というわけではありませんが。

そして、もう3回ほどですが篠山の中学校の選択授業でギターを半年教えに行きました。

中学校も統合されているので、ギターだけでも30台くらいありました。

その中で、使える楽器を選んでいると、やはりヤマハさんがコンスタントに
良い楽器を作られていました。

でも、中には小さなメーカーで良い楽器を作っているところもありました。
しかし、ほとんどの楽器は材料も設計も、仕事もひどい楽器の方が圧倒的に多かったです。

良い楽器を見てみると、基本的にはモダンスペインギターの設計なのですが、
横板も2ミリ程度あるのでしょう、でも安くするためにマホガニーとか
軽い材料で作られているので、楽器本体が鳴っていたり、良い楽器のほとんどが
生産コストを下げるためでに、ライニングが小さく薄い場合が多かったです。

逆はいくらでもありますね。

有名な作家の作った、100万円のギターでも、私には3万円のギターの方が
良いと思う楽器もありました。

でも、これは製作家がどのような姿勢で楽器を作っているかにも、よりますね。

とにかく、高く売れる楽器を作りたいと思っている楽器製作家も沢山いますし。

純粋に良い楽器を作りたいと思っている作家でも、どのような楽器が楽器として
優れているのか、が分かっていらっしゃらない作家もいるようですし。

昔、ギターを始めた頃、よく言われたことがあります。

10万円のギターを使っている人は、10万円までのギターの価値判断は出来るが、50万円
100万円のギターは分からない。

50万円のギターを使っている人は、50万円までのギターだったら分かるが、
100万円200万円のギターは分からないとか。

電化製品のように、価格と価値がある程度比例している場合は、そうなるのでしょうが、
楽器の場合は、好みも大き要素なので、一概には言えないと思いますが、ある程度は
当たっているように思います。

楽器の価値判断は難しい事だと思います。

どのような音楽を作りたいかが、はっきりしていると楽器の選択はしやすい様に
思っていますが。

ガット弦については、次回書かせていただきます。


  1. 2013/12/20(金) 02:01:54|
  2. ギター
  3. | コメント:1
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コメント

楽器の価値

楽器の値段とその価値が見合うものかという問題は、非常に複雑で個人個人で思うことも、考え方も違い難しいものです。
 私も長年に渡り、さまざまなギターを入手、試奏してきましたが、それでも、某メーカーの楽器は良いとか悪いとかの判断はできません。それだけ個体差や経年変化の影響もあり、所詮は、個人が弾いた個体の判断しかできないものです。
 某メーカーの楽器ひとつを取って、全体を論じてしまうことの危うさは大きいと存じます。
特に、古いギターの中でも19世紀ギターと呼ばれる楽器は面白く、これほど年月の影響により、弾きこまれてきた影響により変化するものはないと考えています。無銘メーカーのものでもしかり。

さて、価格という問題は切実で、時価などというあいまいな基準で値が吊り上げられる。経年変化という価値をお金で買うのだと言われても納得できないものがあります。また、某著名ギタリストご愛用のギターと同じメーカーとなれば、これまた途方も無い価格に吊りあがります。
 人間とは悲しいもので、持って生まれた欲望の虜です。人よりも良いものを欲し、有名人ご所有と知れば、我も我もと群がり、買って安心します。わかってはいるが楽器そのものの真価よりうわっぺらだけが欲しいのです。悲しいかな、私がそうなのです。
 舶来名器と知れば奔走し、借金してまで購入してしまう。今までどれほどの散在をしてきたことか。病気であります。売っては買い、その繰り返しです。

ごたごたと申し訳ありません。楽器と価格の矛盾に不満を持ちながらも、自分にとって価値ある楽器を定義しきれない哀れな老人であります。
愚痴をお許しください。
  1. URL |
  2. 2013/12/21(土) 16:47:37 |
  3. 老人 #nGxJyawM
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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