古楽器製作家の思うこと いろいろ

昔の楽器製作家がそうであったように、様々な楽器を製作しています。そうすると、いろんな楽器の事が良く分かってきます。特にモダンギターについて考えていることを書かせていただこうと、思っています。

疲れました。でも素晴らしい演奏会 その他

やはり、秋は演奏会や色々と行事があって忙しいですね。

前回のブログアップの後からも色々ありました。

まず、演奏会ですが、なかなか出会えない演奏会がありました。

10月24日に行われた、「野村 透さんの長寿を愉しむ会」
野村さんが今年で80歳になるということで、記念のリサイタイルをされたのです。

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そんなに長い付き合いではないのですが、でも30年以上前からでしょうか。

アンサンブル・ピポーと言って、大阪音大の北山先生のところでリコーダーアンサンブルが40年近く前から
ありました。

その創立当時からのメンバーが野村さんでした。
親しい音楽仲間の友人がメンバーだったので、よくお邪魔していました。

昔の、昔の話ですが、その練習場に黒塗りの高級車で運転手付きの
車で来られて、練習が終わるまで車が待っていたこともありました。
かなりの大きな会社の偉いさんと思っていましたが、本当に偉い方でした。

でも、音楽に関しては真面目なアンサンブルの1メンバーでした。

リコーダー以外にも、合唱、指揮と会社員をされながら、幅広い活動をされていました。

当日は、リコーダーでバロックの曲も吹かれるということで、チェンバロを担いで行きました。

ビルの7階ということでお手伝いをしてもらいましたが、お手伝いの方皆さんが、
会社の偉い人ばかりでした。(お客さんも)

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当日の前半のプログラムです。

リコーダーから合唱から、野村さんはもちろん出ずっぱりです。

その他にも、66ページの大きな 「私の合唱遍歴」という本や、京大合唱団の野村さん指揮の
コンクール1位という演奏から、外国での演奏会の録音もCDにされていて、いただきました。

準備も大変だったと思います。

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国内だけでなく外国でも演奏会をされています。それもお人柄から繋がって来るのでしょう。

演奏会が終わって、楽器を積んで帰ると、やはり予想通り 39.1度の熱がありました。

会場でも39度以上はあったのでしょう。

何年かに一度、39度以上の熱を出すことがあります。

睡眠不足と、疲れからで、インフルエンザではありません。

でも、帰りには、普通に餃子の王将で ニラレバと中華丼を食べて帰りました。
39度以上熱があっても普通に食事ができるのが特技です。昔から。

10年ほど 野口晴哉先生の整体を勉強していました。
野口先生の「風邪の効用」という本を読むと、熱のある間は普通に
生活していて良い。でも、風邪の治りかけに平熱より体温が下がることがあるから、
その時は安静にしておきなさい、という事です。
そして、ベテランになるとこの風邪を何時間で経過させて、ついでに体の不調を
直してしまうとのことです。高い熱が出ると、体がリセットされますから。

この日も、朝から熱があったのですが 7時過ぎに出ていかないと演奏会の準備が
出来ませんから、39度ほどの熱があるのは分かっていたのですが、出て行きました。

演奏会が終わってからも、チェロの方と2軒ほど楽器屋さんに一緒に行ったりして遅くなりましたので、
チェンバロは車に積んだままでした。

次の日は、民生児童委員のお仕事で、中学生のジュニアボランティアのお手伝いです。
近くのサービスエリアで共同募金を集めました。

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39度以上の熱が出ているのだから、不参加でも良いのですが、次回のお年寄りの
イベントが演奏会で行けないので、行くことにしました。

でも、この10月25日は 木枯らし一番が吹いて、ものすごく寒い日でした。
2時間半くらいなのでなんとかなると思っていましたが、風がきつくて大変でした。
風邪をひいているときは、風に当たらない方が良いのですが。

帰って熱を計ると、39.3度でした。やっぱり。

流石にこの日は、睡眠不足解消もあって、寝ていました。
(当日は6時に起きて車からチェンバロを下ろしたり、車を片付けたりしていましたし)

そして、素晴らしい演奏会 その2です。

今年で大阪音楽大学が創立100周年ということで、記念のコンサートが 10月28日に
行われました。

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大阪音大の音楽博物館所蔵の、私が22年前にほとんどばらして、大修理させていただいた、
ウイング型のスピネット(1719年 トーマス・バートン作)
と、1790年くらいに作られた、ブロードウッド社のスクエアーピアノを調整調律しました。

