古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

バッハの楽器その他コメントをいただいて

ギターのブログですが、バッハのリュート曲等に関連して、バッハの曲はどんな楽器で
演奏するのが、良いのか?と言う話が続いています。

いろんな意見もあると思います。
バッハの曲はどんな楽器で弾いても、バッハの音楽は表現できる。
という考えの方も、リュートで弾けば、リュートの魅力を。

ギターで弾けば、ギターでの魅力を。
ピアノで弾けば、グールドさんたちのような魅力が。
オルガンで弾けば、オルガンの。
チェンバロで弾けば、チェンバロの。
リュートチェンバロで弾けば、リュートチェンバロの。

そして、クラヴィコードで弾けばクラヴィコードの魅力があると思います。

特に、クラヴィコードはコメントいただいたように、音の強弱も
ビブラートも何でもできる楽器です。
よく出来た楽器で、上手な人が弾けば素晴らしい楽器です。
(でもなかなか良い楽器も上手な人もいないのが問題ですが)
ただ欠点というのが音が小さいことぐらいでしょうか?
(それも、長所だという人もいますが。)

楽器としての素晴らしさは、DVDにはなっていないのですが、
20年ほど前にレーザーディスクで発売された、フリードリッヒ・グルダの
「ソロフライト」というアルバムのなかで、息子さんのリコさんのために
作曲された曲など、ジャズと言うかロックに近い曲です。クラヴィコード
でしか作れない音楽です。それほど、オールマイティの楽器だと思っています。

でも、オールマイティの楽器だから、すべての曲をクラヴィコードで弾くより、
ギター、リュート、チェンバロのように弦をはじく楽器の音の魅力が、
オルガンのように、音が持続する楽器の魅力が、
ヴァイオリン、フルートなどのような旋律楽器で演奏する魅力もあると思います。

平均律など、特にそう思います。
曲によって、クラヴィコードが合う曲。チェンバロに合う曲。オルガンに合う曲。
というか、バッハさんがそれぞれの楽器をイメージして作ったのではないかと、
思えます。(これは昔よく一緒に仕事をしていた、ものすごく頭の良いチェンバリストの方の
考えでもあるのですが)

ということで、バッハさんの曲はどんな楽器で弾いても良いと思いますし、
いろんな楽器で弾けば、いろんな魅力があるということでどうでしょうか?

私は、この曲はこの楽器で聴きたい、弾きたいというのがあるのが、バッハさんの魅力でしょうか?



またまた、本人を差し置いて、西垣さんの話をさせていただきます。

まず、最初にコメントをいただいたなかに、貴重な音源をアップしていただいて、
ありがとうございました。

1000人の教会で、そんなに上手でないオケでアランフェスをマイク無しというのは、
すごいと思います。
昔、とても小編成のアンサンブルで(そんなに上手でない)ギターと合奏をしたことがありますが、
音を落としてもらうのに苦労しました。

今回、西垣さんと合わされたオケはかなり上手だと思うのですが、プロのトップに近いオケとは違い、
ピアノ、ピアニッシモのコントロールは難しかったと思います。
そのオケと合わせて、マイク無しでもこれだけ聞こえたというのは、とてもすごいことだと思います。

確かに3楽章では、マイクを通した音の輪郭は確認できますが。

ということで、本題の本人を差し置いての話をさせていただきます。
(いつものことですがこれはあくまで、私の考えです)

西垣さんはリュートを誰かに習ってはいないと思います。
西垣さんは、ギターでも弦長とか弦幅が違う楽器、弦のテンションが低くても
高くてもどんな楽器でも弾ける方です。

自分で弾いてられるギターの弦長とか、弦幅をご存知なかったりしました。
そんなことは関心なさそうでしたし。

ということで、リュートのようにテンションの低い楽器でも、弾くことが出来る方ですから
習う必要は無かったと思います。音楽については習うこともないでしょうし。

次回は、ギター中心のブログですが、少しヴァイオリンの製作に関して書かせていただきます。
ギターの製作に関連するような。














  1. 2013/04/24(水) 13:56:24|
  2. ギター
  3. | コメント:2
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コメント

早速のコメントで感謝いたします。
 思ったとおり西垣さんは特に習っていないということではないかなと思っていました。
ご本人のコメントがないのでわかりませんが、19世紀ギターのような張力が低い楽器であれば、リュートも違和感ないのですかね。
 あるプロの古楽専門家のお話ですと、なまじギター弾きですと、しっかりしたタッチ(正統な右手の使い方)でない場合も多く、爪にかけて弾く人もおり、残念な結果を招いているとのことでした。また、モダンリュートと言われる重くて歴史的でない楽器なども同様であるとか。
 私個人は、西垣さんには、全く上記のようなことは当てはまらず、大いにリュートの良さを堪能できる演奏だと確信しています。

 話は変わるのですが、ホームページなどを見回しますと、個人でクラヴィコードを製作している人、会社も結構あります。
 あまり良いものがないと言われますのは、歴史的でないとかいう意味でしょうか。
 楽器作りは、本当に難しいものなのですね。
ところで、このようなすばらしいクラヴィコードは、もし依頼があれば平山さんは製作なさいますか。
 私は最近クラヴィコードと演奏を倣いたいと思っているのですが、あの音色は大変にすばらしいと思います。
  1. URL |
  2. 2013/04/24(水) 16:14:06 |
  3. localxx #-
  4. [ 編集 ]

バイオリンに関連して。

以前、ここで、現代の奏者の楽器の調整不足で、なってないものが多いということがありました。魂柱をあと何mm寄せるとか、微妙な調整です。
こういうことって、奏者には理解できていないのでしょうか。また、オールド楽器(既に改造を受けているが、細かい調整不足のもの)を弾く奏者は特に顕著なのでしょう。
大変にもったいないことです。
 バイオリンの資産的価値には興味はあるが、構造とかに弱いという日本人奏者の最たるものだと思います。昔に立ち返り、バロック弓やバイオリンに戻せとはいいませんが、もう少し勉強してもらいたいと思います。
 言うまでもありませんが、弾き手は、楽器の根本原理、すなわち、音の出るしくみとか、伝わり方、弦の振動とか、周波数、テンション、ゲージとの関係など、物理学的内容、楽器の製作方法とかの教養が絶対に必要であります。
そういうことを知らずして、楽曲分析などのアナリーゼをやって、指が動くだけでは、楽器を使いこなし、音楽を聞かせることはできまいと思います。
 弾き手全員が無知だとは言いませんが、多くは当てはまるだろうと思います。
数少ないが、本当に教養ある音楽家の演奏を聴きたいものです。
  1. URL |
  2. 2013/04/29(月) 14:14:45 |
  3. gavottenⅡ #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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