古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

長年の疑問 が解消

パッサメッツオ アンティコの演奏会のリハーサル中に 楽譜が出来上がっていたのですが、
楽譜だけブログでアップさせていただくより、下手でも音源があったほうがと思って、今日
ブログにアップさせていただきました。

それは、モッツアーニ作曲 フェステラリアーネ ラリアーネ祭とも呼ばれている曲です。

私も、50年近く前にギターを習い始めた頃、発表会で弾かせていただきました。

その頃から、「なんか変な曲だな? 取って付けたようなアルペジオとかトレモロが
ぴったり来ない曲だな?」と思っていたのです。

それが、2013年にユーチューブで新間英雄先生が発表されていて、疑問が
解消しました。
https://www.youtube.com/watch?v=MWSpK9RGsgg

モッツアーニさんが作曲したと言う、20世紀初頭より前に、1889年にボストンで Luis T Romeo
さんが出版されているのです。ペルーの歌 「Peruvian  Air」と言うタイトルで。

また、同年Joe Sanche さんがオリジナルとして メロディア ノクターナ 「Melodia Nocturna」のタイトルで
出版されています。

これらの楽譜を手に入れた、モッツアーニさんが編曲して 20世紀初頭の パリ国際ギター作曲コンペティション
で発表し、優勝したようです。

モッツアーニさんの楽譜では、テーマが終わってから、アルペジオの変奏が出てきますが、この二人の楽譜
にはありません。テーマ部分でも、内声部の8分音符の伴奏もありません。ここが昔弾いていて
違和感を感じた所です。

これ以外でも、音の違いや、和音の違いも沢山あります。低音の動きや、装飾音符や
聞かせどころの、1弦 ソから12フレットのミに飛んで、またソに戻る所は、二人とも
ミに戻っています。以前は普通にはソに戻る事をやっていたので、ものすごい違和感がありましたが
楽譜どおりに弾いています。


そして、トレモロで演奏される第2変奏部も、なにか中身が無いような気がしていました。

ロメロさんの楽譜ではこれが3連譜なのです。3連譜で弾くと、中身が出てきて、密度が増え
音楽が表現しやすくなります。サンチェさんの楽譜では、最初の1小節だけ3連譜ではないのですが、
後は全て3連譜になります。(新間さんは楽譜がおかしいと書かれています)

これは、テクニックが無くてトレモロだ下手だから、と言う理由もあると思いますが、
3連譜のほうが、このメロディにはぴったり来るのです。私には。



少し前にはそのユーチューブを見させていただいていたのですが今回楽譜が出来たので、
ガンバを作っている所なので、木をくっつけて、待っている間に演奏もしてブログに
アップさせていただきました。

数回練習しただけで、半時間ほどの 録画とユーチューブへのアップでしたので、いつも以上に
練習不足というか練習もせず、アップさせていただいています。
見ていただく方には、申し訳ありません。

最初は、楽譜だけアップさせていただこうと思っていたのですが、下手でも音源があったほうが
良いだろうと思って、ミスばかりの演奏ですが、アップさせていただきました。

最初は ルイス ロメロさんの楽譜です。

img20160728_20514220.jpg

演奏は

http://
それを元に3連譜の楽譜を作りました。

img20160728_20582987.jpg
img20160728_20590119.jpg

演奏は



そして ジョー サンチェ さんの楽譜。

img20160728_20565361.jpg

演奏です。




楽器は、先月作りました 2台のギターの内、還元熱処理していない材料で作ったギターです。

長年寝かせていた材料で作ったので、最初から雰囲気のある、響きも豊かな楽器です。
反応も良い楽器ですので、出来てから1時間も弾いていないのですが、弾きやすい楽器です。

還元熱処理された材料の楽器は、8月28日に西垣さんの演奏会で使っていただくために、
先日リュートと一緒に持って行かせていただきました。

西垣さんに弾いていただくと、この楽器の持っている全ての性能が引き出されるようです。

その時の話です。

私がこのモッツアーニのトレモロ部分が原曲では3連譜だという話をすると、西垣さんは逆に
それだと曲が速くなってしまうので、メロディ部分の音の数を増やしていると言われました。

確かに、アルハンブラ宮殿の思い出を西垣さんが弾くと、メロディ部分の音が4つか5つで
弾かれていたのを思い出しました。アストリアスもメロディ部分は倍の音が入っていましたね。

