古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

新しいギターを弾いていただきました。

このギターのことも前回のブログで書かせていただこうと思っていましたが、
長くなりましたので、ここで書かせていただきます。

9月に野村先生に見ていただくために、急遽作ったギター、7月に作ったギターなど
いろんな方に見ていただきました。

9月の楽器は、始め、ガット弦を張っていましたが、バスバーを大きくして、プレテンションが
更に大きくかかるようにしていたこと、そして裏板を更に薄く、2ミリ以下にしたことなどから
フロロカーボンに張り替えました。
もともと軽い楽器で、反応もよく、立ち上がりも良いので、ガット弦の立ち上がりの良さを借りなくても
充分 使える楽器でしたので。
そして、音の芯、輪郭もガット弦が優れているのですが、音の芯とか輪郭も、そのように作っていることや、
野村先生の還元法による処理をしていただいていることから、ガットでなくても良いように思ったのです。

フロロカーボンはガットに比べると、立ち上がりの良さ、音の芯という点では、
少し劣りますが、減衰の長さはガットよりはるかに長いのです。

その結果、1弦、2弦、3弦の音の伸びがとても良くなり、ただ単に音が伸びるだけでなく、
音が膨らんでいくのです。

オリジナルの19世紀ギターで、たまにこのようなギターを見かけるのですが、モダンギターでは
ありませんでした。
声部を弾き分けたり、歌ったりしている演奏家には、とても音楽が作りやすい楽器になりました。

普段、ジョン・ギルバートを弾いている、若手のギタリストの方は、直ぐにこの楽器の特徴を
分かってくださいました。

そして、1942年のサントス・エルナンデス、1959年のハウザー、1964年のフレータ
1979年のブーシェ、とのどから手が出るほど欲しい名器を使ってられるギタリストの方も、
時間をかけて弾いていただくと、だんだんこのギターの良さが分かってくださったようです。

もちろん、私もサントスや、ハウザー、ブーシェなどは弾かせていただきました。
演奏会でもそう思ったのですが、私はサントスが一番好きでした。
19世紀ギターのように、弾いている人にはほとんど帰ってこないのですが、
広い会場で聞くと、遠達性も、音の分離もとても良いのです。

弦長が640ミリで、家での練習用に使っていて、本番に使ったのは、
私が聞いたこの間の演奏会が始めてとのことでした。

確かに、弾いている本人にはほとんど音が聞こえませんから、演奏会で使って
鳴っているのだろうか?お客さんに聞こえるのだろうか?
と思ってしまう鳴りですから。

そして、西垣さんに見ていただきました。

私が奇跡のギターと言っているパノルモやコッフと比べてもらったのです。

その結果は、モダンギターでは決してなかった、音の伸びや音の立ち上がり、
ピアノでの音の頭の雑音のなさがこのギターにはあると,言われました。

そして、この方向で間違いはないので、この方向で煮詰めて行って欲しいとも、
言われました。

私の考えている方向は、間違っていなかったと確信させてくださいました。

西垣さんはお化けギターとも言っている、パノルモ(音が若くて、作られて
10年くらいの音がするのです。そして、限界がないほど、音がいくらでも
大きくなるのです。まさにお化けです。)
そして、妖艶な、つやのあるいくらでも音が伸びていく、音が膨らんでいく、
コッフのギターのちょうど、真ん中のギターだと言って下さいました。

いくらがんばっても、コッフやパノルモのような楽器は作ることは不可能だと思って
いました。作ることが出来るのは、長い時間と良い演奏家の力を借りなければ、
出来ないと思っていたのです。

での、この方向で行けば少しは近づけるかな?と思わせてくれたギターでした。

12月22日はこのギターで、このギターに一番合った、曲を弾いてくださるそうです。
(22日は別の演奏会があって、チェンバロを運んで調律をしないといけないので
当日は聞けるかどうかわかりません)

でも、観客は私一人という贅沢な演奏会を2時間ほど聞かせていただきました。
楽器に合った曲を選んでくださって。

本当に贅沢でしたが、良い経験をさせていただきました。








  1. 2012/11/29(木) 00:14:06|
  2. ギター
  3. | コメント:0

演奏会の感想その他

前回のブログで、自分でよく考えず、人の意見、考えをそのまま自分の考えとしている人が、
多いと書きました。また、自分はそうならないよう、気をつけないといけないとか。
これを読んでくださって、「そのとおり」と言うお電話をいただきました。
同じように思っている方もいらっしゃって、思い出した文章があります。

