古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

弦のびびり、さわりについて

最近沢山のコメントをいただいて、ありがたく思っています。

ついうっかり、演奏のことなどもコメントのお返事、お礼として書かせていただきましたが、
演奏する立場でもないので、楽器を作る上で、演奏をどのように考えているか
を書かせていただこうと思います。

と言うことで、今回は楽器の(弦の)さわり、びびりと言ったことを書かせていただきます。
コメントをいただいたなかに、CabotinさんLuthierさんがそのことを書かれていましたので、知っていることを書かせていただきます。

さわりと言うと、私たち日本人には、三味線のさわりがすぐ思い浮かびますが、三味線のさわりは
比較的新しいものだと言うことを聞いています。

大阪音大の音楽博物館にも寄贈された、沢山の三味線があるのですが、ここのコレクションの中にも
古いものには、さわりが無いものがあります。

三味線の専門家に聞くと(大阪音大の先生ですが、もちろん三味線の高名な演奏家です)、
古い三味線かどうか見分けるのは、さわりがあるかどうかだそうです。
(念のため、ネットで調べましたが、何処で探してもこのような説はありません。
 皆、三味線にはさわりが付いているもので、沖縄の三線、中国の三線が日本(堺)に伝わって、
 日本の三味線になった時には、さわりが付いていたという様な、説明です。
 これも、古い三味線など、自分で調べずに、皆が言っていることを、
 同じように言っているだけなのでしょうか)
 

それに比べると、ヨーロッパではもっと古い時代から、さわりのある楽器は多かったようです。

1600年代に良く使われた、フレミッシュバージナルに、弦を留めている、ヒッチピンの近くに
ブラスで、フックのようなものを付け、必要のあるときにはそれを、弦にすれすれに当てて、
ビビル音が出るように、する機構のものがありました。

CDでもたまに、この音が入っているものがあります。

ハープも、ゴシックハープには弦の一番端、響板に近いところに、L字形のフックのようなものを
付け、これも必要なときに弦にかすかに触れるようにして、さわりのような音を題していました。

以前、頼まれて作ったルネサンスドラムも、スネアーのように、裏側にガット弦を張って、
ビビル音を出していました。もちろん、ペグが付いていて、弦を緩めて、ビビリ音が出ない
出ないようにも出来ます。

リュートも、竹内太郎さんが、オリジナルのリュートと同じように、弦幅の狭い
弦高のとても低いリュートを作ってもらったそうですが、慣れてくるととても
引きやすい楽器になったと書かれていました。

このような、弦高の低いリュートもさわりのような、音でも演奏されたのでしょうか?
私のギターも弦高は低いのですが、さわりのような音では弾いていません。

トロンバマリーナも面白い楽器ですね。

音楽学者のクルト・ザックスさんがルネサンス時代は「空前絶後の楽器の種類の多い時代だった」
と言われていますが、ルネサンス時代にあって、その後の時代にはなくなってしまった、楽器も
多くありますが、なくなっても、何かの楽器に形を変えているものが多いと思います。
でも、トロンバマリーナはどの楽器にも、なっていないようです。

大阪音大博物館にも、オリジナルのトロンバマリーナがあるのですが、音が出なくて
何とか、音が聞きたいということで、調べたことがあります。そして、
分厚い1冊の本が見つかりました。
トロンバマリーナの駒だけの本です。

弦楽器のように、弦が張ってあって、弓で弾くので、駒があるのですが、弦の振動で、駒の足が
表板をたたくような構造になっています。

ですから、駒はとても重要な部品です。

ですから、何百種類の駒のデザインが残っているようです。
と言うことは、当時は沢山使われていたということでしょうか。

音源もかなり少なく、録音では、デビット・マンロウのLPくらいでしか、
聞いたことはありません。

今回はギターから少し、離れたようですが、ヨーロッパと言うと、ギターやヴァイオリン
ピアノのように、さわりとは縁が無い楽器ばかりだと思われているかな?
と思って書かせていただきました。

(三味線などは私の専門外なので、見聞きしたことを書かせていただきました)





  1. 2013/01/29(火) 19:33:25|
  2. ギター
  3. | コメント:7

セゴビアさんの右手について

セゴビアについて

HSPTさんから、コメントをいただきました。
貴重なコメントで、このブログを書かなければ、聞けないお話でした。
ありがとうございます。

短いコメントで、うっかりタレガさんとセゴビアさんを
同じような扱いにしてしまったようで、申し訳ありません。

確かに、私はセゴビアさんの生の演奏は聞いたことがありません。
ギターを弾いていて、ギターに興味があったのが、2年くらいですから、
その時にはセゴビアさんの演奏を聴く機会が無かったと思います。

でも、今から35年ほど前にレーザーディスクが出て、モンティベルディの
オルフェオを見るために、まだ高いレーザーディスクを買いました。

マリア・カラスのLDなど1枚17000円する時代でしたが。

沢山買ったLDのなかに、セゴビアの映像もありました。
今なら、ユーチューブで見ることが出来ますが、当時は貴重でした。
〈同じLDにマリア・アンダーソンの歌が入っていて、これを見るために、
聞くためにも買ったのですが)

さまざまな角度から、右手左手が写されていました。

HSPTさんがおっしゃるように、タレガさんとは違って、手首はほとんど曲げていませんでしたね。

少しひねって、リュート奏者のタッチの反対側が弦に当たるように弾いてられました。
結果的には、弦に直角ではない奏法でしょうか?

でもそんなことはセゴビアさんにはどうでも良いことだったのでしょう。
正確に、いつどの本で読んだかは覚えていないのですが、セゴビアさんが
「良い音が出るのなら、足で弾いても良い」というような意味のことを
言われていたと、読んだことがあります。

実は、ギターはセゴビア奏法でなければ、ギターではないと、
いう話を、読んだ後でしたので、ついコメントのようなことを書いてしまったようです。

セゴビアさんは、自分の奏法をセゴビア奏法とは呼んでいなかったでしょうね。


私達は,LPやCDでしか、聞くことは出来ませんが、1937年のハウザーを使うまでの、
マヌエル・ラミレス(サントス・エルナンデス改)の音は、とても硬質で、響きも少ないです。
ハウザーに持ち替えてから、響きも、つやも付いてきた様に聞こえます。

セゴビアさんはトーレスを使っていませんね。
トーレスでは大きな会場での使用、セゴビアさんの作る音楽には合ってなかったのでしょうか。

ハウザー3世の面白い話があります。
〈現代ギター No 562より)

セゴビアさんは1924年に始めてミュンヘンに来た時、セゴビアさんはスペイン的ではない音を
求めていたそうです。
スペインギターの低音にウイーンのギターの持っている透明さを求めたそうです。

ハウザー1世に バランスの良いギター、大きな会場でも通る音、正確な音程
分離の良い和音 を求めたそうです。


ハウザー1世は1924年に注文を受けて、1929年に完成させたのですが、そのギターを
セゴビアさんは裏板を明けさせ、表板のバスバーのV字形のバスバーを外すように指示したそうです。

そして、要求どおりに作ったギターは結局リヨベートのところに行ったそうです。

1937年にやっと、セゴビアさんの気に入ったギターが出来ました。
1960年まで使われたぎたーは、今はメトロポリタン博物館に入っていて、
弾くことも出来ないそうです。ハウザー3世でも。

ただ、この楽器と1937年まで使っていた、ラミレスのギターの詳細な図面手にはいります。
私も持っています。

ラミレスのギターは表板がとても薄く、元々11弦のギターだったので、リュートのように
作ったのでしょうか?

