古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

アコースティックギターの不思議

続けて、予告させていただいていたアコースティックギターについて書かせていただきます。

私は19世紀ギター、ロマンチックギターの延長線上のモダンギターを作りたいと思って作っています。
スペインギターの歴史とは違う歴史の楽器を作りたいと思っているのです。

19世紀ギターの延長線上の楽器は、マーチンにもあるのです。
マーチンは1828年くらいまでウイーンのシュタウファー(アルペジオーネを作った製作家です)
の下で、ギターを作り、1831年からニューヨークでギターを作り始めました。

そのギターがパーラーギターと呼ばれる、小型のギターです。
構造は、ほとんど19世紀ギターで、時代が現代に近づくと少し大型化しました。

ポピュラーで使われるため、スチール弦が張られていましたが、楽器の大きさや
弦長、弦幅などは19世ギターに近いものです。

主に、コードをかき鳴らす奏法なので、弦幅などはそのままの方が良かったのでしょう。

私は、今ではあまり顧みられなくなった、パーラーギターをオークションなどで
集めています。そして、修理して楽器として使えるようにしています。

私の場合は19世紀ギターの延長線上の楽器として使いたいので,ナイロン弦を張っています。

ここで、そろそろ本題です。

日本では、アコースティックギターと言うと、私たちの若い頃だと、
フォークギター、今だと 一般的なアコギ、マーチンのドレッドノート
と言われるような大きいギターばかりです。(ドレッドノートの語源は向かうところ敵なし
と言うことで、戦艦や潜水艦の名前に使われたそうです)

でも、アメリカでは 主にブルースの人たちでしょうか、
パーラーギターを使っています。

日本でパーラーギターを使っている人をほとんど見ないというか、
楽器屋さんでも見ることありません。

弦長は 63センチくらいでテンションが低くても鳴る楽器なのですが。
なぜ日本では使わないのでしょうか?

一般的なアコギを見ると、ひところ流行った、ランドクルーザーやパジェロのような
重い、高い、走らない車を思い出します。

大きくなれば、表板も強度が必要ですから、バスバーもエックスバーになって、
(エックスバーは19世紀ギターでも使われていました)
裏板、横板とも頑丈になってしまいます。

その結果、鳴らないので太い弦を張ることになって、演奏が大変。
音も弦が太くて、楽器が重いのでどうしても鉄の音がします。

普通に作られた楽器だと重くて鳴らないので、1930年ころとか
昔作られた名器だと鳴るので、高くてもそのような名器を買って
演奏することになるようです。 

そんなことをしなくても、パーラーギターだと軽くて、小さくて
よく鳴るので、高い楽器を買って、太い弦をはらなくても済むのに、
と思ってしまいます。


そこで、楽器のサンプルです。

https://www.youtube.com/watch?v=9tFgyWhW6r0

以前の ブログでも紹介させていただいた 台湾の曲
我家在那裡 です。台湾ギター協会の理事の林正言さんが
ギター用に編曲されたものを下に編曲させていただきました。
ギターは 1920年ころと思います、
ドイツで作られたパーラーギターです。

本来のスチール弦を張ってみました。

ゲージは ダダリオの エレキギター用のエキストラスーパーライトゲージ

 .008 .010 .015 .021 .030 .038

です。それでもテンションがきついので、全体を1音下げています。

一般的な アコギの弦のゲージはダダリオの エキストラライトゲージで

.010 .014 .023 .030 .039 .047

カスタムライトでも

.011 .015 .022 .032 .042 .052

です。

異様な弦の細さですが、充分に鳴っています。
左手も、右手も非常に楽です。

もう1曲 楽譜を頂いたので、
ほんの少し練習しただけで申し訳ないのですが、
ユーチューブにアップさせていただきました。


1930年代に台湾で流行った、 雨夜花 です。
編曲は クラシックギター界の大先輩の 鈴木巌さんです。

https://www.youtube.com/watch?v=sm5ZZAcmDHw&feature=youtu.be


演奏は別として、パーラーギターはどうでしょうか?