それと、他の人のブログで、アマチュアでも 上手な人は ソルのセゴビアさん編の 20の
エチュードとカルカッシの25のエチュードは弾いているという話がありました。

でも、私はプロでも弾けてる人はほとんどいないと思っている、と話したら。

西垣さんは あの イダ・プレスティさんがカルカッシのエチュードが弾ける人はいない、
と言っていたと、言われていました。

もちろん、アマチュアの話をしているわけではありません。

時々、他の人のブログを読ませていただいていて、「なんて、難しい曲を弾いているのだろう。
その曲は10年まじめに練習して、10年先20年先にやったほうが良い曲なのでは?」
と思うことがあります。

弾く事が不可能な曲を練習して、しんどい思いをしなくても、と思うことも。

最後に モッツアーニさんのフェステラリアーネはこんなにテクニックがあって
歌う事が出来る人が弾く曲ではないかと思っている動画を紹介させていただきます。

https://www.youtube.com/watch?v=HtMynZftSsc

クラシックばかりをやっている人ではなく、こんな曲も美しく歌って弾かれています。

https://www.youtube.com/watch?v=ucJdCgEwoy8

  1. 2016/07/28(木) 23:24:54|
  2. ギター
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素晴らしい演奏会のご報告

素晴らしい演奏会のご報告です。

今、以前に案内させていただいた、アンサンブル・パッサメッツオ・アンティコのリハーサル中に
この原稿を書かせていただいています。

昨日(7月17日)の、京都産業大学の演奏会は、出来て間がない建物で、ライトやエアコンの調整が、
日曜日という事もあって、警備会社に聞かないと分からない、とか設計図面を見ないと、スイッチの位置や
系統が分からないということで、雨の日に、湿度も高く、照明も充分でない状態でリハーサルが始まりました。

そして、リハーサルが終わりかけ、演奏会が始まってからやっとエアコンが効いてきました。

今回の弦楽器は全てガット弦で、おまけにチェロは2台です。

もちろん、チェンバロも湿度が高く、気温も高い状態では、調律が安定しませんし、演奏会の途中で
エアコンが効いてくるなど、変化も大きいコンディションでした。


002.jpg
(リハーサル中です)

会場も、教室でなく階段状になった、オープンスペース のような所です。
ですので、余計にエアコンや照明の調整が難しかったようです。

でも、演奏者の皆さんはベテランで、このコンディションの中でも、素晴らしい演奏を聞かせてくださいました。

ヴァイオリンはリハーサル中に弦がささくれだって来て、弦を張り替えました。
(ガット弦は湿度が高いと、より合わせて作られている弦のよりが戻ってくるのです)

本番中に切れるより、弦は安定しないけど、張り替えるほうが、まだましだということで。

第一回の演奏会に比べて、格段に音楽的にも、技術的にも上がっているように聞こえました。

曲目、編成も良く考えられていました。

両方の演奏会に、私のブログを見て来てくださった方がいました。
ありがとうございました。

曲目で、1部の最後の曲が 私のブログでも 取り上げさせていただいた、チャコーナ (シャコンヌ)
でした。

生き生きとした、のりに乗った演奏でした。

本当にやりたい曲を、好きな曲を、やりたいメンバーでやっていると言う感じです。

2日目はい1日目とうって変わって、天気もよく、エアコンもリハーサル前から効いていて、
教会ということで、響きも良く気持ちよく、準備や調律も出来ました。

もちろん、演奏も良いコンディションでしたので、素晴らしい演奏です。

チェロについて少し書かせていただきます。

今年チェロを作らないといけないと言う事で、チェロも弾いていますが、今回の演奏会で
使われたチェロは、1台はストラディバリモデル、1台はガダニーニのモデルです。

チェロが一番大きかった頃のストラディバリの楽器は、オリジナルの楽器では弦長が84センチも
あるそうです。このオリジナルの楽器を縮小して弦長81センチの楽器で作られたそうです。

もう一台は小さいチェロの時代で 弦長は 68センチ。

一回の演奏会でこんなに弦長の違う楽器を弾くのは、難しい事です。

私も弾かせていただきましたが、いつも弦長63.5センチの楽器を弾いていると、
弦長81センチは大変でした。

なぜ、2台の楽器を使ったかと言うと、ガダニーニの楽器は1音ずつ低い調弦の曲だったので、
オリジナルの調弦で弾くためだったそうです。

調弦も弦長も違う楽器を弾いてられたのです。

ストラディバリの頃の楽器は何故大きかったのか?というと、弦との関係のようです。

巻き線は諸説ありますが、18世紀までには発明されていたようですが、最初の頃はオープンワウンド、荒巻線
と言って、今良く見るようなきっちりと巻かれた弦ではなかったようです。

それまでは、ガット太くしていくと、弦の直径が大きくなり、弓がかかりにくくなりますので、キャトラインとかキャトルライン
ロープガットと呼ばれるように、弦をより合わせて低音弦が作られていました。
もちろん、ロープガットでない太い弦も使われていました。

