古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

近況報告 と 道化師の踊り

どなたのブログを見せていただいても、「暑いですね!」の文字が必ずあるようですね。

もちろん、篠山も暑いですが、仕事に雑用に走り回っています。
(2階の仕事場も午後には33度くらいになっています)

8月1日から10日まで、地元自治会長会が中心になっている、「中地区里作り協議会」で小学生対象の
催しをやっています。

午前中、1時間は勉強であと2時間は色んなことをやっています。

その内の、一日 孟宗竹で作る「竹のこっぽり」は私の守備範囲なので、のこぎりやドリルを持って
参加してきました。

008.jpg

高学年の子供には、自分で竹を切らせたのですが、何人かとても上手に竹を切る子がいました。
特に、女の子は力をいれずに、真っ直ぐのこぎりを使うので、とても早く綺麗に切れていました。

チェンバロを見たい方や、ベルギーからのお客さんとか、来られました。

ベルギーからのお客さんは、チェンバリストの三和睦子さんのお友達です。

一緒にチェンバロを学んだご主人と、奥さんです。

京都や奈良に行かれて、明日は熊野古道に行かれるそうです。

ご主人は居合いもベルギーで習われていたそうなので、私の家の次に同じ篠山で
日本刀を作ってられる、藤井さんの所に案内しました。

藤井さんのご主人が作られた刀を、私が使わせていただいて、奥さんのチェンバロは私が作りました。

私の友人の中のユニークなご夫婦です。

もう一組のユニークなご夫婦が、今日テレビに出てられました。

京都美山でご主人が茅葺職人、奥さんがガンバ奏者のご夫婦です。
もちろん、奥さんのガンバは私の作品です。

関西テレビの「よーいどん」という番組の中で「隣の人間国宝さん」というコーナーがあって、
歌手の円広志さんがあちこちたずねて回る番組にご主人だけですが、出られていました。

テレビといえば、オリンピックが始まっていますが、高校野球も始まっています。

今年は、私の奥さんのいとこの息子さんが、市立尼崎で甲子園に出ています。
主将なので、選手宣誓した彼です。

試合は惜しくも、延長戦で負けてしまいましたが、甲子園に出れて、選手宣誓までしたということで、
親戚で盛り上がっています。

雑用の一つですが、日本刀の鯉口といって、鞘の口が水牛の角で補強されている部分があります。

(この刀は、もちろん私のものではありません。
もう5年ほど、仕事が忙しくて休席させていただいているので。
でも、何か私に出来る事があれば、させていただいています。)

この部分の修理も、今やっています。

IMG_20160807_165732.jpg

この修理がなぜ必要になったかと言うと、刀で硬いござを切っていると、刀のそりが
戻ってしまったからです。
そりが戻って、鯉口に当たって鯉口の水牛角が無くなってしまったのです。

今回はそんなにひどくは無いのですが、5年ほど前には、主席師範代の刀がほぼ真っ直ぐになってしまいました。

居合いをやっている方は、ご存知だと思うのですが、居合いではよくござを斬ります。
このござは普通の流派では何日も水につけて柔らかくしているのです。

でも、私たちの流派は汚れなどを洗っただけの、固いござを斬っているので刀のそりが戻ってしまうのです。
硬いござは、刀の根元で斬りますから、衝撃で曲がるのです。

普通の斬り方だと、ほとんど戻らないのですが、直角に近い斬り方だとかなりの力が刀にかかりますので。

5年ほど前に、私の刀を作っていただいた、藤井さんに相談すると「そんな事は、ありえない」他の刀匠に聞いても
そんな筈はないということでしたが、実際に刀を見ていただいて確認してもらった経験があります。

居合いついでに、ユーチューブなどでござを直角に(立てた状態だと水平に)切る場面がありますが、
硬いござだと、必ず刀は曲がります。神業の持ち主の私たちの宗家でも曲がります。

水平に斬っているという事は、かなり柔らかいござを斬っているという事なのです。

参考に、私が休席して1年間素振りもせず、練習もせずに、ござを斬った時の映像です。
映像作家の方を紹介して、私の流派「薩南塩釜流」の映像を撮ってもらうのに、紹介した私が
いないといけませんので、練習もしていなかったのですが、撮影してもらいました。
体が覚えている技だけで斬っています。



実戦に使う太鼓の音や、ユーチューブに上げていただいたのが、撮影してくださった映像作家の方なので、
説明を動画の中でして下さっていますので、少し見にくいかもしれませんが、
よろしくお願いします。(音量を小さくしてご覧下さい)