良いギターだと思うのですが。




  1. 2015/05/27(水) 02:54:02|
  2. ギター
  3. | コメント:0

貴重なコメントを頂いて

いつも、このブログを読んでくださっている方を
対象に考えてしまうので、初めて読んでくださった方には、
分かりにくいと言うお言葉をいただきました。

カステラミルク様のコメントは、5月22日の展示会の案内の
ブログのコメントです。

そして、通りがかりの素人様は展示会の報告 5月26日の
ブログ記事に対していただいたコメントです。

カステラミルク様
いつもコメントをありがとうございます。
古典の曲に限らず、静かにゆっくり弾くと、弾いている本人も
自分の音楽を充分に聴きながら演奏できるので、
聴く人にも伝わるのではないかと思ったりします。
私の10弦ギターは、楽器が鳴るように作りましたので、
低音も基音が出ていて、弾いていても気持ちが良いです。


通りすがりの素人様

貴重なコメントをありがとうございます。

あくまで、私の考えを書かせていただいたので、
これが正しいとか、本当だとかは、全然考えておりません。

ベターか、ベターでないかというレベルの問題でもないくらいに、
製作家の考えは、人それぞれで良いと思いますし、また、
そうでなければいけないと思っています。

いろんな考えで作っている製作家のなかで、私は演奏ができたほうが
良い楽器、音楽が表現できる楽器が出来ると考えています。

ハウザー1世さんや ラミレス3世さんがセゴビアさんのアドヴァイスで
素晴らしい楽器を作られたのは、よく知られた話です。
他にも、ブリームさんとロマにロスさんとの関係も良い楽器が生まれる
バックボーンだったと思います。

でも、製作家がこのような素晴らしい演奏家に出会うかどうかはかなり難しい問題です、

演奏家でも楽器のことが分かる人は少ないと思っています。
また、たくさんの名器を弾きこなしてきて、良い楽器というものを
よく知っている演奏家は少ないと思うのです。

楽器の構造や、設計に詳しくなくても、楽器の音色、バランス、楽器の鳴り、弾きやすさ、
音楽の作り易さ、などアドヴァイスを製作家にすれば、演奏家と制作家の良い関係は
生まれると思いますが、その演奏家が正しく、その楽器を弾いて、正しい判断を下せるか
が問題だと思っています。

ギター製作に関しては、付かず離れずという関係で、たくさんのギター製作家とは知り合いました。

その中には、出来た楽器をいろんな演奏家に見てもらい、いろんなことを言われて、
時には逆のことも言われて。
結局自分の楽器がどういう楽器か分からなくなり、楽器製作をやめてしまったり、
とんでもない方向の楽器を作ったりした人を知っています。

本当に楽器のことが分かる、演奏家に出会うかどうかは、運の問題かもしれません。

ギターで話を広げていくと、問題発言も出てきそうなので、ギター以外の話をすると、
ピアニストでも楽器のことがわかる演奏家はほとんどいません。
鍵盤から向こうは、ブラックボックスという演奏家が結構いますし。

逆に、楽器のことが分かるピアニストは、楽器の話が、
音楽の話ができる調律師がいないと嘆いています。

関西では、スタンウエイの調律師の方が、いろんな音楽会に出かけ、いろんな音楽を聴き、
弦の振動が目で見てわかる装置を作ったりされている方がいます。
でも、この方がとても、貴重な方で、このような方はほとんどいません。

音楽の好きな、音楽を理解しようとしている、調律師も少ないのです。

ヴァイリンでも同じような感じだと思っています。

セゴビアさんやブリームさんクラスでなくても、アドヴァイスを受けて良い楽器は作れそうに思いますが、
沢山の良い楽器を弾いてきて、楽器の善し悪しが分かる、
音楽も分かる演奏家に出会わないと、難しいと思います。

それなら、自分で演奏できる方が、運がなくても、自分が作りたい楽器を作れるのではないかと思うのです。

私は、もともと自分が作りたい楽器があって、楽器を作り始めました。

そうなので、楽器製作に関しては誰にも習っていませんし、絶対に習おうとは
思いませんでした。

誰かに習うと、その人の考えを受け入れてしまって、自分で考えなくなってしまい、
結局自分の楽器を作る妨げになると思っていたからです。
例えば、3年誰かに習うと、うまくいって3年回り道になる、うっかりすると
5年も6年も回り道になって、自分の楽器が作れなってしまうと思っていました。

