古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

19世紀ギターについてのコメントをいただいて、そしてその他の話題

ブログの更新が滞って、申し訳ありません。

期限を切られた仕事が続いていて、仕上げに追われている毎日ですので。

それなら、そんなにタイトなスケジュールの仕事を請けなければよいのでは?
と言われそうですが、それが、なかなかに難しくて、面白い仕事なので、つい引き受けてしまうのです。


ということで、久しぶりに更新させていただきます。

どうも、誤解を招くような書き方をしたみたいです。

19世紀ギターを選ぶのは、100人に1人と書いたのは、ギターを弾いている人が
100人いると、1人くらいが19世紀ギターに興味を示して、弾いてくれるでしょうか?

と書いたので、聞くほうの人が、100人に1人しか興味を示さないとは書かなかったのですが。



ギターを弾いている人の多くが、ピアノや管楽器などもやっていて、普段からギター以外の音楽も
よく聞いて、演奏会などにも足を運ぶ人が沢山いれば、19世紀ギターにも関心を持ってもらえると
思います。

でも、ギターを弾いている方は、モダンギターを弾いて、モダンギターのCDやモダンギターの
演奏会によく行く方が、多いのではないでしょうか?

プロと限定しなくてもよいかもしれませんが、ギターのプロで19世紀ギターを弾いている
演奏家は5人もいないように思います。〈モダンも19世紀ギターも弾いている人を
含めるともっと多いと思いますが)

それに比べて、ギタリストと呼ばれている人は、何百人いらっしゃるのでしょう。

演奏会に足を運ぶ人、特にCABOTINさんの演奏会には、普段モダンギターの演奏会
には、行ってなさそうな、お客さんが多いように思います。

聞くほうの方,聴衆の方は、ギターだけでなくピアノも、ヴァイオリンもオケも
聞きに行く方が多いでしょう。

そうなると、音楽的な表現が出来る、19世紀ギターを選ばれる方も多いように思います。

実際、CABOTINさんのリュート組曲のCDは有名な女流演奏家のCDより多く売れた時期が
あるそうです。

ギターはソロで音楽が完結する楽器でもあるので、合奏をあまりしない。
アンサンブルの経験〈他の楽器との)が少ない。
歌やフルート、ヴァイオリンなどの伴奏をする機会も少ない。
〈音量の関係もあるのでしょう)
これも、ギターで作る音楽がギター音楽になってしまって、音楽から離れてしまう
原因のひとつでしょうか?


モダンギターのように低音がボンとなって、それだけでも気持ちが良くなるような
楽器だと、自分の演奏に酔って,音楽などは関係なくなるのかも知れません。

それに比べて、19世紀ギターでは低音に酔うことは出来ないので、
モダンギターの魅力を、低音に感じている人には、弾いてみようとしないのでは?
と感じることがあります。


でも、19世紀ギターのオリジナル(価格が高くなって,手に入りにくいのですが)
や 比較的値段の安い、1900年前後のパーラーギターには、経年変化と
弾きこまれてきた魅力的な音、立ち上がりの良さ、濁らない和音、早いパッセージを
弾いても決して団子にならない。といった、ヴァイオリンだと何百万何千万円 出さないと
手に入らない楽器と同じレベルの音がするのです。

その魅力が分かれば、19世紀ギターを弾いてみようとするギタリストが増えると思うのですが。

どうでしょうか?


私には、もう少し時間がかかりそうな気がしますし、時間が経っても
100人いれば10人が弾いてくれればよいように思ったりします。

そこで、私は19世紀ギターの利点を持ったモダンギターを作りたいと思ったのです。








  1. 2013/10/31(木) 00:34:52|
  2. ギター
  3. | コメント:0

コメントをいただいて お礼とお知らせ その他

本当に長いことブログの更新が出来ませんでした。

コメントを沢山いただいていて、その返事も出来ませんでした。
申し訳ありません。

いつも、忙しくしているのですが、この秋は特別にこの日までにこの仕事を片付けなくては
いけない、と言う仕事が多く、更新が出来ませんでした。

まず、プチ・ジャンの修理に関して、19世紀ギターについてのコメントを沢山いただきました。
ありがとうございました。

私自身、演奏を聞いたり、楽器を触らせていただいて、弾かせていただくだけでなく、実際に
修理をさせていただいて、その構造、材質、楽器の持つ魅力を知ることが出来た楽器は
20台くらいかな?と思います。

