古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ヴァイス シャコンヌ

予定外ですが、ヴァイスのシャコンヌを録画しました。

ブログのリンクに ナオ様の 「日々是好ギター日」 をリンクさせて頂いていますが、
長い間ブログ更新されていませんでした。

それが先日、久しぶりに更新されました。演奏もアップされて。

その曲の1曲が ヴァイスの シャコンヌだったのです。

この曲は、四国の香川大の先生(OBの教授ですが)が8弦ギターを作られて、
その楽器にトラブルがあって、以前お邪魔した時に裏板を一緒に剥がしたり
修理のお手伝いをさせていただきました。

今月の半ばに、台湾の昔の教え子さんが、台湾のギター協会の副会長さんと一緒に来られる
という時に、弾ける状態になっているというので、8弦ギターのための曲を探していました。

せっかく8弦あるので、8弦まで使える曲のほうが良いので。

ギター用に編曲された楽譜を見ると、最低音が 8弦でいけそうなので、8弦用に
編曲して 四国でとりあえず弾いてみました。
でも、ゆっくり製作された 先生には聞いて頂けませんでしたが。

で、今回 ナオ様のブログ復帰第一曲目にヴァイスを選ばれていたので、私も弾いてみようとなったわけです。

でも結構難しい曲なので、聞いていただいて、お聞き苦しくない程度にしか演奏できませんでした。
ほとんど練習していませんので、申し訳ありません。

ギターで演奏されても、リュートの音楽とは違うかもしれませんが、良い曲だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=lPuBQFW2EKk&feature=youtu.be


手元には、8弦ギターはありませんので、お弟子さんが作った 11弦ギターで弾いてみました。

オリジナルのリュートタブラチュアとギター用の参考に 阿部保夫さんのバロック名曲選集からと
フランソワ・カステさんの楽譜を参考にさせていただきました。




  1. 2015/06/29(月) 19:34:05|
  2. ギター
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近況 そして コメントを頂いて

カステラミルク様

手ぬぐい額縁 手ぬぐいにあった額縁 そのうち作らせていただこうと思っています。

Cabotin 様

そうですね、自分の作った楽器は、自分で気に入った音がするか、
どうかは 自分で弾いてみないと分からないと思っています。

音の分離や立ち上がり、音のバランスなどはすぐ分かりますので、
どこまで歌ってくれるかが、最大の関心事なのです。

そのためには、なるべく簡単な曲の方が良いようです。

それと、また、ものすごい量と質のコメントというかお知らせ
ありがとうございました。

フランスでの、コンサートの美しいチラシや、沢山のコンサートの様子、
いつも、夏は忙しいと聞いていましたが、今年も大変ですね。

また、コンサートの様子やフランスでの面白い話をお聞かせください。

コンサートの案内を見るだけで、充分ワクワクしますので。


そして、私の近況です。

文字ばかりなので、今週にお邪魔したおうちの話です。

1435501106100.jpg

縁があって、この写真の 自動演奏装置の修理をしていました。

ヴァイオリンとピアノの自動演奏装置です。

「そんなことをしてないで、仕事をしなさい!」

との声が聞こえてきそうですが、駒がなかったり、
音が出なかったり、している楽器?を見ると
ほっとけなくて、つい。

ついでに、このような素晴らしい オルゴールも聞かせていただきました。

1435501149734.jpg

そして、今週は 台湾の方に触発されたわけではありませんが、
45年前に卒業した学校の先生のところにお邪魔してきました。

リュートとギターを持って。

学生時代お世話になった先生です。

貧乏な学生だった私の絵を高い値段で買ってくれました。
また、お友達の大学の先生などにも紹介してくださって。

まだまだお元気で、外国にもあちこち行かれたお話を聞かせていただきました。

文章を書くのが趣味の先生でしたので、時々、同人誌等も送っていただいていました。

近くや遠くの音楽に興味を持ってられる方々に声をかけられて、私のHPから
プロフィールなども、作っていただき、(そこは、やはり学校の先生ですね)
リュートやギターの演奏をさせていただきました。
もちろん、音楽や楽器の話も交えて。

初めてお会いする方ばかりでしたが、先生が良い人なので、良い人ばかりでした。

ギターでは、禁じられた遊びは弾きましたが、あまりギターに詳しくない方でも、
「アルハンブラ宮殿の思い出」は皆さんご存知だったのでリクエストがあったのですが、
私のレパートリーになかったので練習を始めてみようかと思っています。