それは、楽器を作っている人と話をしているとよく感じます。
誰にも習わずに、楽器を作っている人はほとんどいないので、
なにか、一つをとっても、それはなぜそうするのか?
と聞いても、答えが返ってくることが少ないのです。

楽器製作を習ってしまった、弊害をよく感じます。

同じようなことが、楽器を演奏しなくて、演奏家にアドヴァイスをもらって楽器を作っている
製作家にも感じるのです。演奏できなくても、音楽は勉強しておかないといけないと思います。
それが、演奏しないとなかなか勉強できないのです。ひょっとすると、演奏家以上に音楽は
知っておかないといけないのでは?と思ったりすることがあります。

楽器が演奏できる製作家の利点ばかりを書いてしまったようですが、
演奏できる製作家にももっと問題があるのです。

それは、自分の演奏技量、能力で楽器を判断してしまうことです。
それが、合っていれば良いのですが、素晴らしい演奏家ほどその楽器の
持っている能力の最大限は引き出せていない場合が多く、
極一部の面しか見ていない場合が多いのです。

このような製作家も結構知っています。

出来た楽器を弾いて、「こんな楽器が出来てしまった、失敗作だ。
次は違う風に作ろう」 と考えてしまうのです。
でも、こちらが弾けば全然違う評価なのです。

その結果、表板を5ミリにしたらどうだろうとか、チェロのように削り出したらどうだろうとか、
それはどう考えても、ギターではない、楽器ではないという楽器を作ってしまいます。
そして、本人しか弾けない楽器を作ってしまいます。
その人の周りには、正常に判断できるギタリストもいませんでしたが、
変なアドヴァイスしかしない楽器屋さんとかはいました。
楽器屋さんは売ることしか考えていない人が多いですから。

私の考える、良い楽器を作るための条件、環境は

自分で自分の作った楽器を正確に判断できる、演奏技術を持って、
音楽の勉強をして、(ギター音楽だけでなく)自由に楽器について
話のできる、幅広い音楽の知識と卓越した演奏技術を持ったギタリストと
出会うことだと思っています。

幸いにして、私はそういう素晴らしいギタリスト、音楽家と出会うことができました。
幸運だったと思います。

























  1. 2015/05/27(水) 01:21:06|
  2. ギター
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第4回南港ギターフェスタ 報告

いつも、展示会など案内ばかりで、報告がなかったものですから、
今回は早めに、報告させていただきます。

ここでお断りをさせていただきますが、ここに書かせていただくのは
あくまで、 私の思ったこと、感想ですので

やはり弦長65センチのモダンスペインギターが並んでいましたが、
一台、関東の高橋さんが63センチのギターを持って来られていました。
本当はもっと弦長の短いギターも持ってきたかったそうなのですが、
無理だったそうです。

彼は、短い弦長の方が作りやすい、大きな楽器を鳴らすのは、難しい
と、言ってられました。
やはり楽器を鳴らそう、としている方です。
でも、63センチの楽器でも、65センチの楽器でもよく鳴っていました。

45年ほど前に、一緒にギターを習っていた、兵庫の沢田君も良い楽器を作っていました。
彼も、今は製作と演奏の教室を持っているくらいに、演奏も上手です。
(コンクールでも入賞していますし)
高橋さんも 田部井さんに10年くらい習っていたそうです。

やはり、演奏がちゃんとできる人の楽器は、弾きやすいし、
音楽も作りやすい楽器を作ってられます。

私が唯一、尊敬している楽器製作家の佐藤一也さんは、つねづね
「演奏できない,製作家の作った楽器は、楽器ではなく箱だ」
とおっしゃっていますが、ギターでもそれは良く感じます。

ちなみに、もう一つ名言を下さっています。
それは、私がプロでやっていこうとして、お邪魔していろんな話をした時です。
「平山君 ひとつだけアドヴァイスをあげる。それは、人の言うことを聞かないこと。
見てもらった人が、1弦が鳴らない、と言ったら、その人が1弦が鳴らないように弾いているだけ、
低音が鳴らないと言っている人は、低音が鳴らないように、弾いているだけ。だと」

