古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

ギターの横板、裏板その他

立て続けに、ブログ書かせていただきます。
居合については、いくらでも書かせていただくことはあるのですが、
ギターの演奏につながることを書かせていただきました。
また、なにか思い出せば書かせていただきます。

今回は、本来のギターのことです。

四国に元大学教授の方で、趣味でギターを作ってられる方がいます。
縁があって、楽器製作のアドヴァイスをさせていただいています。

彼が、最初に作った楽器やその後の楽器も、彼を指導されている、プロの方の楽器より
音楽的に使える楽器だと思っていました。

先日、ネックの修理でお邪魔した時に、もう一台の8弦ギター(これも、東京のプロが
長いあいだ使っていたそうです)も 裏板横板にとても薄い部分があって、楽器が変形してきて
修理や裏板交換しようということになりました。

持った感じや、弾いてみた感じでは、横板、裏板ともかなり薄いので、
楽器がよく鳴る、ひとつの原因ではないかと思っていました。

素人の2号機なので、横板、裏板だけでなく、ネックの接合や裏板、表板の接合も
部分的には 良くないところもあります。

そこで、裏板を外して、取り替えようということになりました。

そして、ついでに 横板、裏板の厚みを測ってもらいました。

そうすると、私の楽器で考えている、横板 1.3ミリ 裏板 1.7ミリくらいだったのです、平均すると

横板は部分的に 1.0ミリとか 裏板もかなり薄いところがありましたが。
予想通りでした。

(表板も、サウンドホールの周りもかなり薄いので、2ミリほどの板を、全体に貼ってもらいました。)

1号機は 6弦ギターだったのですが、この楽器も横板、裏板
とも薄かったので、楽器がよく鳴っていたと思います。

設計のところで書かせていただきましたが、 あの モダンチェロでも 横板は1.6ミリ 1.5ミリ程度です。
それも楓で。

沢山のギター製作の本等で書かれている、横板 2.0ミリでは楽器は鳴らないと思うのです。
というか、モダンスペインギターの鳴り方になってしまうと思うのです。

これは、名古屋の ギター製作家で素晴らしいトーレスコピーなどを作っている、
大西さんもそう言ってました。

アマチュアの方の作ったギターを見せていただくことがありますが、
重たくて鳴らない楽器が多いのです。
皆さん ギター製作の本やブログを参考に、またプロの方の指導を受けて
いる方もいらっしゃるようですが、プロが何年もかかって売れるような楽器を
手本にしているようです。

アマチュアの方は売ることは考えなくても良い場合は、横板、裏板を薄くして
楽器を軽くして鳴る楽器を作れば、簡単に音楽的な表現ができる楽器、弾いていて楽しい楽器
とにかく楽器全体が鳴る楽器、バランスも良い楽器ができると思います。

そんな楽器を、この元大学教授の方は作ってられます。
(人間的にとても魅力のある方なので、その人間性も出ている部分もありますが)

薄くすると楽器が壊れやすいのでは?と言われそうですが、軽い、薄い楽器は
壊れにくいのです。(普通に作れば)逆に丈夫そうな楽器は、弱い部分があれば
そこが壊れます。全体が、軽くて 華奢だと壊れにくくて、何百年でも使えると思います。

また、長い文章になってしまいました。

最後に息抜きに ギターの演奏動画を。300万回以上再生されているので
ご存知の方も多いと思いますが。

https://www.youtube.com/watch?v=gSedE5sU3uc

リズムや歌わせ方など、見事だと思うのですが。


  1. 2015/04/29(水) 23:06:17|
  2. ギター
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リサイクルショップでのギターの選び方 その他

以前、3月31日に古い木曽鈴木のギターと阿部ガットを買った記事を書きました。
これらは、リンクさせていただいた 「リコーダーとギター」の合奏もそうですが、
歌の伴奏をしても、他の楽器と合奏しても、使い勝手の良い楽器です。

そこで、私も 探していみようとされる方も、いらっしゃったのでは?と思い、
少しだけ注意点を。

私も 色んなところに出かけますので、面白そうなリサイクルショップに行くことがあります。

でも、面白そうな楽器に出会うのは、1年か2年に一度くらいです。

10年近く前に 何度か 半年だけ 中学校に ギターを教えに行ったことがあります。
そこで、まず学校のギターを弾けるようにしないといけません。
統廃合で大きくなった学校なので、中学校でしたが ギターは30台以上ありました。

私なら知っているが、知られていないメーカーの楽器が多くありました。
それらの多くは、合板の楽器でしたし、設計も良くない楽器が多かったです。

半分位はヤマハのギターで、その半分は良い楽器でした。(ということは、後の半分は?)