幸い、CABOTINさん始め、沢山 19世紀ギターを持ってられるギタリストの方とも
知り合いになり、多くの楽器を見せていただいたり、聞かせていただきました。

でも、25年ほど前になると思うのですが、(20年ほど前だったかもしれません)
地元、篠山のログのホールでCABOTINさんのお弟子さんたちも含めて、10台以上の
19世紀ギターを使っての、演奏会がありました。

中に、1台だけモダンギター、と言っても古いドイツの名器で、とてもしっかりした良いギターでしたが、
19世紀ギターの中に混じると、音がびっくりするほど湿っていて、音も前に出てきません。
楽器が鳴っていないのです。

その楽器を演奏したギタリストは(もちろん19世紀ギターも弾かれました)「こういう結果が出る事を
予想して出したのです。19世紀ギターとの違いが分かると思って」と話されていました。

しかし、お客さんの中のプロではない、ギター愛好家の「やはりモダンはいいね!」と言う言葉を
聞いた時は、驚きました。

あれほどの差があっても、モダンギターが良いという人がいるのだと、いう事を今でも、
忘れることは出来ません。

同じように、モダンギターを弾いている人で、19世紀ギターの良さが分かってくれる人は
あくまで、私の感覚ですが、100人に1人くらいかな?と思っています。

じろうさんが書いてくださったように、音量より〈側鳴りの音量ですが)基音のしっかりした
19世紀ギターの方向にギターが進んで行くようには、私には思いにくいのです。

モダンギターを弾いている、一般的なギター愛好家にとって、あのボンとかボワンという倍音の多い
ぼけた低音に魅力を感じている人も多いように思います。
また、色んな倍音が着いた、少しあつかましいような高音とか。

最近流行の中南米音楽も19世紀ギターでは演奏しにくいかもしれませんし。

私は、19世紀ギターの延長線上の,私が作っているようなギターが
ギターのあるべき姿ではないかと、思って作っています。
このようなギターを知っていただきたく、このブログを作りました。


その楽器を見ていただく機会です。

11月の7日から11月12日まで 午前11時から20時まで
〈初日は13時から、最終日は19時まで)

場所は 大阪北区中崎西町にある 「中崎町ホール」です。

「まち デコール ~木工家フェア」と題して木工展が開かれます。

ガンバやリュートなども出展しますが,ギターも3台か4台出します。

ラブレボットのバスバーを基にした、61センチの弦長のギターや、
標準の64センチギターも出展します。

お時間と興味のある方はどうぞいらしてください。

img126.jpg


あと、おまけですが 私のもう一台の車 日産セレナも20万キロを越えました。
セレナも,30万キロは走ってくれそうです。

カローラは31万6千キロを越えました。

131011_2159~01


  1. 2013/10/18(金) 22:27:43|
  2. ギター
  3. | コメント:3

2万アクセスありがとうございました。そしてプチ・ジャン

いつも忙しくしているのですが、今年は特に忙しくしていて、ブログの
更新が遅くなっています。

更新しないといけないと、ブログを見るとアクセス数が2万を超えていました。

こんな地味で、良く分からないブログを読んでくださって、本当にありがとうございます。

ギターのことを私なりに考えようとして、このブログを始めましたが、
材料、構造は大体終わったのですが、いろいろと書く事が出て来て、
製作編に入るまでに時間がかかってしまいました。

製作編をそろそろ始めないといけないと思うのですが、
この秋の忙しいシーズンが終わった頃に、このブログを始めた
趣旨の内容 製作編を書き進めたいと思っています。

モダンスペインギターの制作方法とまったく違った、制作方法を書かせていただきますので。


それと、ギターの修理も増えているのですが、今回、とても美しくて
修理に手間のかかった楽器が、出来上がりましたので、こんな仕事も
やっていると言うことで、紹介させていただきます。

フランスの名器のプチ・ジャンです。


UNI_0159.jpg


ネックが少し起きてきていて、指板を削らないといけなかったのですが、


UNI_0156.jpg

この写真のように、象牙と黒檀で指板が装飾されているので、削ると象牙も黒檀も
無くなってしまうので、細い部材を作って、元と同じような装飾にしました。

フレットもいつものように、打ってから仕上げることが出来ませんから、長さを合わせて
仕上げてから打ち込みました。

また、表面板の装飾も長い間に、磨り減っていたので、昔の職人さんに負けないように、
細い筆で、色を合わせて、細い線を復元しました。



UNI_0157.jpg


音は19世紀ギターの音ですが、もっとのびやかなふくよかな音になりました。


少し、更新のペースは遅くなると思いますが、これからもよろしくお願いします。



  1. 2013/10/01(火) 00:35:36|
  2. ギター
  3. | コメント:6

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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