楽器を作っている人は、誰よりも自分の作った楽器がどんな楽器なのか、
分からないといけないと思っています。
難しい曲は弾く必要がありません。
楽器の能力、性能が分かれば良いのです。

この2日は、普段弾かないくらいに、ギターを弾きました。
1日に何時間もギターを弾くことはないですから。

でも、ギターを弾かせていただく時は、その楽器の最高の音を出したい、と思って弾いています。
最高に美しい音、最高のボリュームで、また、最小に小さな音で音楽が表現できるかどうか?
このポジション、この弦でどこまで、音が出るのか、声部の弾き分けはどの程度できるのか?
和音は濁らない?音の立ち上がり、減衰は?など、山のように色んなことを考えて、
弾かせていただいています。

でも試奏されている方を見させて頂くと、あまりそんなことは考えておられないようです。

近所迷惑なくらいに乱暴に大きな音で弾いている人や、小さな小さな音で、弾いてられる方、
いろんな方がいらっしゃいました。

楽器屋さんでも、これだけの数のギターを弾くことはできませんから、
面白い経験ができたと思います。

やはり、私のギターはこういう会場向きではないということも、確認できました。
私の楽器は、基音がしっかり出て、それに倍音が付いてきて、
響きになっているという楽器ですので、周りで 大きな音がしていると
響きが消されてしまって、おとなしい音になってしまう。

一般的な、というかほとんどの楽器は、本体、ボディが鳴っていなくて、
表板の、小さい面積でなっている楽器なので、倍音の多い楽器です。
6弦などは鳴らせるような、努力もしていないような。
でも、音は聞こえるのです、溶け合わない音なので聞こえてくる。

これは、モダンヴァイオリンや、モダンヴィオラ、モダンチェロでもよく感じます。
モダン楽器は、どの楽器でもそうなっていくのでしょうか?

1日め10弦ギターに興味を示してくださった方は、ほとんどいなかったので、
高橋さんのリクエストもあったので、お弟子さんが作った 59センチのギター
を2日めに展示しました。

モダンスペインギターの鳴り方ではなかったので、
小学生や小柄な女性の方に弾いてもらいましたが、
どうだったのでしょうか?

モダンスペインギターの構造で小さな楽器を作ると、
アルトギターやレキントギターのような、高音しか出ない
楽器になってしまいますから、とは、説明させていただきました。

あと、期待通りの楽器が、以前から知り合いの大工さんが作った、
古い家を解体した時に出た、杉の天井板で作ったギターです。
反応も良く、ギターが鳴っていました。バッハを弾いても何を弾いても
楽しく弾けるのです。

文章ばかりでは申し訳ないので、少しだけ写真を。

1432526183298 (1)

こんな感じの会場です。大きな会議室という感じの部屋の周りに楽器が展示されています。

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私の展示ブースです。となりの沢田君のブースも一緒に写っています。(ピンボケですが)

来年の第5回南港ギターフェスタは、4月16日、17日の 土日に開催されるそうです。

次回は、会場でもギター製作教室のようなところで、アコースティックギターを作ってられる
方とも出会いましたので、アコースティックギターのことを書かせていただきます。




  1. 2015/05/26(火) 01:04:29|
  2. ギター
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第4回クラシックギターフェスタ in 南港ATC 

いよいよ、明日、明後日になりました。

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私は結局、以前作った楽器ですが、弦長64センチの 私の標準サイズの6弦と、
弦長 63センチの 10弦ギターにしました。

ほとんどの来場者の方は、モダンスペインギターにしか興味が無いと思いますので、
私らしい楽器を展示して、興味を持っていただける方が、一人でも、二人でもいれば、
という気持ちで出展しようと思っています。

明日、23日は1日、会場にいますが、24日は友人の
木工作家が豊中で展示会をしていて、展示会を盛り上げようと、
もう一人の友人が小型チェンバロ(スピネット)を演奏しますので、
午前中は豊中で調整,調律をしています。