価格も、この間買った リサイクルショップは良心的な値段でしたが、あまり使えそうもない楽器で
8000円から10000円しているところもありました。

コンスタントに、安く売っていれば、その値段の価値があるのは、ヤマハでしょうか?
あと、鈴木、とか木曽鈴木とか。全音も良さそうでした。

古い楽器のことですから、個体差も非常に多くて、後の使われ方、管理の方に
問題のある楽器も多いです。

では、どんな楽器だと良いのでしょうか?
私のように自分で直せる人はあまりいないでしょうから。

まず、ネックが曲がっていない。反っていない、弦高が高くない、
ネックの付け根が起きていないということ。

ブリッジの接着が完全であること。

それ以上に、ベニヤ、合板の楽器でなく 単板の楽器であること。
なければ、表板だけでも単板の楽器。

材料はマホガニーや楓といった、ローズウッドでないほうが、
音が良い場合があります。

出来れば、ボディは小さい方、大きさがモダンと変わらなくても、胴の厚みが
薄い方。(戦前のスズキのカタログを見ると、ラコートモデルも作っていたようですし)

軽い楽器。

中を覗いて、ライニングが小さいもの。

糸巻きなどは、後で交換できるので、糸巻きが壊れているだけで安く売られている場合があります。



結局、これらは 19世紀ギターの、延長線上の パーラーギターの延長線上の楽器
に近い楽器です。
軽くて、反応が良くて、音に芯があって、古い楽器なので 趣のある音。

こんな楽器は、なかなか出会えませんが、たまにはあるので、遠い所に行って、面白そうな
リサイクルショップや骨董品屋さんをつい覗いてしまいます。

  1. 2015/04/28(火) 23:20:58|
  2. ギター
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演奏会のお知らせ  その他 コメントを頂いて


 貴重な演奏会のお知らせです。

いつもは、クリスマスコンサートくらいでしか聞くことのできない、西垣さんのコンサートです。
それに、今回は お弟子さんの 松本大樹君の演奏も聞けます。
そして2重奏も。

神戸 御影の 世良美術館で、8月8日 午後3時30分開演です。
会場も ギターにぴったりの大きさ、雰囲気 音響です。
(世良美術館は 小磯良平さんのお弟子さん 世良さんの美術館です)

松本大樹君は 西垣さんに習い、ニース、パリで勉強されました。先生の西垣さんのように
すでに、国際コンクールの審査員もされています。

img005.jpg
img006.jpg

曲目も 他の演奏会ではなかなか聞けないような、興味深い曲目が並んでいます。

コメントを頂いている、居合について少しだけ。
ギターの演奏にも繋がると思っているお話です。

コメントいただいた 居合の動画は

https://www.youtube.com/watch?v=6Me9S2JXDDA

でご覧いただけますが、色んなことをお伝えしたくてテロップがうるさくてすみません。

実は、この動画を撮影していただいた頃は、私は忙しくなって休席といって、
席はおいているが、毎回の練習には参加しなくても、参加できる時に参加すればよい、
という状態になって、1年ほど経った時の 動画です。

練習していた頃は、ほぼ 毎日 500本くらいの素振りに、50本くらいの型の
練習をしていました。(宗家は1日 1500本くらいは素振りされています。)

でも、1年 素振りも全然していなくて、居合の練習には時間が取れていませんでした。

たまたま、知り合った映像作家の方に、居合の撮影をしてもらうことになって、
私がいなくては、申し訳ないので、練習に1年ぶりで参加しました。


https://www.youtube.com/watch?v=FVOI80CH8e0

のような、組立打ちも 1年ぶりでした。

6年で7段 印許をいただきましたが、これらの技は 身についているようです。

他の流派の方に、どうすれば硬いゴザがあんなに簡単に切れるようになるのか?
と聞かれますが、この組立打ち(これは3連打ですが、基本は 2人でします)
をしないと、無理だと思います。と答えています。

1本目などは、防具もつけずに顔面から1,2センチのところで止めます。
私などはこれが普通だと思っていますが、剣道の高段者でも、防具無しでは
怖いと言われます。

それと、刀の使い方、素振りの仕方です。

動画で素振りや刀の振りを見せていただきますが、見るだけで
切れない素振りや刀の振りをしている人はすぐ分かります。

脇がしまっていない、とか 力が入っているとか、スピードが遅い
(力が入っていると、スピードは遅くなります)刀を強く握っているとか、
見れば、誰でもわかることがありますが、一番 見るべき点は
刀がどこから落ちているか、振れているかです。

