古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ギターのストラップ

11月17日に書かせていただいていた、ストラップについてです。

間に合わせ、(楽器のケースのストラップに紐をつけたもの)で試してみたら、結構使い勝手がよかったので、
専用のストラップを手に入れました。

アコースティック用の物ですが、500円ほどで手に入ります。

色もあまり目立たないように、黒です。

片側が エンドピンに付けるように、分厚いビニールレザーのようなものにスリットが入っています。


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このスリットが結構きついので、少しナイフで大きくしました。
でも、大事な楽器にエンドピンを付けなくてはいけません。
何台かギターをお持ちでしたら、普段あまり使っていない、安い楽器で試してみてください。

ストラップのもう一方は、紐になっています。
(紐になっているものでない形のものもありますが、クラシックギターだと紐の方が良いと思います)

私は、この紐を 高音側の3弦に近いところに付けています。

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よく見かけるのが、4弦の近くなのですが、私はこの位置だと
楽器が上を向いてしまって、左手の手首が動かしにくくなります。

そして、割とタイトに体に密着するようにストラップの長さを調整します。

そのほうが、楽器が動かず、楽器を保持することが簡単になります。
私の場合。

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演奏の際は椅子に座りますが、ギターの角が右足の太ももに当たるくらいに
構えると、更に楽器が固定され、右手左手が自由に使えます。

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以前にも書かせていただきましたが、楽器が体に触れてはいるのですが、押さえ込んでいないので
楽器が良く鳴ります。

特に私の楽器は横板が薄いので、膝で押さえていたのが無くなるのが、良い結果になっていると思います。

大きな楽器でも(小柄の方が大きなアコースティックギターを弾いているのをテレビでも見ますが、
こんなことも可能です)、逆に19世紀ギターのようにスリムな楽器でも安定して弾くことができます。

エンドピンも、ストラップも アコースティックギター用の物が使えます。

ストラップの長さや、取り付ける位置など試行錯誤が必要ですが、この方法が
ぴったりだという方もいらっしゃると思います。

楽器の保持の仕方で、構え方で、腰に負担がかかって困っている方、など
試されてはいかがでしょうか?

それにしても、写真で見ると自分でも歳を取ったと思います。
66歳ですものね。

  1. 2015/12/22(火) 23:43:27|
  2. ギター
  3. | コメント:0

案内、お知らせその他

Tommy様

コメントありがとうございます。

実は、あのアルハンブラの練習方法、Tommy様のために書かせていただきました。

ゆっくり粒を揃えて練習ができれば、105 位のテンポで充分に曲になると思います。
むしろそのほうが曲のイメージには合うのではないでしょうか?

それと、親指に関しては、バンドエイドなどの幅広の物で軽く親指に巻くのは
どうでしょうか?
一時 親指を怪我して、第一関節あたりにバンドエイドを巻いていました。
そうすると、第一関節は曲がりませんので、指の付け根から動かすことになりました。 
試されてはいかがでしょうか?

それと、 Tommy様のブログですが、http://slowlifetommy.seesaa.net/
でご覧になれます。
熱心に練習されていて、更新も真面目にされています。

それと、12月6日の福崎でのクリスマスコンサート 主催者の方がブログを上げてられます。
http://ringonoki2005.dreamlog.jp/archives/52384735.html

かなり詳しく書かれています。

今回のコンサート以外の記事もとても楽しいものです。

それから、ブログ友達の カステラミルクさんが ギター研究会を立ち上げました。

京都ですが、こんな内容の研究会です。

京都古典ギター研究会

設立の趣旨
 ルネサンス~バロック~古典~ロマン~近・現代と続くクラシックギター音楽の系譜を
 俯瞰し、楽しみつつも敬意を持って音楽と接する機会を共有したいと思います。
 発起人は二人ともアマチュアであり、技術・音楽を教える術は持ち合わせていません。
 腕前や表現力を磨く場ではなく、クラシックギターを愛好する人々が集い、
 刺激し合って個々人のモチベーションの向上に資する場にしたいと考えます。

参加資格
 趣味としてクラシックギターを演奏する18歳以上のアマチュア。

活動の形態とガイドライン
 年二・三回、主に京都市内の公共利用可能な会議室等を使用。
 課題曲と自由曲を組み合わせた発表会形式とします。
 課題曲は、毎回「作曲者」を指定します。その人の作品であれば何を弾いても可。
 自由曲は自由とします。
 入会・退会の概念はなく、その都度参加自由とします。

使用楽器
 クラシックギターの系譜に連なる過去から現代までのギター。

お問い合わせはこちらにお願いいたします。
京都古典ギター研究会 est8981@yahoo.co.jp

私も 参加させていただこうと思っています。



  1. 2015/12/21(月) 01:25:33|
  2. ギター
  3. | コメント:1

Pastime with good company


あっという間に1週間が経ってしまいましたが、先週 とても素敵な演奏会がありました。

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自分が出た演奏会を、素敵だと言ってはいけないと思うのですが、演奏された方も聞かれた方も同じ思いだったと思います。

ブログのタイトルどおりに、「Pastime with good company」

ご存知の方は、ご存知だと思うほど有名な曲ですが、バロック以降の音楽をされている方には、
あまり知られていません。

ヘンリー8世が作った曲です。
ヘンリー8世は他にも、オーマイハートなど私の好きな曲を作ってくれています。

日本語タイトルは「良き仲間との気晴らし」となっていますが、私は「良き仲間との良き時間」という気分でした。

中には本当に気晴らしの方もいらしたかもしれません。

私が一緒に演奏させていただいた方は、ほとんどが、初心者の方でした。
ですので、曲目もそんなに難しい曲でなく、ルネサンスの比較的簡単な曲でした.