以前読ませていただいた文章が気になって、ここで紹介させていただきます。
私の尊敬する音楽家の西垣正信さんの言葉です。

世代ね・・・ へんに、、まじめに話をすると、子供の時に老師から
きつく教えられたことがあります。
知識と智慧はちがう、大切なのは智慧。
ただし知識にさえもレベルがある、今風に演奏の立場からいうと
ネットで得たものや居酒屋のオヤジウンチク、これは知識にさえ届かない、
それを人に披歴する下品な人間になってはならない。
こういう下品な輩は現代だけではなくいつの時代にもいることです。
読書から得た知識はそれよりすこしましかも知れないが、
外から得たものとしてはそれほど違わない。
智慧のある人と一緒に修業して教えられて得たことは、すこし良い。
自分が孤独に毎日修業をして得た知識はもうすこし良い。
しかし、いかにも自分が体得したと思えても
自分の外からやってきた知識と混同していないか? それを毎日
削いでいくことが勉強。
しかし、この段階で演奏をしてもたぶん人の心に届く演奏はないんだろうな~
得た知識や自分が知ったと思うことを捨てたところに
外から来たのではない智慧があって
良い演奏の第一歩なのだろう・・・ぼーと思います。


こんなに厳しく、やってはいけないのが凡人ですが、気をつけたい事だと思いました。


本題の演奏会の話です。

FJ3100070001.jpg

リハーサルの写真ですが、京都の地下鉄の構内での演奏会です。
オーディションに通ると、街角で演奏できるシステムなのですが、
何度かやっていて、良さそうなグループは、もう少しちゃんとした演奏会
を京都市がやってくれるのだそうです。

演奏しているのは、友人ばかりですが、中心になっているのは
30年ほど前に京大でリュートやバロックオーボエ、リコーダー、ガンバなどの
古楽器を演奏する学生が沢山いた時期があって、そのリーダーで
当時はリュートを弾いていた友人です。
50を過ぎてトラベルソを始めて、演奏会をするまでになりました。

ガンバを弾いている方は、もう80歳になるガンバ奏者です。
私が35年ほど前に作った、1号機のバスガンバを使ってられます。
彼女もガンバを始めたのは50歳過ぎてから。
(私のガンバも元気です、ただ、一度だけ修理したことがあります。
それは演奏会で、ガンバを横にしていたところ、子供がその上に座っていて
横板が割れたので、修理しました。さすが、子供でも上に乗られると
壊れます。これ以外は、私のガンバは修理したことが無いように思います)

チェンバロの方も、作曲家でピアニストですが、50過ぎからチェンバロです。

この二人も、80歳のガンビストががんばっているので、80まではがんばろうと
終わってからも話していました。

昼食もとれなかったので、演奏会が終わってから、食事をしていた時に
ガンバを弾いている、80歳の音楽家の手を見せてもらいました。

つやつやして、潤いがあって、みずみずしい手なのです。
20歳代かうっかりすると10代のような綺麗な手をしてられるのです。

ヘンデルの難しい早いアレグロの楽章でも楽々弾けるのが、うなずける
若々しい手をしてられました。

音楽家は皆 綺麗な手をしてられます。

手と頭は使えば使うほど、良くなるのだと思いました。



  1. 2012/11/28(水) 23:28:14|
  2. その他
  3. | コメント:0

弦について その5



弦についてもう少し、書かせていただきます。
弦楽器にとって弦は大切な要素ですから。

以前も、ヴァイオリンやチェロの弦について書かせていただきましたが、
今回は、ハープやマンドリンの弦の話です。

今も修理で預かっている、90年ほど前のグランドハープや
長いこと預かっている、修理のマンドリン、ヴァイオリンの話です。

今の日本では、私のようなやり方は非常にまれなほうだと思うのですが、
いろんな楽器を作って〈と言っても、時代は限られていますが)
いろんな楽器の修理をしていると、その楽器だけを扱っている製作家
演奏家には、見えてこない事もあります。