下手な人は、うっかりすると 手元、鍔あたりから落ちています。
かなり上手な人でも、刀の 半分くらいです。

硬いゴザでも竹でも簡単に切っている人は、切っ先から落ちています。

初段、2段くらいの人で 切れたり、切れなかったりしている時は、
刀の真ん中あたりから落ちているので、注意させていただくと、
切っ先を意識して、切っ先から落ちるようになると、簡単に切れます。

それは、刀を大きく振ることによって、切っ先から落ちるようになるのです。
(理由はこれだけではありませんが)そして、刀を軽く持って、振っている時は
力を抜けています。
練習中は いつ刀を抜いても、上手な人は すっと簡単に抜けるほど、刀を軽く
持っています。私たちの流派は皆そうです。

動画で、ゴザを切っている時は、ゆっくり刀を振っているようですが、
切る瞬間は速く振っています。特に宗家などはいつもそう感じます。

これは、楽器も同じだと思います。
リュートでも、チェンバロでも、ピアノでも 力を抜いて、スピードを上げると
良い音、大きな音がします。音が出る瞬間だけ力は入ります。
そして、音が出た瞬間に力を抜くと、音が延びていきます。

これは、のこぎりで木を切る場合もそう思います。
上手な大工さんや職人さんはとても早く、のこぎりで
木を切ります。私も早いほうだと思いますが。

この木を切る時も、力を抜いてのこぎりを持って、切る時だけ
力を入れ、スピードを上げます。本当に力を抜いて、のこぎりを持たないと
早く切れませんし、まっすぐ切れません。

ギターの場合は、力を抜くことで、指のスナップ、バネが出て、
ちょうど鞭のように、スピードが出ると思います。
力を抜くことばかり強調しましたが、それは必要な力があってのことなのです。
全然力がない人が、力を抜いて弾いても、それなりの音しかしないことがあります。
(楽器にもよりますが)ギターを弾くためには、ピアノを弾くためには、チェンバロを弾くためには
リュートを弾くためには、そのために必要な力が必要なのです。

居合で 1日 千本以上素振りをするのは、理想の刀の動きを目指していることも、
目的の一つですが、刀で切る時の必要な力を身につけるための練習とも考えられます。

幸い、私は毎日体を使って、力を使いながら仕事をしているので、1年間、
居合の練習をしていなくても、ゴザが切れるのだと思います。

居合の話ついでに、ゴザも私たち実戦居合の流派では、(870年以上前に生まれた、
戦国時代、実際に戦場で使われた居合の流派です。)刀は 蛤刃と言って、刃先の角度は
鉈より鈍角の刀です。それに比べて、江戸時代、実際に刀を使わなくなった頃の
刀は試し切り程度にしか使いませんから、剃刀刃と言って刃先の角度が鋭角の刀でした。
もちろん時代によって、全てそうだと言えませんが、そういう刀が多かったようです。

現代の刀も、柔らかいゴザや竹を切ることが多いので、剃刀刃の刀が多いようです。

それで、わたしが使っている刀を作ってくれた、刀匠の話です。
アメリカで日本から居合をやっている人が来て、デモンストレーションでゴザを切っていたそうです。
そこに、友人の刀匠の友人のアメリカ人が、蛤刃の刀を持っていて、これでゴザを切って欲しいと、
持っていったそうです。予想通り、柔らかいゴザも切れなかったそうです。

蛤刃の刀だと、硬い竹の節も切れますし、節を狙って切ることもします。
戦国時代に 蛤刃でなければすぐに刃が欠けるでしょうから。

私も3段くらいの時に、ある日 急に 刀を重く感じなくなったというか、軽く感じて
持っている感覚がなくなりました。そうすると、いくらでも、いつでも切れるようになりました。
(私の刀は特に重い、硬い刀です)
日頃の練習で刀で硬いゴザを切るための力が付いたのでしょう。

幸せなことなのですが、西垣さんの演奏を沢山目の前で聞かせていただいています。
本当に美しい音ですし、大きなホールで聞いても、大きな音で聞こえます。
本人もほかの人の倍の大きさの音で弾くことができると言われていたと思います。

西垣さんはとても力が強い方です。握力計も壊れるくらい?
力を抜いていても、ほかの人が力を入れているより、力が入っているのでしょう。

それで、あんな綺麗な音がするのだろうと、思ったことがあります。
(あくまで、私の考えです)