雑用のついでに(雑用ではないかもしれませんが)ロンドンのアーリーミュージックショップで
チェンバロのキットがほぼ半額だったので、買いました。

私用でなく、チェンバロを作って見たいと言う方がおられて、自分で買って使えないものだったり、
自分には無理なキットだったら、困るので私のほうで買ってあげたものです。

私でしたら、いざとなれば部品だけでも使えますし。

と言うことで、日本に着きましたと連絡がありました。

通関手数料とか、倉庫保管代とか税金とかは払いましたが、関西空港から私の家まで、
58000円ほどかかるということでした。(荷物が大きく、混載出来ないという事で)

イギリスから45000円ほどで来ていますので、自分で取りに行く事にしました。

聞いていた、寸法だと充分に余裕があったのですが、いざ積んでみると、あと1センチ幅が広ければ
詰めない大きさでした。でも、何とか入りましたので、持って帰りました。

関空の外国貨物の倉庫です。

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こんな状態でした。

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と言うことで、暑くて雑用も仕事も忙しい時はギターでも弾こうと、昨日(正確には今日の朝 2時くらいに)
小胎 剛さん編曲の 道化師の踊り弾きました。

また、練習10分録画5分のパターンですが、小胎さんの編曲にしては弾きにくい編曲なのですが、
とりあえず、そのまま弾いてみました。

ロペスさんの編曲ではほとんど2声だったのですが、和音になっていて、左手の運指が難しくなっています。
(時間があれば、また少し、簡単に弾ける楽譜を作らせていただきます)

また、低音に休符が付いているので、消音しないといけませんし。
少し消音が早いのですが、消音するならこんな感じのほうが、効果的かな?と思ってやっています。



テンポはロペスさんの楽譜より少し遅くなっています。
ギターは最近手に入った、ヤマハの弦長60センチのギターです。

練習不足で早く弾けないからでなく、アレグロと書かれていますが、道化師の踊りだと、あまりは早く弾くと
曲の感じが変わってしまいそうなので、この程度のテンポにしています。

標題音楽ではないかもしれませんが、この楽譜からはこんなテンポを感じます。

あまり早いと、「短距離走者の踊り」のように感じてしまうのです。

フェステ・ラリアーネ 、道化師の踊り と比較的初心者の曲が続きましたが、
もっと簡単な曲を音楽的に弾きましょうシリーズ?で少し続けさせていただこうと
思っています。

ギターを習い始めて、発表会で必死に弾いて、それで終わりにするのには、
もったいない曲もありますので。

メルツのロマンス、コストの舟歌、ヘンツェの夜想曲 緑の木陰にて 、
サグレラスのマリアルイサ、ワルカーの小さなロマンス、あとタレガの小品とか

などまた、アップさせていただきます。

  1. 2016/08/09(火) 14:10:04|
  2. ギター
  3. | コメント:1

近況と 予定 そして 道化師の踊り

毎日暑い日が続いています。

いつものブログと少し違って、近況など。

今、ヴィオラ・ダ・ガンバのバス,7弦を作っています。

もっと早くかかれる予定だったのですが、修理、雑用その他で 7月20日から取り掛かっています。

これを何とか、8月10日から中旬にかけて完成させる予定です。


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ここ2日ほど、楽器で一番大切な表板をひたすら削っています。

中央部で約3センチ端で1.5センチの元の木を約3ミリから4ミリにします。

削るのは、0.1ミリずつ位なので、ほんの少しずつしか削れません。

胴体もほぼ出来上がり、ネックもある程度まで出来上がっています。IMG_20160802_114840.jpg

この後、小さなハープを作って、今年の秋から冬にかけての 九州から名古屋までの 
遣欧少年使節の頃の演奏会用のオルガン作りが始まります。

まだ、図面も何も出来ていないのですが、10月半ばには仕上げておかないといけません。
と言いながら、10月は8回演奏会がありますので、作業できるのは2ヶ月無いのです。

オルガンは、天草コレジヨ館用に作りましたが、あの時も必死で作りましたので、あまり記憶が無いのです。
違うタイプのオルガンなので、1からというか0からのスタートです。

その間にも、すでに修理の予定が入ってきていますし、年末までには5弦チェロも作らないといけません。

来年は、何年も待っていただいているクラヴィコードとガンバ2台チェンバロを何とか夏までには、
と考えています。

ここの所、1ヶ月から1ヶ月半修理や雑用、そして1ヶ月楽器製作にかかれる、という感じです。

夏は、夏バテしている時間が無いし、冬は39度の熱が出ていても仕事しているし。

もう、一昨日の7月31日で67歳になりましたので、あまり無理はしないでおこうと思ってはいるのですが。

今日明日とは、自治会長さんの仕事で、子供たちの夏休みの行事に参加です。
孟宗竹で竹のこっぽり作りということで、私でなければ駄目な様なので。

体も気をつけないといけないのです。

最近は落ち着いていますが、血圧が昨年2月くらいは182-119、193-116、192-115
少し落ち着いてきて、180から113,179-111 最近は 164-102、162-101くらいです。