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でも、ルネサンスの頃の曲は、演奏は簡単でも音楽的には簡単ではないという曲が、沢山あります。
今回の曲はそんな曲でした。

初心者の方が、一生懸命音楽を作っているのは、とても大切なことですし、私はとても好きです。

ある程度弾ける方が、簡単な曲をさっと、上手に弾いてしまうのより、初心者の方が一生懸命に心を込めて、
弾く方が私には好ましく思うことがあります。

今回はまさにそうでした。

私は相変わらず、練習もしなくて、全員で合わせた、数回の練習だけでしたが、心はこめて演奏させていただきました。

古楽器の紹介ということで、トレブルガンバ、バスガンバ、リュートを弾かせていただきました。

リュートソロ、リュートとリコーダー、リュートとガンバ、バスガンバ2重奏、
そして、リコーダーアンサンブルとトレブルガンバ、バスガンバの合奏と
古楽器の魅力はお伝えできたのではないかと思います。

今回の演奏会で一緒に演奏させていただいた方々は、
兵庫県の福崎という小さな町を中心に集まっていただきましたが、
一つの目的があって、参加させていただきました。

それは、兵庫県の姫路に私のガンバの演奏のお弟子さんがいます。
でも、姫路近辺にガンバをやっている人がいません。
そこで、リコーダーのアンサンブルに参加してもらって、
一緒に合奏することによって、ガンバが上手になると思ってのことでした。
その狙いはぴったり当たりました。

一人で、ガンバを弾いているよりも、いろんな音を作ったり、いろんな歌い方や、
いろんな音楽を作っていかないといけませんので。

そして、今回の演奏会で録音をしてくださった方が、私の 小学校、中学校,高専の美術部の先輩の方でした。

もう会社は定年されていますが、音楽が好きで、かなり以前より演奏会の録音をされています。
久しぶりに昔話や、音楽の話で盛り上がりました。

最後になりましたが、会場は 演奏者の一人の方がやってられる、
お洒落なイギリス風のお庭がある喫茶店でした。

このイギリス風ということもあって、姫路のお弟子さんを繋げたわけです。
彼は、珍しくイギリスで勉強された、工学部の元教授ですから。

本当に、初心者であっても、ルネサンスの頃の曲は、音楽的に充分楽しめる曲が沢山あります。
私が常日頃伝えたいと思っている、簡単な曲を弾きませんか?という趣旨の演奏会でした。

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こんな雰囲気の会場です。


  1. 2015/12/17(木) 00:45:20|
  2. ギター
  3. | コメント:1

近況報告そして 楽器を独学で作ること、習って作ること について

あっという間に、12月になってしまいました。

今手元に、修理の楽器が ルネサンスリュート、バロックリュート2台、テオルボ
大修理のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ2台、ガンバ1台、ギター2台あります。

順番に片付けて行って自分の楽器に取り掛かりたいと思っていますのですが、
また大きな楽器の大きな修理が入ってくる予定です。

仕事以外にも、先週は ネットが繋がらなくなって 回復させたり、私のところは
井戸を使っているのですが、出なくなったのを修理したり、本当は年に一回
ペンキ塗りや家のメンテナンスをしなくてはいけなかったのを、何年かサボっていて
いよいよやらなくてはいけなくなったり、車のヘッドランプが切れていたので直したり、
(これは、久しぶりに交換しましたが、バッテリーを外したり手間がかかりましたが15分ほどで
出来ました。なんとなく覚えているものですね。こんなことがさっと出来ると気持ちが良くなります)

これ以外にも、民生委員の仕事や雑用があったりしています。

昨日は、チェロをやっている方に、4分の3のチェロはいかに弾きやすいか、音も良いかを
証明するために、中国から安いチェロを買ったのですが、4分の4の楽器が届いてしまい、
交換するために、英語でメールをしていたら、電話がかかってきて 10分ほどは話しましたが、
英語を聴くのは得意ではないので、結局メールして下さい、ということにしました。

中国からは郵便で送れるのに、日本からだと郵便は使えず、フェデックスなどなってしまって、
ダンボール一つ送るのに、7万円以上かかってしまいます。(こんなことを調べるだけでも時間がかかります)
それで、どうしようかというややこしい話だったので。