フォルテピアノ(オリジナル)とチェンバロは博物館のものではありませんでしたが。

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博物館所蔵の スピネットとスクエアーピアノは10年ほど前にフェニックスホールで使ってから、
ずっと、博物館に収まっていたので、当日ホールの運び込んだのですが、やはり環境が違って
安定しません。

時間が経つと、博物館より湿度が低いのか、ピッチが上がってきます。
それで下げると、今度は照明等で下がってきます。

チェンバロとフォルテピアノは普段この楽器を調律している、ベテランの調律師さんですが、
オリジナルの楽器3台とチェンバロ1台を調律するのは大変です。

なんとか時間のやりくりをして、同時に調律するしかありません。
1790年代のスクエアーピアノは音はよく通るのですが、小さな音で
チェンバロやフォルテピアノを調律していると、自分が調律をしている音が聞こえません。

リハはなんとか乗り越えて、本番は リハが終わって1時間15分くらいしか 調律時間がないので、
スピネットは10分くらいで済ませて、あとは舞台上ではチェンバロとフォルテピアノに譲って、
控え室にスクエアーピアノを運んで、2部の直前に舞台に運ぶことにしました。

スクエアピアノは 弦間隔が狭くて、消音用のフェルトがなかなか入らず、また中腰の姿勢で
調律しないといけないので結構体に来ます。

でも本番は 無事に終わりました。
調律はうまくいって当たり前の仕事ですから大変です、特に古い楽器はいろんなことが起きますので。

調律は専門家でもありませんし、学校で習うこともしていませんので、専門家から見れば
怪しい、と思われるかもしれませんが、年間20回くらいは本番調律をしていますし、
場数は踏んでいるので、いつも何とかなっているようです。

何年かに一度は、調律師協会で専門家の調律師を前に、チェンバロの調律やメンテナンスの話を
させていただいたりしています。

そして、お名前は前からお聞きしていたのですた、演奏は初めて聞かせていただきました。
若い鍵盤楽器奏者の高田泰治さんです。

4台の楽器を弾き分けられたのですが、どの楽器もその楽器が一番鳴るように
弾いてくださいます。調整 調律する人間にとってはとてもありがたい演奏者です。

もちろん、音楽も素晴らしい内容です。

そして、もうひとつ嬉しいことが。
もう一人の調律師の方が、この夏私が作ったチェンバロを気に入られて、外国から来られた
チェンバリストに演奏会で使ってもらったそうです。

調律師の方も気に入られていましたが、演奏家も気に入られて、次の演奏会場から
調律師に電話があって、「やはり神戸の演奏会の楽器は素晴らしかった。この会場でも
皆に神戸のチェンバロは素晴らしかったと言ってる」とのことでした。

沢山の楽器を見ている調律師の方が、気にってくれて演奏会で使ってもらったのですが、
演奏家も気に入ってくれて、次の演奏会場からわざわざ電話してくれたのでした。

それと、最後になりましたが、Cabotinさんのコメントありがとうございました。
実際にギターでの演奏も聞きたいですね。
途中完全に クラフトのグラウンドが顔を出して、すぐに引っ込んだり面白く聞かせていただきました。

それと、前回の楽譜のリクエストがありましたので、アップさせていただきます。

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主よ人の望みの喜びを です。
ドレミ出版の ギター名曲170選 のAグレードから 小胎さんの編曲をベースにさせていただいています。

img050.jpg

こちらも手元にあった、いろんな方の楽譜を参考にさせていただきました。









  1. 2015/11/05(木) 20:19:10|
  2. 演奏会
  3. | コメント:0

演奏会のお知らせ 坂本龍右さん

今回はギターではありませんが、是非聞いていただきたい、リュートの演奏会です。

私が今一番聞きたい、演奏家の一人、坂本龍右さんのコンサートです。

大阪では、千里阪急ホテル クリスタルチャペル 2月 17日(火) 19時30分~
料金は 前売 3000円 当日 3500円です。

龍君コンサート
龍君 2

今、世界的に見ても最も注目される、リュート奏者かもしれません。
チラシにあるように、1994年最年少10歳で山梨の古楽コンクールで本選出場を果たしています。

東大在学中にスエーデンで録音した CDの話ですが、私がとても気に入って、
神戸にあるカフェに紹介したところ、そのカフェではマスターがl気に入って、
毎日、朝から夜まで、彼のCDをかけていました。1年以上だったと思います。
(2年くらいだったかな?)