それに比べて、ハウザー1世のギターはとても、表面版が厚いのです。
おそらくギターの中で一番分厚いのではないかと思います。

セゴビアさんの演奏を見ると、かなりブリッジ寄りで弾いています。
HSPTさんのおっしゃっているとおり、あの大きな、力も強いと思われる右手で
弾いているので、しっかりした音がするのだと思います。

ハウザー1世さんも、スペインギターよりも多くのウイーンタイプのギターを作っていたから
このようなギターが出来たのでしょう。

ラミレス3世さんのことも詳しく、記事にさせていたこうと、準備していますが
楽器製作だけでなく、修理のことも、調整のことも、ヴァイオリンのことも、音楽のことも
絵のことも良く知ってられるので、セゴビアさんに合ったギターを作ることが出来たのだと思います。

セゴビアさんが、ハウザー1世さんに要求したことが、私の考えるギターでもありますので。

HSPTさん ありがとうございました。









  1. 2013/01/27(日) 03:16:29|
  2. ギター
  3. | コメント:7

リュートの右手について

この頃、沢山コメントいただいてありがとうございます。
本当に、しっかり読んで下さっていることを実感します。
読んで下さっている方にも、ありがとうとお礼を申し上げます。

LUTHIERさんからいただいたコメントのお返事、コメント欄では書き難いので、
記事にさせていただきました。

後出しジャンケンのようですが、私がつい、そんな人はいないでしょう?
と書いた、リュートを弦に直角に弾くギタリストの方のことですが、
当然、爪で弦を直角にはじくと、弦が同時に鳴らずに、時差が起こってしまいます。
そして、リュートの細い弦を、響きも倍音も付けずに、鋭い音で弾いている方が
結構いたのです。その音はリュートの音でも、楽音でもないと思っていました。

その方々には、リュートは2弦を同時に弾きたい、そして指で音を作っていかなければ、
ただの鋭い、とても音楽が表現できる音ではないので、と説明させていただいていました。

私もリュートを始めた40年程前には、リュートの先生もいませんでしたので、
当時の絵を参考にするしかありませんでした。

当時、雑誌・・・ギター芸術、現代ギターなど・・・は、切り抜いてスクラップ帳に貼り付けていました。
今でも、そのスクラップは残っています。

その中とか、持っている本の中から、リュートの右手が分かる絵を見ていただこうと思います。
LUTHIERさんのおっしゃっているような絵から見ていただきます。

img757.jpg


私が見た中では、最も弦に直角です。
でも、この絵の右のチェロ奏者は調弦中です。
かつらをかぶった立派な紳士が、この当時本当にリュートを弾いていた紳士なのでしょうか?
手前にはバロックギターが合って、ヴァイオリンもあります。
絵的になかなか面白い構図です。

かなり写実的ですから、長時間モデルとなった方は同じポーズをとられたことでしょう。

リュートも高価な楽器でしたし〈バッハの遺品目録を見ると、高価なヴァイオリンの何倍もしています)
バッハ自身もリュートだけは弾けなかったと言っていますから、本物のリュート奏者を何時間も
モデルとして使ったのかな?と言う疑問がありました。
私も20歳までは絵を描いていましたら。

次に

img758.jpg


この絵も比較的弦に直角です。

アーチリュートのようで、単弦のリュートのようです。
単弦なら、ダブルの弦の時差が起こらないので、この右手の位置でも演奏は可能かな?
と思いますが、この女性はリュート奏者なのだろうか?と言う疑問は残ります。
かなり写実的ですから。でも、他の楽器は本当に演奏できる人の構えです。

次は有名なカラバッチォの絵です。

img759.jpg


非常に細かいところまで描かれています。
私も彼の絵から、ヴァイオリンの弓を作ったことがあります。

この絵でも、手首は曲げていません。いわゆる、タレガさんの右手とはフォームが違うようです。
左手は、ありそうな和音を押さえていますが、楽器の配置や、あらぬ方向を見ているリュート奏者など
絵的に面白いものを狙っていると、私には思えます。
でも、単弦なので演奏は可能です。

img766.jpg


この楽器も単弦ですが、調弦中です。
私もアーチリュートではこのポジションで調弦します。
この女性がリュート奏者かどうかは別にして。

img767.jpg

この絵も、かなり直角です。

隣のガンバ奏者は右手の弓の持ち方がありえませんし、左手の6弦のハイポジションの
位置は、ガンバでは絶対に使わないポジションです。
このガンバ奏者は演奏は出来ない人だと思います。

この女性だけがリュート奏者と言うことは考えにくいのです。

img769.jpg


この奏者は かつらもかぶって、立派な音楽家のようです。
左手もフォームもリュートフォームですし。弦も複弦です。
でも、この絵でも手首は曲げていません。

LUTHIERさんがおっしゃるように、後期の絵では比較的弦に直角に近い
角度の絵が多いようです。

でも、私達は最初ルネサンスリュートから入りました。

ご存知のように、爪が無いとかなり深く弦を捕まえないと鳴りません。
また、複弦を同時に鳴らさないといけない、と言うことから次に
見ていただく絵が参考になりました。

爪を使うかどうかは、大きいことですが、ガット弦を日常的に使っていますので
〈ガンバ弾きでもありますので)爪を使うことは、弦の消耗を考えると
使わないほうが、自然かな?と考えます。音的にも太いしっかりした音がします。
ナイロン弦に比べると、ガット弦は指頭でも弦を捕まえやすいのです。
逆にプレーンなガット弦は爪を使うと雑音が出ます。

20年ほど爪を使わないで、リュートを弾いていましたが、仕事では爪が無いと不便なので
伸ばしはじめました。

でも、よくギターも弾かせてもらって、松村さんなどには嫌がられていたな、と思います。
指頭でモダンギターを弾く人はいなかったので。

と言うことで、


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これらの絵は、始めに見ていただいた絵よりは、古い絵です。
リュートもルネサンスリュートのようです。

ルネサンスの頃のリュートは、今のピアノとギターを合わせてくらいに重要な楽器だったと思います。
それに比べると、バロックの後期では、チェンバロなどに比べて、弦の数も多いことなどから、
少しマイナーな楽器になっていたと思います。
〈あまり人の目に触れなかった?)

ですから、ルネサンスの頃のよく使われていた頃の、演奏する姿もよく見られた頃の絵を
演奏の参考にしました。
絵も、エッチングとか後期の写実的な絵に比べると、短時間に書くことができるような絵が多いので、
モデルが持たなくても、演奏できる人がリュートを持って、描かれたかもしれないと考えたのです。
また、リュートも沢山使われていたでしょうから。

そして、実際に演奏をしてみて、これらの絵の演奏方法が、楽器も持ち易く(後期の絵には
机の角でささえたり、テーブルの上においている絵もありますが)演奏しやすく
リュートの音も、イメージに近かったのです。
爪を使わないと、必然的に駒の近くを弾かないと音が出にくいので、
弾くポジションの問題はありませんでした。


LUTHIERさんに反論しようとか、自分の考えを書かせていただこうとか、
でなく、40年も昔にどのようにして、リュートを弾けばよいのか?
と考えていた頃の話ですので。

イエペスさんの演奏は聞いたことがありませんので、何もいう資格は無いのですが、
イエペスさんは爪を使って、ナイロン弦のリュートを使ってられたと思います。

昔の、当時のリュートの響き、音とは違うような気もするのですが。

どうでしょうか?