これでも、医者に言わせると充分な高血圧ですが。

ということで、いつも時間が無くばたばたしていますが、こんな時だからギターを。

ブログ友達が フェランデエールさん の道化師の踊りを練習されています。

楽譜を見せていただくと、とても難しい楽譜を使ってられるようなので、私のブログでも
この曲を取り上げさせていただきました。

Fernando Ferrndiere 詳しい事がわかっていなかったのですが、ドミンゴ・プラト著 ギタリスト辞典
に詳しく書かれていました。日本語訳を富川勝智さんがされて、
現代ギター2005年3月号68ページに書かれています。

それによると、著名な作曲家音楽家で、1775年にマラガでヴァイオリン演奏法の本を出版され
ていますが、この辞典の著者のドミンゴ氏は実物を見た事が無く、1816年に出版された第2版を見た事があると
書かれています。その2版ではギター演奏法とあって、多くの人のためになることを願っている、と書かれているそうです。
序文の中で、ここ10年に書き溜めた作品があるとも書かれています。
1793年にはギター、ヴァイオリン、フルート、ファゴットのための3つの四重奏曲を出版している。

楽譜には生年が1771年と書かれていますが、そうだと4歳で出版している事になります。

10年書き溜めたという事から、1740年前後の生まれではないかと思います。

そうなると、ハイドン、ボッケリーニと同時代です。
カルリさんより30歳ほど上になります。

ソル、アグアドさんたちが教本や練習曲を発表する60年も前にギターの演奏法に関する
本が出版されていたようです。

時代が1800年以前ということで、フェランデエールさんのギターはリュートのように
複弦でした。

そして、6コース11弦だったそうです。1コースはリュートのように単弦です。

元は、複弦で書かれた曲、1弦だけ単弦の楽器で作曲された曲というのは、大事なポイントかもしれません。

溝渕さん編曲の楽譜をブログ友達は使ってられるようですが、これ以外では ドレミ出版のギター名曲170
に小胎さんの編曲で、そして、いつものペトルッチの楽譜から、2005年にEdson Lopes さんが出版された楽譜が
手に入ります。

溝渕さんの楽譜では、和音も沢山入り、なにより17,18小節が他の版に比べて、余分に入っているようです。
音楽は基本的に、4小節の単位で作られる事が多いのですが、2小節増えると違和感を感じます。
また、音的にも不要な感じです。

小胎さんの楽譜も6弦をDに下げて、この6弦Dも上に旗が立っているので、2オクターブ旋律が飛んでしまう、
という不思議な事になります。また、休符が必ず付いているので、休符どおりに消音をすると面白い効果もありますが、
アレグロで弾くと少しうっとうしい感じです。(ユーチューブでこの楽譜の演奏も聞くことが出来ます)

そこで、ロペスさんの楽譜です。

和音がほとんど無く、ほとんど2声で音楽が進んでいます。
アレグロ、初心者ということを考えると、このロペスさんの楽譜が最もぴったりきます。

休符もアウフタクトの部分にだけかかっていますが、これは必ず低音を消音してあげないといけないと、
思います。

9から12小節はアルペジオなので、低音以外は音が残っているのが普通だと思います。

後は、旋律を歌ってあげる事でこの曲は仕上がると思っています。

17小節以降の部分は道化師の少し暗い部分が出せれば、と思います。

ということで、編曲者自身がペトルッチに上げているので、一般公開されているものと思い
楽譜上げさせていただきました。

img20160730_21560073.jpg

小胎さんの楽譜は公開してはいけないような気がしますので、前半だけロペスさんとの違いを
表したものを上げさせていただいています。

img20160730_21582412.jpg

それと、フェランディエールさんの綴りが、rがひとつと二つのものがありますが、ドミンゴさんの辞書では
ひとつなので、ひとつなのでしょうか?

最後に音源の提供です。
ガンバの表板を削っていて、指がカチカチなのですが、とりあえず弾いてみました。
練習5分録画5分の成果です。時間をかけていなくてすみません。



アングルも考えていなかったので、右手のアップですみません。

ギターは 前回と同じ還元熱処理されていない、材料で作った方です。
前回はほぼ半音低い、バロックピッチでしたが、今回はモダンピッチです。




  1. 2016/08/02(火) 13:18:18|
  2. ギター
  3. | コメント:0

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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