こんな雑用もありますし、演奏会や 楽器の調整で土、日、月は出ていましたし。


ガンバの修理をしていて、思い出すことがあります。

それは、某音大に ガンバが20数台あるのですが、そのうち半分は私の作ったもの
半分は私以外の方が作ったものです。

私の楽器は、もう20年以上前に作ったものです。(30年近く前でしょうか)
今まで、私の楽器は1台も修理したことがなかったのです。ほんの少しも。
でも、私以外の人が作った楽器は、1台につき3回以上は修理しています。
中には、裏板が完全に剥がれて、波打って学校の方が「これは修理出来るものなのですか?」
と聞くくらいに酷いものもありました。

裏板と横板の剥がれや、裏板の剥ぎの剥がれ、表板の割れやネックの剥がれ
ありとあらゆる修理がありました。

でもここ数年は、ほとんどなくなりました。何度も修理しているのでなんとか収まったようです。

同じ楽器庫に保管していて、なぜこんなに壊れるのか?不思議でした。

私以外の楽器で、長年チェロやコントラバスを作っているプロの方の楽器は
大修理して、その原因が分かっていました。

今回はもう一人の方の楽器を、大修理してその原因が分かりました。
(所有者の方があまりにも裏板凸凹が汚いのと、楽器の厚みと言うか横板の幅が
ありすぎて弾きにくいということで、また音も良くして欲しいということで、横板を切って
裏板も外して削り直しました)

この方の楽器は、まず製作技術が無いために、あらゆるところが隙間だらけ、接着不良なのです。
それは、横板、裏板とも厚すぎて、きれいに曲げることや接着ができていないのです。

厚みを削るのに、ドリルの先に円盤を取り付け、サンドペーパーを付けて回転させて板を削っているのです。
ですから、デコボコも出るわけです。
また、厚みを落とすのも大変ですから、厚いまま楽器を作っているのです。

ガンバは裏板がフラットなので、松等で当板をしますが、この当板が大きすぎ
幅がありすぎるので、バイメタル効果で裏板が曲がってきます。
それで、横板と裏板が剥がれていたようです。

裏板が薄いと、バイメタル効果で裏板が曲がってきても、クランプで押さえれば
なんとか修理は出来ますが、厚いとその力はとても大きくて、修理が難しくなります。

そして彼の作った楽器は、表板がテルピース部分、で必ず割れてくるのですが、これも
原因が分かりました。

ギターでもついているのですが、一番おしり部分にエンドブロックが付いています。
これが非常に小さいのです。そのため、弦のテンションを受けきれず、表板が割れてきたようです。

ネックブロックも非常に小さくしています。

なぜ、このようにしたのかは、本人に聞かないとわかりませんが、小さくしたほうが楽器が良く鳴ると
思われたのでしょう。

楽器を作ることだけに限った事ではないかもしれませんが、人に習わず物を作るということは
習って作る人の何倍も考え調べて、研究して技術を磨かかないといけないと思っています。

でないと、この方の楽器のようになってしまうと思います。

私が楽器を作り始めた時は、ガンバやリュートに関しての製作法の本や資料はありませんでした。
それで、ヴァイオリンやチェロの製作法の本をまず集めました。ネットもない頃に、東京や大阪の
洋書を扱う古本屋や大きな本屋で探しました。
ほぼ、ダンボールにいっぱいの本が集まりました。

木工の本も手に入る限り集めました。でも結局は1冊の本が私の先生になりました。
そして、木に関する本も。

木を削ること曲げること、もいろいろ考えました。楽器の材料の楓はとても仕事がしにくい木です。
普通の木工のようには行きませんでした、自分で考えるだけです。


逆に 長年 プロで チェロやコントラバスを作ってられる方は、40年以上前に
お師匠さんから作り方を学んだと思います。

そのやり方、設計を何十年も変えずに作られています。

この方の楽器は、裏板が薄すぎて、また当板も薄いので、バイメタル効果で 裏板が大きく凹んでしまうのです。

前に書かせていただいて方は、裏板が厚すぎて(4.5ミリから5ミリもありました)曲がってしまうと
処置ができませんでしたが、(この方の楽器は削り直して、3,5ミリ程度にしました。
重さも780グラムあったのを520グラムまで落としました)
でも、この方の楽器は裏板が薄すぎて、
強度不足やバイメタル効果で大きく曲がってしまうのです。


私の楽器の裏板くらいがちょうど良かったようです。

この厚みを決めたのは、音のことや強度、曲げのことを考えて決めました。

音を聞くと、適切な厚みが分かってくるようです。

ということで、習ってしまうと なかなか自分で変更はできない、自分の考えで作るのは
怖くなる。習わないと、自分の技量や技術を磨くことが難しくなり 独善的な考えで作ってしまうようです。

習わなくて、自分で考える,充分に考えることが一番のようです。

それと、後になってしまいましたが、日が迫ってきています、西垣さんの演奏会の詳しいお知らせです。

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京都です。

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高松です。






  1. 2015/12/03(木) 10:13:23|
  2. ギター
  3. | コメント:0

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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