最後になりましたが、21世紀の絵です。

友人の絵ですが、この一枚を描くのにどれだけ長い時間
モデルさんに座ってもらわないといけないのか、聞いていますので。・・・・・・


img774.jpg








 
  1. 2013/01/27(日) 02:05:01|
  2. ギター
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ギター演奏法 特に右手

以前から思っていたことですが、ギターの右手の角度の問題です。

クラッシクギターを弾いている人で、モダンスペインギターを使っている人
〈ほとんどのギター奏者はそうでしょうが)はタレガの写真とか、セゴビアの演奏している
写真や動画で見られるように、右手首を曲げて、右手が弦に対して直角に弾くのが本来のギター
演奏だと言う方が、いらっしゃいます。

そして、カルバレーロ奏法とか、リュートのように右手首をあまり曲げずに、弦に対して
斜めに構えている、演奏法はギター奏法として、邪道である、間違っているとも言われます。

はたしてそうなのでしょうか?

ルネサンス・ギター、バロックギター、ソルの頃まで使われていた複弦6コースギター、
などは、弦に対して直角に弾くと、弦が複弦の楽器は音がばらばらに鳴るので、不可能です。
〈リュートを弦に対して直角に弾く馬鹿・・おっと失礼・・人はいません。
バロックギターなどもそうです。ストロークと爪弾きを多用しようと思えば
弦に対して斜めの構えになってしまいます)

19世紀ギターは楽器によって差はあると思いますが、音がクリアーで倍音も少ないので
斜めに構えるほうが良い音がするように思います。

長い歴史の伝統的な奏法は、斜めに構えるほうだと考えられます。
ちょうど、ギターがスペインの楽器であるとの認識がそうでないように。
〈と私は思っています)

タレガさんや、セゴビアさんの奏法が出てきたのは、
トーレスさんが、演奏している本人が楽しい楽器、倍音が多くて、いろんな音が含まれている
サロンなどで、取り囲んだ人が楽しめる楽器にしたところから始まったのではないかと、
思っているのです。

1音で、倍音も多く、いろんな成分の音が入っていて、少し其音が少なく
周りの輪郭がはっきりしない、モダンスペインギターだと弦に直角に構えて
音の芯を作ったり、音の輪郭を作らないと、いけなかったからタレガさんはあの
構えを始めたのではないかと思っているのです。

こんなことを書いたのは、私のギターを見てくださる、ギタリストの方の演奏法でした。

私の楽器を評価してくださるギタリストは、左手がしっかり押さえられている方が多かったのと、
右手がセゴビア奏法でない方が多かったように思います。
そのほうが、いろんな音が出せますし、いろんな音楽が表現できるように思います。

もちろん、ギターもリュートも弾かれる方は気に入っていただいたようです。

モダンスペインギターの弾いている人が満足する、厚みのある少しあつかましいような
音もたまに弾いてみると良いのですが、音楽的な演奏〈ギター音楽でなく)を求めると
私が作りたいようなギターが私には合っているようです。

ギター以外の和声楽器と言えば、ピアノ、ハープ、チェンバロなどですがピアノも20世紀の巨匠
達が弾くピアノ、そしてエラールやプレイエル、ベッヒシュタイン、などの名器はもちろん音は
ぼけてはいませんし、和音も濁りません。

仕事中に聞いている音楽も、私の好み、私の作りたい楽器に影響しているのかもしれません。


ギターはギターでなくてはいけませんが、その前に楽器でなくてはいけないと、考えています。
あくまで、私の考え、私の好みです。



  1. 2013/01/24(木) 13:46:09|
  2. ギター
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弦長 59センチのギター完成


弦長 59センチのギター が完成しました。

と言っても私が作ったのではなく、お弟子さんに私の図面を渡して
細かく指示させていただいて、出来た物です。

          UNI_0071.jpg

もちろん左の楽器です。右は私の標準の64センチのギターです。

大きさは、私の64センチの標準のギターを92%に縮小したものです。
弦幅などは、ほぼ64センチのものと同じにしています。

指の太さは、180センチある外国の方でも、私より指が細い人もいますから。

出来た楽器ですが、とても良い楽器で、予想通りの音がしてくれました。

ボディが小さいと言っても、19世紀ギターよりは大きいので、鳴る面積が大きい
私の設計では、充分使える低音が出ると思っていました。
結果もそのとおりでした。
6弦をレ まで下げると、更に響きも増し、しっかりした音で鳴ってくれます。

むしろ、高音、中音に弦長の短さの問題があるようでした。

1,2,3はゲージが選べる フロロカーボンにしました。

1弦は 0.62ミリ (14号) 2弦は 0.74 (20号)を張っていましたが
0.78 〈22号)に。3弦は 0.84 〈26号)を 0.91(30号)に張り替えました。

低音弦は プロアルテ〈ダダリオ)のエクストラ・ハードテンションです。

弦高は最初、1弦側 12フレットで2.0ミリ6弦側で3.0ミリだったのですが、
それぞれ、0.2ミリずつ上げました。

弦長が短いのですが、音の立ち上がりは、楽器が軽い(950グラム)こともあり、
問題なかったので、弦長の短い、テンションの低いことが、良いほうにまわり
減衰がとても長くなりました。徐々に音が小さくなって、減衰すると言うより
ほとんど音の大きさが変わらず伸びていきます。
そして、テンションが低いのでビブラートもよくかかります。

音も、弦が太いと言うこともあるのでしょうが、太い音がします。

モダンスペインギターではない、私の目指している分離の良い、
クリアーな、其音がしっかりした音が、全弦、開放弦から19フレットまで
鳴らない音や、鳴りすぎる音も全然無く、どの音をとっても、同じように
鳴ってくれます。

これは楽器全体が鳴るということで、特定の音が特定の振動に合って、
鳴りすぎたり、鳴らなかったりする、ウルフを発生させないからでしょうか?

沢山の楽器を弾かせていただきましたが、名器といわれる楽器でも、多少は
鳴る音、鳴らない音、ウルフがありましたから、演奏してもとても使いやすい楽器
になってくれました。

そして、演奏してみて、左手の楽さにびっくりしました!

