古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

材料 ⑤ 指板

指板は一般的に使われている黒檀が良いと思います。

ただ、多弦ギターでネックの幅が広く、指板も広い楽器などはローズウッドなど、
少し比重の軽い木を使ったほうが良い場合もあるように思います。
長年使うと指板の減りが心配ですが、ローズウッドの上に薄い黒檀を張るという手もあります。
これも、指板を軽くして、楽器を鳴らそうという発想でそうするのですが、
この必要がない(楽器を軽くしたり、指板を軽くしてバランスを取ろうとか考えていない方)
と思っている製作家には関係ない話かもしれませんが。・・・・

ここで。すこしヴァイオリンの話をさせていただきます。
現在はムクの黒檀を使っている指板ですが、
1940年くらいまでの楽器はガット弦が使われていました。
ガット弦で良く鳴るように、楽器を軽くしたい、
楽器のバランスを良くしたいとのことから、
一見すると全部黒檀のように見えますが、
ガンバの指板やバロックヴァイオリンの指板のように、
松などの針葉樹の木に薄い黒檀を巻いている指板をたくさん見ました。
ガット弦に近いナイロン弦のギターでも同じように考えてもいいのではないでしょうか?

                img512.jpg


同じような例が、リュートのネックです。
リュートも本体が軽く(私のルネサンスリュートでは 650グラムくらいです)
ネックが重いとバランスが取れなくなり、演奏も難しくなります。
それを解消するために、ガンバやクラッシクまでのヴァイオリンのように
針葉樹などの軽い木の周りに、ローズウッドや、楓、黒檀のような硬い木を巻いて
ネック自体を作っていました。

19世紀ギターにも同じような構造の楽器を見ることがあります。
昔の人は、バランスを取るため、軽くするための努力をしていたようです。


  1. 2012/01/16(月) 19:08:39|
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ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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