そのひとつが、弦です。

ハープもグランドハープ、(ペダルハープ)でもアイリッシュハープでも、
ガット弦を使ったり、ナイロン弦を使ったりしています。

最高音に近いオクターブだけ、ガット弦では切れやすいので、
ナイロン弦にしている人もいます。

でも、最低音に近いところは、巻き線を使っています。

その巻き線の張力が、とてつもなく強いのです。
ハープが壊れる原因の多くが、この巻き線の
異常な張力によることを感じます。

今預かっている、グランドハープの表板の写真です。

UNI_0057.jpg


UNI_0058.jpg


写真では写真では分かりにくいかもしれませんが、低音の巻き線部分で表板が膨らんでいます。

また、弦の圧力に負けて、象牙の補強部分も割れています。

音も、ガット弦から巻き線巻き線に移ると、「ゴーン」と言う金属音がします。
まるで、自動車でも吊り上げるのかと思うほど、強いテンションです。

芯線を細くして、ガット弦に近い音にするか、芯線をガットにしたり、
ガットでは切れやすいのだったら、芯線をナイロンとかフロロカーボンにすれば良いのにと思います。

弦メーカーも沢山あるようですが、みな同じ感じの弦ばかりです。


次に不思議に思うのが、マンドリンの弦です。

古楽器の世界では、撥弦楽器のほうが、擦弦楽器よりテンションが小さいほうが常識です。
リュートとガンバは同じ調弦ですが、〈テナーリュートとテナーガンバを比べた場合です)
テンションはリュートのほうがはるかにゆるいです。

ヴァイオリンはモダンのスティール弦でも、25キロから27キロくらいです。

マンドリンではもっとテンションが低くてよいように思います。
おまけに複弦ですし。

マンドリンの張力に関して、本などでも、記述が無いので
ネットで調べると、130キロ、140キロ最も大きい数字では
150キロと言うのもありました。

モダンチェロでも70キロ程度です。

チェロの2倍もあるというのが、通説のようです。

でもそんなにあるのでしょうか?

手元の、ヴァイオリンの弦 ピラストロやサバレスの 1弦,E線は
ほぼ、0.25ミリでした。
マンドリンの弦もほぼ同じです。

実際に計算してみました。

スチールの比重を7.85としました。
正確な秤があれば、実際の重さを量ればよいのでしょうが、そう大きな差は
無いと思いますので。

そうすると、E線で 7.5キロ,A線で5.7キロくらいです。
弦のゲージを測ってみてもほぼヴァイオリンと同じですので、
ヴァイオリンと同じくらいと考えても良いのではないでしょうか。

平均値の25キロとして複弦なので2倍にしても50キロです。

大きく見積もっても、60キロにはなりません。

マンドリンの張力が140キロとか150キロと書いている
ところでは、多くのところで、ギターの張力は60キロとなっています。

もちろんギターの張力は40キロ前後です。

誰がマンドリンの張力は140キロも150キロもあると言い出したのかわかりませんが、
こんなことが今の時代多いようです。

自分で調べずに、考えずに人の言っていることを、そのまま自分で考えたように
言ってしまうことが。

私もこんなことが無いように気をつけないといけませんね。

と話が逸れましたが、私もマンドリンの古名器〈何百万もするヴィナッチャやエンベルガー
新しいところでも,ジェラとか)を大修理した時、これらの名器だともっとテンションの
低い弦を張ったほうが、良いだろうと思うことが多かったです。

でも、テンションの低いマンドリンの弦と言うのはなかなか無かったです。
私の探しようが悪かったのかもしれません。
低いテンションのマンドリンの弦をご存知の方はお教えねがえませんでしょうか。
よろしくお願いします。

現在作られている、マンドリンはしっかり作られているので、このぐらい
テンションをかけないと鳴らないのでしょうが、もっとテンションが低くても
鳴る楽器を作ることが出来れば、もっとマンドリンの人口も増えるように思います。
あくまで、私の考えですが。
人一倍丈夫な指を持っていると思っている私でも、マンドリンは弾けません。
修理が終わって、弦を張っても私の限界は、3度下くらいまでしか上げることはできません。
でも、修理が終われば本来のピッチに上げないといけませんが、異様な張力に
いつもドキドキしながら、すごいストレスを感じながら、ピッチを上げています。

ひとつの楽器だけを作り、またひとつの楽器だけを演奏していると、
その楽器の世界だけの常識でいろんな判断をしてしまうように思います。
結局は音楽なのですから、他の楽器を聴いたり、見たりすることは大切だな、
とよく思います。