金属の巻き線でないため、弦長を長くして、楽器を大きくしないと低音が出なかったので、大きい楽器にならざるを
得なかった。でも、金属の巻き線が安価に作られるようになると、弦長も短くなっていったようです。

ガンバもそうですが、現代のように規格化されていませんので、大きい楽器、小さい楽器はあったと思いますが。

最後に少し残念な事、それはお客さんが少なかった事です。
正確に数えていませんが、20人弱だったように思います。

次回は、もっと宣伝させていただこうと思っています。




  1. 2016/07/26(火) 10:26:19|
  2. ギター
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何故 リュートは複弦なのか?

面白そうな、興味のあることでメールいただきました。

リュートは何故複弦なのか?ということです。

こんな事は、研究者に任せておいた方が良い事かもしれませんが、
面白そうなので、ブログにアップさせていただきました。

(演奏会のリハーサルや空き時間に原稿を作りましたので、その時その時に思った事を書いています。
ですので、内容が統一されていませんが、よろしくお願いします)

リュートに限らず、バロック時代までの弦楽器は(擦弦楽器ですが)複弦の楽器が多かったと思います。
ギターや、マンドリン、シターン、バンドーラなどなど。

ギターは18世紀後半から19世紀初頭に複弦から単弦に替わったと言われています。

いつから、替わったのかというのは、人によって様々な意見があるようですが、
時代の要求によって変わって行った、音楽の好み、音色の好みが変わったから、など考えられますが、
リュートやシターンなどの楽器は、バロック時代が終わると、楽器自体が用いられなくなって、
複弦のまま置いていかれたと思います。

マンドリンは21世紀の現代まで複弦ですが、これはマンドリン奏者、
愛好家の好みなどで複弦のまま残っていったのでしょうか?

以前にも書かせていただきましたが、マンドリンも単弦の方が楽器としては健全なのでは?
と私は考えています。特に、テンションの問題、調弦の問題、奏法の問題で。
単弦になったほうが、一般の音楽愛好家に好まれるのでは?と考えています。
(マンドリンを弾いている人はそうは思わないと思いますが)

リュート族でも、テオルボなど長い棹の楽器は低音弦が単弦の楽器が出てきます。
これは、物理的に長い弦長だと複弦にすると、弦同士がぶつかってしまって音が汚くなると言う問題があるからでしょう。
それと、通奏低音で大きな編成の場合、響き、音色よりも、聞こえてくる事、
やっている事が分かる方がよくなったからでしょうか?

リュートでも、イギリスの楽器は(ダウランドさんの時代)複弦がユニゾンで張られていたそうです。

イタリアとかフランスでは低音の音は、オクターブに張られていた楽器が多いように思います。

同じ複弦でも、同じ高さの弦が二本張られているユニゾンの場合とオクターブではかなり響き、目的が違うように感じます。

低音はどうしてもぼけて聞こえます。その場合、オクターブ上の弦が張られていると、音がはっきりして、
音の輪郭も出るように思います。複弦の効果が大きいと思います。

ユニゾンの場合は、ソロからアンサンブルそしてオーケストラのように編成が大きくなって
ユニゾンで弾かれる楽器の数が増えていくと、同じ音でも少し音程や音色が違う事から、
音色を豊かに、響きを豊かにする作用があると思います。

その事から、マンドリンは複弦なのかもしれません。マンドリンオーケストラなどを聞くとそのように感じます。


チェンバロは複弦、単弦、オクターブ弦を自由に替える事が出来ます。
ですが、いつも、いつも複弦で弾く事や、オクターブ弦を入れて弾く人はあまりいないと思います。

好みの問題、編成の問題、楽器の問題、曲の問題などから選んでいると思います。

私は直接その文献を見た事はないのですが、チェンバロの大切な作曲家 フランソワ・クープランさんはまず、
単弦で音楽を作りなさい、練習しなさいと言っているようです。

複弦になってしまうと、音楽の表現の幅が狭くなってしまうように、私も感じます。
このあたりも、複弦から単弦になっていった理由のひとつがあるのかもしれません。

逆に、今回の アンサンブル・パッサメッツオ・アンティコの演奏会でも、使われたのですが、
バロックギターの場合 ラスゲアード奏法を使うと、とても大きな音がします。
うっかりすると、モダンオケで使っても、ピアノやハープに勝つのでは?と思える時もあります。
細い弦の複弦のメリットが最大限に使えるようです。