ピアニストでも、チェンバリストでも、上手な人は美しい音、芯のある音、
遠くまで届く音、を出すための力持ちだと思ったことがよくありました。

すっかり長くなってしまってすみません。

次回はギターについて書かせていただきます。










  1. 2015/04/28(火) 22:48:06|
  2. ギター
  3. | コメント:0

baroque様のコメントをいただいて

baroque様

いただいたコメントに対して、政治家のように、直接のコメントが出来ていなかったようです。

作曲家が作曲した時代の楽器でなくても、感動させる演奏はあると思っています、
このことを書かせていただいたつもりでした。

特に、チェンバロというかフランスですから、クラブサンと言わないといけないかもしれませんが、
ラモーの曲は、ピアノで弾かれた ミッシェル・メイヤーさんの演奏は私にとっては、衝撃的でした。
この演奏を聞いてからは、クラブサンで弾かれる ラモーの曲は面白くなく、興味も持てなくなりました。

でも、ギター以外の楽器、特に鍵盤楽器の研究は進んでいて、20世紀初頭のモダンチェンバロの復興から、
(ピアノがどんどん形が変わっていき、弦の数も音域も増え、鉄骨を使うようになったり進化?
していったように、チェンバロもそのまま使われていたら、このような形になったのでは?
ということでモダンチェンバロが生まれた、という説もありますが)

ヒストリカルチェンバロの時代になり、とりあえずは構造もしっかりしていて、作りやすいことから
フレンチのチェンバロが作られました。
その後 フレミッシュ、イタリアン、ジャーマン、イングリッシュの
楽器が作られるようになり、イタリアの曲はイタリアンで、フランドル地方の曲はフレミッシュで、
バッハは ジャーマンで弾くようになっていきました。
(もちろん、フレンチでバッハも弾いている人がいますが、素晴らしいフレンチの楽器だと、
出来の悪いジャーマンで弾くより、良い音楽が作られると思いますので)

鍵盤以外でも、ヴァイオリン系統でも、弓でも同じように研究がなされ、更に細かく
時代や、国に合った楽器で演奏されるようになりました。

でも、ギターは全てモダンスペインギターで、演奏されます。
(私の周りでは、19世紀ギターも沢山使われていますが)
もちろん、楽器のことですから、いろんな楽器があって、
基音のしっかりした、19世紀ギターに近い音を目指している楽器もありますが、
ほとんどは、トーレスさんの楽器を目標にしているようです。

私のように、ルネサンスギター、バロックギター、19世紀ギターの延長線上に
ある楽器を作ろうとしている製作家はほとんどいないようです。
なんとか、ソルやアグアドの弾ける楽器として、また、タレガ以降の
20世紀の曲も、ジャズもブルースも、ショーロも弾ける楽器を作って
行きたいと思っているのですが、このような楽器はほかに存在しないので
なかなか分かっていただけないようです。

19世紀ギターでは、楽器によりますが、20世紀以降の曲は
合わない楽器が多いように思いますし。

モダンスペインギターはちょうどモダンピアノのような立場だと思います。

ピアノも、フォルテピアノで当時の曲は当時の楽器で、という演奏が増えました。
よく知られている、ベートーベンの月光は、モーツアルトが使っていたような、
5オクターブのチェンバロに近い、楽器で作曲されました。
ですので、私なんかは、チェンバロで弾く月光や、初期のフォレてピアノで弾く
月光でなければ、ぴったり来ません。

最近は、メンデルスゾーンくらいまでは当時の楽器を使うことが多いようです。
私のフォルテピアノを最初に弾いてくれた、メルビン・タンさんはメンデルスゾーンの使っていた
楽器を永久貸与されていて、メンデルスゾーンの曲を録音する時は、その楽器を使っていると
言ってました。

ほかの楽器を見る機会や、聴く機会の多い私の感想ですが、モダンスペインギターは
楽器としてかなり特殊な楽器のように思えます。
その特殊なところが、愛好家に受けているところなのでしょうか?

それと、居合の話も出していただいていました。

型だけの流派もありますが、実際に、ゴザや竹を切らないと、
刃筋や力の入れ具合、スピードが分かりません。

でも、このゴザが問題なのです。

私たちの流派は、ゴザは表面にごみや砂がついていることがあるので、洗いますが、
洗っただけのござを切ります。

おそらく、洗っただけの、硬いゴザを切っている流派は私たちだけだと思うのです。
一般的には、1週間ほど水につけた、大根のような柔らかいござを切っているようです。

こんなゴザだと、本来の刃筋でなくても切れますし、スピードも技も必要ありません。

かなり以前の話なのですが、全国大会に私たちの宗家も出られてゴザを切っていました。
そうすると、有名な他流派の宗家が自分の準備をしてきた、ゴザを使い切ったので、
私たちの宗家に、ゴザを借りました。御自分たちが使っているゴザを同じようなものだと、
思われたのでしょう。宗家は簡単に切っていますから。
でも、私たちのゴザは硬いので、切れるどころか切っ先が少しゴザに入っただけで、
刀が曲がってしまいました。数百万円の刀が使い物にならなくなったそうです。