何のストレスも無く、無理して拡げることをしなくても、指が届くのです。
今まで無理だった、和音も弾けます。

大きな手の、慎重が180センチ以上ある人は、こんなに楽に弾いていたのだと、
これにも驚きました。

まるで、今までは、100メーター走で10メーターくらいハンデがあった感じです。


私のような、身長167センチくらいだと、ぴったりです。
ドイツのミハエル・コッホ さんの理論は合っているようです。

でも、やはり弦長が短く、太い弦を張りましたので、少し
改善の余地はありそうです。

そこで、楽器を見ていてあることに気が付きました。

ブリッジの位置です。

私の楽器も一応モダン楽器です。
モダン楽器の創始者のトーレスさんの呪縛に囚われていたようです。

下の図面はトーレスさんの標準的な楽器の図面です。

img754.jpg

ブリッジ位置が二つ書いていますが、上のものがトーレスさんの位置です。
右斜線のものが、ほぼ下部ボディの一番膨らんだ場所にブリッジを持ってきた物です。

トーレスさんは楽器を大きくしたいが、弦長は650mmにしたいと言うことで、
ブリッジ位置を少し上げて、解決したのだと思います。

ブリッジから、エンドブロックまでの、距離が大きくなるので、強度不足から、vの
バスバーをつけ、エンドブロックを大きくしたのではないかと思うのです。

でも、19世紀ギターはほとんど例外なく、ボデイの一番膨らんだところに
ブリッジを持ってきています。

一番大きな面積の中心だと、市場の大きな面積を鳴らすことが出来ると、
普通に考えるとそうなりますね。

トーレスさんのブリッジ位置です。

img755.jpg

そして、私の考えるブリッジ位置です。

img756.jpg


このほうが、楽器として自然な位置だと思います。

と言うことで、次回の楽器はブリッジ位置を1センチ下にずらして、
弦長を61センチにしようと思います。

ボディサイズは変えずに。

そうすることによって、弦のゲージを選べる範囲が増えますし、
楽器が更に鳴ってくれると思います。

59センチから61センチになりますが、標準的な65センチに比べると
4センチ、私の楽器からも3センチ弦長が短くなりますので、59センチよりは
指を拡げなくてはいけませんが、そう無理なく弾けそうです。

61センチを作って、結果を見て 60センチか60.5センチくらいがベストとなるかもしれません。

普通弦長を短くすると、低音や音量が減るので、ボディは大きいまま弦長を短くしているのを
見ますが、どうしても音がぼけます。
私の作りたい音とは反対になります。

小さいボディで弦長が短いほうが、締まった音になります。
更に、小さいボディのままで、弦長を長くすれば、更に締まった音に鳴ってくれると思います。

また新しい楽器が出来れば、報告させていただきます。




  1. 2013/01/24(木) 11:25:19|
  2. ギター
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ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ


タイトルだけでは何のことか分かりませんが、
音楽、演奏に関することです。

すこし、誤解されそうなところもあるので、時間があるときにブログにさせていただこうと
思っていましたので、この時期になりました。

私は、楽器製作が専門なので、音楽に関しては素人です。
でも、仕事中は音に関する仕上げとか、調整以外はずっと、音楽を聴きながら仕事をしています。
音も、来た人が皆感心されるほど、歪もなく聞きやすい音で聞いています。

聞くだけなら、音楽家以上に聞いているかもしれません。音楽家は演奏をしないといけないので
聞いてばかりは出来ないでしょうから。

ということで、音楽に関して少し書かせていただきます。

昨年、西垣さんに一番新しいギターをゆっくり弾いてみたいからと言われて、
ギターを持っていって、いろんな曲を弾いていただいて、感想をお聞きした時のことです。
(ギターに関しては以前のブログに書かせていただいています)

生徒さんに 長いこと、「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ」ばかりレッスンしている人がいて、
その生徒さんが「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ ばかりやっていますが、なにか役にたつのですか?」
質問してきたそうです。
それに対して、西垣さんは「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ が弾ければ 何でも弾ける」
と答えたそうです。

私もそうだと思いました。

私が最初にギターを習った先生は 渡辺範彦さんを育てた、「植木義法」先生です。
(植木先生のことは私のHPで詳しく書かせていただいています)
渡辺さんや1年少しでコンクールで1位になった、平島謙二さんを育てた方法も
西垣さんに近い方法だと思います。

まず単旋律で、音楽を作れるようにする。

先生の奥さんは声楽家だったので、「ギターは旋律楽器なので、歌うことが一番大事」
ということで、お家に遊びに行くと、沢山ある歌やチェロなどの旋律楽器のLPで聞かせていただきました。
それも、先生が作られた、素晴らしいスピーカーに、アンプ、ターンテーブルで。
(そのおかげで、私も最初のオーディオは自作のアンプ、スピーカー、ターンテーブルでした。
先生に作り方も教えていただいて。学生だったのでお金はないが時間はありましたから)

単旋律の音楽を、正しいリズムで、そして音をつなげること、音に隙間が相手もいけないし、
ダブってもいけない。それは、歌だとありえないことだから、と教えていただきました。

最近、私にもガンバのお弟子さんが出来ました。もちろん演奏の。
その方に、ヨーロッパの歌の女王と言われている、ナナ・ムスクーリの禁じられた遊びや
アルハンブラの入ったCDを聞いてもらって、このように歌ってください、と言ってました。
そうすると、西垣さんも同じように、ナナ・ムスクーリのcdを聞かせているとのことでした。
ムスクーリのアルハンブラのようにギターが弾けたらなあ!と思ったのが最初でしたら。

単旋律の曲が終わると、また長いこと、2声の曲を勉強します。
ギターの方で、2声の曲が2声になっていない演奏家が多いように思います。
他の楽器ではあり得ない事なのですが。

もちろん、大きな音で、また綺麗な音で。
小さな音だと、ごまかしてしまうから、基本は大きな音で。
大きな音で汚い音だと自分でも気づくでしょうから、まず大きな音で弾くことを教わりました。

単旋律や2声が終わると、もう難しい曲に入ります。

それこそ、西垣さんが言われる、「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ が弾ければ 何でも弾ける」と同じこと
です。(西垣さんが言われていることは少し違うかもしれませんが、私はこうとりました)

よく弾いた曲が ヴァイスのファンタジアです。

この曲でも、声部の弾き分けを更に習います。

私が今も、ほとんど練習もしないで、あつかましく人前でリュートやガンバ、ギターを弾いて
られるのは、「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ」のような曲を長いこと教えてもらったからだと思います。

リュートの曲や演奏会で弾かれる曲は、ギターのテクニックで言えば、かなり初心者の曲も
プロが人前で弾いています。
ギターだったら、「そんな簡単な曲だったら、金返せ」と言われそうな簡単な曲です。

それが成り立つのも、「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ が弾ければ 何でも弾ける」理論が
あるからでしょうか?