以前作ったバロックリュートを預かっています。

精神科医の方なので、忙しい人です。手元に置いておくと「弾かなければいけない」と言う強迫観念に駆られるから、
弾ける時間が出来るまで預かっていて欲しいと言われている楽器です。

私の手元に置いていて、弾いてもらえると楽器も少しは鳴ってきて、楽器のためには良いだろうということで。

ギターの経験の無い方だったので、弦長は66センチバッハを弾きたいと言うことでしたので、14コースにしています。

私も、時間が余りありませんし、調弦だけでも大変なので、13コース、シングルにしてあります。

このコンディションでも充分にリュートの魅力は味わえます。本来の複弦にしなければ、
バロックリュートではない!と言われそうですが、調弦に時間をかけるより、
音楽を楽しむ方が私にはメリットが大きいと思っています。楽器のためにも。

でも、チェンバロがモダンチェンバロからヒストリカルのチェンバロになり、
音楽に合わせて、イタリアン、フレミッシュ、フレンチ、ジャーマン、イングリッシュと使い分けるようになり、
さらにどこの博物館のどの楽器のコピーとか言われる時代になりました。

リュートも、弦はガットで、どこそこの博物館のどの楽器の正確なコピーでなければいけない、
と言う方もいらっしゃいます。

そんな事はプロに任せておいて、演奏しやすい楽器で、演奏しやすいコンディションで音楽をまず楽しむのが、
演奏をを専門にしていない我々にとっては良いように思います。いかがでしょうか?

話が少しそれたようですが。



  1. 2016/07/26(火) 09:27:34|
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ソル 作曲 OP 6-11 再考

Cabotinさんから お考えをいただきました。

長らく、第一線で活躍されている、演奏家のご意見ですので、説得力があります。

コメント欄にいただいたのですが、ご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれませんので、
ここにあげさせて頂きました。





急ぎの走り書きをしてしまいます・・ 原典の問題、私見です。 
初期の出版や手稿譜はもちろん参考にはなりますが、それがただしいとは限らない、、
というよりは五分五分の感じと違うかな?

ボーンの本、、当時としては貴重なもので、日本のマンドリンや古いギターの方はそれを原典にされています。
いまとなっては半分は妄想で書かれています。

なかなか素敵な小説として読まれるのにはよいのですが・・正しい部分をさがすのが難しい本です、
たぶんグーグルなどで全部無償でアップされていると思います。

ソルの初版も確定するのがむつかしい、
たとえば 所謂魔笛も随分初期からまったく違った形で゛出版されています
(これはサイトの図書館でも確認できるとおもいます)。

故郷のカタロニアでもあまり発見されていないもののごく初期の出版があります。

で、さて軽視されがちな友人のアグアドや弟子のコストによる手が入ったものは? 
これらがソルの確認なしで出されたとは思いにくい(私はそう感じる)、、
音楽的な価値は別として、厳格な和声のトレーニングを受けていなかったソルはアグアドを信頼していた部分もあります。

また魔笛の序奏など、もちろんフリーメースンの表明なわけですが、コストはパリのメーソンの支部会長をしていたので、
和音をメースンの三和音に類似するように書き換えた、、これはこれでオリジナルかもね? とも感じます、

ソルがほんのすこしためらったことをコストが実行した・・・のとちゃうかな?? 

ま・・でも 音楽を楽しむのに原典 なんちゃら・・といって・・
無駄な時間をつかうより楽しく弾けたほうがよいように思いますが・・・・
走り書きすみません。

走り書き追記。 例を挙げた方が良いかもと思いつつ,当該のソルでも例が多すぎて困るのです。

例えば1805年に出版された主題と七つの変奏,魔笛と同じようにごく初期のものです。
これについては,研究家故菅原さんの尽力によって,最後の変奏は出版した人物が書きくわえた,と判明。
古い初版を忠実に弾くとソルの作品ですらない、ということが起きる訳です。

調べることは大切かも知れないけれど,結局は 愉しむ感性の方が大事かも,と言うのが私の意見です。

多分、有名な魔笛も同じストーリーのような気がするのです。

ブーシェさんの話題 先月岡本一郎先輩と食事をしながら話題になりました。

私がブーシェさんから聞いた話しもなかなか愉快なのですが、また帰国してから話しをさせて下さい







以上がCabotinさんのコメントでした。

原典版とされている楽譜であっても、自分が表現したい楽譜でなければ、他の版を使う事も良いのでは?
と、私も思います。


ということで、中野二郎さんのソルの練習曲集が届きました。

巻末にかなり詳しく、Heugel 版との比較考証 されています。

中野さんは基本的には Heugel 版 を使ってられますが、op35.op60 は Heugel 版
では出版されていないので、op35を Simrock 版 op60を Gitarrefreund から採ったと書かれています。

op 6 についてはHeugel 版を採用されています。

この曲について 中野さんは Heugel,  Simrock , Schott ,Segovia , Sainz de la Maza
版を比較考証されています。