普通それだけ聞くと、飽きるというか、嫌になるものなのですが、マスターは
リュートを始めたいと言い出し、実際にリュートを始め、レッスンも受けるようになりました。

そればかりか、マスターの大学の先生も卒業してから何年も経つのに、そのカフェに来られていましたが、
同じように、彼のCDを聞いていると、リュートを始めたくなり、リュートを始めました。

そして、坂本君がバーゼルに留学する前に、そのカフェで演奏会を開いてもらいました。
とても良い演奏会でした。

今、2枚目のCDを録音中だそうです。  

演奏テクニック、音楽性だけでなく、とても頭の良い彼が、ものすごい量とスピードで
勉強した成果も聞けると思います。

難しい曲だけを並べた、ギターの演奏会とは違って、純粋に音楽が楽しめると思います。
ギターを演奏する方に聞いていただきたい演奏会です。

 
 
  1. 2015/01/25(日) 22:56:05|
  2. 演奏会
  3. | コメント:0

マスタークラスのご案内

まだ、かなり先の催しですが、受講締切が 今月となっていますので、
案内させていただきます。
申し込みは2月くらいでも良いそうです。
(私はチェンバロで協力させていただきます)

日時 2015年7月25日 午前 10時半~ 午後15時半~
場所 日本キリスト教団 島之内教会

「17世紀歌曲演奏解釈方を探る」

として、ロンドン在住の歌、チェンバロ、リュートの3名の方が講師です。

声楽、チェンバロ、リュートのお三方ですが、チェンバロの方も、リュートの方も
声楽も専門的に修められていますので、いろんな方向からの受講ができそうです。

http://seicentomasterclas.wix.com/seicentomasterclass

で詳しく案内されていますの、興味のある方はどうぞご覧ください。

内容をHPから少し案内させていただきます。

セイチェント
17世紀歌曲の演奏解釈法を探って
ミニコンサート
公開レッスン
講義

 Il Seicento (17世紀)。従来「バロック」と呼ばれてきた時代の始まりにあたるこの世紀には、後の音楽のあり方に多大な影響を及ぼした数々の出来事が起こりました。宮廷の余興としてフィレンツェで誕生したオペラは数十年のうちにヴェネツィアの商業的劇場で一般公開されたばかりか諸国に輸出され、世紀後半にはフランス語によるオペラも確立されます。また、現在、バロック音楽のシンボルと目される通奏低音の方法論も17世紀に導入され、続く150年ほどの間、作曲上の基礎として発展していきます。17世紀に活躍した作曲家(モンテヴェルディ、カヴァッリ、パーセル、シュッツ、リュリなど)の楽曲の多数が現代の演奏会に於いても重要なレパートリーとなっていることを鑑みてもその重要性がわかるでしょう。

 しかしながら17世紀のレパートリーを実際に演奏する際、声楽家は、テンポの設定、音色、通奏低音との係わり方、発音、さらに歌詞の持つ暗喩の意味など様々な問題に直面することになります。講義と公開レッスンを中心とするこのイベントでは、ヨーロッパで活躍する音楽学者と通奏低音奏者が現存するオリジナル史料を紐解きながら楽曲の歴史的背景を紹介し、歌詞を詩学的に分析し、演奏解釈の方法論を提案します。解釈に焦点を置きますが、講師全員、声楽家としての訓練を受けていますので、テクニック上の助言、また英、伊、仏、独語の歌唱ディクションの指導が可能です。

 このようなアプローチは声楽家や通奏低音を担う奏者だけに重要なのではありません。当時の器楽の一部が声楽曲を編曲したものから発展していったことを考えても声楽曲を深く理解する過程に器楽演奏をより生命力をもったものにするヒントもたくさん隠されているといえましょう。さらにこのイヴェントはスライドを駆使して最新の学術研究を紹介していきますので演奏家だけでなく、レパートリーに興味のある一般愛好家にも知的なエンターテイメントとして楽しんで頂けるように工夫されています。