ギターの人に比べて、簡単な曲でも歌っている人が多いので、聞くほうはそれで充分満足できるのです。
後は、楽器の魅力も手伝っているからなのでしょう。

最近、やっと 無線ランを使い始めて、仕事場でもユーチューブが見れるように、
聞けるようになりました。

CDが発売されていると、買うことが出来ますが、CDは出していないが、聞いてみたい演奏家の
映像が結構沢山あります。

仕事しながら、聞いていると(もちろん外部スピーカーで音は良くしています)
「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ 」が弾けていない演奏家が多いのに気がつきます。

音楽的なことでなくても、左手が動いていなくて、大体のところを押さえていて、
なんとなく、音が出ている演奏家も多いようです。
私は昔から、「音は左手で作るもの、音楽は右手で作るもの」と思っていました。

名前がまだ出ていないが、もっと出て来ても良い演奏家と言われている演奏家も
聞くことが出来ました。
でも、出てこれない理由が不自然な音楽とか、しっかり音が出ていないとか、にありそう
な人もいました。

4部音符から8部音符になったり、16部音符になると早くなる。
アマチュアでも良くあることですが、プロの方でも、そんな方がいます。

たとえば、カバティアーナで上降する音形では早くなり、下降する音形では
インテンポになる人とか。

ユーチューブにアップしているので、自分でも聞いているのに、分からないのかな?
と思ってしまいます。分かっていれば、アップしないと思うのですが。


いろんな話をしていて、演奏と楽器製作に共通していることも、再認識しました。

西垣さんが演奏で大切なことは とにかく大きな音が出ること
(これも誤解がありそうですが、もちろん綺麗な音で、中身のある、左手もしっかり押さえられている
  事などは前提条件ですが)
聞いている人に聞こえなければ、いくら良い演奏でも聞こえなければ、何にもならないから、と。

西垣さんから楽器について最も大事なことは、と聞かれて「良く鳴ること」と答えました。
これも、ただ音がが大きいだけはないことはお分かりだと思います。

本当に鳴らないギターや、鳴らないチェンバロ、鳴らないガンバ、鳴らないリュート
などが多いと思いますので、「まず鳴ること」と答えました。

ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ を満足に弾けない演奏家も問題かもしれませんが、
ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ がちゃんと、弾けるようなギターを作って行きたいと思っています。

少し、演奏家でもないのに演奏のことを書かせていただきました。














 
  1. 2013/01/11(金) 19:25:24|
  2. ギター
  3. | コメント:13

弦の話(昭和20年代)

やっと、8日の深夜にガンバが完成しましたので、ブログを書かせていただいています。
前回のブログは12月に演奏会が沢山あって、リハとか本番中にパソコンで原稿を作っていたので、
アップすることが出来ました。

昨年の1月からブログを始め、1年が経ちました。
沢山の方に呼んでいただいて、ありがたく思います。
しばらく、続きますので、よろしくお願いいたします。



私は皆さんご存知だと思うのですが、ギター以外の楽器も作っていますというか、
ギターは4年ほど前から作り始めました。

10代の頃に1台は作りましたが、これは現代ギター社のキットですから、組み立てたと言ったほうが
正しいかもしれません。

演奏は20歳前から始めましたので、45年くらいになりますし、岡本一郎先生や、福田進一さん、
稲垣稔さんなど沢山のギタリスト、松村さんはじめ、多くのギター製作家の方とは、
ギターは作っていませんでしたが、40年近いお付き合いをさせていただいていました。

でも、ギターだけを作っていたのではないので、ギターだけを作ってきた方とは、知識や情報量が
違うと思いましたので、手に入るギター関係の本は出来るだけ、手に入れ、順番に読んでいっています。

その中で、アリアギターでおなじみの、荒井貿易株式会社 創業者 荒井史郎さんの
「ギターに魅せられて」は昭和22年以降の日本のギター事情が分かる、貴重な本だと思い、
読み進めています。私とは対極の方だとは思いましたが。

基本的には、ギターで商売というか、ギターを作り、売り買いした方なのですが、
最初はギターの愛好家でした。

この本の中で、一番興味を持ったのは、昭和27年にオーガスチンがナイロン弦を発売するまでの
ガット弦、というかギター弦のことです。


昭和27年までのクラッシクギターはガット弦を使っていました。
今でも、バロック楽器のヴィオラ・ダ・ガンバやバロックヴァイオリン、バロックチェロなどは
ガット弦を使っていますし、ハープもペダルハープと呼ばれている、大きなハープはガット弦を使って
います。アイリッシュハープと呼ばれている、少し小さいハープも人によっては、ナイロン弦でなく
ガット弦を張っています。

この荒井さんの本の中で、ガット弦1セットが給料の1か月分に相当し、耐久力が弱く
何日も持たない。
練習用にはもったいないので、セミガットと呼ばれる、シルクを撚り合せた代用弦が
使われたそうです。でも、ガット弦に比べると、比較にならないほど貧しい音だった
と書かれています。

そして、ガット弦は1弦だと、せいぜい5,6時間しか持たず、太い2弦、3弦でも
2,3日しか持たないと書かれています。

更に詳しく、ガット弦の値段も書かれていて、荒井さんの給料は2000円で、1弦は
300円、セットで1800円もしたと。ちなみに、メーカー、ブランドは ピラストロ社
のオイドクサだそうです。
今の価格にすると、セットで15万円くらいですか。
1弦だと、2万5千円くらいでしょうか。

演奏会ではガット弦を使って、直ぐに弦を外して、しっけないように缶に入れて保管した
そうです。
低音弦もシルクのフィラメントにニッケルシルバー(フレットの材質と同じです)
を巻いているのだが、これも4,5日弾くと巻き線が切れて、使えなかったそうです。

練習用の、セミガットについても詳しく書かれています。

よく切れる1弦で、10円(と言うことは今の価格で800円くらい)これが、1日で切れてしまうので
毎日1本ずつ必要、そして2弦3弦は2,3日もったとのこと。
巻き弦も4弦は3日で、5弦は5日、6弦は1週間使えたそうです。

ですから、楽器店に弦を買いに行く時は、1弦は20本ずつ買ってられたそうです。

よく練習された方だったと思うのですが、この文章を読んで、「なんとガット弦はよく切れるのだろう、
そんなに切れるのなら、やはりガット弦は使えないな!」と思われる人も多いと思います。


でも、現在私達が使っている、ガット弦はハープ用の弦を使っていますが、少し細いゲージだと
7月に張った弦が11月でもなんともありません。
8月にお渡しした東京の方も、まだガット弦が使えるので、使えなくなったらフロロカーボンの弦を
試してみます。とのことです。

低音弦も シルク芯にニッケルシルバーより柔らかい純銀巻きで同じように、数ヶ月もっています。
音は張ったときに比べて、少し鈍くなった感じもしますが、その分落ち着いた音になっています。

低音弦、巻き線については芯のシルクが切れなければ、ナイロン芯の弦と同じくらい
長持ちすると思うのですが、荒井さんの場合はシルク芯が切れるより、巻き線が切れると
書かれています。

また、代用弦のシルクの撚り合せた糸は、三味線の弦として今も使われています。
試しにガンバに張っていますが、ギターよりはるかに高いテンションで3ヶ月張りっぱなしですが、
全然切れそうにもありませんし、音も変化がありません。

それにつけても、不思議に思うのは、ハープは今でもガット弦を使っているように、当時もガットが当たり前
でした。
何故、ハープの弦を使おうとしなかったのでしょうか?
弦の値段も安かったと思いますし、はるかに長持ちしますから。
(もちろん、その頃は円安で、1ドル360円の時代だったかな?
と思います。ですから、輸入された弦等はとても高かったのは分かりますが。)

ハープの弦のテンションはギターよりはるかに高いです。
フレットがない分、消耗が激しくないからだと言われそうですが、ハープもギターより弦をはじく力は
はるかに大きいです。