硬いゴザは、剣道7段、8段の先生でも何ヶ月もかかってやっと切れるようになります。

この硬いゴザを私たちは小学生でも切りますし、初段クラスでも、本数を切る練習の時は
50本ほどを数分で切ってしまいます。
私たちの流派はゴザを据え物台と呼ばれる、台の上においただけで切ります。
本当は、この台の上にゴザを置くほうが難しいのです。
短くなったゴザを、テンポ良く、切りやすいように置いてあげるのは、
結構難しく、肝も据わっていないと刀の近くまで寄っていって、立てられません。

そして、私たちは硬い竹も同じように台の上に載せるだけで切っていました。
普通は切れずに、飛んでいってしまいますが。

話がまた逸れてしまったようですが、音楽も楽器も居合いも奥が深く、
本物にはなかなか出会えないということでしょうか。

ギターに話を戻すと、私も ギターはどの方向に向かっているのだろうと、
思うことはよくあります。

ギターはクラッシック音楽を表現する、表現できる楽器であって欲しいし、
表現できるような演奏をしていただければ、と思っています。
その上で、歴史的な考察をしていただければ、と思っています。

あつかましい、おこがましいことを書いてしまったと、反省していますが、
よろしくお願いいたします。







  1. 2015/04/21(火) 01:31:26|
  2. ギター
  3. | コメント:1

コメントを頂いて そして 考えること その?


baroque さん コメントをありがとうございました。

永遠に解決しない、難しい問題かもしれませんが、簡単な問題かもしれません。

もともと、このブログは一般的に通用していることや、常識とされていることを書くのではなく、
私の思っていることを書かせていただくブログですので、あくまで、私の考えていることを
書かせていただきます。

baroque さんが最初に書かれているように、十人十色でしょ。
それで話が終わるような、話題かもしれません。

何が本物で、偽物そして善し悪しという問題ではないように思います。
また、それは問題にもならないように思います。

私は若い頃 何年も朝から晩まで グールドさんのバッハを聴いていたことがあります。
そして、20世紀の巨匠の ピアノでバッハを聴いていました。

もちろん、もとはほとんどがチェンバロ曲です。中にはオルガン曲もありましたが。

チェンバロで聞くバッハとピアノできくバッハは違う音楽だと認識して聴いていました。
(グールドさんは ピアノでチェンバロ音楽を表現しようとしていたと感じていましたが。)

その頃、チェンバロで同程度の音楽性の演奏をしてくれるチェンバリストは ランドフスカさん、
イゾルデ・アールグリムさん(お二人共楽器はモダンチェンバロでしたが)やっと、ローランス・ブーレイ
さんがオリジナルのルッカースなどで演奏をしてくれていた程度でした。(レンハルトさんもいました)

このブログを読んでくださっている方は、ほとんどがモダンスペインギターをやってられると思うのです。

このブログがもとで、原曲を当時の楽器で演奏している、演奏を聞いていただくキッカケになればいいな、
思っています。

バロックの曲を弾く機会も多いと思いますので、ギターの名演を聞くだけでなく、
リュートなどの演奏を聴いて頂ければいいな と。

ギターにはギターの表現もあると思いますので、リュートの音楽をそのままギターに
置き換えることはできないと思いますが。

良い時代になったので、オリジナル楽器を用いた演奏で、素晴らしい演奏も増えました。

聞くだけなら、好きな方を選ぶことができる時代になりましたから。

それと、オリジナルというか原曲指定の楽器で演奏をする場合も、少しは問題があるようです。
些細な問題ですが。

数百年前のオリジナル楽器は当時の音はしていないのではないだろうかという問題です。

当時の楽器は、作られてそんなに年数の経っていない楽器を使っていたと思います。
ですので、経年変化のたった当時のオリジナル楽器を使うと、当時の音はしない。

でも、ルネサンスの楽器をラバルマン(改造)してバロックの楽器にすることは、当時でもしていましたが、
(リュートやチェンバロで)でも、それはとても少数のことだったと思います。

ギターでも、今皆さんが聞いている、トーレスさんの楽器も経年変化によって作られた音が
ほとんどではないかと思っています。ですので、オリジナルのトレースさんを使うより、
忠実なコピー楽器(寸法が忠実な楽器ではありません)のほうがタレガさんの弾いていた、
作っていた音、音楽に近いかもしれません。
屁理屈だと言われそうですが。