次回は、多分 マンドリンの不思議 のお話です。



  1. 2015/06/29(月) 00:52:39|
  2. ギター
  3. | コメント:0

嬉しいプレゼント

今日、嬉しいプレゼントがありました。

全然、予想もしていなかったので、さらに嬉しいプレゼントでした。

それは、多分世界で最大のギターに関するHPを作ってられる、鶴田誠さんからの
HP「クレーンホームページ」20周年の記念の手ぬぐいです。

文章も内容も面白くてタメになるHPが開設されて20年経つのです。

まだ、ご覧になってられない方はぜひご覧ください。

http://www.crane.gr.jp/

私も、うっかりリンクさせていただくことを忘れていました。

この手ぬぐいに添えられた、手紙の一節もいかにも鶴田さんらしい文章です。

「今まで、お世話になった方々に粗品の一つもおくらにやバチがあたる」というわけで
手ぬぐいを送っていただいたようです。

私のように、面白い文章も、気の利いた文章も書けない人間からすると、
文章だけでもあやかりたいと思ったこともありましたが、無理でした。

で、その手ぬぐいです。

1434726046047.jpg

何度やっても、上下が反対になりますが、この方がギターらしくていいかな?と思っていたりします。
伝統技法で手ぬぐい職人さんに手染めで作ってもらったそうです。

もったいなくて、使えません。

封筒も こんな感じです。

1434726059108.jpg

綺麗な記念切手も使っていただいています。

鶴田さんと知り合ったのも、少し変わった出会いでした。

10年以上前でしたか、ドイツから カメラータ・モデルナ という、バロックのアンサンブルが来られて、
チェンバロを貸してほしいと言われて、チェンバロを運んであちこちで演奏会をしました。

そのメンバーの中に ウーリッヒさんという、リュート弾きがいたのですが、彼は19世紀ギターも
弾いていて、「ドゥオ・パノルモ」というギター2重奏もやっている方でした。

彼と話していると「日本人なら 鶴田誠さんを知っているだろう」と言われました。
その当時は、まだギターも作っていなかったので、「知らない」と答えると、
「私なんか、空港から直接彼の家に行ったぞ、日本に来て彼と会うのが楽しみだったのに」
と言われました。

それで、直ぐに連絡を取りました。それからの、付き合いです。

楽器、ギターを作りたいという人がいると、まず鶴田さんのHPを見てから、
いろいろ考えなさい、と言ってました。

楽器の設計から、工具から製作法から、文献、資料山のようにあります。

モダンスペインギターに関してはあまり書かれていないのも、お勧めする理由の一つです。

お時間のある方は、彼のHPをどうぞゆっくりご覧下さい。

  1. 2015/06/20(土) 00:40:40|
  2. ギター
  3. | コメント:1

近況とコメントを頂いて そのお答えなど

あっという間に、6月も半ばになってしまいました。

いつものように、バタバタしているうちに2週間ほど経ってしまいました。

今月は月のはじめに、兵庫県では割としっかりやっている、中学生の
トライアルウイークで 中学生 2人を預かって、月曜から金曜日まで
楽器製作や、修理の仕事をしてもらいました。

兵庫、特に篠山市は トライアルウイークの発案者である、河合隼雄さんの
出身地ということもあって、今でも熱心にやっています。

吹奏楽部の二人だったので、興味があるのはコントラバスということで、
大正時代に日本で作られたコントラバスの修理を主にやってもらいました。
といっても、中学生にとって難しくなく、簡単すぎない仕事を作るのは、少し苦労です。

そこで、こんなクランプを作ってもらったり、バスバーを豆かんなを使って削ってもらったりしました。

1434353838705.jpg

友人のジャズベーシストの楽器だったのですが、事故で楽器は壊れてしまったのですが、
表板だけなんとか使える状態だったので、そのうち、この表板を使って、
楽器を復元しようと思っていた楽器です。

大正時代にコントラバスを作った人がいたという記録は無いようなのですが、
エゾ松のようですし、非常に薄い表板で、とても良く鳴る楽器でしたので。
表板はチェロよりも薄く厚い所でも、5~6ミリくらい薄い所は3ミリくらいしかありませんでした。
本来の姿の6弦にしようと思いましたが、5弦の楽器にする予定です。


そして、コメントのお返事です。
コメント欄でお返事するより、二つのブログにかかっているようなので、
ここで考えていることを書かせていただきます。

ギターの横板、裏板その他(4月29日)とアコースティックギターの不思議(5月27日)
に関してのコメントだと思うのですが、ドレッドノートのような大きなアコースティックギターの
横板を1.5ミリくらいに薄くすると、楽器が鳴ってくるか?強度は問題ないのか?とのこと。

大きく頑丈なアコースティックギターで、横板だけを薄くしても、少しは音に影響があると思うのですが、
全体の楽器の強度、重さ、特に表板の構造の方に、大きな問題がありそうです。

確かに、厚み2ミリ以上の横板では楽器は鳴らないと思いますが、
アコースティックギターは楽器が鳴らないので、楽器を鳴らすために弦のテンションを高くしています。
ライトテンションでも70キロぐらいもありますので、(あの頑丈そうなチェロでテンションは70キロぐらいです)
まず、テンションを下げても、鳴るような構造の表板にすることが先ではないかと思います。

以前のブログで書かせていただいたように、テンションが70キロのチェロで横板は楓で1.6ミリくらい。
テンションが110キロから120キロと言われている、コントラバスでも2.7ミリくらい
(メーカーの人に聞きました)です。

テンションも弦によって違いますし、横板の厚さもメーカーによって違うので一概には言えませんが、
楓の比重は0.6くらいローズウッドは 0.9くらいなので重さや密度だけでは判断できないのですが、
アコースティックギターの横板はコントラバスなみ?いやそれ以上でしょうか?