ここで、ハープの弦のテンションを計算します。
計算式は私の昨年11月18日のブログに載っていますので。

ギターの1弦と同じ高さのハープの弦は、直径 1.30ミリ(もっと太い弦のメーカーもあります)
長さ 47センチで周波数は 320.63ヘルツ ガット弦の比重を1.30とすると

15.65キロになります。
ギターの1弦は高くて8キロぐらいですから、ほぼ倍です。

ハープは弦がグランドハープ(ペダルハープ)になると、46本ほどありますから
弦だけで、ギターの感覚で行くと、90万円くらいになります。
それが毎日切れていると、とても演奏どころではありません。

ハープの弦だけでなく、1弦だとバトミントンの弦もギターの1弦には使えます。
これも、ギターの弦に比べると、はるかに安いと思います。
当時でも、バトミントンやテニスはやっている人はいましたから。

ハープの弦、バトミントンの弦はコーティングしているから、長持ちすると思います。
今でも、プレーンなガットを輸入して自分でオイルコーティングしている人もいます。
私のHPでリンクしている、「手作りガット弦のすすめ」のように、手作りしなさいとは
言いませんが、私がリュートを始めた40年ほど前でも、西宮の仁川でガット弦を作っている
人がいて、ガット弦を作ってもらっていましたし、関西だと姫路が革製品の一大産地で、
膠も最高のものが作られています。当時だと、ガット弦も作っていたと思います。
ガット弦の材料の牛の腸(ガットは羊の腸を撚り合せたものと言われていますが、ピラストロ社も
サバレス社もガットの材料は牛です。牛のほうが丈夫ですから)も今より、品質が良かったと思います。
餌も環境も今より良かったと思われますので。

シルクで弦を作っている三味線や、お琴の弦メーカーさんの話では昔に比べて、はるかに材料となる
シルクの品質が落ちていると言ってられました。

最も、材料が沢山必要な弦はコントラバスですが、これも輸入品だと、とても高いので
国内で作られていました。このメーカーに作ってもらうとか、考えられなかったのかな?
とか、色々考えてしまいます。

今の時代だと、ギターの1弦に使える、ガット弦は 700円くらいですが、円安を
考えると、2500円から3000円くらいしていても良いとは思います。
今でも、ガンバの1弦はほぼ2000円から3000円しますので。
当時のギターの1弦は給料の5分の1くらいですから、今だと。2万5000円くらいですから、
よくギターを弾く人がいたな!と言うのが率直な感想です。

昭和27年以降、ナイロン弦が出現して、驚異的な安さと品質の均一性でギターブームに
繋がっていったと思います。
逆に、ナイロン弦がなかったら、ギターブームもあったかどうか、分かりませんね。

取り留めのない話になってしまいましたが、先生に習っていると、教えられたとおりに
ギターにはピラストロ社のガット弦を張るように、練習用にはセミガットを使うように
なってしまうのかな?と思いました。



  1. 2013/01/11(金) 17:51:23|
  2. ギター
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読み物 ギターの歴史


読み物 ギターの歴史


モダンスペインギターについて、いろいろ書いていくと、
ギターはスペインの楽器で、伝統的にスペインとギターは切っても切れない関係にあり、
スペインこそがギターを生み育てた国である。
との認識がモダンギターを本来の姿から少し変えてしまったのでは
ないかと思えるようになりました。

これも、私の知識不足とか、深く考えていないからとか、
思い込みかもしれませんので、おかしなことがありましたら、
指摘くださるようお願いします。

なるべく資料を基に客観的に書かせていただこうと思っています。

ギターの歴史について、古い時代から書いていくと、
それこそ何冊かの本になってしまうでしょうし、何年かかるかもしれません。
私は学者でもありませんので、そんなことは出来ません。
どのようなことを書いても違う考えの方もあるでしょうし。
また、時間をかけて調べてもこのブログの主旨から外れそうです。

そこで、ここではギターの形が現れた、ルネサンス、バロック期そして、
19世紀ギターのことを書かせていただきます。


ルネサンス時代のギターは、どんな楽器でどんな国で使われたのでしょうか


よく知られていることは、ルネサンスギターは今、
ハワイでよく使われているウクレレの先祖だと言うことです。
かなり以前、学者さんが時代も地域も違う、
ウクレレとルネサンスギターが同じ調弦なのは不思議だ。
と言っているのを聞きました。

弦の数も、4本(ルネサンスギターは復元なので4コースですが)で、調弦も同じです。
でも、ウクレレは、ルネサンス時代にヨーロッパのルネサンスギターが
東南アジアを伝ってハワイに伝わったものと考えられています。
ですから、ルネサンスギターは今のウクレレのように、
主にストロークで和音をかき鳴らす奏法の楽器でした。

イギリスではシターンがその役目もしたようですが、
リュートが王侯貴族、上流階級の楽器だったのに対して、
庶民の楽器がギターだったようです。

間違ったことが言われているのが、ギターの前身楽器がリュートだったということです。
リュートもギターもルネサンス時代から共存していました。
そしてそれは、住み分けがありました。
庶民の楽器と言うだけあって、今のフォークギターのように、
散髪屋さんで待っている間、ギターを弾きながら待っていたと言う話もあります。

では、この頃のギターはどんな国で使われていて、どんな作曲家がいたのでしょう?
モダンギターでも弾かれるご存知の作曲家では、残念ながらほとんど、
ギターのための 曲は残っていません。
例外的に アドリアン・ル・ロワそして、ギョーム・モルラーユくらいでしょうか。
この二人とも、フランスの作曲家ですがフランスでは1550年以降ギターがもてはやされ、
出版もかなりされたようです。

ですから、16世紀はフランスがギターの国だったと言えます。

そして、ギターについては、ロンサールの詩にも、
マ・ギタール(わがギター)として登場します。

フランス以外の国では、その代わりに、リュートがそして、
スペインではヴィウエラが多声楽器として用いられていました。

ヴィウエラをこの頃のギターとしてしまうと奏法でも音楽的にもかなり違いもあるので、
また、弦の数も6コースで12弦ですので、形の違ったリュートとするほうが自然です。

リュートもこの頃は6コースの楽器が多く使われていました。
ドイツのハンス・ノイジードラーのリュート教則本はドイツタブラチュアで書かれています。
このタブラチュアを見ると、5コースまで、それぞれの音に一つずつ
記号が与えられていますが、6コースは後から付け加えたので、
記号に下線を付けて、表しています。

リュートの作曲家では、

ハンス・ノイジードラー(ドイツ)1508~1563
ヴィセンシオ・ガリレイ(イタリア)1520~1591
F・カローゾ(イタリア)1527~1605
ジョン・ダウランド(イギリス)1563~1626
フランシス・カッティング(イギリス)?~?