  1. 2012/11/18(日) 03:20:28|
  2. ギター
  3. | コメント:0

弦について その4


三味線の糸が来ました。

ギターの1弦に使えるかもしれない、15-3(ギターでいう1弦の一番細い弦が
三味線では3の糸です。15は太さを表しています。厳密に言うと、
太さではないのですが、便宜上 太さとして使わせていただきます)
と、ガンバ族の中で一番高音楽器の パルデッシュ (トレブルガンバ、ソプラノガンバ
の4度上の楽器です)の1弦がガット弦でも 0.40ミリくらいで、とても細くて
(ガット弦の製造では、製造できるほぼ一番細い弦です)よく切れるので、
これに使えないかと思って、12-3の糸を取り寄せました。

結果として残念ですが、ギターの1弦に使える弦はありませんでした。
(釣り糸では、道糸として、1号以下の糸ばかりでしたので、三味線の糸しか
可能性は無かったので)

天理で手に入った、常盤の 15-3の糸が 0.57ミリで一番太く、
ちくぶというブランド では、15-3が0.45ミリ、丸三ハシモトの
寿糸は 0.49ミリでした。

0.6ミリくらいだと何とか使えると思ったのですが、駄目でした。

2の糸では、太さはあるのですが、撚っているため、雑音がすごくて
ギターには使えません。

ガンバには使える弦が見つかりました。
同じテトロンですが、常盤の糸では弓が滑りましたが、
ちくぶの糸だと、滑らず弓が使えます。

と言うことで、太いテトロンの弦を探すことにして、
とりあえず使える弦を探さないといけません。

よく考えたら、まだ普通のナイロン弦は張っていませんでした。
普通のプロアルテを張りましたが、ガット弦の音を覚えていると、
湿った音で、立ち上がりも悪いので、弦が安定するのを待って、
張り替えました。
テンションはあるのですが、音の輪郭がぼけているのです。
そこで、リュートの弦を張ってみました。
ナイロン素材ですが、リュートで使っても少しははっきりした音なので。

でも、少しは音に輪郭は出ますが、やはり湿っています。

後は、フロロカーボンしかないと思い、

定番の呉羽化学のシーガーを張りました。

12号の0.57ミリです。

張って最初は良かったのですが、張りが安定してきてテンションが出てくると
音がかなり硬く、手触りも固いのです。

そこで、テンションの計算をしてみました。


T=4xmxLxLxfxf

LxLは本当は二乗と書きたかったのですが、変換が出来ませんでしたので
変な式ですが理解下さい。

T はテンション (グラム)
m は1センチあたりの重量を 重力加速度 980cm/s二乗 で割ったもの
L は弦長 (センチ)
f は周波数 (ヘルツ)

0.57ミリのフロロカーボンを1弦に張った場合
弦長を64センチとすると

T= 4xmx64(二乗)x329.63(二乗)

mは 0.0285センチの2乗に3、14をかけて1.80をかけた物を
(比重を1.80として)重力加速度 980cm/s二乗で割ると
0.00000463となります

結果は 8.323kgとなります。
やはりかなり高い数字です。
(ナイロン弦のハイテンションで 0.75ミリ 7.9kgぐらいです。)

10号の 0.52mmを張ると、今度は線が細く1弦だけ音が違います。
ちなみに0.52ミリのテンションを計算すると 6.7kgです。
テンション的には一般的な2弦の5.5~5.8kgに比べると高いのですが、
楽器が鳴りません。

2弦は16号の0.66mmが3弦は26号の0.84mmがぴったりです。

何とか、この2弦3弦に合う1弦は無いかと探していたら、
同じフロロカーボン素材の サバレス社のアリアンスを思い出しました。

張ってみるとちょうど良い音色で2弦、3弦とも合います。

ゲージを測ると、0.61ミリで フロロカーボン100%だと
テンションがきつすぎます。
ギターの弦用に、材質を変えているのでしょうか?