よろしくお願いいたします。
  1. 2015/01/25(日) 10:32:23|
  2. 演奏会
  3. | コメント:0

今日から九州です。

今日から九州です。
1週間ほど、ブログが更新できないかもしれません。
よろしくお願いします。

23日の 御喜美江さんと今井信子さんの演奏会の報告をしないといけないと
思っていたのですが、どうしようかと思っているうちに日が経ってしまいました。

忙しかったこともあるのですが。

演奏はとても素晴らしく、お二人で出されたCDの内から選曲され、
バッハのガンバソナタも当然ありました。1曲目です。

そして、これは私個人の感想です。あくまで個人的な、感想ですので。

演奏は素晴らしかったのですが、今井さんのヴィオラの音が、
始めて、生で聞いて、冷たい、くらい何も無い音だったのです。
と言うか、楽器が全然鳴っていないのです。

今井さんクラスですから、楽器は良い楽器をお使いだと思うのですが、
駒と魂柱を近づけないといけない、スチール弦の宿命なのでしょうが、
弦の音しかしないのです。

魂柱が近すぎて、表板が鳴っていないのです。ですから、スチール弦の
スチールの音しかしないので、冷たいのです。

モダンの楽器を聴くことは最近少なくなってきましたが、最近でも
一番楽器が鳴っていなかった演奏だったように思います。

何度も、言いますが、これはあくまで、私が聞いた感想です。

他の方は、違った感想をお持ちだと思います。
演奏会の最中でも、「こんなことを考えているのは、私くらいかな?」
と思って聞いていました。

音楽は素晴らしいのですが、途中で帰ろうかと思いました。
(今まで何度か途中で帰ったこともありますが)

でも、御喜さんのアコーディオンの音は素晴らしいので、結局そのまま最後まで、
音は聞かず音楽だけを聞くようにして、いましたが。


それに比べて、25日 近くのデイサービスで、演奏をさせていただいた時は音に和みました。
楽器が、バロックヴァイオリン2台、ガンバ2台、ギターだったのです。

友人のヴァイオリンを弾いている人がよく、老人ホームなどの慰問をしているのですが、
今回は私も誘われて、一緒にやりました。

ボランティアでモダンヴァイオリンの音は聞きたくないので、彼女と彼女のヴァイオリンの先生に
バロックヴァイオリンをお貸しして、そしてエレキギターを弾いている、若者には
ガンバを貸して、弾いてもらいました。

皆、順応性が高いので、直ぐに楽器に慣れたようです。

曲はグリーンスリーブスに始まって、唱歌や流行歌、古賀メロディーや青い山脈まで
最後はヴィヴァルディの四季の冬で終わりました。

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楽器を手にして、3週間くらいですが、普段モダンのスチール弦の楽器を弾いている方たちでしたが、
ガット弦の響きはまた違う魅力があったようです。

ピッチは A=415です。

私はほとんどギターでしたが、とても楽しく音を楽しめました。

では、また九州の報告などさせていただきます。


 
  1. 2013/03/01(金) 16:49:10|
  2. 演奏会
  3. | コメント:2

この時期のホールの湿度と楽器



今月 8,9日と、あまり普段一緒に演奏会をすることがない、
モダン楽器のオケとの演奏会がありました。

それも、学生オケとのコンサートです。
学校の講堂、といっても立派なホールです。

8日はリハなので、空調は点きませんでした。
温度は17度で湿度約40%です。40%を切ることもありましたが、
ほぼ一定でした。
チェンバロのピッチもほぼ安定していて、リハの終わる頃には、ほとんど
調律も狂っていませんでした。

9日は本番当日なので、朝から空調は入れていただいて、明かりも
本番明かりにしてもらっていましたが、モダンの演奏会に良くあるように
明かりを変えたり、スポットを当てたり、いろんな演出がありました。

その関係で、本番明かりも、なかなか決まらなかったのですが、
標準的な明かりで、保ってもらうようにお願いをしておきました。

朝9時くらいから、ホールが開くので、直ぐに明かり空調は入れてもらっていたのですが、
こちらが行った、9時半頃にはまだ、温度は19度くらい、湿度は35%くらいでした。

オケのピッチが、442なのですこし下がることを見越して、443にしておきました。

当日ゲネが始まる、少し前になって、明かりが更に明るくなりました。
聞くと、これが本番明かりだと言うことです。

温度は、ほぼ20度で湿度もあまり変わっていなかったのですが、照明が少し明るくなるだけで、
あっという間に、ピッチが440まで下がりました。
温度湿度は、ほとんど変わらずに、照明が少しきつくなっただけです。

あわてて、とりあえず443まで戻しました。
皆さんもご存知だと思うのですが、低かったピッチから上げると、
もとに戻る傾向がありますので、443の少し高めにしておきました。