その中には、ジェフリーさんが使われた、ロンドンの L,Lavenu 版はありませんでした。

そして、問題の 72小節は L,Lavenu 版以外は皆同じで、内声部はミ ソ でした。
と言うか、中野さんの比較には上がっていないので、同じだと思います。

楽譜的には、ジェフリーさんの楽譜が 3声になっていて休符も正しいようです。

ジェフリーさんの楽譜で何か違和感を感じたのは、72小節の内声もそうですが、
55小節目の rall です。

ソルさんの練習曲集の中に、他ではこのrallは私は見つける事が出来ませんでした。

そして、弾いてみてこれは、必要ないと思いました。付けても、もっと後の方が効果があるように
思えたからです。

ということで、この練習曲のポイント、右手の甲を動かさない。
指の脱力、指のばねを使う事、手首の脱力、角度などを注意して
再録音しました。

と言っても、前回動画をアップしてから、ギターは全然弾いていませんし、
練習もしていませんでしたが、思いついて 右手の指使いを
ほぼ、セゴビアさんと同じにして少し練習しました。

またまた充分すぎる練習不足ですし、盛大にミスもありますので、
申し訳ありませんが、ほんの少しは自分が弾きたいように弾けていると思います。



この曲を練習すると、手の甲が動かなくなり、指のバネも利用できるようになるので、
「アルハンブラ宮殿の思い出 」の練習にもなると思います。

楽器は前回と同じ、 私設計のお弟子さん製作  弦長 61センチのギターです。


  1. 2016/07/13(水) 18:17:57|
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ソル op6-11 について

トヨサキ様

貴重な、ご意見と資料の紹介ありがとうございました。

時間不足の資料の精査不足、思い込みなど間違った事を書いてしまったようです。

早速、前回のブログ訂正させていただきます。

トヨサキ様からのコメントで、ソルに関する出版物を作品順に書かれているサイトを紹介いただきました。

http://fernandosor.free.fr/SorOpusAngl.html

とても、貴重で有用な資料をありがとうございました。

時間をかけて、全てを見ていないのですが、とりあえず、出版された版元等が分かる
作品を調べてみました。

表紙やタイトルが分かるものは、OP 3,4,14,15,23,33 くらいだと思います。

Op 3 については、1がCastro 2が Meissonnier
4はロンドンでLavenu 14,15,23,33 については、Castro と Meissonnier
の出版のように見えます。

肝心の72小節の内声部ですが、このオリジナル譜では、トヨサキ様のご指摘どおり、
ブライアン・ジェフリーさんと同じでした。

私が何を基にしたかといいますと、膨大な楽譜がアップされている、
ペトルッチの楽譜からです。

http://imslp.org/wiki/12_Etudes,_Op.6_(Sor,_Fernando)

表紙を見ると、ベルリンのシムロック版でした。

こちらは出版年は分からないのですが、20世紀に入ってからのものと思いますので、
トヨサキ様の資料の方が古くて、オリジナルだと思います。

ただ、このOP 6 がどこで出版されたものかが、私が見ると分かりませんでしたが、
Op4と同じ楽譜に見えます。これはロンドンで出版されたもので、ソルさんがその頃活躍していた
のはロンドンなので自然な事だと思います。

版元が分かっている、Castro と Meissonnier の楽譜とは記譜が違うようです。

特によく分かるのが、8分休符です。休符の棒がまっすぐなのです。

Castro と Meissonnier だと、一般的な休符によくあるような、斜めの棒です。

このOP 6 と同じような記譜はOP 8,9,13 で見る事が出来ました。
これらも、ロンドンのLavenu さんが出版した物だと思われます。

現代ギターの中野二郎さんのソルの曲集には、出典を明らかにして
版による違いを、細かくあげておられます。

手元には、第2集しかありませんでしたので、OP 6 の載っている第1集を
早速注文しました。

届くと、もう少し分かる事があると思います。

ブライアン・ジェフリーさんの本には、出典が書かれていませんので、
何の版を基にしたか分かりませんが、9ページのEx31の指使いで参考に
書かれている楽譜が、トヨサキ様に教えていただいた、楽譜と同じ8分休符なので、
ブライアン・ジェフリーさんはこの楽譜を基にしていると思いますので、彼の出版した楽譜もそうなっていて
当たり前の事でしょう。

ブライアン・ジェフリーさんのOp6 の解説では、1815年か1817年の出版とあるようですが、
中野二郎さんの本には、ボーンと言う人によれば、1819年に作品1がロンドンで出版されているようです。