弦を買うときに、ギターショップのアウラさんの弦の注文表に
ゲージとテンションが出ているので、これを参考にさせてもらうと

アリアンスは 0.62ミリで7.9kgとあります。
ところが、カンティガのほうでは同じアリアンスが0.57ミリ 8.6kg
となっています。(私の計算では釣り糸だと8.3kgですが)
〈カンティガは低音弦だけのブランドで1,2,3弦はアリアンスと同じ弦
と書かれています)

手元にあったのは、0.62mmでテンションも適当だったので、
0.62mmのテンション7.9kgのほうでしょう。

0.57ミリと書かれているほうでは、2弦、3弦は0.66mm、0.82mm
で釣り糸の16号26号と合いますので、こちらは釣り糸と同じ材質なのでしょうか。



今まで、ガット弦を使っていて、フロロカーボンを使った感想です。
その差が無ければ、安いし切れないので、フロロカーボンで良いのですが。

弾いていると、むしろフロロのほうがしっかりした音で、音の輪郭もあり
音楽の組み立ても分かりやすい感じます。
ガットのほうがなんとなく、雰囲気は良くて響きもあって、柔らかい感じなんですが、
正面から音が聞けるように、正面でなくても出ている音を聞くように工夫すると、
やはり音の芯があって、中身のある音がしています。
それに比べると、フロロの前に出ている音は、弾いている本人が聞いている音より、
より少しぼける感じです。

でも、フロロはナイルガットもそうですが、音の減衰が長いので、ガットに無い、
利点もありますので、値段などのことを考えると魅力的でもあります。

ここまで書いていて、それなら、サバレスのアリアンスやカンティガを使えば良いでは
ないか?と言われそうですが、私の楽器にはアリアンスの1弦を張ると、
2弦3弦はテンションが弱く感じます。
1弦の音色、テンションに合わせると、フロロカーボンを使ったほうが
バランスが取れるのです。

ギターに限らず、弦メーカーは1弦はかなりテンションを上げて、2弦以降は
ゆるくするのが常識のようです。
特に3弦はどの楽器でもゆるいようです。

フロロカーボンのギター弦については、ほかのメーカーもありますし
また、違う弦も出てきそうですので、楽しみです。

テトロンの弦は、またいつか使える弦が出てくるまで、待ってみることにします。

でも、使えもしない可能性の多い、三味線の糸を取り寄せて、何をしているのかな?
と思うこともありますが、三味線のことや、絹糸のこと色々新しい発見もありました。
そして天理の琴、三弦のお店は、もともとお琴を作っているお店で、
宮城道雄の創作というか新しく彼が考案した琴はこのお店で、作られたそうです。
私も写真で見たことがありますが、最大60弦の
お琴まで作られたそうです。いろんなお琴、三味線のお話を聞けました。




 




  1. 2012/11/18(日) 00:06:12|
  2. ギター
  3. | コメント:1

弦について その3


しばらく、このブログらしい更新が出来ていませんでした。
忙しくしていたこともあるのですが、ひとつ気になっていたことがあって、
その結論が出てから、ブログを書きたいと思っていましたので、更新が
遅くなってしまいました。

気になっていたことは、テトロンについてです。
私も勘違いしていたのですが、ナイロンと言う言葉が、商品名で無いように
テトロンも商品名で無いと思っていたのですが、テトロンはポリエステル樹脂
で、東洋レーヨンの商標名がテトロンだったのです。

三味線の糸や、釣り糸でテトロン素材と書いているので、ナイロンと同じように
考えていました。

といきなり、横道にそれてしまいましたが、テトロンは比重が1.33,1.34
くらいで、ほぼガットと同じなのです。
と言うことは、ギターの弦やガンバの弦に使うと、ガットに近い音がするのでは?
と考えたのです。

戦後、ガット弦が不足して、ギターはナイロン弦に変わりましたが、その当時は
まだ、テトロンは開発されていなかったようです。
1957年にイギリスから東レが技術を導入して、翌 58年からテトロンとして開発して。
1964年から商品として、テトロンが出たようです。

テトロンが開発された時に、三味線やお琴では、直ぐ糸に使われ始めました。

ギターは、もうすでにナイロンの時代が長く続いていたので、テトロンを
使おうとしなかったのでしょうか。
ギターでは、ガット弦の素晴らしさは、使った人しか分からないと思いますが、
戦後、かなり年数が経った、1960年代でも、ガット弦をギターに張っている人は
ほとんどいなかったのでしょう。