奏法や音楽解釈についてはどんどん研究が進んでいますので、当時の演奏に近くなっていると思いますが。

ギター以外でも、モダン楽器をやっている人は、驚くほど、自分が弾いている曲が作られた頃の楽器
のコンディションを知りませんし、知ろうともしません。

その点,古楽器やオリジナル楽器をやっている人(古楽器というより、時代楽器、ピリオド楽器という方が
ロマン派の時代までくらいは使えそうですね)当時の楽器のこと、
楽器以上に当時の音楽をものすごく勉強しています。

彼らの勉強ぶりを見ると、ギターの方はほとんど勉強していないと思えるほどです。

ギターの方がテクニックも音楽性も素晴らしい演奏しても、当時の楽器で演奏したほうが良い、
と言われるのも、その勉強の差があるのかもしれません。

昔よく仕事していたチェンバリストが「ギタリストが弾くバッハの組曲は、様式感がなくて 早いサラバンドか
おそいサラバンドだけだ」と言っていたのを思い出します。

リュートの方はバロック時代の勉強だけしていれば良いのだけど、
ギターはそれ以外の時代の曲も勉強しなければいけないので、
バロックの勉強がおろそかになってしまう、と言ってはいけないと思うのです。

リュート奏者は通奏低音やアンサンブルやいろんな場面で仕事をします。当然そのための勉強もします。
その勉強がかなり大変なのです。勉強だけでなく演奏も。

話が、長くなってしまいましたが、書いてきたこれらのことは、プロの世界のことで、
アマチュアは音楽を楽しむ方向で考えたほうが良いと思います。

(プロは、たくさんの難しい曲を弾かなければいけないので、むしろアマチュアの方が
時間をたっぷりかけて、音楽的な勉強をして、音楽的な演奏すべきだと思うこともあるのですが) 
 
でも、ギターでも、よく弾かれる ソル、アグアド、ジュリーアーニ、カルカッシなど19世紀ギター
、ロマンチックギターの時代に書かれた曲は、19世紀ギターで弾いて欲しいと思うのは、
製作家の願いです。というか、私の願いです。

親しいギタリストでも ソルなどはモダンスペインギターでは弾きたくない、というか弾けない
という方はいます。

話があちこちに行きましたが、善し悪し、正しい、正しくないということではなく、
良い音楽を聞いていただければ、良い音楽を演奏していただければ、
それが一番かな?と思っています。






  1. 2015/04/20(月) 00:41:31|
  2. ギター
  3. | コメント:1

皆さんのブログを読ませていただいて

相変わらず、走り回ったり、演奏会でバタバタしていますが、家で仕事をしているときは、
気分転換を兼ねて、いろんな方のブログを読ませていただいています。

やはり、私のブログに訪問してくださった方のブログも気になりますし。
(FC2 でブログを作ってられる方は、訪問できますので)

その中で、みなさんに是非見ていただきたブログがありますので、紹介させていただきます。
もちろん、興味がお有りの方にですが。

リコーダー&ギター~アンサンブルの楽しみ

というブログです。

ご自身で、ギターもリコーダーもやられるということで、親近感が湧いてきましたので、
訪問させていただきました。

その中で、特に 「ギタリストも吹こう」と題されたブログは面白く読ませていただきました。

http://yumebuemyu.blog.fc2.com/blog-entry-8.html

皆さんも、小学校、中学校で吹かれていると思うのですが、残念なことに小学校で
習い始める、リコーダーが ソプラノ なので、嫌になった方もいらっしゃると思います。

ソプラノはリコーダーでも特に難しい楽器です、おまけにドから始まるということで、
ドの音を出さないといけないように思って、苦労された方もいると思います。

このブログに書かれているように、アルトリコーダーで始めると、息のコントロールや、
指の運指なども難しさは半減すると思います。プラスチックの笛で充分ですし。

小学校でも、F管のソプラニーノで始めれば、
もっとリコーダーが好きになると思っているのですが。

近くにリコーダーをやっている人がいれば、とりあえずギターとリコーダーで合奏すると
アンサンブルの楽しみも味わえます。

いなければ、自分で吹いてみるのです。
その時に、 夢笛myu も書かれているのですが、ギターパートを録音しておいて、自分の伴奏で
リコーダーを吹くと、リズムの悪さや,間の悪さ、息継ぎがしにくいだとか、
いろんなことが分かってきます。
ただ、単に ソロの曲を録音しておいて、後で聞くのとは違う練習になります。

ギターは長年やってられると思うのですが、リコーダーは初心者という場合、
逆にリコーダーを録音しておいて、伴奏すると、単旋律を歌うということ、
リズムやフレージングといったことも、勉強になります。