また、Meissonnier さんはパリで1814年から出版を始めたようです。
そして、カルカッシなど多数のギター曲が出版されたとあります。

第2集しかなく、肝心のOp6がないのですが、中野さんの第2集では Op 35,60
については、ウジェール版がなく、20世紀に入ってからのシムロック版などを基にしたとあります。
(中野さんによれば、最初 Meissonnierから始まった出版業務がMeissonnier et Heugel
の時期を経て、Heugel単独に引き継がれたとなっています。そして、現在ではHeugelの出版目録
からは全てのソルの作品は抹殺されていると書かれています。)

中野さんは出典や版による違いなど詳しく書かれています。
私には中野さんの本が頼りになります。

本当に、トヨサキ様貴重なコメントと資料をありがとうございました。




こんな事を書いていると、音楽学者の方たちは、「素人が何を言っているんだ?」
と思われているかもしれません。
私も、ブログやフォーラムなどを見ていて、楽器の事について
分からない人たちが、間違った事を書かれていることについて、
思わずコメントしてしまいそうになりますが、そんな事をしていると
いくら時間があっても足りなさそうなので、やめています。

一楽器製作家が余り時間も使わず、資料を詳しく調べもせず、
音楽の事について書いてしまっていることも多いと思いますが、
これからも、何かお気づきの点がありましたら、よろしくお願いいたします。






  1. 2016/07/07(木) 10:29:54|
  2. ギター
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良い楽器とは?

原稿がほぼ出来上がっていましたので、最も気になる問題について書かせていただきます。

良いギターとはどんなギターでしょうか?

100人に聞くと、100の答えが帰ってきそうです。また、実際そうかも、しれません。

 ここで書かせていただくことは、あくまで、私の考る良いギターです。
独断と偏見で書いていますので、それでも、構わないようでしたら最後までお読み下さい。

100人いると100通りの良いギターの回答があるのが、本来の姿ではないかと、思うのです。
そして、トーレスさん、ブーシェさん、ハウザーさん、ラミレスさん多数、ロマニロスさん、
などモダンスペインギターを頂点として、それらが良いギターとされていること。

頂点のこれらのオリジナルのギターが手に入らないと、これらのコピー楽器を手に入れたいと思う人が沢山いること。

もちろん、これらのギター以外の楽器がベストだと思っている人が沢山いることは、
現代ギター誌の中や、その特別号でよく分かります。「愛器を語る 1,2」

そして、なぜその楽器が自分にとって、愛器なのかその理由も書かれています。

主な理由は大雑派に言うと「その楽器が最も自分の音楽を表現しやすい」と言うことだと思います。

アマチュアの方に比べて何倍もの練習量、勉強量、そして、仕事として、その人の持っている音楽を伝える
仕事を続けていること。テクニックはもちろん音楽性も日々研鑽されている、方々の選ぶ楽器なのです。

昔、よくギターを弾いていたころ、こんな経験をしました。それは、良い(高い)ギターに買い替えると、
それまで弾けていた曲が弾けなくなって、弾けるように戻るまで、何ヶ月かかかったことを。

それは、良い楽器ほど反応が良く、微妙な表現が出来る代わりに、
更に繊細なテクニックが必要となって来るからだと思っていました。

楽器にもよりますが、良い楽器ほどしっかり弾いてあげないと、楽器が鳴ってこないとか、弾けば弾くほど鳴ってくる。
反対に、悪いタッチだと楽器が鳴らない。もっと言えば、楽器が鳴らなくなってしまうとか。悪い音を覚えてしまうとか。



このブログを読んで下さっている、方はほとんど趣味でギターを弾いている方だと思います。

豊富な練習量と勉強の量、質の方もいらっしゃるかも、しれませんが練習の時間が余り取れない。
勉強の時間が余り無いという方も多いと思います。そんな方にとって、どんなギターが良い楽器なのでしょうか?