それでも、ゲネが始まる頃には、442まで下がっていました。
ゲネが始まる頃には、22度の30%くらいでした。

ゲネの途中は、23度25%くらいで、ゲネが終わって、本番調律に入る頃は
24度の19%まで下がっていました。

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そして、本番 休憩時間では17%まで下がっていました。
演奏会終わってから、見るとやはり17%です。

そうなると、楽器にも当然影響が出ます。
チェンバロを作って、お渡しする時にも、
「湿度が40%を切るようだと、加湿器などで
 湿度を上げてください」とお願いしているのですが、
40%どころではないのですから。

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分かりにくいのですが、響板が少し、割れて開いています。
0.5ミリくらいが長さ40センチに渡って、3箇所開きました。

そして、もともと少し開いていた一箇所は下のようになりました。

121209_1404~02


響板はニスも塗っていないので、湿度の影響は受けやすいので、
湿度20%を切ると、必ず、割れて開いてきます。

3箇所くらいだと、ほとんど音に影響はありませんので、
あわてることはないのですが、2日、3日と続くと割れがそのまま、
定着しますので、気をつける必要があります。

この割れも、湿度が30%くらいになると、元に戻ります。

逆に、この割れを塞いでしまうと、湿度が80%を超えると、
響板が膨らんで、弦が響板、4’のブリッジに当たってしまいます。
そうなると、演奏できませんので、割れのほうが楽器にとっては
まだまし、と言えそうです。

日本で、湿度が20%を切るなど、想像できませんが、ホールでは良くあることです。

ですから、チェンバロを良く使う、バロックの演奏会ではあまり明かりを強くせず、
全体を明るくしてもらうようにしています。

モダンの演奏会では、なかなかこちらも強く言うと、理解してもらえないこともあって、
難しいのですが、開演前の開場して、お客さんが入る時にも、ステージは本番明かりにして
もらったり、ステージを暗転する場合も、チェンバロだけは照明を当ててもらったりは、
お願いするようにしています。

よく、楽器をステージで動かしただけで、調律が狂うと思っている人がいますが、
1000キロ移動しても、温度と湿度が一定だと狂いませんので。

以前の演奏会では、ほとんど10%近いこともありました。

山梨の古楽コンクールに展示で参加させていただいた時も、ものすごく
湿度が低くて、ガンバの音程があわずに、ガンバ奏者はとても苦労してました。
ガンバの場合はフレットがあるので、乾燥するとフレッチングが合わなくなってしまうのです。
このときは、チェロの人がガンバの人の苦労を大変だな!と言ってられました。


本来楽器を演奏するホールが楽器には過酷な条件、と言うのは皮肉なことですが、
更に、条件が悪いと言うか、湿度の低いところが、デパートとホテルです。

日本人は、温度には敏感に反応するのですが、湿度はそうでもないようです。
かなり以前にデパートで、楽器の展示を頼まれたことがありますが、
湿度が10%以下で、楽器も変形してきたので、ガラスのケースに入れてもらって、
10個ほど回りに、コップに水を入れてもらったことがあります。

最近は、ホテルでも加湿器の貸し出しをしているようですが、私はバスタブにお湯を張って
浴室のドアを開けています。

デパートに行って、よく風邪をひいたり、快適な空間を提供しているホテルで
風邪をひいたりするのも、湿度の感覚があまり無いからでしょうか?

それと、最後に楽器を納品したり、持って行った時に湿度計の有無を聞きますが、
よくあるのが、アナログの湿度計です。
見た目は立派なのですが、アナログの湿度計は、取り扱い説明書や解説書を見ると、
プラスマイナス20%の誤差とか、うっかりすると30%の誤差がありますと、
書かれています。

どうしても、アナログの湿度計しかないようだったら、沢山湿度計がある売り場で
標準的なものを選べば良いと思います。

最近だと、ホームセンターでも家電量販店でも1000円から3000円でデジタルの
湿度計が売っています。デジタルだと、安いものでもプラスマイナス5%くらいの誤差ですから、
充分実用になりますので。

楽器を持ってられる方は、湿度計をいくつか持つことをお勧めします。

と言うことで、また次回はギターに戻ります。













  1. 2012/12/13(木) 12:39:49|
  2. 演奏会
  3. | コメント:4
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プロフィール

kogakki

Author:kogakki
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ
と言った、古楽器を仕事として製作して
30年以上になりました。

最近はギターに興味を持っています。
最初に作った楽器は、ギターです。
昭和42年でした。 18歳の時です。

古楽器製作家 平山 照秋 

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