そうしているうちに、仲間も見つかると思います。
案外、リコーダーはやっている人が多い楽器ですので。
できれば、 19世紀ギターのように、倍音が少なく芯のしっかりした
ギターが良いのですが。
なければ、最近の私のブログの書かせていただいたような、
リサイクルショップで売っているような、古い、軽いライニングの小さい楽器
で合わせると、音も合うと思います。

ご存知の方も多いと思うのですが、ギターの実音は記譜より1オクターブ低いのです。
中には、トーン記号の下に8と書いている楽譜もありますが。
そして、リコーダーは実音はオクターブ高いのです。

ですので、高級なモダンスペインギターでは、純音に近いリコーダーの音と、
倍音の多いモダンスペインギターとは、音色が会いにくいのです。

夢笛myu も書かれているように、もし2台ギターを持ってられるなら、
メインのギターでない方は、なるべく古い弦を使って、倍音を少なくすると、
アンサンブルしやすいかもしれません。

楽譜も手に入りにくいのですが、 夢笛myu もブログに楽譜をアップしてくださっていますし、
ソロのギター曲の旋律を重ねてリコーダーで吹くという手もあります。



そして、このブログを読んでくださっている方の中にも、若い時にギターを弾いていて、何十年ぶりかに
ギター復活したとか、若い時にはギターが弾けなかったので、定年後始めたという方がいらっしゃると思います。

そんな方のブログの中に、ソルやカルカッシのエチュード といっても、セゴビアさんやなどが編集した
難しいエチュードを全部やらないと、ギターは楽しめないと、いう記事がありました。

でもそんなことはないと思います。セゴビアさんのソルの20のエチュードなどはプロが
弾く曲で、アマチュアはあんな難しい曲を全曲する必要はないと思います。

もっと簡単な曲で、音楽を楽しみながら、練習すれば良いと思っています。

セゴビアさんや、イエペスさん、阿部保夫さん(たまたま手元にあったので)の選んだ練習曲以外で、
もっと簡単で、音楽を楽しみながら、練習できる曲を私なりに選んで練習しています。

それは、OP 31-13,18  Op44-9  Op60-4,5,6,7,12,15,16,20,23
です。

また時間のあるときに演奏をアップさせていただきたいと思っています。


 
  1. 2015/04/19(日) 23:15:29|
  2. ギター
  3. | コメント:1

5万アクセスありがとうございます。


4月になって、あっという間に、15日になってしまいました。
バタバタしていて、自分のブログをよく見ていなかったので

いつの間にかアクセス数が 5万を超えていました。

マニアック、でやたら長い、難しそうな、ブログを読んでくださって本当にありがとうございます。

本来の目的のギターの製作に関するブログは、実際に楽器を作っている人、それも、比較的若い方か
楽器を作り始めて、まだ間がない人が関心を持ってくれることが前提のような気がします。

そんな方はほとんどいらっしゃらないようにも思えますし。
少しですが、アマチュアでギターを作っている方と、知り合いになっています。

そんな方たちに、少しアドヴァイスをさせていただくことがあるのですが、ほとんどの方が楽器屋さんで
売れる楽器を作りたいのかな?と思うことが多いのです。そして、
いわゆる名器と呼ばれる楽器を目標に作られているようで、
せっかく自分で作るのなら、自分が弾きたい楽器を作ればと思うのですが。

とにかく、重くて鳴らないように作っていますし、弦長もほとんど65センチで
弾きにくい楽器が多いです。
その方向で作っていても、10年たってやっと使える楽器ができるかどうかという人もいますし。



でも、木工の記事としてなら、読んでくださる方もいらっしゃるかも?

といろいろ考えていますが、時間ができるようになりましたら,製作編も続けていきますので、
よろしくお願いいたします・

Cabotinさん いつも Cabotinさんでなければ出来ないコメントを頂いて、ありがとうございます。

コメント欄で書かせていただくと、さらにマニアックになりそうなので、
いつもブログ本文で書かせていただいています。

モダンオケ の管楽器もいろいろ問題がありそうですね。(また、マニアックな方向に行きますが)
弦楽器は弦の問題で、楽器が鳴らない方向になっているので、音質、音色は問題として
少しはましな部分もありますね。

管楽器はとにかくよく鳴ることを前提に楽器が改良?されているようです。

たまに、バロックでチェロの代わりにファゴットで通奏低音を受け持ってもらうと、
大変なことになりますし。

私の周りには、バスーン,バッソンを演奏する方いらっしゃいますが、この方々は音量のコントロールや
音質のコントロールをしてくださいます。

あと、プラシチックヘッドのティンパニも大変ですね。

弦楽器のスチール弦を問題にしていますが、それは有機質なガットに比べて、
無機質なスチールが問題だと思うのです。
同じように、ティンパニや太鼓で 牛や羊の皮でなく、樹脂、プラスチックで作られた
物は、スチール弦を張った、弦楽器と同じように思えます。