(それには価格の問題もありました。三味線の糸は一番細い3の糸だと、テトロンでも
1本100円しませんが、絹糸でも120円くらいで手に入ります。練習用の絹糸だと
80円くらいで安いところでは売っています。
これが、ガット弦だと、バスガンバの1弦が ピラストロで定価 3750円です。
三味線の3の糸に近い、トレブルガンバの1弦で2310円でも長さが半分なので
倍にすると、4620円です。これでは、普段ナイロン弦を使っている人には
とても使えない値段です。
私はハープ用のガット弦を使っていますので、1弦用で700円くらいで買っていますが、
それでも、ギターの弦とか、三味線の絹糸に比べると高いですね)

ですから、新しい素材が出ても、ガットに近い弦を作ろうとしなかったようです。

三味線は今でも、練習用、初心者はナイロン、テトロンでも一般的に絹糸が使われています。
その絹糸に近いものが出来ないかと、糸、弦のメーカーは考えていたようです。
もちろん、三味線の世界では、絹糸が最も音が良いとされていますので。

同じようなことが、10年以上前ですが、ありました。

京大の研究だったと思いますが、弦などに放射線をあてると、ヤング係数や素材の
性質が変わり、三味線のテトロンの糸は、絹糸に近い音がするということで、
直ぐに、三味線の糸のメーカーはこの理論を取り入れ、商品化しました。
手元に、丸三ハシモト株式会社のテトロンの三味線の糸がありますが、
袋には 放射線照射糸 RAY TONE とあります。

また、弦を売っているHPなどを見ても、放射線照射されているので、絹糸に近い
などと書かれています。

当然ギターの人にも、声をかけて、ガット弦に近い音になると説明されたそうです。
でも、ギターの人は関心を示さなかったそうです。
その話を聞いて(私はギターから遠ざかっていましたので)
「なんともったいない話だろう。弦作る最後の工程で放射線を当てるだけのことなの
だから、少しでもガットに近い、良い音がするなら、やってみたら良いのに」
と思いました。

ギターでは、本当に山のように、いろんなメーカーが色んな弦を出しているので、
材質だけでなく、(今でも少しは違う材質の弦が出ていますが、ほとんどナイロンです)
どこか、放射線照射を試してくれるところがありませんでしょうか?

ということで、実際にテトロンの三味線の糸を張ってみました。
(いろいろ探して、天理市でテトロンの糸も揃っている所が見つかりましたので)

常盤と言うブランドの 3の糸の15番です。
ゲージは 0.56ミリと細く、少しテンションはゆるく感じますが、
明るい音で、立ち上がりも良く、ナイロン弦の湿った音はしません。

ただ、ものすごく伸びるので、落ち着くまで時間がかかりました。

同じような弦があったと思い、1弦用のテトロンしか手に入っていないので、
2弦に アキュラ社のナイルガットを張ってみました。

同じくらい伸びて、同じような音です。
ナイルガットもガットと同じ比重で、ガット弦と同じような音がすると言うことで、
作られた弦です。

ガット弦に比べると、倍音が多く、響きが少ない。
基音の量が少し少ない感じですが、音の伸びはナイルガットと同じように、
ガット弦よりはるかに、伸びます。

もう少し張って様子を見ようと思います。

いま、手に入る全ての三味線の糸を注文しています。
これが手に入れば、また、報告させていただきます。







  1. 2012/11/10(土) 11:25:43|
  2. ギター
  3. | コメント:2

至急のお知らせと 演奏会案内の追加

前回 お知らせさせていただいた 11月11日のアンサンブル・シュシュの演奏会
の場所が、大阪南港のサンセットホールではなく 岸和田の自泉会館でした。場所は
 http://w01.tp1.jp/~a114739658/chouchou/PageMill_Resources/zisen_map.gif です。
演奏会の日程だけを聞いて、詳しい場所を聞いていなくて、ご迷惑をおかけしました。

11日の演奏家に行こうと思っている方は、岸和田 自泉会館ですので、よろしくお願いします。

他の演奏会も詳しい情報が入ってきました。

12月22日の西垣正信さんの演奏会は


  img735.jpg


img737.jpg


京都文化博物館 別館ホール 午後6時開演です。


三和睦子さんの演奏会は

img738.jpg


img739.jpg


武庫川女子大学 甲子園会館(旧甲子園ホテル)2013年 1月19日 午後2時半開演 です。


もう終わった展示会ですが、こんな感じでした。


UNI_0042.jpg





  1. 2012/11/08(木) 19:05:26|
  2. 演奏会
  3. | コメント:0

プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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