古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ご報告 61センチギター、福田進一さん他

長い間更新が出来ていませんでした。

8月末に関東、名古屋方面に出て行って、帰ってくると沢山の雑用や、コンサートなどがあって
なかなかブログが書けませんでした。

まず、8月24,25日にあった、大阪ギターサマー2013公開マスタークラスと、演奏会です。

たまたま、フェニックスホールでチェンバロを使う演奏会があって、この催しを知ったのですが、
今年でもう4回目だそうです。無料で公開レッスンが受けられ、その後、終了コンサートが
あるのです。

img120.jpg


25日はディヴァインさんの担当だそうで、マスタークラスが終わってから、終了コンサートが始まる
までだったら、あまり時間がないけど、ギターを見たいと言われて、持って行きました。

雨の心配もあったので、標準の64センチと61センチのギターを持っていきました。

以前から、機会があれば、ギターを見せて、と言われていたので、ちょうどよい機会でした。

最初は楽屋で弾いてもらっていたのですが、ホールで弾いてみたいと言うことで、終了コンサートの
準備もあったのですが、ホールで弾いてもらいました。
ディヴァインさんにも弾いてもらって、福田さんにも広いホールでの響きとか聞いてもらいました。

結果、61センチのギターでも、弾いて何の違和感もないし、普通の大きさの楽器を弾いている感覚で
弾ける、と言う感想でした。

モダンスペインギターでない楽器なので、弾き手へのアピールが少ないと思いましたが、
ホールでは、むしろ響きも音量も私の楽器のほうがあるように感じました。

結果、時間が無いと言うことだったのですが、1時間ほど弾いてもらいました。

そして、やはりソフトフロロカーボンの弦は,とても良い感触だったようです。
自分の楽器で試したいということでしたので、直ぐに福田さんのところに送りました。

数日後の演奏会で実際に使いたいと言うことでした。

そして、日が前後しますが、24日のコンサートです。


img122.jpg

私には、面白い演奏会でした。

曲目が使用楽器に合わせてあること。そして、それが年代順になっていることでした。

「福田進一19世紀ギターデビュー」で使われ、その後もレコーディングで使われた
ルネ・ラコートの1840年の楽器で、ソルの曲。

日本で演奏会で使うのはこれが初めて、というイタリアの製作家の作ったトーレスコピーで
タレガとアルベニス。

その後、ディヴァインさんで、バッハ、グラナドス、ブリテンと続きます。

今のギターの傾向なのでしょうか、ソルはグランソロ、タレガはグラン・ホタといった、
技術的に難しい曲が多いように思いました。もちろん、技術があるので、難しい曲を
弾くのは当たり前のことか分かりませんが。

このブログでは、演奏の事は差し置いて、楽器の話をさせていただきます。
いつもの、事ですが、あくまで私の感想です、考えですので。

ラコートは、普通の人が持っているギターのイメージとは、かなり違うので
ロビーでの話を聞いていても、優雅な音とか、渋い音と言う話が聞こえてきました。

トーレスコピーは、私のようにギター以外の楽器を沢山作っている製作家のようで、
福田さんの友達で、データを基に作っているそうです。

私も弾かせてもらいましたが、弾いている本人には、色気があって、艶もある音に聞こえます。
福田さんもそう言ってられました。

でも、私の感想では、響きのよい(私が一番好きな、フェニックスホールの2階席で聞いても)
ホールでも、聞き手にはその色気や、艶は聞こえてこなかったのです。

その後に使われたモダンギターは、レプリカと言ってもかなり、良く出来たトーレスコピーの
楽器のあとでは、低音特に6弦は、ブン、とかボンというだけで、ぼけた低音で、
高音は1弦がかんかん鳴っていた、バランスの悪いモダンギターの典型と言う楽器に聞こえました。

演奏会が終わって、ギター専門店をやっている若い方が、「平山さん、あのモダンギターはどうでしたか?」
と聞かれたので、上に書いたような感想を言いました。「本当に、そうですよね」
との返事。

他のお客さんはどう感じたのでしょうか?

モダンスペインギターに少しでも不満を感じてくれていれば,良いのだけど。
と思いながら、ホールを後にしました。




  1. 2013/09/10(火) 23:52:59|
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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