午後1時くらいには会場に行く予定です。

今回は新しい出展者の方もいますので、楽器を見せていただくのが楽しみです。

でも、ほとんどが弦長65センチの楽器だと思うのですが、茨城の高橋さんが
小さなギターを持って来てくれないかな?
と思っているのですが。

  1. 2015/05/22(金) 19:12:43|
  2. ギター
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素晴らしい人達 そして 出会い

いつも、コメントを頂いてありがとうございます。

カステラミルクさん あとで自分の録音を聞いて、あわわ と言うのは
とても、良いことだと思います。というか、凄いことだと思います。
それすら出来ない人も沢山いますし。

音の数が少なくて、リズムも簡単な曲ほど、難しいものはありません。
自分の演奏を聞いて、いけない所が分かるということは、それを直せば良いだけのことですから。

自分の演奏を聞いても、悪いところがわからない人もたくさんいると書きましたが、
ユーチューブで自分は上手だと思っている人の演奏を聴かせていただくと、
楽譜がちゃんと読めていないというか、符点を忘れていたり、音価を違っていたり
とか、結構あります。後で聞けば、分かることだと思うのですが。

そして、CABOTINさんは普通の人ではありませんから、
自分の演奏を演奏している時もちゃんと聞けているのだと思います。
(CABOTINさんにとって当たり前のことでしょうが)
普通の人は 後で自分の演奏聞くと 落ち込むのが普通だと思います。

と言うことで、タイトルのことです。

先日の、土、日と四国高松に行っていました。

友人というか人生では先輩なのですが、ギター作りは私が先輩なので、
指導させていただいている方の所に台湾の方が来られていました。

一人は、35年ほど前に香川大学に留学されていて、その時にお世話になった先生に
お礼を兼ねて、来られているのです。

留学中に身元保証人を引き受けてくださった方は,もう亡くなっているのですが、
日本に着いて、まずその方の墓参りに行かれたそうです。

高松は台湾との縁が深いようで、温泉に行っても、歓迎台湾の文字が見えます。

留学生がアルバイトをしても、日本人と同じような待遇だとか。

今回来られた方と、友人との関係も、いかにも友人らしく、
直接指導した学生でなく、最初の出会いは、郵便局で困っていたので、
声をかけてあげて、助けたことから付き合いが始まったようです。

台湾からの留学生では、今年の3月にも30年以上前の学生が何日か泊まっていったそうです。

そして、今回来られた方は、ギターはやっていないのですが、昔お世話になった先生が
ギターを作っているということで、ギターをやっている同僚にも来てもらったということです。

政府機関の農業指導の仕事をされているようで、土、日も仕事があるような忙しい
方のようですが、同僚のために有休を1週間取って、来てくださったようです。

その方は、台湾ギター協会の理事、副会長もされています。

ということで、台湾の方の35年も前にお世話になった先生のところに来られるという話を聞いて、
日本人以上に律儀な、親日の国も方だと思いました。もちろん、友人が素晴らしい人、ということも
ありますが。

そして、今回、彼がお孫さん用に作った、私が設計した弦長55センチのギターを見ることも、
楽しみの一つでした。それには、彼が自分で工夫して作った、燻煙装置で作った表板が使われています。

20140512-07塗装完了 (1)

こんな楽器ですが、大きさが分かりませんが、弦長55センチということで、ボディも
同じように縮小されていますので。

素晴らしい楽器でした。小さなボディですが、低音も基音がしっかり出て、バランスも
立ち上がりも、減衰も素晴らしい楽器です。
本人も今まで作った中で一番良いギターだと言っていましたが。

そして、今回 友人の所に、西垣さん(ちょうど高松でレッスンがあるとのことで)
高松のガンバ、チェロの友人、その友人の先週まで台湾に行っていた、
香川大の先生(歌が得意です。クラッシックもジャズも)徳島から ギター製作家の佐藤さん、
二胡をやっている学生、ギターの上手なお友達、私の作った楽器を使ってくださっていた、
高校の音楽の先生。(マンドリンオケの指揮もされています)そのほかにも、
マンドリンやギターを弾いている方も来られていました。

そして、日の明るいうちは、それぞれが演奏したり、合奏したり。
夜になると宴会です。

留学生の陳さんと林さんと私の合奏です。

20150516-22 (1)