たとえ、リサイクルショップで買った5000円のギターでも、外国で作られたいわゆる名器でも、
楽器としての基本が守られている楽器でなければ、いけないと思います。

それは、まず、楽器が鳴っていること。これは、アマチュアの方によく見られる、
力の入りすぎを防止するのに有効です。

もう少し書き加えると、力を入れなくても鳴ってくれる楽器。反応の良い楽器。

こんな、楽器だと、力を入れたり、何か表現したい時には答えてくれます。

そして、音が明瞭でクリアーな事。こんな、楽器だと、和音を弾いても濁りません。

次に良いギターの条件は、音程が正確な事。

さすがに、最近の楽器はフレッチングが狂っている楽器は見なくなりましたが、ブリッジの位置が悪くて、
音程が上ずっている楽器があります。

12フレットでの弦長の2倍の所に、ブリッジの骨棒を持ってくると、音程が上がって、しまうのです。
しよっちゆう、調弦をしている人がいますが、この原因の場合が結構ありました。

ブリッジの骨棒は少なくても、2ミリはありますから、弦が接触している山を弦長が一番長く取るようにすると、
音程が合う事が多くありました。こうすると、ほとんど調弦しなくなったという経験を沢山しています。

このような楽器かどうかは、12フレットを押さえた音と、ハーモニックスの音と比べると直ぐに分かると思います。
(弦が悪い場合もありますので、1弦,2弦、3弦、4弦などもチェックしましょう)

ブリッジの位置がもっと悪い楽器もありました。その場合は、ブリッジの位置を変えました。

弦高の高い楽器も弾きにくい楽器です。私は原則12フレットの位置で、1弦が約2.5ミリ6弦が約3ミリです。
ブリッジの骨棒が悪い楽器と弦高が高い楽器は後からなんとか、出来る場合もありますので、
絶対条件ではないかもしれません。

話があっちこっちに行って申し訳ありません。これからが本題です。

今まで書かせていただいたような、条件がある程度クリアー出来ていれば、
値段の高い国産の手工ギターや外国製のギターでなくても、体に合った大きさのギターのほうが、
音楽は楽しめるのではないかと、思うのです。

少しのタッチで音が変わってしまったり、微妙な繊細なテクニックを求められる、プロが使うような楽器より、
無理しなくても楽に弾ける楽器のほうが、弾いている人には、良い楽器なのではないでしょうか?

プロでも、微妙なタッチを気にしなくても、弾ける楽器を選んでいる人もいますし。
弦長58センチ59センチ60センチ61センチの楽器では、中には高級な楽器もありますが、
はとんどは10万円以下の楽器。中には数万円、それ以下の楽器もあります。

もちろん、名工が心を込めて作った名器には、その楽器でなければ、得られない魅力があります。
でも、その楽器を弾きこなすための努力が、必要です。でないと楽器に失礼かもしれません。

でも、そんな努力をしなくても、体に合った、手に合った、弾きやすい楽器、
タッチをそんなに気にしなくて済む楽器で音楽を楽しんだほうが、楽しいのでは?と思うのです。
私たちの年代の方には。



  1. 2016/07/06(水) 14:30:11|
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ソル 作曲 op6-11 セゴビア編 17番

先日まで、福井方面に出かけていました。
空き時間が結構あったので、ブログ原稿を作っていました。

良い楽器とは?

とこの、ソルの練習曲 のことです。

良い楽器とは?は原稿が途中になってしまっているので、また
次回にアップさせていただきます。

ソルのエチュード、セゴビア番号17、ソルさんの番号だと、op6-11。ブログ友達さんの練習された曲。
私も45年ほど前に練習した曲です。

久しぶりに見直すと、なかなか面白い曲。私が面白いと言うのは、絵を描いていたなごりで、
最高の誉め言葉です。

この曲には、少しお話しがあります。岡本一郎さんからお聞きしたお話。

それは、岡本さんがブーシェさんの所に行くと、ブーシェさんはいつも、この曲をリクエストされて、
いつも弾かされていたそうです。それほど、良い曲だと私も思います。

練習曲としても純粋にギター曲としても、素晴らしい曲だと思います。

練習曲として、右手の脱力、指の脱力、右手の甲を動かさず、確実な弾弦をすることなど。

アルペジオの練習曲として使うことも出来ますし、メロディーを歌う練習も出来ます。

右手の指使いを、皆さんはどうされていますか?

45年前はそんなに深く考えずに、最初の小節で言うと、最初のミは親指、次のオクターブ上のミは人差し指、
次のソは中指、そして次のシは薬指で弾いていました。

指の独立性の練習。指のバネを利用して音を出す練習。アルペジオの練習曲として、使っていました。

すべてこの指使いで。次に2小節目の2拍目のシ、ミ、ソは中指、親指、人差し指の指使いを使って。
これは、セゴビアさんの指使いです。

今回は、ブライアン・ジェフリーさんの楽譜を使おうと思って、彼の指使いを見てみると、
最初の小節の2音目のオクターブ上のミも親指で弾くようになっています。

やってみると、最初は慣れないので、弾きにくかったのですが、大切なメロディーを中指で弾く事が出来、
歌う事が楽に出来ます。

では、実際に使う指使いは、原則 親指を多用しますが、三連符の二拍目を親指で、
音楽的に大切で無いところ、繋ぎの部分はa,i,mで弾くようにしてみました。

ソルさんが使っていたギターは19世紀ギター、ロマンティックギターです。音の密度があり、音もクリアーで、
音の動きもハッキリした楽器だったで、a,i,m中心よりはこの方がオリジナルに近い音楽になるように思いました。