そして、スペインのヴィウエリスタ

ルイス・ミラン(1500?~1586)
L・de・ナルバエス1510?~?)
A・ムダラ(1510?~1580)
あと、生没年が分かっていないのですが、出版年を書くと
エンリケ・デ・バルデラバーノ(1547)、ミゲル・デ・フェンリャーナ(1554)、
デイエゴ・ピサドール(1552)、エステバ・ダサ(1576)などがいます。


次にバロック時代はどうだったのでしょうか

ギターは4コースから5コースになりました。
でも、ここで1コース増えますが、リュートのように低音弦が単純に
増えたわけではなさそうです。

バロックギターの作曲家としてよく知られている、
フランスのコルベッタ、ド・ヴィゼーなどは、5コースがオクターブ上に、
つまり最低音は4コースのレ です。

スペインのサンスなどは、4コースもオクターブ上がって、3コース
3弦のソが最低音だったようです。

ですから、バロックギターの曲をモダンギターで弾くときに、
6コース、6弦まで使っている楽譜は、本来の音でないのです。
でも、それでは、モダンギターとして音楽が作りにくいので、
本来はオクターブ上がった音をオクターブ下げているのだと、
思っていただいていれば良いように思います。


そして、この頃の作曲家はどうだったのでしょう?

フランス

ロベール・ド・ヴィゼー(1650~1725)
太陽王ルイ14世お気に入りの作曲家

イタリア

F・コルベッタ(1620?~1681)
R・ロンカリ(?~?)

チェコ

J・A・ロジー(1650~1721)

スペイン

G・サンス(1640~1710)
サンティアゴ・デ・ムルシア(1714 出版)

ルネサンスと違って、ラスゲアード奏法だけでなく、リュート的な爪弾き奏法も
取り入れられ、5コースギター特有の音楽が生まれました。

博物館などで見られる美しい楽器に、ギターラバッテンテと呼ばれる、裏板が
膨らんだギターがありますが、バッテンテは打ち叩くの意味があるので、
ラスゲアードが多用されていたことを示していると思います。

古典時代

ギターはいよいよ6弦(6コース)の時代に入ります。
調弦も今のモダンギターのように、6弦が一番低い調弦が一般的になりました。

この古典時代も、ギターが盛んに使われたのは、特に1760年以降のパリでした。

研究した結果ではないのですが、有名なフェルナンド・ソルのグラン・ソロは
6複弦のギターのための曲だったという事を聞いたことがあります。

運動性や、時代の好みからいよいよギターも現代のギターに近い、
6単弦のギターが登場します。
これも、1780年前後からフランス、イタリアあたりで始まったと言う説もあります。

でも、1799年に出版された、イタリア人の(スペインで活躍)
フェデリコ・モレッティは単弦ギターの教則本で6単弦の優位性を説いています。

ただ、同じ1799年に出版されたフェルディナンド・フェランディエレは
複弦ギターの教則本ならびに曲集です。

19世紀初頭には、スペイン、イタリア、フランス、オーストリアなど
でギターは単弦という形が定着したようです。

ということで、この頃活躍した作曲家は

イタリア

フェルディナンド・カルリ(1770~1841)
フランチェスコ・モリーノ(1775?~1848)
フイリッポ・グラニアーニ(1767~1812)
そして
マウロ・ジュリアーニ(1781~1829)
マテオ・カルカッシ (1792~1853)
ルイジ・レニアーニ(1790~1877)

とそうそうたる顔ぶれです。

スペイン

フェルナンド・ソル(1778~1839)
ソルはスペイン、バルセロナ生まれだが1813年以降はパリで活躍し、
パリで亡くなっている。
ディオニシオ・アグアド(1784~1849)

オーストリア

ジモン・モリトール(1766~1848)
アントン・デアベリ(1781~1858)
レオナール・ド・カル(1768~1815)

その他の作曲家
ギターだけの作曲家ではありませんが、ギターを含む室内楽曲を書いた
ルイジ・ボッケリーニ(1743~1805)イタリア
ニコロ・パガニーニ(1782~1840)イタリア
もギター音楽以外でも有名な作曲家ですが、スペインの作曲家ではありません。

ベルリオーズ(1803~1869)フランス もギターを弾いている肖像画があるように、
ギターも演奏したようです。
そして、パガニーニとベルリオーズが表板にサインしたギターも残されています。
このギターはパガニーニが使っていたものをベルリオーズが使った楽器と言われています。

ロマン派時代

この時代も、ナポレオン・コスト(1806~1883)フランス
ヨハン・ガスパル・メルツ(1806~1856)ハンガリー
そして、イタリアのM・A・ツァーニ・デ・フェランディ(1802~1878)
ジュリオ・レゴンディ(1822?~1872)ウイーンで生まれた
レオナルト・シュルツ(1814~1860)などスペイン以外の国で
ギターは用いられていました。

そして、いよいよスペインでのギターの黄金期に繋がる作曲家も出てきます。

ホセ・ブロカ(1805~1882)
アントニオ・カーノ(1811~1897)
フリアン・アルカス(1833~1882)
ホセ・フェレール(1835~1906)

そして、スペインがギターの国と言われる時代を作った、
フランシス・タレガ(1852~1909)が出てきます。
作曲家そして演奏家、またギター以外の曲を素晴らしいギター曲に編曲した功績が、
スペインをギターの国に作り上げたと、私は思っています。

さらに、ギター製作家 アントニオ・トーレスの出現です。
一般的なギターの歴史では、トーレスが楽器を大型化し、
大きな音でホールでの演奏を可能にした、となっていますが、
私の考えでは、(あくまで私の考えです)
ホールでの延達性では、19世紀ギター(パノルモ、ラコートなど)のほうが
はるかに優れています。
特にオリジナルは弾いている本人や、近くで聞いているとほとんど鳴っていないような音ですが、
ホールで聞くと、感覚的には何倍もの、大きい音がします。

ホールで聞くと、チェロかピアノか!と言う音に聞こえたことがあります。
私の耳には5倍くらい大きいと感じることがありました。

客観的な数字ではないのですが、京都バロックザールと言う数百人程度の小さなホールで、
パノルモを使った(パノルモのなかでも特に素晴らしい楽器ですが)
演奏会の2週間ほどあとに、トーレスのオリジナルを2台使った演奏会がありました。
演奏はイタリアの名手です。パノルモは西垣正信さんです。

私は、西垣さんの演奏会は、後ろに近い席で、イタリアの名手の時は、
前列3列目で、中央で聞きました。

同じ楽器(トーレスオリジナル)を、1メーターくらいの距離で
この演奏会の2年ほど前に聞いたことがあります。

その時は、楽器もよく鳴っていて、響きも充分にありました。

ただ、ホールで聞くと、ほとんど聞こえてこないのです。
わずか、4メーターくらいしか離れていないのに。

2週間前の、西垣さんの10分の一も聞こえてきません。
でも、休憩時間に周りの人の反応を聞くと、「さすが、トーレス、ホール中に
響いていたな!」という感想です。

それに、対して私は心の中で、2週間ほど前のパノルモはこの10倍、20倍も鳴っていたのに、と思っていました。

そして、面白い話があります。
両方の演奏会を聞いていた、数少ない友人が「あの楽器の中に、スポンジでも詰めているの?」
と真顔で聞いてきました。
本当にその表現がぴったりの鳴りでした。

同じようなことが、20年以上前にありました。

篠山の小さな、ログのホールでしたが、
10台以上の19世紀ギターのオリジナルを使った演奏会で、
1台だけモダンを使った演奏家がいました。

モダンと言っても年数が経っていて、楽器も鳴っているドイツの、
エ*ドガー・メ*ヒでしたが、ほとんど鳴っていなくて、音が湿っているのです。
この楽器を弾いたギタリストも、結果は分かっていたけど、
その事を実証したかったので使った。と言っていました。

でも、この時も、これほどの差があって、19世紀ギターが何倍も鳴っているのに、
普通のモダンスペインギターを弾いている、ギタリストの耳には
メ*ヒのほうが鳴っているように聞こえる、と言ってました。
先入観は恐ろしいな!と思ったのも、この時でした。

19世紀ギターオリジナルは、経年変化の差があるので、モダンギターのほうに、
ハンディが無ければいけないと考えると、19世紀ギターのコピー楽器
または、19世紀ギターの設計で作られたギターはどうでしょうか?