陳さんはギターが弾けないということで、合奏ができたらと
ハーモニカを始めたそうです。

宴会の途中も、終わってからも音楽が絶えませんでしたが、
最後に、西垣さんが リクエストの楽器で、リクエストに応えて
その場で沢山の曲を演奏してくださいました。

タイプも 弦長も(55センチから65センチまで)違う楽器でリクエストに即座に答えて
演奏してくださいました。

私は、よく聴かせていただいていますが、ほとんどの方はこんなに近くで
西垣さんの演奏を聞く機会はないので、とてもすごい体験だったという話です。

どんどん、ブログが長くなってしまいますが、最後に 台湾ギター協会の 林さんが
我家在那裏 という曲の楽譜をギターと旋律楽器のために編曲をされていて、
持ってこられていました。
友人が昔聞いて、楽譜を探していたとのことだったので、持ってこられたようです。
もちろん、彼のギターと私のアルペジオーネでも合奏もしました。

今回私は、私の普通のギター、10弦ギター、アルペジオーネ、バスガンバ
パーラーギター、59センチのギター、リュートなど持って行きました。

アルペジオーネとガンバや、ギターとリュート、リュートとハーモニカなど
多分ここが初めてではないかと思える、楽器の組み合わせでも演奏しました。

我家在那裏は、初めて聞くはずなのに、懐かしく綺麗な曲だったので、
帰ってからも演奏させていただきました。
編曲は 林正言さんです。

トレブルガンバで旋律は演奏しています。
一度、ギターパートを録音しておいて、ガンバを重ねました。

一緒にアンサンブルすると、旋律を聞きながら伴奏できるのですが、
先に伴奏を録音すると、ある程度は旋律のことも考えて、伴奏していたのですが、
録音をする時間がなく、1回だけの録音でしたので、いろいろまずいところもありますが、
曲の良さに免じて、聞いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=IOpLv4OmPWY

楽器は 私のお弟子さんが私用に作ってくれたトレブルガンバです。
紺屋の白袴と言うことで、自分用の楽器は作っている時間がないので。
録画のスイッチを入れて、パソコンの画面で音を出して、と見苦しいところも
ありますが、よろしくお願いします。(パソコンのスピーカーで聴くと
侘しい感じですね)

時間がなかったので、音楽的にどうか?と思うところも多いと思いますが、
感覚でギターソロ用に編曲しました。
これも、練習はほとんど出来ませんでしたので、こちらも曲の良さに免じて聞いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=3Zi-9bdL99Q

弾いていると、もっとメロディーが出ているように、歌っているように思っていたのですが、
後で聞くと、もっとメロディーははっきりさせないといけなし、もっと歌わないといけませんね。

この曲の作曲家 劉 家昌 さんは他にも良い曲をたくさん作られています。
台湾でも、日本の歌は沢山歌われていますが、台湾の曲も日本で歌われるといいですね。

調べると、我家在那裏 は さだまさしさんが桃花源というタイトルで、歌われていました。

次回は、マンドリンとアコースティックギターの不思議に思っていることを
書かせていただきます。


  1. 2015/05/22(金) 00:23:12|
  2. ギター
  3. | コメント:0

記事を読み直して  簡単な曲を弾くということ



ついでに、もう一つ書かせていただきます。

難しい曲を弾きすぎているのでは?もっと簡単な曲を弾きましょう!
と書きましたが、少し 大切なことを書き忘れていたようです、というか
付け加えさせていただきます。

演奏家でもないのに、演奏のことを書かせていただくのは、心苦しいこともあるのですが、
思っていることなので。

簡単な,易しい曲を弾くことの大切さは、弾いている曲を聞くことができるということです。

難しい曲を弾いていると、和音の難しさ、ポジション移動の難しさ、旋律と伴奏の対比や
多声部の曲だと、声部の弾き分け、右手の動き、アルペジオやトレモロ、ハーモニックス
弾くことに必死です。

その結果、自分が弾いている音を聞いていない、作っている音楽を聞いていないということになります。
練習して、音を間違えなくなった、ポジション移動がスムーズになったというだけでは、
音楽になっていないのです。

