古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

コメントをいただいて

CABOTINさんコメントありがとうございました。
音楽的な表現が出来るとか、出来ないというのは音楽家の領域だったかもしれませんね。
でもそこの理解が出来なければ、良い楽器は出来ないようにも思いますし。

CABOTINさんのコメントを読んでいて、あの楽器を表現するのに良い言葉を思い出しました。
あの楽器には「品」があると思うのです。モダンギターが忘れていたような。

それで、昔経験した音楽とは関係ない光景を思い出しました。

西宮の「餃子の王将」で(私は餃子倶楽部の会員になるほど、王将フアンです)窓際に
美人そうな若い女性が3人ほどいました。カップルの女性です。

私の周りには、カウンター席やテーブル席に、土方のおじさんや、運送屋さんのおじさんがいます。
着ている物も、泥がついていたり綺麗ものではありません。

そのうち、3人の女性がタバコを吸い始めました。男性は一人も吸っていません。

食事が運ばれてくると、私の周りの土方のおじさんたちは美しい箸の持ち方で、きれいに食事
しています。

きれそうな女性達は、想像のとおりです。

私も箸の持ち方は少しは綺麗ほうです。子供達にもほかの事は教えていませんが、箸の持ち方と
鉛筆の持ち方は教えました。



見た目と内面は違うということ、楽器にも人にもありますね。
(私は35年以上前は土木の技術屋さんでしたから、土方のかたとの付き合いは、長いですし
よく付き合っていました。体もごついし、顔も怖いのですが、心は優しい人が多かったです)

話が他のブログで良くあるブログのような話になりましたが、あの楽器のすごさは何なんだろうと、
考えました。良い楽器を作って儲けようとしていたら出来ない楽器ではあるようです。

今は、話にならないくらい高い値段がついている、茶道具の朝鮮やベトナムあたりで
昔作られた、茶碗などの共通することでしょうか。

それと、以前もブログで書かせていただきましたが、長いブログでいろんなことを書いているので、
読んでいただいていない方も多いと思いますので、わずか10数台しかギターを作っていないのですが、
それらについて。

西垣さんに使っていただいている、楽器はギターとして4台目くらいの楽器です。
この楽器と滋賀の19世紀ギターを弾いているプロのギタリストの方。また
西垣さんのお弟子さんには、130年くらい弾きこまれた、ベッヒシュタインのピアノの
響板を使って、作らせていただいています。

もう一台、シードマイヤーと言う、ドイツで最も歴史のあるメーカーの響板を使った楽器も
昔一緒に植木先生に習っていた、古い友人が使っています。

彼も、ギターを作っていますし、演奏も教えています。
この間、久しぶりにこのギターを見せてもらいました。
作った時より更によくなっていました。

自分の作った楽器も使っていますが(とても良い楽器です)シンプリシオの良い楽器も持っていますが、
シードマイヤーの響板を使ったギターをとても気に入ってくれたので、お譲りしました。

これらの楽器は、ただ百年以上経っている木を使ったと言うのでなく、100年以上楽器として
弾かれていたのですから、ギターの形になっても直ぐにすばらしい楽器にになってくれました。
確か西垣さんの楽器は出来て、すぐにフランスでアランフェスで使ってもらったと聞いています。

これ以外にも、ヴィオラ・ダ・ガンバですが、35年ほど前に150年前のヴァイオリンの表板
だという木を分けてもらっていて、2台使いました。

この楽器も出来て直ぐに大きな会場(県民祭というので,大きな体育館)で使ってもらいましたが、
オリジナルのガンバより、大きな音響の良くない会場の一番後ろの席で大きな音で聞こえました。

でも、ベッヒシュタインの楽器のように、弾き込まれた音ではありませんでした。

最近は、これらの名器の響板がなかなか手に入らないので、野村先生の還元熱処理による
方法とか、日に干したり、いろいろ試しています。もちろん、よい結果がでています。

新しい西垣さんのギターは野村式熱処理還元法によって加工された木を使う予定です。


100年以上弾き込まれた音はしませんが、かなりそれに近い、そして違う魅力を
持った楽器を作ろうとしています。


ヴァイリンについては、また次回に書かせていただきます。



  1. 2013/05/13(月) 01:53:37|
  2. ギター
  3. | コメント:2
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コメント

野村式の方法の表面版、楽しみです。そして、西垣さんのような演奏家によってさらに、その良さが広く、聴衆に聴かせていただけるのはありがたいことです。

 ところで、CABOTINさんが言われた、「暗闇の中で、音量を絞って、バッハのクラビコードを聴いてみる」というのは、なにかバッハの真髄にふれる機会ともなるでしょう。
さっそく試してみようと思います。
  1. URL |
  2. 2013/05/13(月) 10:41:34 |
  3. gavottenⅡ #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは。
 私は、あらためて経年変化とは何かということが、おぼろげながら見えてきた気がします。
 イギリスの某著名リュート製作家曰く、「 表面板の経年変化による古さは真似できない」と。
 その方は、かなり歴史的に楽器を製作するコンセプトを持ってられますが、この点だけは真似できないと言われています。

 しかし、生物・科学的技術が進歩した現在において、本当に真似できないか、それに迫る音色の表面板・裏横板はできないかを追求する姿勢は大事なことです。

 野村氏の方法と自然の天日干しの効果は、意義ある実験だと思います。物事の本質に迫るには、一般の科学者が行っているような、仮説・実験・検証のサイクルを粘り強く行うことが必要と思います。

 それと私自身、今回のこの2本の古いギターの感想により、改めて、楽器の本質とは何かを考えさせられる機会となりました。

 今、使用されてるギターも、あと100年、200年もすれば、貴重な20世紀、21世紀ギターとして大事にされるかもしれない。いや、3万円の量産ギターでも、一流名器に比較されうるかもしれない。

 経年変化恐るべしである。
  1. URL |
  2. 2013/05/13(月) 19:51:37 |
  3. guitarist #-
  4. [ 編集 ]

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kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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