4年ほど前の話です。

大阪の茨木市でギターフェスティバルがあって、沢山の製作家が展示をして、
展示楽器を使った演奏会がありました。

その時、19世紀ギターを展示して、演奏された製作家は、私と同じ篠山市の
田中清人さんだけでした。

私はなるべく遠くで聞きたいと思ったのですが、
演奏が終わると製作家はステージに上がらないといけないので、
ホールの真ん中の少し後ろで聞きました。

私の耳には、モダンスペインギターの名器より私の楽器のほうがはるかに、
音が聞こえてきました。

客観的な判断として、このホールが、両側側面が真平らで、
これでは定在波が起こりそうと思っていましたが、私のギターの時は、定在波が起こっていました。
それほど、音のエネルギーが届いていたのだと思います。
でも、他のモダンギターの名器でも定在波は起こっていませんでした。

最近、私のギターを見ていただいて、弾いていただいたギタリストの方が、
その演奏会を聞いていらして、
「一番後ろの席まで、19世紀ギターは音が飛んできていました」と話してくださいました。

あくまで、私の感想ですが、ホールでは19世紀ギターのほうがはるかに、
音が大きく客席まで届くと思っています。モダンスペインギターの何倍も
音が通ると思います。音の分離性、立ち上がり何をとっても、19世紀ギターが
優れていると思います。

ただ、演奏している人には自分の音が聞こえにくいのが、
そして低音の響きが少ないというのが、欠点でしょうか。

ここで、トーレスさんが使っていた頃の、ギターを取り巻く環境を考えて見ましょうか。

写真でよく、タレガを取り囲んで、演奏を聴いているサロンのような演奏会を見ます。
タレガの頃に、500人1000人のホールで演奏する機会は少なかった、
いや無かったと思います。

演奏する本人が弾いていて気持ちの良い楽器、小さな空間でよく鳴る楽器を、
トーレスさんは目指していたのでは、ないでしょうか?

確かに、イタリアの名手の演奏を間近で聞くと、素晴らしく良く鳴っています。
そして、本人が言っていたのですが、
「私は自分の演奏に酔わない、客観的に聞きながら演奏している」と、
でも演奏会で聞くと、自己陶酔して聞く人のことなど考えずに、
演奏していると私は感じました。と言うか、そうとしか聞こえませんでした。

最近も、その名手の演奏会がありました。私はもちろん行っていませんでした。

私の楽器を弾いてくださった、前出のギタリストは、一番前で聞いていたそうです。
でも、音がぜんぜん聞こえてこなかったし、音楽も自分が楽しんでいるだけで、
伝わってこなかったと、言われていました。
私もその判断が正しいと思って、聞いていました。

音楽で無く、ギター音楽と言う特殊な音楽だと、私も思っていましたから。
でも、隣で聞いていた人が「素晴らしい楽器で、素晴らしい演奏ですね」
と言ってきたので、「はあ、そうですね」とくらいしか言えなかったようです。

このギタリストの方は、ピアノのコルトーを何万回も聞いているそうです。
そして、同じ演奏会を聞いた友人も、素晴らしい演奏で感激した!と年賀状で伝えてくれました。
普通にギターを好きな方はこの感想なのでしょうか。

ギターの本を見ると、ホールで使えるようにするために、
楽器を大型化したと書かれています。
どの本を見てもそう書かれていると、この考えが刷り込まれてしまうのでしょうか。

演奏家が弾いていて気持ちの良い楽器を作り出した、トーレスさんの考えは
先日,弾かせて頂いた、ハウザー、フレータ、ブーシェさんたちの作った、
名器でも伝わっているようです。
弾いている自分には、ものすごく鳴っていて、よく聞こえるのです。
鳴り過ぎるほど。
でも、演奏会で聞くと、そうでもなくむしろ細い線の楽器に聞こえてきました。私には。

大型化についても、イタリアの楽器でトーレスよりもっと早く、
大型の楽器は作られていました。ただ、モダンスペインギターではありませんでしたが。

トーレスさんは2台と同じ楽器を作っていません。
試行錯誤の連続だったのかと思います。
(でも、私が考えると、前提条件の変わっていないことが、
そんなに沢山の試行錯誤では無かったと思います。)

ですから、彼の作ったギターは全て名器だったと思うのは、不自然だと思うのです。
なかには、すばらしい楽器もあると聞いていますが。

かなり、ギターの歴史から横道に逸れてしまったようですが、この次の時代は、
スペインギターの黄金期になります。

近・現代

タレガの出現以来、スペインではミゲル・リヨベート(1878~1938)
エミリオ・プジョール(1886~  )
ダニエル・フォルテア(1878~1953)
ドミンゴ・プラト(1886~1944)
そして、アンドレス・セゴビアの出現により、ギターの国はスペインとなって行ったと思います。

でも、20世紀にはいるとギターは更にグローバルな楽器となって行くのは、
皆さんご存知のとおりです。

楽器製作でも、スペイン以外の国でもモダンスペインギターではありますが、
沢山作られるようになりました。


最後に

19世紀後半から20世紀前半のスペインでのギターの発展が素晴らしかったので、
ギターはスペインと言うイメージがありますが、
19世紀前半まではむしろ、8スペイン以外の国でよく用いられた、
と言うことを考えていただきたくて、長くなってしまいましたが、
ギターの歴史を少し書かせていただきました。

19世紀ギターの使われていた、1830年くらいまでは、
むしろフランスとかイタリアのほうが、ギターの国だった考えられます。

ギターを作っていた国も、
イギリスのパノルモ、フランスのラコート、イタリアのファブリカトーレ
とこの時代を代表するギターを作っていたのは、スペイン以外だったのです。
スペインにもパヘなど、トーレスに繋がっている製作家はいましたが、楽器が作られて
演奏されていた頻度を考えると、
スペインがギターの国では無かったと思いますが、皆さんはどう考えられますか?

そして、私はルネンサンスギター、バロックギター、19世紀ギターと続いてきた、
ギターの歴史を繋げる、19世紀ギターの延長線上のモダンギターを作って行きたいと考えるのです。
(19世紀半ばに突如出てきた、歴史的にはそれまでの楽器とは関係が無い、
モダンスペインギターではなく。) 

そして、特殊なギター音楽でなく、本来の音楽を表現できる楽器を作って行きたいと考えています。

参考文献

現代ギター社 浜田滋郎・編著 「絵でたどるギター音楽の歩み」

雑誌 現代ギター

その他 
  1. 2013/01/03(木) 12:01:04|
  2. その他
  3. | コメント:10

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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