難しい曲だと、かなり練習が進んで 曲が自分の手のうちに入ったと思っても、
録音すると全然出来ていない時があります。
まして、人前で演奏する機会があるのなら、それはまずいですよね。

それが、簡単な曲だと、テクニック的に余裕がある曲だと、自分が作っている音、音楽を
弾きながら 聞くことができます。

練習が2倍以上の効率で、できると思うのです。

難しい曲だと、自分で弾いている音の、音楽の半分も聞こえていないと思うのです。
だから、録音録画してチェックすればよいのかもしれませんが、それだと、練習する時間と同じくらい
聞く時間が必要になってきます。

40年ほど昔の話ですが、関西の方はご存知かもしれませんが、リコーダー、トラベルソの草分け
の元大阪音大教授 北山隆 先生の話です。

「一番いい先生はテープレコーダーやね」という話です。

演奏中は半分も聞けていないから、テープに録音しておいて後で聞くのが、
誰に習うより良い方法だと。

(でも、これは 聞く耳があってのことですが。と最近よく思います。
聞いても、分からない人が多いようなので。)

自分の出している音、音楽を半分しか聞かなくて、お客さんに聞かせるのは
料理人が味見もしないで料理を出すようなものかもしれません。
(一流の料理人なら 味見などしなくても感覚で分かるのでしょうが)

自分の演奏を演奏しながら、十分に聞くことができる程度の曲を弾きませんか?
そうすると、弾くのと聞くのが両方楽しめますし、周りで聞いている人にとっても
近所迷惑にならなくて済むと思っているのですが。






  1. 2015/05/12(火) 00:25:44|
  2. ギター
  3. | コメント:1

記事を読み返して  感動する演奏は



これも、もう少し書かせていただいたほうが良さそうなので書かせていただきます。

作曲家が 作曲した頃の楽器を使う方が、作曲家が意図したこと、音楽が伝わるということで、
私たちのような,古楽器製作家や演奏家が生まれたと思います。

モダンオケ、モダンフルート、モダンヴァイオリン等で演奏されるバロックの曲は基本的に違和感を感じます。
聞きたいとは思わないのです。

でも20世紀の巨匠の演奏で、楽器なんかはなんでも良い、演奏が素晴らしければそれで十分満足。
という演奏にも出会います。

20世紀の巨匠といっても、名人芸や楽器を歌わせることに関してびっくりするほど素晴らしいという
演奏家もいます。

でも、私が感激する演奏家は、私がこんな事を言うのも、失礼なことなのですがよく勉強されているのです。

古楽器奏者が「オーセンティック、歴史的」と言うことを大事にして、勉強もするのですが、
こんなことは、演奏家として常識だろ、と20世紀の巨匠の演奏で感じることがあります。

よくお付き合いさせていただいている、フルート奏者の方(西垣さんが審査員をされている
スペインの マリアカナルス国際コンクール で入賞された方です) テクニックも素晴らしいのですが
物凄く勉強されています。音楽だけでなく、楽器についても詳しく、楽器製作の知識もモダンフルートだけなく
トラベルソや木管フルートのこと、教則本も ベーム時代の素晴らしい、初心者用の曲にまで ちゃんと
綺麗なピアノ伴奏のついた教則本も持ってらして、出版も考えておられました。
その彼が、モダンフルートの巨匠というか、代名詞のような、 ランパルでさえ、若い頃 バッハを吹くときは
トラベルソのようなクリアーな音でバロックの音楽を作っていたと言ってました。

西垣さんが 若い頃ピアノの 大巨匠の フーツォン先生からアドヴァイスをされたこと、
正確な時間は忘れたのですが、「1日に 6時間の練習と3時間の勉強を30年間続けられるのなら
プロになりなさい、私はそれを続けている」 とにかく、練習だけでなく 
勉強もかなりの時間しなくてはプロになれないということだと思うのです。

ロマンロランは別格として、(彼は音楽家以上に音楽のことは詳しいですから)文学の方でも、
音楽の楽典や音楽史などは常識として、知っていた時代ですから、音楽家はもっと勉強していたわけです。

それが、感動の演奏につながっていたと思います。

バロックの曲をやるのでチェンバロを貸してほしいという話は沢山ありますが、数年前
2日に渡り演奏会があって、リハも長時間付き合っていたことがあります。
それは、モダン楽器のアンサンブルです。