少し前も、バロックダンスをプロとしてやっている方から、(古い友人です)
小さな太鼓を買ったけど、革でないから音が面白くないので、革に変えて、
と太鼓を送ってきました。

プラスチックヘッドの太鼓です。温度や湿度の影響を受けないかもしれませんが、
肝心の音が面白くありません。

結局 一から太鼓を作ってあげました。

20世紀初頭のオケを聞くと、とても音楽が有機的です。

それは楽器からも来ているのでしょうか?

もちろん、演奏家の違いもあると思いますが。

私の思っていることを書かせていただいていますが、少し思い込みの部分も
出てくると思いますが、これからも、よろしくお願いいたします。

  1. 2015/04/16(木) 18:53:18|
  2. ギター
  3. | コメント:1

不思議に思うこと その?



マンドリンの弦は不思議に思うことの筆頭でしたが、モダンヴァイオリン、モダンチェロ、モダンヴィオラ
の弦についても、不思議な弦というか、諸悪の根源は弦にあるといっていいほど、問題のある弦ばかりです。
その弦に少し縁がある話です。

ギターコンチェルトの代名詞のようなアランフェス協奏曲ですが、作曲されたのは1939年、初演は1940年
だったのは、ご存知の方は多いと思います。

その当時の楽器、というかオーケストラで最も大切な弦楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
コントラバスの弦はほとんどガット弦だったと思うのです。
ヴァイオリンで 1弦、E線くらいはスティールだったかもしれませんが。

ギター協奏曲で一番問題になるのは、バランスの問題だと思います。
それは、皆さんそう思われていると思います。

だったら、何故、初演当時と同じ ガット弦を使ったオーケストラと協演しないのか?
それが不思議なのです。

もちろん、音量の問題もありますが、ストラビンスキーの春の祭典の初演当時の楽器による演奏は、
別の曲ではないかと思うほど、生き生きしていました。

楽器として、バロックヴァイオリンや、バロックチェロは弦がガット弦で、テンションも低くボリュームも
モダン楽器に比べると小さい楽器が多いようです。音量も響きの違い、音色の違いがあって、
一概には言えないのですが、比べると一般的にはモダンの方が音が大きいと言えます。
楽器が鳴っているのは、バロックコンディションの楽器の方かもしれませんが。

ギターは幸いにして、クラッシクの楽器はスティール弦でなく、ガットの響きに近いナイロン弦や
フロロカーボンなどの弦ですので、ガット弦を使ったヴァイオリン属の楽器と
アンサンブルしやすいと思います。

協奏曲でなくても、ボッケリーニやカルリの室内楽、アンサンブルにもガット弦のヴァイオリン属の楽器
がぴったりだと思います。

どなたか、アランフェス協奏曲で当時の楽器を使った録音をご存知ないでしょうか?

なければ、小さな編成で良いので、コンチェルトの音源をご存知ありませんか?
カルリの曲など聞いてみたいのですが。

10年、20年前に比べると バロック楽器をやっている人も増えていますので。

私が老人ホームに慰問に行く時は、バロックヴァイオリン、ガンバ、チェンバロにギターでやっています。
ピッチは415のバロックピッチで。自分で弾いていても、「なんて美しい響き」と感じることがよくあります。

皆さんも機会があれば、バロックまたはクラッシクのコンディションのヴァイオリン属と
アンサンブルされませんか?無理なく音楽が作れますし、楽しめますので。

昔、Cabotinさんの目の前で、カルリのギターとピアノの曲を弾いたことがあります。
これも、モダンピアノでなく、私が作ったフォルテ・ピアノだったので、とても楽しく
演奏できました。音量はほとんどギターと同じくらいなのですから。
カルリだけでもCD10枚近くの量の曲が作曲されています。この時代の
フォルテ・ピアノとギターだったら、対等にアンサンブル出来たからなのでしょう。

それと、時間が経っていますが、昨年12月の西垣さんのコンサートの様子が、現代ギター
3月号に載っています。

20150403-83西垣正信 27P

右上に小さくアルペジオーネを弾いている私が写っています。
すっかり頭も薄くなりましたが。

アルペジオーネはまだ手元にありますので、興味のある方はご連絡ください。

今回は、以前から疑問に思っていたことを書かせていただきました。


  1. 2015/04/04(土) 14:43:21|
  2. ギター
  3. | コメント:1

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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