コントラバスの横板は、幅が20センチもありますが、
それに対してアコースティックギターの横板は半分くらいですので、
もっと薄くしても強度的に大丈夫かもしれません。

そうすると、もう少し厚さを落とすと楽器は鳴ってきそうです。
(でも、その差はそんなに大きくはないと思います)

楽器が壊れやすいのは、強度が丈夫なところと、弱いところがあると、
その境目や、弱いところが壊れますので、横板よりはるかに強度がある、
表板、裏板との兼ね合いで、横板が壊れることもありそうです。

結果として、横板だけを薄くするのは少しの音の改善のためには役に立ちそうですが、
強度的に(バランスの問題で)問題がありそうです。


以前に頂いていたコメントで、少し気になっていたので、
ラミレス3世さんのもとで長年ギター作りをしていたギター製作の先輩に、
ラミレスさんのギター演奏技術はどの程度だったか聞いてみました。

そうすると、第一声は「プロほどではないけれど、当然ギターは上手に演奏できた」とのことでした。

今から、45年ほど前ですが、私が教えていただいていた、神戸ギター研究所でラミレス3世のギターを
一度に、7台ほど直接買ったことがあります。それを、先生を中心に分けあいました。
(私はもちろん買ってはいません。665ミリの弦長では演奏困難ですし、安いといっても
お金もそんなにありませんでしたので)

その楽器を分けあう現場にいたのですが、当時は楽器の中にスタンプが押してあって、
お弟子さんの誰が作った楽器か分かった時代です。

それぞれの楽器が、いろんなお弟子さんのスタンプだったように思います。
でも、違うお弟子さんが作った楽器が、ほとんど見分けが付かないくらい、
プロがいくら弾いても違いがほとんど無いように、どの楽器も作られていました。

こんなことは、楽器が分かるということもあると思いますが、かなり 弾けなければ
同じレベルの楽器に仕上げる、作らせるということは、難しいように思いました。

セゴビアさんが使っていたラミレス3世のギターを弾かせてもらったことのある友人は、
その音が非常にしっかりしていて、いわゆるラミレスのギターのイメージはなかったと言っていました。

セゴビアさんがアドヴァイスをして彼用に作ったギターは普通のギタリストが弾くギターではなかったようです。

そういえば、ブーシェさんも、自分が弾くギターを近くに住んでいた私の大好きな 
フリアン・ゴメス・ラミレスさんに作ってもらう時に、工房に度々訪ねて、
ギター製作のあらましを学んだだけですね。

リュート2重奏を長年やらせていただいた、岡本一郎さんはよくブーシェさんのところに行くと、
必ずソルのセゴビアのエチュードの17番を弾いてくれと頼まれたそうです。

ブーシェさん自身はもっと簡単な名曲やポピュラーな曲を弾いてらしたそうです。

ロマニロスさんも自分が弾くためにギターを作られたのが最初でした。
ロマニさんは独学の巨匠とも言われていますね。

フレータさんもセゴビアさんのギターを聞いて、ギター製作を始めたと言われています。
ギター製作については習っていないようです。

ギターに限らず、楽器製作をしていて、一番の楽しみは(一番というと語弊がありそうです、
大きな楽しみの一つでしょうか)楽器が出来て,弦を貼って最初に楽器が弾けるということです。

誰よりも早く、それまで、ただの木だったものが、楽器の形になって音が出るようになって、
最初に音が出せるのです!

楽器が弾けなければ、その楽しみを味わうことができませんので、
楽器を作る人は楽器を弾けるようになりたいと思うのかもしれません。

私の周りのギター製作家、よく一緒に展示会を開く製作家は、同じ篠山の田中さん、
同じ兵庫県の黒田さん、愛知の大西さんなどは、演奏もとても上手です。

それと、有名なギター製作家の作ったギターを買った演奏家が、
もっと鳴るはずなのに、何故か鳴らないので、見て欲しいと言われたことがあります。

よく見ると、ブリッジの骨棒の弦に当たるところが、ほとんど平で弦の振動を殺していました。
同じように、ナットの骨棒も溝で弦が遊んでいて、音が吸収されていました。
簡単に修正できましたので、修正すると本来の楽器の鳴りになりました。
これも、簡単な曲が弾ければ分かることです。

ただ、開放弦を鳴らしたり、音階を弾く程度では分かりにくいようです。
同じ演奏家がハウザー3世の楽器をプロのギター調整をする方に調整を出したところ、
楽器が鳴らなくなって帰ってきた。見て欲しいとのことでした。

これは、ブリッジの骨棒に溝が切ってあって、楽器が鳴っていなかったのです。
調整をされた方は、溝を切ったほうが良いと思ってされたのでしょうが、
弾いてみると明らかに鳴っていないのが分かると思います。

製作家にとって、楽器は弾けるほうが楽しみも多く、役に立つことが多いように、私は思います。
  1. 2015/06/17(水) 00:46:33|
  2. ギター
  3. | コメント:2

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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