縦の線を合わせることが長時間の練習の大半です。
チェンバロが少しでも、ずれるとブーイングです。

曲はバロックでも音楽の作り方は、古典時代そのままというか、とにかく
合わせて、ピッチを合わせて、リズムを合わせて、ボーイングを合わせて、
譜面通りに弾くそればかりなのです。

モダン楽器で演奏されるバロックは仕事以外では聞きたくなくなるのです。

でも、バロックに限らず勉強されている方の演奏は聞きたいのです。
まして、それが 巨匠の 音楽性や人間性、テクニックをもってして
演奏されるなら、聞きたいですよね。




  1. 2015/05/11(月) 23:52:10|
  2. ギター
  3. | コメント:1

記事をもう一度見直して 脱力など

5月に入ってから、もう10日が経ってしまいました。
2月3月でなくても、日の過ぎていくのは早いものですね。

自分の思うことを書かせていただいているのですが、なるべく間違ったことは書かずに、
誤解を招きそうな表現は避けたほうが良いと思っていますので、時々アップしたブログを見ています。

長い文章で、何やら難しいことも書いているようですが、そう間違ったことは書いていないようです。

長く書いていても、まだ伝えたいことが伝わっていないような、文章も見受けられます。

一つは、脱力のところで、もうひとつ大きなことを忘れていたように思います。
それは、脱力して弾くと体に負担が掛からない、特に右手は腱鞘炎などの予防になるのでは?
ということです。

親しい友人のギター製作家が、お世辞でしょうが「平山さんが弾くと、その楽器で出して欲しい音を
出してくれる」と言われたことがあります。

演奏家でなく、制作家だったら 新しい楽器を見ると、弾くと どう弾けばその楽器の最も良い音が出るか
直ぐに分からないといけないと思うのです。

もちろん、一流のプロのような音は出せませんが、少なくとも自分で出せる、その楽器の最適の音ですが。

そんな時、どうしても 力のある楽器で、力で弾かないといけない時がありました。
30分ほど弾くと、右手に違和感を感じ、「後1時間弾くと腱鞘炎になりそう」という感覚がありました。

左手に関しては、力を抜けば抜けるほど、音はしっかりしますし、音も延びていきますし、
基音もはっきり出ますから、問題ないのですが。

よくアマチュアの方の演奏を見せていただく時があるのですが、
皆さん 総じて 右手も左手も力が入っているようです。

左手に関しては、私の10倍くらいの力で押さえているような方も結構いました。

右手も私の何倍もの力で弾かれています。

これだといずれ、体を壊すかギターを弾けなくなると思うのです。

よく若いころ弾いていて、長いブランクの後にギターを始めた方も結構いらっしゃると思います。
そんな方は、ギター弾く 必要な力が体にまだ備わっていない段階で 練習をかなりされると、
体を壊したり、指に無理が来るようです。

また居合の話になりますが、初心者のうちは (初段くらいまで) 抜刀と言って、刀を抜く時は
大きな円運動でやってもらいます。

練習している上段者の型を見て、直線に近い刀の動きをしていると、すぐに注意します。
それは、必ず体を壊すからです。直線運動に近い実践的な抜刀はかなり体が出来てから出ないと
本当の動きもできませんが。

それと、他流派でやってこられて、入門された方に多いのですが、力が入りすぎているのです。
他流派で 4段5段の方だと、プライドなどは捨てて、入門されているのですが、実践居合の
体に負担のかかる私たちの流派では、体を壊されて辞めていく方がいます。
もちろん、体の力を抜くように指導はさせていただているのですが、身に付いた力の入れ方は
なかなか抜けないようです。

テニスなどでも、年をとってから始めると、テニス肘になったりしますが、テニスに必要な
力、筋肉がつかないうちに、練習をされてしまうからでしょう。

音の面からだけ話させていただいていたようですが、中高年の方にとっては、
もっと大事な、体を壊さない、腱鞘炎にならないという大きなメリットがありますので、
皆さん、もっと 力を抜いてギター弾きませんか?



  1. 2015/05/11(月) 23:12:43|
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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