セゴビアさんもソルさんの原曲を変更している個所があります。6小節目のファ シャープをミにしていること。
アレグロ・モデラートを Movido  にしていること。その他、色んな表意記号を付けていることは、
セゴビア編と言うことで、問題は無いと思いますが。

以前のこのブログには、ブライアン・ジェフリーさんの楽譜についていろいろ書かせていただいていましたが、
トヨサキ様からコメントをいただいて、私が参考にしていたシムロック版より古い、オリジナルに近い形の楽譜
が分かりましたので、カットさせていただいています。

言うことで、急きょ録音してみました。
(ベルリンで出版された、シムロック版を使っています。)

今年に入ってから、ギターはトータルで10時間くらいしか弾いていません。
主に展示会で他の方の楽器を弾いていました。

本当に、ものすごい練習不足で録音も1っ回きりでしたので、ミスだらけで申し訳ありません。
おまけに、力仕事の後だったので、脱力が出来ていませんし。




ユーチューブの公開が限定だったようで、動画が見れない状態のようでした、
公開にしていますので、見ていただく事が出来ると思います。

楽譜から1音1音拾って弾いているですが、とりあえず、録音してみました。
また、機会を見つけて、再録音させていただきたいと思っています。





  1. 2016/07/06(水) 14:10:20|
  2. ギター
  3. | コメント:4

バロックチェロ 講習会のお知らせ

お知らせばかりで申し訳ありません。
おまけに、ギターではなくバロックチェロの講習会です。

茅ヶ崎にあります、チェンバロなどの古楽器を扱ってられる、
ムジカアンティカ湘南さんの主催です。

まだ、受講は募集中だとの事です。



バロックチェロとは何?から始まってバッハの無伴奏を100倍楽しむまで!

山本徹 (4 - 4)with copyright.jpg 第一部(講話と実演)
1.バロックチェロとは何か
2.エンドピンが無いと音がかわる
3.ガット弦の楽しみ
4.弓の性格の違いがわかればこんなに楽になる
(バロック弓、クラシカル弓、モダン弓)

第二部(講話と実習)
5.バッハの無伴奏を弾こう
今回は特にバッハの無伴奏チェロ組曲第一番に的を絞ってレッスンいたします

●講師:山本 徹
●日時:7月31日(日)14時~
●受講料: 10,000円
●会場: ムジカアンティカ湘南ショールーム(茅ヶ崎)
神奈川県茅ヶ崎市東海岸北5-5-2-103
電話 0467-40-4595
メール info@coastaltrading.biz

●楽器: ご自分の楽器を持参ください。またはこちらでご用意もいたします
●電車でお越しの方は茅ヶ崎駅まで送迎検討します。ご相談ください

山本徹 プロフィール
茨城県日立市出身。東京藝術大学器楽科、同大学院古楽専攻、及びチューリヒ芸術大学修了
チェロを土肥敬、河野文昭、北本秀樹、鈴木秀美、ルール=ディールティーンスの各氏に、
バロックアンサンブルを鈴木雅明、若松夏美、ケース=ブッケ、ジル=フェルドマンの各氏に師事。
東京藝術大学バッハカンタータクラブにて小林道夫氏の指導のもと通奏低音を研鑽
バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカ等主要な国内のオリジナル楽器オーケストラに参加。
そのほか海外のアンサンブルにも多数参加し、ザルツブルク音楽祭、ユトレヒト音楽祭、ライプツィヒ音楽祭、
ヨーク古楽祭などに度々出演。山形交響楽団、横浜シンフォニエッタをはじめ多くのオーケストラに
客演首席奏者として参加するなど、モダン・バロックを問わず積極的に活動を展開している
2006年第20回国際古楽コンクール<山梨>第2位。翌年には同コンクール委員会の推薦により
栃木・蔵の街音楽祭にてリサイタル。2008年第16回ライプツィヒ国際バッハ・コンクール第2位(1位なし)。
2011年ブルージュ国際古楽コンクール審査員賞、及びデンハーグピアノ五重奏団のメンバーとして
オランダ・ファンヴァッセナール国際コンクール優勝。2010年度文化庁新進芸術家海外研修員、
2011年度ロームミュージックファンデーション奨学生。日本演奏連盟会員
  1. 2016/07/06(水) 13:42:22|
  2. ギター
  3. | コメント:0

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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